朝、起きたら
「お、おはよう」
白石くんがいた
(珍しい!)
「おはよー」
「さおりちゃん今日休みなん?」
「うん、ゆっくり寝れたよ~」
「よかったな!」
「あれ、もう8時だよ?白石くん仕事は?」
「今日休みやねん」
「あ、そうなんだ」
「日曜に出勤しとるから代休や」
初めて休みあったなぁと白石くんは笑った
(ホント、朝から眼福です・・・)
「白石くん、どっか行ってたの?」
「ああ、走ってきてん」
「え、すごいね」
「なんもすごないで、昔のがもっと走っとったからなー」
「運動部だったの?何してたの?」
「テニス部やで」
「へぇ・・・そうなんだ(チャラいな!)(この顔でテニスとか!)(モテただろうなー・・・)」
「さおりちゃんは?」
「パソコン部」
「そのままやな!」
「うん、そのままだね」
とりあえず、なんか食べようかなーって思って、
そう言えば白石くんまだだったら一緒に作ろうかなって思って聞いてみた
「白石くんご飯食べた?」
「いや、今からやで」
「何か作ろうか?」
「え、ええの?」
「うん、お互い様だし・・・ホットサンドでいい?」
「ええよ!有難いわ!」
ホットサンドは大好きなんです
けっこうメニューも各種揃えているよ
私がホットサンドを作っている間に、彼はコーヒーを入れる
私の分も
(まぁ、最近コーヒー飲めるようになってきたからいいか)
ああ、なんだか、
私の理想としていた優雅な生活がここにある・・・
まえ家では出来なかった優雅な生活が・・・
(前家は朝バッタバタだったし・・・)(ってか、コーヒーとか飲んでまったりって言うの似合わないなw)
(母さんのお弁当の残り食べて適当にゴロゴロするだけだったもんな・・・)
朝日が部屋を照らす
キレイな部屋
オシャレな家具(彼のだけど)
少し香ばしいコーヒーの香り
隣にはイケメン・・・
え、何これ
最高なんですけど
何のご褒美ですか!!!
(あー・・・朝からニヤけるこれ・・・)
(最初は白石くんと住むのホントツライと思ってたけど・・・)
(最近はけっこううるさく言われないし)(というか、白石くんけっこう黙ってやってくれてるし・・・)
(あんなにだらしがなかった私の生活も改善されてきて・・・)
(ホント・・・いいこと尽くしじゃないの・・・)
ホクホクそんなことを考えていたら、
ホットサンド完成!
絶妙な焦げ具合!
(うん!完璧!)
キッチンの横の小さなカウンターへそれを運ぶ
「はい、出来たよ~」
「めっちゃうまそうやん!」
「うん、あったかいうちに食べよ~」
「おん!いただきます!」
めっちゃ美味いわ!と隣で同じ朝食を頬張るイケメン・・・
ああ・・・
ホント、幸せすぎる・・・
(これはまぁちゃんに報告だな)
「なぁ、さおりちゃん」
「なに?」
「朝走って北海道大学まで行って来たんやけどさ」
「ああ、北大?」
「おん、あっこめっちゃ広いな!」
「そうだよ、日本一でしょ大学の中で」
「せやな、日本一やんな?いやーすごいな、俺の大学もけっこう広いと思うてたけど、比べものにならへんわ!」
「白石くんの大学ってどこ?」
「ん?京大やで」
「すごいね・・・(え、この人頭もいいのか・・・)(何だろうこの人・・・)(顔も良くて頭も良くて運動も出来て家事も出来たら、もう結婚できないの決定だな・・・)(独身フラグ立ちまくりだなこの人・・・)」
「いや、別に全然やで、北大ええなぁ北大楽しそうやわ」
「うん、植物園とか博物館とか楽しいよ」
「行ってみぃひん?」
「え?」
「今日、予定ある?」
「ないよ(ゲームしようとしてたけど・・・)」
「ほな、一緒に行こうや」
「え、うん・・・」
「ほな食べたら支度しよ」
「わかった・・・」
せっかくの休日が潰れてしまった
(まぁいいか)(明日も休みだし私)
(毎日じゃないし、)(たまには、ね・・・)
食べ終わって、急いで支度をして、
私と白石くんは北大の探索に向かった
―――――――――――――――――――
「植物園めっちゃ広いな!」
「広いね~楽しいね~」
「え!?植物園楽しい!?」
「うん、楽しいよ?楽しくないの?」
「いや、めっちゃ楽しい!!けど、あんまり植物園とか来ぃへんやろ、若い子って・・・」
「若い子って・・・自分も若いしょ・・・」
「いや、俺物心ついた時から毒草めっちゃ好きで、けど毒草の話するとめっちゃ引かれててん」
「そうなんだ、その気持ちわかるよ」
「わかってくれる!?」
「わかるよ、私も恐竜とか歴史とか好きだけど、周りに全く話せるような友達はいなかったよ・・・ちょっと話したら変わってるねって言われるし・・・」
「あーわかるわかる、せやねん!ちょっとマイナーなもの好きやとすぐ変わってるって言われるよなー・・・」
「そうそう、別に人それぞれだしいいと思うんだけどね」
「せやなぁ、やっぱり少数っていうのはどこにおっても立場が厳しいわ・・・」
「ちなみになんの毒草が一番好きなの?トリカブト?」
「聞いてくれるん!?せやねん!トリカブト好きやねん!育ててるやつやで」
「あ、あのベランダの・・・何の花かと思ってたよ」
「あれトリカブトやねん!他にも有名どころやと彼岸花とかイヌサフランとかも育ててみたいなぁ思うてて・・・」
「へぇ、そうなんだ、私は毒草の中ではすずらんが好きだな」
「すずらん!かわええよな!」
「うん、そういえば滝野すずらん公園っていうすずらんがたくさん咲いてる公園があるよ」
「え!めっちゃ行ってみたい!!次はそこ行こうや!!」
「うん・・・いいけど・・・」
「あ、あっこにあるの!」
毒草でも見つけたのか、
彼は見つけた花のところに駆け寄る
(次は・・・って)
(次もあるのか?)
(まぁでも休み合わないし・・・)
(次回はなかなか来ないだろう・・・)
そんなことを考えながら、持ってきたカメラのシャッターを押す
(まぁちゃん・・・)(イケメンの写真、)(やっと送れそうです!)
「白石くん、撮ってあげるよ~」なんて声をかけながら、彼に近づく
緑とイケメンはよく映えるわ・・・とまたもやうっとりする私だった・・・