「そういえば、もう1人の娘はどうした?」
じじい、今更その話題をなぜふった。
本当は怖いブラック本丸で双子生活 其の十五
「もうひとりのむすめってなんですか?」
今剣のその言葉に、みんなも同じ気持ちなのか、アタシと三日月を交互に見る。
ちょっと、マジでなぜこのタイミングで言った。
「ん?最初にここに来た時に、主にそっくりな娘がもう一人いたのだが・・・主よ、あの娘はどうしたのだ?」
あーあーあーあーあーあー
はいはい、そうですよ!
その通りですけど、何も今言うことなくない!?なんでこのタイミングなの!?
ほんと、ボケボケだなこのじいさん!天然なのかわざとなのかわからんところが本当にいやだわ!!
ほら見ろ!カオナシ完全に困惑して固まってるし、光忠も「なんで今?」って顔してるよ!!あーもーほんと、なんで今更思い出すかな!?
なんだか、少しざわざわしてるし。
みんなに見られて、答えづらいわ!!
カオナシもおろおろしてるのわかるし・・・カオナシ・・・
なんか短刀達にお菓子を配ろうとしてお盆を持ったまま固まってるカオナシ・・・
うん・・・そもそもそんなの着たいって言い出したきみが悪いんだからな・・・
ややこしくしたのきみだからな・・・
「気のせいじゃね?」
「気のせいではないぞ」
せっかく誤魔化そうとしたのに、即答できたよ。なんなの三日月ってばマジで。
「三日月大丈夫?ボケた?」
「主こそ大丈夫か?確かに仲睦まじい様子で一緒にいたではないか」
せっかくボケ老人として扱って忘れてもらおうと思ったのに、やっぱり駄目だった。
普通に「主、頭がおかしくなってしまったのか?」って心配されたし。
大丈夫だよ!!その娘は確かに存在しているよ!!
でも言うわけにはいかないだろ!!!
必死に誤魔化そうとしたけど、結局みんなが騒ぎ出して、
「もう一人って何?」
「主がもう一人?」
「確かに最初、2人の気配がしたんだよね」
「でもそれってカオナシさんでしょ?」
「どういうこと?」
「もう一人って何?」
なんだか、騒然となってしまった・・・。
三日月はきょとんとしてるから、あれは多分素だな・・・。素で思い出して、素でこのタイミングで言ってしまったんだな・・・。できれば一生忘れてほしかったわ・・・最悪だ。
カオナシ困ってるけど、なんかもう漫画の頭から汗出てるやつみたいの見えるけど、ホントそんな感じなんだろうな・・・。超焦ってるんだろうな・・・。
こっち見てるけど、なんかもう無理だごめん。
もう、めんどい
「うん、実はアタシ双子なんだよね」
そう言った瞬間、カオナシが持っていたお盆を落とした。
お盆の上に置かれていたお菓子は、素早い動きで短刀達が落ちる前に全てキャッチしたから無事だったようだ。
いや、だってもう、なんか誤魔化すのもめんどいよ?きみ、どんだけアタシを巻き込む気だ。
そろそろツッコミもほしいなと思っていた頃なんだよ?
「おお、やはり、そっくりだったのはそのせいなのか」と三日月は笑って喜んでいる。
よかったな!天然じじい!お前のせいで全て台無しだぜ☆
アタシが双子だと言った言葉にすぐに反応したのは、意外や意外、
「会わせてください!!!」
小狐丸だった。
「え、なぜ」
「以前から、おかしいと思っていたのです。もっとぬしさまと呼ぶのにしっくりくる方がいるのではないかと・・・。いえ、貴女のことを認めていないわけではありませんよ?ただ、なんだか、他にもっと違う方がいるような気がしてならなかったというか・・・」
と、野生の勘丸出しの謎の言葉をはいた。
すげーな野生!!確かにこいつ一回もアタシのこと「ぬしさま」って言った事ないんだわ!!貴女とか、あるじどの、とかはあるんだわ。主とは一応認められてるんだわ!!
でもなんか演練上とかで聞いたような「ぬしさま」呼びが一回もなかったの!!
むしろ、長谷部と加州と同じくらい主厨って聞いてたのに、全然寄ってこなかったんだよね!!!どちらかというと、食事作ってるカオナシのところによく出没してたみたいだし、なんか感じ取ってたんだと思う!!
