年末年始は久々に大阪に帰った
まなみも神奈川の実家に行くと言っとったからちょうどええと思って
ほんで、久々のあいつらとの飲み会!
「蔵りんど~お?札幌の生活は?」
「めっちゃ寒いけど食いもん美味いし、スキー場も近くてスノボやり放題やしなかなか楽しいで」
「エンジョイしとるな」
「ええなぁ、修学旅行でもめっちゃ飯美味かったもんなぁ」
「あのいくら丼は忘れられへんわよねぇ」
「ワイも食ったで~!羊さん美味かった~!」
「あ、そういや財前の好きなミクちゃんの市電とか走ってたで」
「そういうのは写メしてください」
「すまん・・・今度撮っとくわ!」
「へぇイタ車ならぬイタ電か」
「ミクは札幌の会社が開発したソフトやからな」
「そうなん!?知らんかったわ!やから札幌のあちこちにミクちゃん飾られとるんか!」
「全部写メせぇや」
「わかった、すまん」
「なぁなぁ、白石も謙也も同棲しとるってホンマ?」
金ちゃんが昔のようなくったくのない笑顔でそう聞いてきた
金ちゃん・・・プロのテニスプレイヤーになって海外あちこち転々としとるから事情があんまりよくわかってへんようや
「・・・金ちゃん、同棲やなくてルームシェアやで」
「そうなん?けど、好きやから一緒に暮らしてるんとちゃうの?」
「好き・・・て・・・、」
いや、別に
「ははは、アホやなぁ金ちゃん、ルームシェアはただの同居やで、恋愛感情がない者同士が同じ部屋をシェアするからルームシェアって言うんやで」
って言えばええだけやろ
けど、今、俺
その同居人のこと好きやんか
大好きやんか
せやから否定でけへんというか・・・
その「好きやから一緒に暮らしてる」っちゅーのは、まぁ一概に外れではないなぁと思ってしまって上手く言葉がでぇへんかった困ったなぁ
「いや、ちゃうで、ルームシェアっちゅーんは共同生活やで、恋愛感情がないもん同士で住むんがルームシェアや」
俺が言葉に詰まっていると、白石がそういった
うん、まさしく俺が言いたかったことや
「あらぁん?けど、けんやくんの方はちゃうみたいやけどねぇ?」
そこですかさず俺が言葉につまったことを気付いた小春は、ニヤニヤしながら俺のほうを向いてそう言った
その言葉につられて、こちらを向くメンバー
いや、ちょお!
そんな目で見んといて!
「え・・・謙也まなみちゃんのこと好きなん?」
「え!?」
「つきあっとんのか?」
「つきあっとるの?」
「つきあっとんすか?」
「つきあっとんのー!?」
「みんなで同じこと聞くなや!!」
「いや、けどさおりちゃんそんなこと言うてへんかったから、謙也の片思いやろ」
「なんやお前片思いやったんか」
「へぇ夏に集まった時に同居人変わっとる言うてたけど、変わっとる子好きなんすか?」
「氷帝の人たちと仲ええって言うてた子やろ?」
「まぁちょおシスコンかなぁて思うけどええ子やで、さおりちゃんにめっちゃ優しい子やからな!」
「え、ちょ、まって!?何勝手に話すすめとんねん!!」
「「「「「え、やって好きなんやろ?」」」」」
こ、こいつら・・・
なんやねん!勝手に決めおって!!!
(間違いやないけども!!!)
