クロスオーバー28【さおり】

5月末には初めての中間テストを経験した。
成績はまぁ・・・普通。
特に追試を受けることもなかったし、それはそれでよかったんだ。
進学校だから頭いい人は本当に尋常じゃないくらい頭よくてすごい。スポーツもできるのに頭がいいとかどうにかしてほしい(主に白石くんを思い浮かべながら)

そんなこんなで6月!
今日は球技大会だ!!

「おーい、さおちゃ~ん」

振り向くと遠くからまぁちゃんが手を振っていた

さお「やあ、きみバスケだっけ?」
まー「うん、バスケ部のマネージャーだからってバスケにされたぜハハハ」
さお「私もバレー部のマネージャーだからってバレーだよ」
まー「まぁ女子人数少ないからバスケかバレーくらいしか選べないし同じようなもんだけどな」
さお「確かに」
まー「コーイチもバスケ、ジロはサッカーだよ」
さお「ジロちゃんサッカーできるのかな心配」
まー「亮は?」
さお「亮は卓球って言ってたよ」
まー「卓球www亮っぽいwww」
さお「さっきルカに会ったけどルカは野球だって」
まー「へー、男子球技の数多いな」
さお「男子はサッカー、野球、バスケ、バトミントン、卓球、バレーボール、テニス、ドッチボールだよ」
まー「え!?ドッチボール!?何それ出たい!!!!」
さお「男子のみだからねぇ・・・がっくんはドッチボール出るらしいよ」
まー「あいつ逃げるのうまそうだな・・・」
さお「そうだよね」
まー「よし、しかたねぇから応援しに行ってやるか!私が行けば士気が上がるだろう!ハハハハハ!」

ってことでちょっくら水泳部の橘くんの応援行ってくるわ!!と駆けだそうとするまぁちゃん
え・・・橘くんって・・・
完全に惚れてるしょ・・・

さお「やめなよ、行っても迷惑・・・」
まー「いや!喜んでくれるはずだから!!!!」
さお「・・・そう・・・」

そこまで行くというならば手を振ることしか私にはもうできなかった・・・

「さおりーーーー」

ガバァ!!!!

後ろから思いっきり抱きしめられた

さお「わぁ!!!!」
清光「ねぇ、まなみ知らない?」
さお「あ、今までここにいたんだけど・・・」
安定「離れろよ」
清光「えー入れ違いかー!ねね、さおり!俺バレーボール出るの!見に来てくれるよね?ね?」
さお「ほんと?私もバレーだよ」
清光「あぁ、知ってる知ってる、学校中みんなしてるぜ」
さお「え!?なんで!?」
安定「なんでって・・・みんな女子の試合は見たいらしいから大体女子の試合メンバーと時間は把握してると思うけど」
さお「え・・・何それ!きもい!」
清光「しかたないじゃん、みんな見たいだって、女子のヘソチラ」
さお「へそ・・・え・・・?」
安定「き、清光!ハッキリ言いすぎ!」
清光「大丈夫♪心配しなくてもいいぜ!さおりとまなみのへそちら見たやつ、俺が斬るから♪」
安定「目が笑ってないよお前」
さお「えー・・・男子ってキモイね・・・引いたわ・・・・」
清光「なー、ほんとキモイよな、俺が二人を必ずきもい男子の魔の手から救うからなー!」
安定「とか言って体操着の二人見れるってお前も楽しみにしてたじゃん」
清光「わー!言うな!」
さお(引き・・・)
清光「だ、大丈夫だから!!おれ味方だから!!な!」
安定「あー、はいはい、今お前が何を言ってもさおりは引いちゃうからもう行こうなー」
清光「だから俺はちがっ」
安定「まなみ探すんでしょー?」
清光「そ、そうだ、まなみに俺が球技できるところ見せてやんなきゃ・・・あいつ剣道馬鹿って俺の事言うし!球技も普通にできるっつーの!!」
安定「じゃ、さおりは生徒会の方の運営もあると思うけどがんばってね!あとで見に行くから」
さお「ひぇ・・・!み、見に来なくていい!!」
清光「お前も引かれてやんのw」
安定「誰のせいだよ」

(お、男って・・・・)
(きもい・・・!!)

ガクブルガクブル

「おーっす、さおりちゃーん」

(!?)