だってさおちゃん完全に狐派だからね!!あの人前世狐だもん絶対!!そりゃ、狐に好かれるわけだわ!!!!ほんとすげーわ野生ゆえ!!!
小狐丸がそういうと、カオナシ大好きの秋田まで
「わー、主君って双子だったんですね!僕も会ってみたいです!!」
と言い始めた。
やめてやれ秋田。
もうカオナシが落ち込んで_| ̄|○ってなってるわ。さおちゃんのSAN値ゼロだわ!光忠もうわー・・・って顔してるわ。
こうなったら、もうみんな「会ってみたい」しか言わないよね。ほんと。
多分、お面なしでこのイケメン集団にあったら、さおちゃん普通に死んじゃうと思うけど、おらは悪くない。
「わかった」
アタシが一言そういうと、歓喜の声が上がった。のと反対に、落ち込んでいる人物が約2名。おいおい光忠、お前ほんといい加減にしろってwむしろお前に神隠しされる危機を救ったから、アタシえらくない????wwww
こうして、さおちゃんと刀剣男士たちを会せようプロジェクトが決まったのだった。
「しにたい」
落ち込みまくってるアタシとは裏腹に、まぁちゃんはのん気にアイスを食べている。
なんということだ。
「ジャージでいいよジャージで、なんで着物着てるのさ」
「いいはずないしょ!!ある意味初対面だし、神様だよ!?」
「大丈夫大丈夫」
「ああ、もうなんかつらい」
「だろうね」
「吐くわこれ」
「じゃあ着物止めろwなんであえてキツイの着てるんだwww」
「いや、審神者と言えば巫女装束だけど、袴着れないし・・・これが日本人の正装でしょ・・・」
「まぁそうだけど、ジャージでも許してくれる神様ばっかりだよ!」
「そういう問題じゃないよ・・・だっておらは・・・カオナシでしたー!って罪を告白しないといけないという苦行もあるんだからジャージでなんていけない。今日私は一期一振に斬られてしにます。」
「大丈夫大丈夫、頑張ってくれ、おらはここで応援しとる」
「え、まって、いっしょにいってくれるんじゃないの・・・?」
「もう巻き込まれたくないwww」
「ちょっと!!待って!!来てよ!!!ジャージでいいから!!!」
「またきみ話さないつもりかい。ちゃんと話してやつらに慣れといでよ」
「ええええ!!!」
「っつーか、正直言うとマジでいけないんだわ」
「妹審神者様は演練の報告書を一切書いていないので、担当官殿からお怒りのお声がかかり、これから電話でその件について説明しなければいけないのです」
「ということなのです」
「何してんの!!!??演練の報告書書きなよって言ったら、書いたって言ってたじゃん!!!!」
「正直、ここまで怒られるとは思わなかった」
「もー!!!バカ!!きみのバカ!!」
「姉審神者様、そろそろお時間です」
「ひえっ・・・」
「んじゃ、がんばっ『PULULULULU』やべぇ、こっちも死亡フラグきたわ。じゃ!」
まぁちゃんが担当官さんと電話し出したから、アタシは(´・ω・`)ショボンとしながら、本丸に向かう。
こんのすけすらついて来てくれなかったからね。まぁちゃんを見張らないといけないとかなんとかで。もういいじゃんどーせ怒られるんだから、今一緒に来てくれてもいいじゃん。まぁちゃんなんてどーせまた同じこと繰り返して怒られるんだから別にいいじゃんこっち来てくれも。
足取りも重くなって、本当に憂鬱だけど、なんとか本丸までつきました。まる。もう死にそうです。まる。
本丸の玄関に着くと、そこに燭台切さんが立っていた。アタシを見て、まず第一声が「・・・・・大丈夫?」だったよね。ほんと、それくらい顔面蒼白で死にそうな顔してるんだと思うよ。
でも、一応アタシのことを知ってくれている人がいるってだけで少しはまだマシになるような・・・あ、やっぱり気のせいだったわ。スマートにエスコートされてやっぱり死にそうだわイケメンこわい。
燭台切さんは、今回私の案内役をかって出てくれたとか。ほんと、すみませんねー心配かけて。私は皆さんに心配かけないと生きていけない人間なのかもしれない・・・。
