第3松 ~次女~

さおちゃんと「サークル何にしようか~」なんて2人で言ってる間にどんどん時はすぎて、

バイトもあるし、なんだか慌ただしい日々ですっかりサークルのことは忘れていた。

別に絶対何かに入らないといけないってわけでもないし、まぁいいやなんて思っていたんだけど・・・

 

ある日さおちゃんが「新歓コンパに行こう」と誘ってきた。

話しを聞くと、高校から一緒のテニス部の面々にテニス部の新歓コンパに誘われたというのだ。

女子がいないから寂しいとかなんとか。

来てくれたらとりあえず1次会のお金はおごってもらえると言うので、行くことにした。

タダで美味しいものが食べれるなんて幸せすぎる(^q^)

 

 

―――――――――

 

シャッ ←ふすまを開ける音

 

「ねー、アタシの携帯見なかった?」

02m「フッ・・・ここにあるぜ?プリティガール」

06m「あれ?まなみすごい可愛いかっこしてるね!」

「これからコンパだから」

03m「え!?」

01m「は?何それ?何その大学生活満喫してますみたいな感じ。行くな行くなコンパなんて」

「羨ましいなら正直に言えばいいじゃん」

01m 02m 04m 03m 05m 06m「羨ましい」

「全員かwww」

03m「だ、だってコンパって女の子もたくさんいるあれだよね!?」

06m「いいなぁ~僕も行っちゃダメ?」

「ダメ」

06m「ちぇー」

04m「あざといなトッティ」

05m「ねぇねぇ、コンパって野球すんでしょ!?僕も野球したい!!」

01m「いや、コンパでする野球って絶対野球拳だから、普通の野球じゃないから」

03m「そもそも最近野球拳なんてやらないよ」

 

バタバタバタ

 

「まぁちゃん携帯あった!?」

「あったあった、じゃあ行こうか」

06m「まってよ2人とも!可愛いから写メ撮ろうよ!ほら、こっち来て!」

「えー、そっち行くとみんな写りたがるしょどーせ」

06m「じゃあ2人の写メ撮らせて!」

「うん、いいよー」

06m「じゃあいくよ~、ハイチーズ!」

 

カシャ

 

06m「うん、めちゃくちゃかわいー♥待ち受けにしよーっと♥」

04m「おいトッティそれ送れ」

01m「とりあえずLINEで流せ早く」

02m「こんなに可愛いエンジェルたちを独り占めなんて大罪だぜ?」

06m「んもーしょうがないなー」

「え・・・妹の写真共有するってどういうこと・・・?」

「アタシにも送って!」

「え・・・」

05m「ねぇねぇ、帰り何時になるの?迎えいく?」

「大丈夫だよ十四松お兄ちゃん、男の子多いから誰か送ってくれると思う」

02m「!?」

03m「え?男が多いってどういう意味!?」

「え・・・いや、男しかいないからって呼ばれたから女の子は私たちだけだと思う・・・」

01m「いくな」

「え、」

01m「行くなよそんなとこ、今日は家にいろ」

「でも・・・」

06m「そうだよ!そんな男しかいないところに2人だけなんて絶対だめ!!」

04m「まわされるのがオチ、やめたほうがいい」

「いや、いくよ」

02m「しかし・・・狼の群に子羊ちゃんを放つような真似は俺たちには出来ないんだ!わかってくれシスター!」

「大丈夫だって、学生時代からの知り合いばっかりだし。そんなことしたらすぐに訴えて潰すから」

01m「何気に恐ろしいこというねお前」

「本当に大丈夫だよ!!そんなことする人たちじゃないから!!お兄ちゃんたちも知ってるでしょ!?幸村とかだよ!?」

01m「ああアイツか」

04m「それ絶対大丈夫なやつじゃん・・・」

03m「ああ・・・幸村って1年なのになんかオーラが違って完全に1軍の人だったし、お前たちのこと守ってくれてたからな」

「守る?何から?」

06m「いいのいいの♥さおりは何も知らなくていいんだよ~」

05m「ねぇねぇジャッカルもいる!?ジャッカル1年の頃めっちゃすげーホームラン打ってたからいつか勝負すんの!今日でもいいすか!?」

「ジャッカルいると思うけど、今日は野球しに行くんじゃないからダメだと思うよ・・・」

01m「んじゃ、あとで俺から幸村に連絡しとくわ」

「え!?おそ松お兄ちゃん幸村のこと知ってるの!?」

01m「ん?ああ、ちょっとな」

03m「そっかぁ、テニス部のコンパか・・・」

02m「まぁ・・・テニス部のコンパであればとりあえず一安心だが・・・」

「安心してよ!本当になんともないから!大丈夫だよ、知り合いばっかりなのホント!」

「さおちゃん時間ないからもう行こう」

「あ、うん!じゃあ行ってきます!!」

05m「いってらっしゃいホーーーームラン!!」

06m「2人とも気を付けてね!」

02m「何かあればすぐに俺のテレフォンに連絡するんだぞ!」

 

バタバタバタ

 

ホント、うるさい六つ子である

(我々のことが大好きすぎて若干うざいと思う事がある)

 

六つ子に捕まりバタバタしていたら、少しコンパに遅れてしまった・・・

ああもう乾杯していた残念・・・(´・ω・`)

 

 

「ごめん!遅れちゃった!」

「おっせーぞ、双子!」

「とりあえずカシオレ2つ」

「早速注文したな、けど未成年だから今日はジュースしか頼めないぞ」

「残念(´・ω・`)じゃあブルーベリージュースとメロンソーダ」

「えーっと、どこ座ればいいんだろ・・・」

「さおり、ここ来いよ!」

 

そう言っていつもの立海メンバーに呼ばれたさおちゃん

名前を呼ばれて喜んで駆け寄ってブン太の隣に座った

え、さおちゃん行っちゃうの

一緒に座りたかったのに(´・ω・`)

さり気に仁王も反対の隣にいるから幸せそうだなおい!!

