友だちと飲んで、家に帰って来たのが10時過ぎ。(アタシにしては早いほう)
「ただい・・・」
玄関には、汚い靴が無造作に脱ぎ捨てられていた
居間に行くと、
「おう、お前にしてははえーな」
そう言って笑顔を見せるいつものメンバー・・・
マジうざいわ
かんべんしてくれ
「また来たの!?謙也入れるなっつーの!」
「いやぁ、いろいろつまみになるもん買って来てくれてるし、悪いかなぁ思うて・・・」
「悪くないわ!断んなよ!」
「でもいるのわかるし、押しかけるけどな」
「謙也の部屋の電気ついたらジローから連絡あんだよ、謙也帰ってきた~って」
「そのジロはどこいったのさ」
「トイレじゃねーの?」
「え、でも、トイレの電気きえ・・・」
( ゚д゚)ハッ!
ま、
まさか!!!
ダーーーーッ
バタン!
(や、やっぱり~~~~!)
部屋へダッシュして、ドアをあけると・・・
( ˘ω˘)スヤァ
人のベッドで熟睡しているジローの姿が・・・
(さ、最悪すぎる・・・)
「ジロー!起きてよ!!」
「クークー」
「やだ!!アタシのベッドで寝ないでよ!!!」
「クー・・・」
「ジロー!!起きろ!!」
「・・・ん?あー・・・まなみおかえりー・・・」
「おかえりじゃない!!汚い服でベッド入るなっつーの!!!」
「あー・・・シャワー浴びてきたから大丈夫だC~・・・」
「大丈夫じゃねっつーの!!」
「あー・・・もううるさいな~・・・」
グイッ
「一緒にねよ」
ジローがアタシの腕を引いて、思い切り近づた体勢で そう、告げた
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
いや、そういう問題じゃねーわ!!!
「ジローのバカ!!早く起きろーーー!!」
「( ˘ω˘)スヤァ」
「あーもう!!」
(ジローのバカ!!)
「ちょっと!!あんたたち!!ジロー連れて帰ってよ!!アタシのベッドで寝てたんだけど!!」
「全部聞こえてたしwww」
「まぁいいじゃねーか、あとで連れて帰るから」
「今 す ぐ !!」
「そんな怒んなって、ほら、チョコやっから」
「いらねーし!!アタシも飲んできたからもう眠いんだよ!!ジロー邪魔だっつーの!!」
「でも、アイツ寝たら重いからなー」
「樺地じゃねーと運ぶの無理だわ」
「じゃあその樺地連れてこい!」
「無理ーwww樺地は跡部の秘書やってっから、跡部と世界中飛び回ってんの!」
「おー、樺地懐かしいなぁ!相変わらず跡部と一緒なんやな!」
「おう、跡部が樺地を離さねーんだよな」
「へぇ、跡部はたまにニュースとかで見るけどな」
「世間を騒がせてるからな、あの社長は」
「っつーか、そんな話どーでもいいの!!アタシ!!困ってるのアタシ!!」
「ジロー起こしてこいよ」
「今の聞こえてたんでしょ!?起こせなかったから言ったんだけけど!!」
「キスでもすりゃ起きんじゃね?」
「・・・さいてー」
「む、向日!何言ってんねん!!」
「もう!!ほんと最悪!!ジロ連れて早く消えて!今すぐ!」
「んだよ、機嫌わりーな」
「アタシが布団に寝られるの嫌なの知ってるでしょ!」
「ジローに何言っても無駄なの知ってるだろ」
「だな」
「むかつく!!風呂入ってくる!!」
「お前ホント飲んでも風呂だけは入るのなwww」
「大丈夫か!?酔ってるなら、風呂入らん方がええで!!」
「あんだけギャーギャー騒いでんなら大丈夫だろ」
「覗くなよ!!」
「お前の裸なんて見たくねーわ」
「・・・ガクト明日おじさんにこないだサンプルで置いてるカメラ壊したこと言うから!」
「はぁ!?やめろよ!!言うなって言ったろ!!」
(なんなのさ!)(ムカつく!)