いつもは簡単に縁側から大広間のほうに入るけど、今日はきちんとしたご挨拶なので玄関から。こうして改めて本丸に入ると日本家屋ってすごいなって思うわ。
ってか、よく考えたら普通の審神者って本丸で刀剣男士たちとみんなで暮らしてるんだよね。普通そうなんだよね。うちは元ブラック本丸だから、殺されない処置のために離れで住んでたけど、今更本丸に住めって言われても無理だな。だって、確実に死ぬもん・・・。こんなイケメンたちと暮らしたら確実に死ぬもん!!お風呂とかトイレとかどうすればいいの!?良かった離れで・・・良かったブラック本丸引き継いで・・・。
そんなことを考えていたら、あっという間に大広間についてしまった。
襖の向こうは大広間だ。ああやばい緊張して吐きそうだ・・・今すぐ逃げたい・・・ほんとつらい・・・「えっと・・・大丈夫?顔青いけど・・・」ダメだ逃げ場はない、横を向いても燭台切さんがいる。これはもう行くしかない。ってか近いこの人なんで。
「じゃあ、開けるよ」と言って、燭台切さんが襖をあけた。
そこにはズラリと、総勢51名の刀剣男士が座っていたのだった。なんで全員参加なの死ぬ。
息が止まりそうになりながら、なるべく目線は下を見て、まずは一礼して部屋に入った。
なんだか、ザワザワしていて「そっくり・・・」「え?あるじじゃないよね?」「いや、そっくりだけど、雰囲気が違う・・・」なんて声も聞こえた。
それから、上座に通されたので、用意されている座布団に正座すると、
ずさぁぁぁぁ
ものすごい勢いで、頭を下げた。いわゆる、土下座の状態。
そして、
「ご挨拶が遅れ申し訳ございませんでした!わたくしは、この本丸の審神者を務めさせていただいております、姉の審神者です。今まで本当に申し訳ございませんでした!!!!」
そう、大声で叫んだ。
もうイケメン怖くて、顔あげられない。
すると、
「ぬしさま・・・」
と言う声が聞こえて、
「ぬしさま、顔をあげてくださいませ」
とも続いて聞こえた。
え?早くない?ぬしさま認定早くない?どうなってるのこれ?ぬしさま認定早すぎるよね?どうして一目でぬしさま認定できるの!?不思議!!!
とりあえず、顔を上げろと言われて、顔をあげ・・・・・・・・・・・・ようとしたけど、やっぱり無理だった!!!!!
なんかすっごいキラキラした集団いたわ!!!なんかじゃにーずとかよりもキラキラしてる!!!!じゅのんぼーいよりもキラキラしてる!!!!キラキラが止まるところを知らない集団だわ!!!!
もうなんとかこのまま顔を上げずに会話してすぐ帰ろう!!!!!
そう心に決めて、なんとか、この体制で話す努力をしてみる。
もうダメだわ、カオナシ装備当たり前すぎて、全くこの人たちと話せる気がしない。むしろ、なんか私裏方で良かった。ただ手入れだけするカオナシという存在でよかった。まぁちゃんだけ主って認められてる状況で全く問題なかったわ。
カオナシ装備は偉大だわ!!防御力最大値まで上がるもんあれ!!!今の私0だよ!!ゼロ!!!装備なしでボスのお城来ちゃいましたって感じだからね!!!ここは全面毒が敷き詰められてるよ!!!すでにHP赤くなってるから、あと一歩で死ぬ!!!!
「いえ!!今まで、姿を見せず大変失礼なことをしたと反省しております、ぜひこのままでお詫びをさせてください!!」
「それでは、ぬしさまのお顔が見えないではありませんか!」
見せたくないんだよ!!!!!必死に喋ってるのに、なんで顔見たがるんだよ!!!!!!
ああああああ、つらい!!!!これから秋田くんを泣かせてしまうと思うと、胸が痛くて吐きそうだ!!!!何も食べてないけど、何かが出るわ!!!!
もうとにかくつらすぎて、胃がキリキリ痛くなって、元々胃痛持ちなんだから勘弁してほしいと思っていたら、例のあの天下五剣の人が声をかけてきた。
「姉のほうの主よ、顔をあげてくれ。我々は怒ってなどおらぬ。何か事情があって、今まで顔を見せられなかったのだろう?」
違うよーーーーーーーーーーー!!!!事情説明できないよーーーーーーーーーーーー!!!!
