今日はまなみのねぇちゃんが来る言うて、朝からこいつは嬉しそうやった
「よし!部屋の片づけよし!」
「おん、毎日2人で頑張ったかいがあったな・・・」
「うん!あんたの友だちも来るんでしょ・・・話によると綺麗好きなんだそうな・・・」
「おん・・・せやねん・・・けど多分、人んちにダメ出しはせぇへんと思うで・・・」
「信用してない」
「お、おん・・・」
「じゃあ、今日の夜駅まで迎えに行くから」
「おん、わかった」
「まぁこっち着くの10時くらいだから今日遅くても大丈夫だわ」
「わかったで」
「じゃ、仕事行ってくるわ」
「おん、気ぃつけてな」
(めっちゃ嬉しそうやな!)(ねぇちゃんと会えるのそんなに嬉しいんやな・・・)
俺も久々に今日はウキウキした気持ちになって、
仕事に行く準備をした
――――――――――――――
仕事が終わって、彼女と一緒に駅まで来た
俺以上にソワソワしている彼女を見る
「まだかなぁ?もうすぐだと思うんだけどなぁ」
「せやなぁ、そろそろやんな」
「さおちゃん荷物多いから心配だなぁ」
「平気やろ、白石おるし」
「は!?さおちゃんを泣かせた男だぞ!!信用してねぇっつーの!!」
「白石の評価めっちゃ悪いな!!」
「当たり前だろ!!」
2人でそんな風に話していると、
ちょうど電車が到着して、続々と人が降りてきた
「さおちゃんいるかなぁ・・・」
「あー白石目立つからすぐわかると思うで」
ソワソワとねぇちゃんを待っている時・・・
おーい!
駅のホームで手を振っているまなみにソックリな女の子
その隣には白石もおって、片手を上げてこちらに合図した
「あ!きた!」
そして駆け寄って行く彼女
(子供みたいやな!)
姉ちゃんと再会すると、今まで見せたこともない様な笑顔で笑った
「やぁ、よくきたねきみ!」
「うん、来たよ、遅くにごめんよ~」
「なんもだよ」
「よぉ、久々やな」
「よ、元気そうやな」
「おう」
「おい!お前!」
ゲシッ☆
「てっ!!な、何!?」
「お前さおちゃんのこんな大きな荷物持たないとは何事だ!!」
まなみが思い切り白石を蹴った・・・(痛そうやな!)
ねぇちゃんを見ると、めっちゃ大きなトランクを持って来ていた
その他にカバンも持って・・・確かに重そうや・・・
「ま、まぁちゃん!私が持たなくていいって言ったんだよ!!」
「もーきみいつも荷物多すぎだよ」
「いや、きみに貸すものたくさん持ってきたし、帰りたくさん買い物するから荷物多くなるからさー」
「そうかい、帰りは持ってもらいなよ」
「え・・・別にいいよ・・・白石くん、ごめんね・・・」
「いや、大丈夫やねんけどさ・・・双子なのに全然性格ちゃうな・・・」
「ホンマやな・・・俺もびっくりやわ、こいつが2人いると思うてたけど、性格全然ちゃうな」
「もぅまぁちゃんも謝りなよー」
「いいんだよ、さおちゃんを泣かせたのも含めて蹴ったから、じゃあ早速行こうよ」
そう言って、まなみは歩き出す
「ちょっと待って!」
そう言って、荷物を持とうとしたねぇちゃんに俺は近づき
「はじめまして、俺、忍足謙也言います」
と挨拶した
「あ、いつも妹がお世話になってます、姉のさおりです」
「荷物持つで」
「え!いえ、重いからいいです!」
「ほな、尚更やわ、ええから持たせてや、俺まであいつに蹴られてまうわ」
「さおりちゃん、謙也に任せとき」
「え・・・でも・・・」
「さおちゃん!謙也に任せて早く行こうよ!!」
「う、うんわかったよ・・・じゃあすみません・・・お願いします・・・」
ペコリと頭を下げて、ねぇちゃんはまなみの後を追った
「・・・ホンマに性格違うな」
「おん、顔はそっくりなのにおもろいな」
「俺、妹さんに挨拶できてへんわ」
「かまへんよ、挨拶なんてさせてくれへんよ」
「・・・ずいぶん仲良ぅなったようやなぁ謙也」
ニヤニヤと白石は俺のほうを見た
(な、なんやねんそれ!)
「・・・はぁ!?そんなんとちゃうし!」
「まぁ・・・まだ時間はあるし、ゆっくり話そうやないか」
「なにをや!」
「そういえば、宍戸クン達明日平気なん?」
「平気や言うてたで、こっちにおるやつらみんなに声かけてくれたで、青学とか・・・」
「お、ホンマか、わざわざ悪いな」
「ええんちゃう?お前もこっちいた時テニス部飲み会誘われたんやろ」
「おん、せやで」
「関東組はけっこう頻繁に集まってるみたいやな」
「まぁ俺らも久々やし楽しもうや」
「・・・(なんやねんこいつのニヤニヤ)」
そんな話をしながら帰路につく
帰り道も、ねぇちゃんとまなみは、めっちゃ楽しそうやった
(あんな笑顔見たことないで!)
