「さおりちゃん、そろそろ家出るでー」
「ちょ、ちょっと待って!!」
ガラガラガラ
(!?)
彼女の大荷物を見て、海外旅行にでも行くんかと思った・・・
「・・・ホンマ、びっくりやわ・・・2泊3日やろ!?」
「・・・白石くんは知らないんだよ・・・」
「え、何が」
「だって、向こうでたくさん買い物するんだもん(グッズとか)、私前に普通の肩掛けカバンで行ったら重すぎて腕外れそうになったんだからー!」
「送ればええやん、荷物増えたら」
「ダメ!帰ってすぐ堪能したいの!!」
「・・・さよか」
空港で食事をしながらそんな会話をする
彼女のあまりの荷物の多さに、土産買ったらすぐに荷物預けたで・・・
俺が持つで言うても遠慮するから見てられへんわ・・・
ホンマに荷物多い子やな・・・(普段もやたらでかいカバン持ってるもんな・・・)
「はぁ・・・まだ時間少しあるね、もう少し空港の中見てもいい?」
「ええよ」
「ドラえもんのところ行ってもいい?」
「ドラえもんな、俺も行ったことないわ」
「ドラえもんのガチャガチャあったらやるんだ~」
「そうなんや(ガチャガチャ?)」
「あとロイズのお店でチョコも買っていきたい!」
「おん、わかったで」
「あとねー、じゃがぽっくるのお店で揚げたてのじゃがぽっくる買って~」
「・・・おん」
「ラスクも買って行かなくちゃな・・・」
「・・・」
「あ!まぁちゃんが好きなチーズケーキも」
「ちょっとまって」
「え?」
「荷物もう預けたやん、お土産増やしてどないするん?」
「え、でも・・・」
「さっきもたくさんお土産買うてもうカバンにしまったやん、あれじゃあかんの?」
「・・・いや・・・いいんだけど・・・」
「ほな、荷物は増やさないようにせんとあかんで」
「・・・はい・・・」
シュンと落ち込んでしもうたさおりちゃん
いや、けど、あかんやろ
これから飛行機乗るのにまた荷物増やすって・・・
それでなくても荷物多いのに、絶対あかん
(この子変なもんよく買っとるようやし・・・)(金銭感覚も直してやらなあかんな・・・)
「ほな、いこか」
「え・・・?」
「ドラえもん、行くんやろ?」
「え、行っていいの?」
「おん、行く言うてたやん」
「お土産買っちゃいけないっていうから、ダメなのかと思った」
「いや、ダメではないで、その手持ちのカバンに入るくらいならええと思うし」
「・・・うん」
「あんまり買いすぎないようにしよな?」
「・・・はい」
その後一緒に空港内を見てから、飛行機に乗った
結局、彼女は妹さんへチョコを買っとったけど、それ以上は買うことがなかった
えらいで!
忙しくて休みの日も出勤しとったし、たまにはきちんと休みなさいと上司にも言われ、
まぁ別に休みとらんくてもええけど、彼女と息抜きにどっか行けたらええなぁと思うていた
彼女のことは、北海道で初めて出来た友達やと思うてる
今まで俺に近づいて来た女性たちとは違って、話も合うし、一緒にいて楽しかった
彼女は俺にとって、金ちゃんに近い存在で、手のかかる妹みたいな感じや(同い年やけど)
いや、金ちゃんよりもほっとけへん
なぜなら彼女はほっとくと(ry
彼女の妹と謙也が一緒に暮らしていると聞いたのも、行こうと思った理由の1つだった
そんな共通点、嬉しいに決まっている
東京に引っ越した謙也と久しぶりに話したかったし、彼女に便乗するように東京へのチケットを買ったのだった
(さおりちゃんとは向こうではあんまり一緒にはおられへんけど・・・)(まぁでも道中は2人で楽しく話していこうかな)
東京について、迎えに来た謙也と彼女の妹に合流した
家に着いてから、みんなで酒盛り
正直、めっちゃ楽しかった
(不思議なもんやな)(今まで男だけの飲み会なら楽しいと思うてたけど、)
(女の子がいてもこんなに楽しいなんて!)