「・・・」
「黙秘っちゅーことはそういうこっちゃな」
「はぁ!?なんも言うてへんやんけ」
「いやいや、謙也俺ら何年の付き合いや思うてるんや」
「謙也さんのことなんて手にとるようにわかりますわぁ」
「謙也わかりやすいなぁ!?」
「謙也、隠さんで素直になれば俺と小春みたいになれんで」
「せやで!女の子はガンガン来るほうが心打たれるんやで!」
くそっ・・・
言い返す言葉もない・・・
「もう告ったんか?」
そう、ユウジが聞いてきた
「・・・いや、告ろうと思うても何やタイミング悪くてな・・・」
「一緒に住んどるならさっさと告ればええやんか」
「っちゅーか、もう犯したればええんちゃいますか?」
「は!?そんなことせぇへんし!!」
「財前!なんちゅーこと言うんや!」
「けど、気持ちくらいはいつでも伝えられそうやけどな」
「そんな簡単やないで、一緒に暮らしてるからこそなぁ・・・」
「確かに一緒に暮らしとると逆に難しいかもしれへんわねぇ」
「一緒にいろんなとこ遊びに行くねんけど、車の中であいつ寝るか歌ってるかやし、遊ぶのに夢中でそんな告白する雰囲気やないっちゅーか・・・」
「うんうん、想像出来るわ」
「家におっても、向こうが部屋に籠ってたり、氷帝のやつら遊びに来たり、なかなか言い出せへんねん」
「なるほどなぁ」
「向こうは謙也くんのことどう思ってるん?好意的なん?」
「せやなぁ・・・誘うといろいろついて来てくれるし、向こうから誘ってくれることもあるし、嫌ではないとは思うけどな、なんせモテんねん・・・せやから焦ってはいる」
「焦るわそれは焦る!小春もモテモテやから俺もいつも焦っとるで!」
「いや~ん♥モテモテで困っちゃうわぁ~ん♥」
「謙也はよぉ好きって言うたほうがええでー!好きなもんは好きって言わなあかん!」
「金ちゃん・・・それな、簡単に出来たら苦労してへんねん・・・」
俺は思わずため息が出た
(焦っとるのはホンマ)
(けど、告ろうと思ったら邪魔が入ったり、)(告れない感じやったり・・・)
(ちゅーかこいつらに相談しても何も解決にならんしもうやめよ・・・)
「部長はどうなんすか?」
「ん?おれ?」
「さっき同居人の子ええ子やって褒めとったけど、好きなんとちゃいますか?」
「はは、ちゃうで、俺はホンマにそういう感情はないわ、ホンマにええ子やしこの子と住めてよかったなぁって思う事はあるけどな」
「・・・そうですか」
「最初の頃は大変やったで、ずっと実家暮らしやったから家事なんも出来へんし、めっちゃ無駄遣いも多くてなあ」
「はぁ・・・」
「けど、ちゃんと教えたらわかってくれてん!いやぁ俺ほんまに感動したわ!」
「・・・」
「今では家事は基本的なことはちゃんと出来るようになったで!俺の指導のたまものやわ」
「・・・」
「まぁけど食生活とかいろいろ心配なところはまだまだあるからほおっておけないんやけどな!」
「・・・」
「今も何してんのか心配やけど、実家帰っとるから大丈夫やと思うわ、ちゃんとしたもん食べてるわきっと」
「・・・」
「あーけど帰って来るの俺よりちょお早い言うてたな・・・その間大丈夫やろか・・・めっちゃ心配やわ」
「・・・部長・・・」
「・・・蔵リン・・・」
「「・・・白石・・・」」
「言うたらうさぎさんやからな、ほっとくと死んでまうねん、さおりちゃん繊細やからなぁ1人にでけへんねん」
(・・・)
(白石お前・・・)
俺のことより、
このにぶちんな男のほうが大問題やってその場にいた誰もが思った・・・
(まなみがしきりに 白石やばい って言うてたの何かわかるな・・・)(ホンマ・・・こいつアホちゃうか・・・)
(っちゅーか、みんな こいつやばい って顔しとるな・・・)
(あの金ちゃんですら!)
白石のおかげで(?)その後俺がいじられることはなかった・・・
また普通にいつもどーりアホな話をして盛り上がった
(年末年始終わったら、ちゃんと言うで!!)(覚悟しとれよ!)