まぁちゃんと一緒に暮らしてる相手が、
白石くんと一番仲の良い友達だったみたいで、
それから、
私たちの距離も少し縮まったような気がする
(共通の話題ってやつ?)
「ただいまー・・・」
「あ、おかえり」
居間のドアを開けると
(!!??)
そこでは、上半身裸の白石くんが・・・
「ご、ごめんなさい!!」
「いやいや、こんな格好ですまん、今着るわ」
そういうと、彼はすぐにTシャツを着た
「今日早く上がれたから走ってきてん」
「あ、そうなんだ・・・」
「おん、で今シャワー浴びたとこ」
「うん」
「さおりちゃん、ご飯どうする?すまん、まだ作ってへんねん」
「あ・・・じゃあ軽くなんか作るよ」
「あ、ええ?すまんな」
ほな、俺洗濯物畳もうかなと言って、彼は自分の部屋へ戻って行った
(び、っくりした・・・)
今まであまり会わなかったのもあるけど、お風呂上りとかものすごく気を付けていたから、
あんな、上半身裸なんて見たことなくて・・・
(・・・すごい筋肉だったな・・・)
(男の人と住んでるって実感・・・)
自分のことはとにかく気を付けまくっていた
私が休みの日にとにかく洗濯
お風呂も出来るだけシャワーだけにしてたし、
トイレにはオシャレに見える芳香剤も置いてるよ・・・(木の棒みたいなやつ)
だけど、
(はぁ、こんなこともあるんだな・・・)
男の人と一緒に暮らしてるのって、よく考えたらすごいわ・・・
この私が男の人と住むなど!
そんな風に思いながら、手を洗って、簡単にパスタでも作ることにした
「なぁ、さおりちゃん、次の休みっていつ?」
2人で出来たパスタを食べているとそんなことを聞かれた
「次の休みは、火曜日」
「そうなんや・・・土日で休みの日とかあらへんの?」
「土日は生徒さんくるからあんまりないけど・・・あ、でも来月の土日はお休みもらったから東京行ってくるんだ~」
「あ、そうなん?妹さんとこ行くん?」
「うーん、メインは舞台観に行くんだけど、金曜の夜に行って、金土で妹のところに泊まるつもり!」
「そうなんか・・・」
「けんやくん?だっけ?会ってくるね」
「おん、めっちゃおもろいであいつ」
「そうなんだ」
「おん、ええ奴やから、きっと楽しいと思うで」
白石くんがそう言うならきっと本当にそうなんだろう
(白石くんの友だちだし・・・)(いい人なんだろうな・・・)
(しかし、あのイケメンがね・・・)(イケメンの友だちはイケメンなんだな・・・)
「そっか・・・こないだすずらん見に行こう言うてたからさ・・・いつ行けるかな思うてたんやけど・・・」
「(あれ、この人本気だったんだ・・・)お休みほとんど合わないもんね」
「残念やけど仕方ないなぁ」
「私サービス業だからね・・・どうしても・・・」
「あ、いや、ええねん、またそのうちな」
「うん」
(この人、すごいな)(めちゃくちゃからんでくるな・・・)
(でも・・・)(イケメンと一緒にいられるのは)(正直めちゃくちゃ幸せ・・・)
そういえば、彼は”賑やかなのが合ってる”って言ってたけど・・・
私といて、この人は楽しいのだろうか?
そんな疑問が頭を過ぎった
(私別に楽しくないしな・・・)(この人・・・楽しいのかな本当に・・・)
隣でおいしそうにパスタを食べるこの人を見て、そんなことを考えてた
―――――――――
そして、それから数日が経ったある日
「さおりちゃん、ちょおええ?」
出勤する前に白石くんに呼び止められた
「どうしたの?」
「いや、こないだ東京いくって言うてたやん」
「うん?」
「それさ、」
「?」
「おれも一緒に行ってええ?」
「え!?」
「その日なら早く帰れそうやねん、土日休みやし」
「そうなんだ・・・」
「飛行機何便か教えてもらえる?できれば席も隣がええなぁ」
「えっと・・・そしたらあとで航空会社のメール転送しとくね」
「おん、頼むわ」
「うん、わかったよ・・・」
「楽しみやな!」
ドキッ
そうやって笑う白石くんの笑顔を見て胸が高鳴ったのが自分でもわかったけど、
仕事に行く時間だからと言って、誤魔化して家から出た