ほんで、次の日氷帝メンバーと一緒にテニスコートにやってきた
久々のテニス
これはもう、楽しむしかないな!
「くっそ~また宍戸にやられたC~!!」
「こっちは部活で毎日テニス教えてんだよ!店番しながら寝てばっかのお前と違うんだよ!」
「さすがです!宍戸さん!」
「亮!次は俺とやろーぜ!」
「謙也・・・久々すぎて体なまっとるんやないやろな?」
「はん、アホぬかせ、お前には負けんで」
「おれかてお前に負けへんわ・・・」
「すまんなぁ、跡部クン、氷帝の集まりに混ぜてもろうて」
「いや、あいつら忍足のイトコが近くに越してきてから、何度か誘ってるし気にするな」
「ホンマ助かるわ~謙也のことよろしくな!」
「それより、お前も仕事ばっかで体なまってんじゃねーだろうな?俺様が相手してやるぜ?あーん」
「・・・相変わらずの俺様やなぁ・・・ほな、ひと試合頼むわ」
久々のテニスは楽しくて、ほんで、夜の飲み会
関東のテニス関係者が集まった
東京におった時に何度か誘われたけど、このメンバーも久々やわ!
「不二クン、こないだの雑誌の写真めっちゃよかったで!」
「ありがとう、白石のほうは忙しいんだろ?北海道に転勤して大変だね」
「いやいや、好きでやっとることやしな、北海道食べ物美味いし楽しいで」
「そういえば、女の子と一緒に暮らしてるんだって?」
「せやねん、幸村クン情報早いな!」
「え!?彼女っすか!?」
「ちゃうで、ただのルームシェアや」
「え、ルームシェアで女の子と住むんすか!?」
「せやで、切原クンは実家やっけ?ルームシェアもけっこうおもろいで」
「え~・・・でも女の子と住むのって、その子のこと好きにならないんですか?」
「え、別にならへんよ、ホンマにただのルームシェアや」
「俺なら絶対好きになりそう・・・」
「フフ、赤也ならそうだろうね」
「謙也も女の子とルームシェアしとるで」
「え!?そうなんすか!?」
「おん、せやで、なぁ謙也!」
「え?なんて?何の話?」
「いや、お前も女の子とルームシェアしとる話」
「あ、せやで!しかもな、めっちゃすごいねん!」
「え、何が?」
「俺とコイツがルームシェアしてる相手な・・・」
「うん、何?」
「なんと双子やねん!!」
「ええ!?」
「え、どういうこと?」
「俺が双子の妹と暮らしとって、白石が双子のねぇちゃんと暮らしとんねん!!すごいやろ!!」
「え!?なんで!?」
「それって偶然?」
「偶然やで、こないだわかってん、なぁ」
「せやで、今回そのねぇちゃんと一緒にこっち遊びに来たんやで」
「俺らもそれ聞いてびっくりしたぜ」
「なー、あいつ双子だったの知らなかったし俺ら」
「え、向日さんとか宍戸さんも知り合いっすか?」
「俺らの飲み仲間なんだよなー妹のほう」
「え、そうなんすか!?すげーな!!」
「へぇ、すげーなその双子」
「マジマジすっげーんだよ!!丸井くんも見てみたいでしょ!?」
「おー面白そうだな」
「じゃあ、双子呼んじゃおう!ね!」
「え・・・?呼ぶってどういうことなん?」
「はぁ!?あいつ来ねーだろ、また金ないっていうぜ」
「そこは、ほら、跡部がいるし」
「ふん、こんな安い居酒屋の代金くらい俺様がおごってやるよ」
「ね、2人呼ぼうよ!俺まなみのねぇちゃん見てみたい!」
「けど、夜はねぇちゃんと舞台観に行く言うてたで?無理やろ」
「舞台ったって9時には終わるだろ、ちょっと待て今迎えを寄こす」
「わー!さすが跡部!」
(え?ほんまに来るんかな?)
(さおりちゃんがここに来るん?)
いやいや、まさか来ないだろうと思っとったけど・・・
30分後・・・・・・・
「ちょっと!!拉致られたんだけど!!」
「カタカタ(((;゚;Д;゚;)))カタカタ」
ホンマに双子がやってきたのやった・・・