「主~♡」
「ちょっと清光学校では主って呼ばないでって言ったじゃん」
「んじゃまなみ~♡」
「なに」
「………」
「………」
「げっ!コーイチにジロー!うわぁ、俺お前達苦手ーなんで同じクラスなの?まなみー」
「知らん」
「………」
「………」
「なっ…!」
「………」
「………」
「なんなのっ!?お前達!おれ2年なんだけど!先輩なんだけどっ!そんな目で見るなよ!!!」
「………」
「………」
「っ! わーん!やだもうなにこいつら!まなみ助けてー!」
「(¬_¬)ジー」
「まなみまでっ!?なんなのほんと!マジムカつく!!」
「おーい清光いつまで1年のクラスにいるの次移動だよ」
「安定!!助けてよ!」
「またいじめられたの?行かなきゃいーのに、バカだなぁ」
「うるさいよっ」
キー!
一人騒ぐ清光をからかいつつ、GW明けのまさに5月病な私は超ダラダラと過ごしていた。
「もうさ・・・暖かくなってきたじゃん・・・授業中もさ・・・こう目がくっついてくるよね・・・(うとうと)」
「超わかるC・・・(うとうと)」
「いやお前ら寒くても暑くても常に寝てんじゃねーかよ」
リヴァイ先生に完全に目つけられてんだろ、と真面目なコーイチは言う。
マジでな、コーイチ喧嘩はするけど意外と勉強できるし真面目だし硬派だしチビリヴァイの評価高くてびっくりだよな。
そして我々の世話役なwwwそれがマジウケるwww
でもコーイチってば優しいからさ・・・文句言いつつちゃんと面倒見てくれるんだよね・・・
コーイチSUKI・・・結婚してくれないかな・・・
「まぁちゃん」
「おーい、まなみちゃーん」
(ん?)
呼ばれて見ると そこにいたのは
「さおちゃん!!と、かずきち!!!!!!」
中学の頃同じ吹奏楽部だった・・・かずきちが!!!!!(ついでに柚木もいる)
「さおちゃんとかずきちが一緒にいるなんて珍しいじゃん!!!」
「だってきみのクラスなんか怖い人多いからさ・・・がっくんとか亮とかルカに一緒に来てってお願いしたけどみんな来てくれなくてさ・・・そしたらたまたま廊下であった二人が一緒に来てくれたんだよ」
「別に怖い奴なんていないよ、みんなただのあほだよ」
「それこのクラスの全員お前に言われたくないと思うぜ」
「いや、あの髪青い人とかさ・・・こないだ私のことじーっと見てちいせぇって呟いたんだよ・・・?明らかに身長じゃなかったよ・・・?」
「あぁ青峰な、あいつ巨乳好きのクズだからな」
「さおりの胸が小さいのは仕方がないC」
「ジロちゃんハッキリ言わないで!そんな小さくないもん!ディアンヌとヒメコが大きすぎるんだもん!!」
「マジであの二人の胸は視界の暴力だわ」
「まなみちゃん、久しぶりだねー!バスケ部入ったんだって?俺のバスケ部の友達からきいたよーなんで吹奏楽入らなかったの?( ;∀;)」
「あーん、かずきちぃぃぃ!!!!ごめんよぉ!!!吹奏楽入ろうか迷ったんだけどどうしても私には向いてないっていうか・・・(女いるからな!)」
「そんなことないのに、まなみちゃんのファゴット、俺好きだったよ!!!」
「かずきち・・・!」
「まなみちゃん・・・!」
「・・・お取込み中のところ悪いんだけどさ、早く用事済ませてもらえるかな?(にっこり)」
「あ、柚木くん、ごめんね!」
(うわー)
(さおちゃん全然気づいてないけどさ、あれこんなクズなクラスいたらクズ移りそうだから早くしろって目が言ってるよね・・・)
(さすが裏が強烈な柚木だよ)
(さおちゃん、かずきち!早く逃げて・・・!!)
「きみに貸してた辞書返してほしいんだよ、次の授業で使うのさ」
「なんだそんなことか、あれ廊下のロッカーだわ・・・取に行くの・・・めんどい_(:3 」∠)_」
「え!早くもう授業始まっちゃうよ!!!」
「あーはいはい、きみを困らせたくはないからな、仕方ないな」
よっこいせ、と席を立ちあがった
「さおり、イチゴポッキー食う?」
「うん」
「カツサンドもあるぞ、持ってけ」
「え、カツサンド・・・?重いね・・・いらないよ・・・」
「ねぇねぇ、コーイチ!昼休みバスケしようよ!」
「お、いいな、ルカとガクトと亮も誘うわ」
「やった、楽しみ!」
あーいいないいな
楽しそうな会話が聞こえてくるよ
おらもポッキー欲しいしかずきちとお話ししたいわい!くそぉ!
(自業自得なのだが・・・)
(さおちゃんにさっさと返せばよかったぜ)
廊下に出て ロッカーを開ける
バサバサバサッ
ちーーーん
私の汚いロッカーから、無理やり詰め込んでた荷物がたくさん落ちた
(・・・あーあ)
(拾うのめんどくせぇな!!!)
(とりあえず辞書探さなきゃ)
(えぇっと)
「おわ、大丈夫か!?」
後ろから、声が聞こえた
「・・・」
けど辞書探そうと思ってたし、拾うの大変だし、無視して落ちた教科書や荷物を片付けた
(あーもうめんどい・・・)
(あ、ついでに次の授業なんだったっけ)
(教科書持ってかんと)
思い出してる私の視界に 大きな手が映った
「あ?」
驚いてその手の主を見上げる
「これ全部拾うんやろ?急がなチャイム鳴るで!!」
(・・・誰だこいつ)
(しらねー)
知らん奴にいきなり言われ、人見知りだし、いきなりなんだこいつとか思ったし 不信がってじーっとそいつを見ていたけど
そいつはささささっと教科書やらお菓子屋らおもちゃやらをかき集め、さらに細かいペンや消しゴムも拾い集め
それはもう素早い手つきで片づけをしてくれた。おかげで私は何もしなくて済んだ。あ、辞書あった。
「あんま詰めすぎると落ちるで!気持ちはわからんこともないけどな!」
そしてそいつは笑って
「じゃ!」
とさわやかに去って行った。
「・・・・・」
(・・・なんだ、ただのいいやつか)
(・・・ちょっとタイプだったわ)
(あとで何組か調べよ)
そういえば、お礼も言わなかったな
(・・・お菓子一個あげればよかった)
そう思いながら 辞書を握りしめ教室の中へと向かう。
さおちゃんに渡すとすぐにチャイムが鳴ってさおちゃんとかずきちは急いで教室に戻っていった。
(・・・さっきのやつ、何年だろ)
私はぼんやりと晴れた空を見ながら、無意識のうちにさっきの男のことを考えているのだった。