「あれ?白石くんどうしているの?」
平日、私がお休みの日に白石くんがいた
珍しくて聞くと、
「俺、これからは平日休みになってん」
そう答えが帰ってきた
「え?そうなの?」
「おん、今度研究で菌を研究すんねんけど、土日も行ってめんどう見ないとあかんくて、」
「へぇ」
「みんな家族いて土日は休みたいやろうし、俺が土日出勤するから平日休みにしてって提案したら上司もええって言うてくれてな」
「え?自分から言ったの?」
「おん、平日休みやとさおりちゃんと遊べるやろ?」
「・・・」
「俺の休みたい日優先してくれるって言うからさおりちゃんのシフト教えてな!それ見て休みの日決めるわ」
サラッとそう言った彼に胸がときめいてしまった
あれから、
東京に一緒に行った時から、
彼がとにかく優しい
とにかく私は勘違いしてしまいそうで、
たまにしか会わないからなんとか平穏無事でいられたのだけど・・・
(惚れてまうやろーーーーー!!!って心の中で何回叫んだことか・・・)
(ううっ・・・ドキドキしっぱなしだよ・・・)
(これから一緒にいる時間が増えたら、もっとやばいよ・・・)
最初こそ、神経質で綺麗好きな彼とはやっていけないと思っていたけど、
あれから彼も黙っていろいろやってくれるようになったし、
私も至らないところはきちんと反省して彼にいろいろ家事を教えてもらえるようになった
私の気持ち的にも、楽になったし、何よりキレイなお家に住めるのは本当にありがたいし快適であるとわかった
(今ではちゃんと自分の部屋もキレイにしてるんだよ)(洗い物も、洗濯もすごいちゃんとやるよ!)
(このタワー綺麗だからちゃんとキレイにしてたいもん・・・)
私の生活も非常にいいものに変わった
それは彼のおかげ
「ほな、今日はどこ行こうか?」
そう、彼がニコッと笑う
その仕草にまたときめいてしまう
(男慣れしてないから、優しくされたらコロッといっちゃうんだよ・・・!)
結局、2人で札幌駅で映画を観たり買い物したり、ブラブラと
え、これってデートかな?
デートみたいだよね!
(こんなイケメンとデートとか・・・!)(幸せ~)
お昼は札駅の中に入ってるオムライス屋さんに2人で入った
「今夜何食うかな」
「今昼ごはんなのにもう夜の話!?」
「せやって、計画的に行きたいやんか」
「う、うん・・・」
「夜は家で食おうな、何食べたい?」
「じゃあ、ハンバーグ作るよ」
「お、ええな、ほな俺サラダ作るわ」
「うん、よろしくね」
「あ~、俺も車買おうかな」
「車買うの?」
「謙也車買ったらしいで」
「そうなんだ!いいね」
「おん、今度は空港まで車で来るって張り切ってたで」
「そっかぁ」
「今住んでるとこ、交通の便はええけどちょっと離れた場所やとやっぱり車あったほうがええよな」
「う~ん、まぁ北海道広いからね~・・・」
「せっかくやから旭川とか函館とか行きたいわ」
「あ、函館いいね!桜見に行きたいなぁ~」
「せやなぁ、小樽にも行きたいし・・・昔修学旅行で行ったけど寿司美味かったなぁ」
「そうだね、北海道は回転寿司でも美味しいって言うからね」
「温泉もええ温泉たくさんあるやん?洞爺湖に登別に・・・いろいろ行ってみたいねん」
「楽しそうだね」
「楽しいできっと、毎回レンタカーっちゅーのも大変やし、今のとこ駐車場空いてるって言うてたし、買おうかな」
「うん、いいと思うよ」
「おん、ほな車見に行ってみようかな・・・いやいやまずはいろいろと調べてからにしよ」
「(調べてから・・・)(さすがだ・・・)うん、そうだね・・・」
「ローンとかのことも調べたいし、そうしよ!」
「うん・・・(楽しそうだな)」
「あと北海道でおススメの場所ある?」
「うーん、十勝のほうも楽しいよ豚丼美味しいし、ワインとかチーズとか・・・あとスイーツの王国だからとにかく食べ物が美味しい」
「ああ!ええなぁ!行ってみたいわ!」
「冬は流氷とか・・・網走のほうで観れるし・・・」
「流氷な!寒そうやから暖かい恰好でいかなあかんな」
「あとは・・・礼文島とか奥尻とか大自然ですごく素敵なところって聞いたよ」
「ええなぁ・・・行きたいわぁ」
「うんいいと思うよ、写真撮ってきたら見せてね」
「え?何言うてるん?」
「え?」
「さおりちゃんも一緒に行くんやで」
「え!?」
「俺一人で行くとか寂しいやん」
「え!?でも友達とか・・・」
「いや、会社の人たちとは仲ええけど、結婚しとる人多くてあっちこっち行こうって感じでもないからな、俺の友達さおりちゃんくらいやし」
「あ・・・そうなんだ・・・」
「おん、今言ったとこ全部行こうや」
「全部!?」
「おん、休み合せて行こうや」
「う、うん」
「楽しみやな!さおりちゃんも写真いっぱい撮れるで!」
(ずるいよ・・・)
きっと、彼は何も考えずに軽く言ったんだと思う
けど、
(そんなこと言われたら、)(意識しちゃうよ・・・)
わかってる?
2人で旅行だよ?
(友達は、そこまでしないよ・・・)
胸がドキドキすると同時に、
彼の顔を見ているとなんだか切なくもなった
どうしよう、
絶対もっともっと好きになる
一緒にいると好きになる
彼への想いがどんどん加速していることに気付いて、俯いて彼の話を聞くことしか出来なかった