蛍丸ちゃんの太もも最高ですとか、手入れしながらみんなの筋肉こっそり見てましたとか、短刀ちゃん達の膝小僧は世界遺産だとか、虎徹の乳バンド最高ですねとか、全員にスーツや学生服着てほしいとか、そんなの言えるはずないだろぉぉぉぉ!!!!!!!!今すぐ斬られて私の人生終わるわ!!!!これはさすがに墓場まで持って行きたい秘密だわ!!!!!
冷や汗ダラダラになりながら、相変わらず土下座の状態で私が固まっていると、
「実は・・・」
と、声が聞こえた。
この声は、燭台切さんの声だとすぐわかった。私の正体がばれてから、たまに2人で会ったり、わざとカオナシの時に耳元で話しかけられて私の反応を楽しんでいるからわかるよ!!この声は燭台切さんだよ!!
何か、フォローしてくれる気なんだろうか。
そう思っていたら、やっぱり、燭台切さんは、伊達男だった。
「彼女、体が弱くて、なかなか外を出歩けなかったんだよ」
そう言った。
・・・・・・え?
そういう設定にしちゃうと、カオナシとの矛盾が発生してしまうんですけど、カオナシ私だって伝えないといけないんですよね今日?
私がそう思っていると、どこからか、
「・・・カオナシと同じ霊気がする・・・」
と聞こえてきた。
ほら、やっぱりばれてるよ!!隠し事できないよこのままじゃ!!!
誤魔化せないよ!!!
「本当だ・・・カオナシさんと同じ・・・」
ほら・・・
ほらktkr
秋田くんの悲しそうなお声が聞こえるんだけど・・・
秋田くん泣いたら、もう私罪悪感で死ねるんですけど!!!!!
どうすればいいの!!!!!
そう思ってたら、また再び燭台切さんが口を開いた。
「それは当然だよ、彼女がカオナシくんの正式な主なんだから。彼女は体が弱いから出歩けない。だから、彼女がカオナシくんと契約して、力を分け与えて、手入れを代わりにしてもらってたんだ。ほら、こんのすけも言っていたよね?手入れが得意なのはカオナシって。あれ、本当は彼女のことなんだよね。双子で能力が全然違うんだって。いつも手入れをしてくれていたのは、彼女が霊気を分け与えていたカオナシくん。だから、カオナシくんが、彼女と同じ霊気なのは当然なんだよ」
そう、さらっと。
さらっと言った。伊達男。
すごい、なんかもう、そういう設定とか全然考えてなかった。土下座するしかないって思ってた。むしろ切腹しようかと思ってた!
でも私また罪を重ねる・・・・・・・・んだなと思ったけど、やっぱり私秋田くんをガッカリさせずにカオナシでいたいです!!!!カオナシ装備のままじゃないと怖くてみんなと会えないから、カオナシ装備でいたいです!!!!!!!!罪を重ねてでも、カオナシ装備がいいんですごめんなさい!!!!!
燭台切さんの言葉に、一同納得した様子で、「そうだったんだ・・・」と呟いている。ああ、すごいな。納得させてしまったよ。すごいな、燭台切さんの一言ってすごいな。
そういえば、前に熱出た時とかあったし、何やらみんな思い当たる節はあるようで、「そういえば」「あの時・・・」なんて口々に言って、すんなり信じてくれたよ。
でも、
「・・・なぜそれをお前が知っているのだ」
と、小狐丸さんが燭台切さんに聞いたから、その場がまた静かになってしまった。あああ、困ったどうしよう!
「それはね・・・」
そう燭台切さんが言うと、なんだか、こちらに向かう足音が大きくなった。
え、
なに?嘘だよね?なんかこっちきってる?嘘でしょ!?なんで!?
そう思っていると、
土下座していた私の肩をグッと掴まれて、
そのまま簡単に、顔を上げさせられてしまった。
私の横には燭台切さんの顔。
「僕たち、以前から懇意にしてるんだ。今まで内緒にしていてごめんね?」
(ひえ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!)
なんで!?なんでこうなった!?