 

「アタシは・・・」

どこに座ろう・・・

 

ポツンとしていると、氷帝メンバーと目が合った

 

 

(((;¬_¬)サッ

 

 

え?

今目反らしたよね?

え?

なんで?

今氷帝のやつら目反らせたよね!?

 

 

あー!!!

ムカつく!!!

 

 

氷帝メンバーがムカついたので、無理矢理そこに座ってやろうかと思ったんだけど・・・

 

 

「ここ、空いてるで?座る?」

 

 

そう、声をかけられた

 

 

(え?)

 

 

見ると、そこには、

 

 

・・・・・・・・!?

 

 

めちゃくちゃキラキラしたイケメン集団がいた・・・

 

 

(え・・・!?)

(なにこれ!?)

(誰!?)

(テニス部にこんなイケメンたちいた!?)

 

あまりのイケメンっぷりにぼーっとしていると

 

「やめぇや、こいつホンマ女やないから」

 

とメガネが口を開いた

 

 

「いや、けどここ空いてるし、席なくて困っとるんやろ?」

「こいつなんて立ち飲みでええわ」

「おい、クソメガネ、お前のメガネひとつ残らず鼻パットとって捨てるからな」

「地味にいやな嫌がらせやな!?」

 

なんだかクソメガネと親しげに話すこのイケメンは誰なんだろう・・・

とりあえず、イケメンに言われるまま、そこに座った(ラッキー)

 

 

「ジュース2つお持ちしましたー」

 

 

ちょうどいい時に、頼んでいた飲み物がやってきた

それを受け取ると、千石がグラスを持って立ち上がった

 

 

「ではでは、双子ちゃんの飲み物も来たようなので改めて乾杯ということで!」

 

かんぱーーーーい

 

我々のために乾杯をまたやってくれるなんて、みんな優しい

先輩たちも優しい

氷帝メンバー以外めちゃくちゃ暖かい

ホームだここは・・・

 

 

ジュースに口をつけながらご飯をつまもうと手を伸ばした

「あ、これ食べる?めっちゃ美味かったで!」

と隣のイケメンが言って来た

いや、ほんとイケメンだな!

 

「うん、食べる」

「俺、忍足謙也言うねん、よろしくな!」

「うん、よろしく」

「女の子の双子が来るって言うてたから驚いたけど、マネージャーなん!?一回も会うたことないよなぁ!?」

「マネージャーじゃないよ、応援数回した程度」

「え!?何それ!?」

「どちらかというとさおちゃんが仲良しなのさ」

「さおちゃんってあっちの子?」

「うん、さおりだからさおちゃん」

「え、自分は何て名前なん?」

「アタシ?」

「おん」

「アタシ、松野まなみ」

「まなみっちゅーんか・・・」

 

 

「んふふ♥謙也きゅんってば~~~♥」

 

 

そんな声が聞こえて顔を(ご飯から)上げれば、坊主頭の人が話しかけてきた

あ、この人オネエだったのね

 

 

「うふふ、こんな積極的な謙也くん初めて見たわぁ~。あ、アタイ金色小春よ♥よろしゅうね~♥」

「よろしく」

「こっちは一氏ユウジで、こっちのもじゃもじゃくんが千歳千里、そしてこっちのとびきりのイケメンが白石蔵ノ介よん」

「よろしく」

「俺ら結構、ここにいる学校のみんなと試合してたんやけどな、全然会ったことないなぁ」

「たまに応援に行くだけだったから(さおちゃんの付き添い)」

「そうなんやな、テニス興味ない?」

「ない」

「言い切ったな!逆にすがすがしいわ!」

「おもろいなぁ~自分」

 

 

そんな話をしてる時、

すでにベロベロに酔っ払ったおっさんたちが席を立って騒ぎ出した

 

 

「おいー新入生ー!誰かなんか芸しろー!」

「そうだそうだー!早く見せろー!」

 

 

「むちゃぶり始まったな、鳳凰のおっさん出来上がってるじゃん」←鳳凰は知ってる

「えーこれ俺らの新歓とちゃうの?」

 

「芸と言えば、四天宝寺でしょー」と菊ちゃんが言ってこっちを見た

 

(あ、この人たちしてんほうじって学校だったんだ)(ふーん)

 

そして、「まぁええけど」「俺らの芸ならいくらでも見せるけど」と言いながら立ち上がろうとする彼らを横目に・・・

 

 

スッ・・・

 

 

先に立ち上がったアタシになぜかみんなビックリした顔をしていた

 

 

「え?どないしたん?」

「え?芸しろっていうから、やろうかなと思って」

「え!?なんかできんの!?何すんの!?」

「安村でもやろうと思ったんだけど・・・」

「え!?女の子が安村やったらあかんやん!!全裸やんかそれ!!」

「安心してください」

「!?」

「全裸じゃなくパンイチですよ」

「同じことや!!!」

 

 

さっき出会ったばっかりなのに

(あれ、なんだか居心地がいいな・・・)

 

ツッコみしながら焦るこの人を見て

 

 

あ、多分アタシこの人と付き合うな

 

 

そう野生のカンが働いていたのだった

 

 

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