003***さおり

すごい!全国大会も優勝してしまった!

嬉しくて嬉しくて仕方がない!すごいね~うちの学校!!

3強すごいね~!!

 

嬉しくて嬉しくて

みんなにおめでとう!って言って、みんなも笑顔で応えてくれて、

(真田くんはあんまりいつもと変わらなかったけど)

みんなの頑張ってた姿を知ってたから少し泣いちゃった私を、みんなは優しく慰めてくれた

 

よかった、全国優勝するなんて経験なんて簡単にはできないもん

私、よかった立海に入って、

テニス部に入って、

 

 

そう考えながら、閉会式の前

大会の書類を出しにいかなくちゃいけなくて、また1人で会場をウロウロしていた

 

 

(あれ?事務局どっちだっけ?)

 

 

会場が広くて道がよくわからない

私基本的にあの商店街から出たことないから、道全然覚えられない・・・

 

どうしようと思ってきょろきょろしていたら、

 

 

「まえさん」

 

 

後ろから、声をかけられた

 

 

「あ!」

 

 

しらいしくん!

 

 

私は知っている顔を見つけて、嬉しくてかけよった

 

 

「しらいしくん、こんにちは!」

「こんにちは!まえさん何してるん?」

「あのね、プリントを事務局に出しに行きたいんだけど、道わからなくなっちゃって・・・」

「あ、それなら同じの俺も出しにいくから、一緒にいこ」

「ほんと!?よかったぁ」

 

そうして、2人で並んで歩き出した

 

「立海優勝おめでとう!」

「ありがとう!優勝したのよく知ってるねぇ!」

「え、そら、知っとるよ・・・試合見とったし・・・」

「あ、そっか」

「(天然なんかなこの子・・・)」

「白石くんたちは何位だったの?」

「ベスト8止まりやってん、残念やわ~」

「でも全国のベスト8ってすごいよね!」

「お!嬉しいこと言うてくれるな!」

「だって本当にそう思うもん!私全然こういう大会とか関係ない人生だったからさー、立海入らなかったら全然知らなかったよー」

「そうなんや・・・」

「白石くん1年生だもんね?来年は頑張ってね」

「おん、頑張るで!絶対優勝旗奪ってみせるからな!」

「負けないよ!」

 

 

そんな他愛のない会話をしながら、事務局にプリントを出した

(白石くんっていい人だな~)

 

 

「白石くん、ありがとう!」

「ええよ、俺も目的同じやったしな!」

「うん!じゃあね」

「戻れる?大丈夫?」

「戻れるよ!ありがとう!」

「おん、ほな気ぃつけて」

「うん、白石くんもね!」

「また会えたらええな」

「うん、そうだね!」

「ほな」

「ばいばい!」

 

 

 

これが、私と白石くんが1年生の時のお話。

この時は子どもすぎて、白石くんのことカッコイイとは思ってたけど、それ以上の感情は全く湧いてこなかったんだ。

 

 

————――————————

 

 

「まぁちゃんただいま!」

「おかえり!!さおちゃんいなくて暇だった~~~!」

「ごめんごめん!」

「よぉ、立海優勝したんだって?」

「すげーな」

「うん!やったよーなんかめっちゃ強くてさ、1年生なのに大活躍してたよ友達」

「あれだろ?真田とか幸村とか柳だろ?」

「うん」

「跡部めっちゃピリピリしてたよね~」

「そうそう、来年は絶対に全国行くって張り切ってたな」

「うん!みんなで全国いこー!」

「・・・いやいや、お前簡単に言うけどそんな簡単な話じゃねーから」

「まぁ、来年はぜってー行くけど」

「うんうん!俺たち頑張るC~~~~!」

 

(´・ω・`)ショボーン

 

「まぁちゃんどうした!?」

「・・・アタシ・・・別にテニス部じゃないし・・・」

「え!」

「うけるwww」

「まなみ落ち込んでる~www」

「だからってテニス部ぜってー入れねーからな、お前どーせ何もやらねーだろ」

「!?」

「亮www」

「何も言ってないのに断ったwww」

「もー!みんなまぁちゃんかわいそうでしょ!!テニス部入れてあげてよ!」

「頼まれたって絶対入ってやらないからーーーーーー!!!」

 

 

うわーんと泣きながらまぁちゃんは出て行ってしまった。

多分、ジロちゃんのお兄ちゃんとこ行ったと思う。

まぁちゃん昔からがっくんのおねーちゃんとか、ジロちゃんとか亮のお兄ちゃんに可愛がられてるんだ。

あとで3人共怒られるぞ絶対・・・

 

 

「さおりが買ってきたくれた東北限定ずんたポッキー超おいC~」

「あ!ほんと?よかったねぇジロちゃん」

「俺にも限定のミントガムサンキュな」

「いいんだよ」

「俺も、このストラップさっそくPHSにつけたわ」

「よかった気に入ってくれて」

「そういや、ユーシに会った?なんかイトコの試合見に行くって会場に行ってたんだけど」

「会ってないよ」

「会ってないのか」

「けっこう会場広くて迷子になっちゃうくらいだったよ」

「さおり迷子になったのかw」

「でもね、良い人がいてね、大丈夫だったよ」

「案内してもらったってことか?」

「うん、なんかテニスやってる人、大阪の人だったよ」

「大阪!?それってユーシのいとこじゃね!?」

「え!?そうなの?しらいしくんって言ってたよ」

「なんだ、じゃあちげーわ」

「でも学校は一緒かもな」

「忍足のいとこってどこの学校~?」

「四天宝寺」

「あ、なんかしてんほうじって言ってたかも~」

「マジか」

「それでユーシに会わなかったのかお前」

「うん、会ってない」

「不憫だなーあいつ」

「あわよくば会おうとしてたからなwww」

 

 

 

バタン!!!

 

 

 

「おまえら!ねーちゃんとにーちゃんたちがお呼びだ!」

「は!?お前告げ口したのかよ!!」

「いじめられた~って泣いたらめちゃくちゃ怒ってるぜ!」

「ふざけんなよ!!」

「ZZZ・・・」

「ジロー寝たふりすんな!!」

(やっぱりまぁちゃん告げ口してたか・・・)

 

 

こうして、いつものことながら、3人はお姉ちゃんとお兄ちゃんたちに怒られ、まぁちゃんが最終的には勝ったのでした。

(ほんと、いつものことだ)

 

 

「さおちゃん、大会終わったしさ、のんびりできる?」

「うん、ゆっくりできるよ、部活はあるけど午前中だけとか午後だけとかだし、お休みもあるから遊ぼうね」

「ほんと!?やったー!!」

「こないだのふしぎ遊戯ビデオ撮ってる?見たいな」

「あ、ちょうど柳宿いっぱい出てたわ!」

「うそ!やった!」

「一緒に見よー!」

「うん!でも、まぁちゃん宿題終わってるの?大丈夫?」

「え!(トキッ)」

「あ、終わってないんだね」

「う、うん…さおちゃんも部活で忙しかったからやってないしょ?」

「私7月中に終わらせたよ」

「え!?いつの間に!?」

「学校とかでみんなで残ってやったりもしてたし…きみが遊びに行ってる時暇だから終わらせたよ」

「ひえー!アタシ全然終わってない…」

「じゃあ翼宿と柳宿のCD聞きながら一緒にやろう、教えてあげるよ」

「やったー!じゃあまずはビデオ見よう」

「うんビデオ見よう」

 

 

やっと少しだけ落ち着ける時間が出来てホッとする

まぁちゃんと残りの夏休みは何して遊ぼうかなって考えてました

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