思わず、目ん玉ひんむいたまま、燭台切さんを凝視。
何があったのかわからず、肩を掴まれたまま固まる私。
ああ、なんだろう、
なんか、今なら簡単に死ねると思う。多分半分魂出てる今。
本丸の皆さんも、ものすごく驚いた顔をしていて、鶴丸さんが「・・・そいつは驚いた」って素で言ってた。本気のトーンだった。
でも、やっぱり、それに食って掛かるのは、小狐丸さん。
「・・・なぜだ?おぬしはいつ、ぬしさまと懇意になったのだ?」
「んー、みんなで主のことを、主として迎えいれようってなった時くらいかな?たまたま外にいた彼女と出くわして、それから仲良くさせてもらっていたんだ。ああ、戦略とか考えてくれてるのも、カオナシくんって言ってたけど、本当は彼女だよ。彼女は僕たちが傷つかないためにいつも戦略を必死に考えてくれている」
(あながちウソじゃないから否定できない)
「ではなぜ、ぬしさまのことを皆に伝えなかった?」
「彼女が言わないことを、僕の口から言う事は出来ないよ」
「・・・・・・・」
納得したのか、渋い顔を見せる小狐丸さん。
なんか肩掴まれてて、顔下に下げれないから、もうみんなのこと見るしかないっていうか、となりの燭台切さんが近すぎるから、とにかく周りを見ないといけないけど、この部屋イケメンしかいないからどこ見ても目に入ってくるのはイケメンだわもうつらい吐く。
ってか、マジでだめだわ。吐きそうだ。
これ、吐きそうだ。
吐くわ。
吐く。
私の異変に気が付いたのか、加州さんが
「え・・・?ちょっと大丈夫・・・?」
と声をかけてくれた。
その声で、みんなの視線が私に集まる。
「・・・・・・・・・・・吐く」
そう言った時に、みんなの顔もみるみる青くなっていったこと私は生涯忘れることはないだろう。
結局、私の顔が真っ青で本当に体調が悪そうにしか見えなかったので、私は体が弱く離れから出ることが出来ない説はみんな信じてくれたのだと言う。
別に何も食べてないから何も出るはずないけど、イケメンの前で「オエッ」と軽く嗚咽してしまった私はもう恥ずかしさで死ねると思った。ホント・・・なんというか・・・とりあえず胃薬のもう・・・
そして、それからと言うもの、私は再びカオナシを装着することとなった。
その一連の事件をまぁちゃんに言ったところ、さっそくペッパーくんで映像見て爆笑してたよね。
なんか、沖田刀の2人のトラウマスイッチ押しちゃったみたいで、沖田組は「死んじゃうううううう!!!!」って泣き叫んでたし、私は顔真っ青だし、隣にいた燭台切さんも顔真っ青になってるし、みんなはここで吐かれちゃ困るって顔してるし、もうとにかくカオスだったよね。
ひどい事件だった。
でも、また無事カオナシを装着できて、私は元気100%!なんかもうまた無敵状態に戻れることができたよよかったよかった。
そして、その後に本丸で刀剣男士会議が行われて、私のことをなんて呼ぶか決めはじめたらしい。まぁ主って呼ぶと混乱するもんね。双子の審神者ってなかなかいないだろうし、混乱させてごめんって思う。
それをこんのすけから聞いたまぁちゃんが面白そうだからって本丸に走って行って、
「私のことは主って呼ばなくていい・・・
姫って呼んで!!!」
とか言い出したらしくて、みんなに「それはない」って否定されたって怒ってた。
なんかいろいろ一生懸命考えてくれたみたいなんだけど、刀剣男士って「あるじに使ってもらいたい」って気持ちが強いから、持ち主をどうしても”あるじ”って呼びたいんだって。
だから、本当に悩んで悩んで、最終的に会議が5時間続いて飽きたまぁちゃんが、
「マスターでいいんじゃね?英語で主」
って教えたら、マスターになったらしいよ!
それもどうなんだって思ったけど、多分もう彼らとまとも話す機会もないし、別にどうでもいいわ。ポケモンマスターみたいでかっこいいし。
たまに本丸に来ると、小狐丸さんだけが、「ぬしさまに会いたい」って嘆いている声が聞こえるんだけど、それはどうすることも出来ないからごめんね。今度カオナシの姿で良ければ、たくさん髪を梳いてあげようと思う!
とにかく私は、またカオナシでいられることが出来て、とても幸せです。
助けてくれた燭台切さんに、お礼にチーズケーキ作っていってあげようと思いました。喜んでくれるといいなぁ。