今度は誰だ!
と、振り返ると

黒尾「さおりちゃんバレー出るんだってー?」

ひえぇぇぇ!!!黒尾くんだぁぁ!!!黒尾くんまで知ってるうううう!!!!

さお「う・・・うん・・・」
黒尾「なんで教えてくれなかったんだよ?教えてくれたら前もって手取り足取りバレーの練習してあげたのに♪」
さお(ひぃ!!!!)
黒尾「さおりちゃんってサーブ入らないだろ?だから俺が優しく」

及川「優しくなんだよ悪いけどさおりちゃんにバレー教えるのは幼馴染のこの及川さんなんですー!あと馴れ馴れしくさおりちゃんって呼ぶな!」
黒尾「あ?なんだてめー?」
及川「うちのお姫様に手出さないでもらえますかー?」

ゴゴゴゴゴゴゴ

(・・・男って)

岩泉「ごめんな、あいつらあほで」
さお「あ、岩ちゃん」
岩泉「なんでバレー出るの黙ってたんだよ」
さお「え、だって、バレー部のみんなにバレーすること見られたくないし・・・私運動できないし・・・」
岩泉「はぁ・・・だから練習してやったのに。ま、俺はその時間野球あるから見にいけねーけど、がんばれよ」
さお「岩ちゃあああん(じぃぃぃぃん)」
及川「ちょっと!!岩ちゃんいいとこどりしないでくれる!?」
黒尾「先に声かけたの俺だよ!?なんなのお前ら!!!!」
岩泉「あー、うるせーうるせー、行くぞ!ったく」

(岩ちゃん・・・)
(いい人だなぁ)
(岩ちゃんみたいな人もいるからがんばれるよ・・・)
(男も捨てたもんじゃないね・・・)

ほくほくほく

「前さん」

ほくほくほく・・・ん?

「試合会場向かうん?」

(わっ!!!)

「し、白石くん・・・!!」

(あああジャージでもかっこいい目の保養ですありがとうございます!!!)

「う、うん、」
「そろそろ時間やもんな」
「え・・・?」
「バレー、第二体育館やろ?俺も行くところやねん」
「え!!?」
「写真も撮らな・・・」
「!!?!?!?!?」

む、むりぃ!!!!!!!

(な、なぜ白石くんがそんなことを・・・!)
(写真まで撮るとか・・・!)
(清光が言ってたへそちらはぁはぁは白石くんもおなじなの!?)
(いや・・・いやだぁぁぁ!!!こんな美形がヘソチラ楽しみにしてたらいやだぁぁぁ!!!!)

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

「ん?どないしたん?体育館行かんの?」
「な、なんで私がバレーなの知ってるの?」
「え?」

おそるおそる尋ねると

「そりゃ・・・同じクラスやから・・・」

なんの競技に出るかくらい知っとるけど・・・と、白石くんは言った。
あ、そうか!同じクラスだもん、そりゃ知ってるよね!!!

(でも)
(写真とは・・・?)

「な、なんで、写真撮るの・・・?」
「え・・・?あ!いや!?勘違いせんでな!?おかしな写真撮るんとちゃうで!?俺新聞部やからやで!?」

(あ)
(そうか・・・!)
(白石くん、新聞部だもんね・・・!!!)
(そりゃ写真撮るよな!!)

なんだか慌ててる白石くんを見て 笑えてくる。
そうだよね、まだ出会って2か月ちょいだけど、私は白石くんはそんな人じゃないって信じてたよ!

いつも誠実なイケメン、最高じゃないか!
まさに理想です!ごちそうさまです!!!

「前さん、ほんまに俺、個人的に写真撮るわけとちゃうんやで?」
「うん、わかってるよ」
「ほんま?」
「うん」
「はー・・・わからん、前さんいつも無表情やから全然わからん・・・絶対俺の事変態とか思ってるやろ・・・」
「思ってないよ?それに今私笑ってたんだけど・・・」
「え!?笑っとったん!?表情筋一個も動いてなかったで!?」
「うそだぁ」
「ほんまやて!!」

(あぁ、やっぱり)
(白石くんと話すのは楽しいなぁ)

白石くんと一緒に体育館へ向かいながら
にやけそうな口元を必死に隠していた。
(それが逆効果でますます険しい顔になって白石くんに怒ってると勘違いされるのだけど)

0