「明日、舞台始まるまで池袋ね」
「うん、どうしよう、めっちゃ緊張する~執事喫茶やばい・・・」
「前回のリベンジしよう、きみ緊張しすぎて吐きそうになってたから」
「うん!イケメンへの耐久はバッチリだからね!」
「対して執事喫茶にイケメンいないけどなwww」
「お嬢様扱いってとこが死にそうになるよ私・・・」
「うけるなきみwww執事喫茶終わったらナンジャタウン行こうね」
「うん、今うたプリコラボだから楽しみ~」
「翔ちゃんwww」
「きみ翔ちゃん好きだね!」
「好きだよ、マジ・・・結婚したい・・・」
「うける~!でも弟がネックだね」
「マジあのブラコンどうにかしてよ、きみが弟と結婚すればいいよ」
「やだよ!私にはレンが・・・」
「うけるなwwwレンのどこがいいかわからんwww」
「楽しそうやなぁ、俺もナンジャタウン行ったことないから一緒に行ってもええ?」
「し、白石・・・(おお・・・!こいつ普通に入っていってすごいな!!)(俺今入ったらアカン空気やったと思うで・・・!)」
「いいわけないだろ!!話しかけんな変態!!」
「変態て・・・なしてそうなるん・・・」
「ま、まぁちゃん・・・」
「(やっぱ怒らせたか・・・)お、俺らは飲み会までに久々にテニスしに行こうや!」
「おん、ええけどどこに?」
「跡部んちのテニスコートで氷帝チームがテニスしに行くからって誘われたで」
「ええな!ほな行こうか!」
「そうだそうだ!こっち来んな!!こっちはさおちゃんとデートなんだよ!!」
「まぁちゃん、威嚇しちゃダメだよ・・・」
「威嚇って・・・猫みたいやなぁ」
「猫とか言うな!!」
「ま、まぁ落ち着けや・・・(なしてこんなに機嫌悪いねん・・・)」
家について、とりあえず2人が風呂に入っている間に白石とビールを開ける
「謙也にしてはキレイにしとるやん」
「なんやねん、その謙也にしてはって」
「やってお前ロッカーん中めっちゃ汚かったやん」
「そんなんガキの頃の話やんけ!」
「まぁそうやな、俺らももうええ大人やからな」
「せやで・・・」
「んで、彼女とはやったん?」
「ブッ!!」
こいつにいきなりの問いに、口に含んだビールを吐きだす
何言いだすねんこいつ・・・
「アホか!そんな関係やあらへんわ!!」
「そうなん?けど、お前あの子のこと好きやろ?」
「はぁ!?何言うてんねん!!ただの同居人や!!ルームシェアしとるだけやろ!!」
「けどなぁ・・・女の子に真面目なお前がルームシェア続けとる相手やからなぁ、絶対好きになっとるんやろうと思うててんけどな」
(さすが・・・長年の付き合いや・・・)
(まぁ、当たらずとも遠からず・・・っちゅーとこやな・・・)
「・・・好き、とはちゃうけどさ、まだ」
「”まだ?” ほな、可能性はあるんやな」
「そういうお前はどうなんや!!お前こそ女嫌いやのにおかしいやないか!!女の子と住むとかビックリしたで!!」
「俺?」
「お前こそ、ねぇちゃんのこと好きなんとちゃうやろな!?」
「いや、ないで」
「え、」
「ないで、ホンマにただのルームシェアやし」
「言い切ったな!」
「俺はあれや・・・うさぎと暮らしとる感じや」
「はぁ!?」
「ほっといたらあかんねん、死んでまうねん」
「え・・・お前それ・・・」
「ん?何?」
(あ、あかん!!)(こいつこそぜんっぜん自分のことわかってへんやん!!)
(お前がそう思ったら終わりやで!!)(今までのこと思い出してみろや!!)
(離れられんくなるで・・・!!)
ガチャ
「あー久々に語ったねー」
「やっぱりお風呂は盛り上がるねー」
(!?)
白石とそんな話をしていたら、2人が風呂から出てきた
(あ、あかん)(まともに顔見れへん・・・)
けど、白石は・・・
「さおりちゃん、髪の毛まだ濡れてるやん、髪ちゃんと乾かさなあかんで」
(!!??)(ダメ出ししよった!)(すごいなこいつ!!)
ホンマ・・・
こいつ・・・自分でわかってへんのかい・・・
(昔から世話焼きで、鈍いとこはあったけど・・・)(おかしいやろ・・・)
それを言われたねぇちゃんもねぇちゃんで、
「うん、わかったよ」
と、再び髪を乾かしにいってもうた・・・
なんやねんここの関係・・・
なんか、おかしいな・・・
「おい!さおちゃんに口出してんじゃねー!!」
そして、まなみからの蹴りを受けながらも「まぁまぁ飲もうや」と土産のワインをこいつに渡し、いきなり飲み会が開催された・・・
(白石・・・ここまでアホやったか・・・)
(忙しすぎて頭おかしくなってもうたんかな・・・)
「謙也ーつまみー!買ってきてー!」というまなみのいう事を聞いて、
おとなしく、コンビニまで走るのだった・・・