あいつらが来るようになって、
すっかり一人の時間が減ってしまった
(いや・・・)
(アタシが一人の時はこないんだけどさ・・・)
アタシが本当に一人の時は絶対に来ないんだあいつらは
なぜなら絶対に扉を開けないから
だけど・・・
謙也が帰って来たのを見計らって週末に集まることが多くなった!
(謙也もドア開ける必要ないのに!)
(なんだかんだで楽しそうに飲んでるからなー・・・)
シャワーを浴びて、髪を乾かして寝る準備をした
(やばい・・・)(眠いわ・・・)
(瞼が閉じそう・・・)
飲み物飲んで寝ようと思って居間に行くと、また賑やかな声が聞こえた
「・・・何の話してんのさ、大声で近所迷惑だよ」
「お前と出会った時の話」
「謙也のやつが聞きたいって言うからよー」
「いや、めっちゃ仲ええなぁ思うて・・・でも学生時代の友だちやないっていうから」
「そうそう、3年くらい前の話な」
「道でさ、すげーケンカしててさ、殴られそうになってる奴いて、」
「俺らが助けた」
「え!?まなみ殴られそうになってたん!?」
「いや逆」
「まなみが殴ろうとしてた」
「っつーか、すでに蹴ってたよなwww」
「え、えーーーー!?なしてそうなるん!?」
「覚えてない」
「なんか、ナンパしてたっぽいんだけど、こいつ酔っ払ってるからさー」
「すげーその男怯えてかわいそうだったぜ」
「えぇー・・・」
「その時の記憶はありません」
「そんで、とりあえず暴力女を落ち着かせたら、カラオケいくーって言うから仕方ないから付き合って」
「なんだかんだで朝までカラオケにいたよな」
「ジローとこいつ途中で寝始めて、」
「眠かったんだよ」
「お、おん・・・それで?」
「で、起きてお金ないって言い始めて」
「帰れないから電車代貸せって言い始めて」
「そのあたりは記憶あるよ!寝たらスッキリ!」
「カラオケ代も払えねーって言うから、じゃあ後で返せよって連絡先聞いて、現在に至る」
「マジあんとき、なんで声かけたのか後悔したよなwww」
「金返って来たの、それから5回目に飲んだ時だったぜ」
「しゃーないじゃん、お金なかったんだから」
「す、すごいな・・・ゴクリ」
(ちょっとwww)
(謙也ドン引きしてるしょwww)
(やめれwww)
「思い出話はいいよ、じゃあ、アタシ寝るからジローどけて」
「無理」
「はぁ!?無理じゃないでしょ!?早く連れて帰ってよ!!」
「あー、今日俺らも飲みすぎたわ、無理」
「このまま寝かせといてやれよ」
「信じらんない!!早く帰れ!!もう眠いんだっつーの!!」
「あ、ほな俺の部屋で寝る?」
(え?)
驚いた顔で見たのは、
私だけじゃなくて、
(ガクトも亮も驚いた顔してた)
「・・・あ!!い、いや、変な意味とちゃうで!!俺のベッドで寝てええで!」
「アンタどうするのさ?」
「俺はソファで寝るからええよ」
「うわー、すげーな」
「え、謙也っていつもこうなのかよ?」
「そうだ、お前ら見習え」
「いや、神レベルだろwwwお前に優しくできる男とかwww」
「え、優しくないやろ、俺普通やろ」
「普通のはずねーじゃん!神だって!!」
「あーすげーもん見たわー」
「すげーわ謙也」
「けど、なんだかんだ言って向日も宍戸も優しいやんか」
「いや、俺らこそ普通だから」
「は?普通の意味わかってる?」
「うっせ、早く寝ろ酔っ払い」
「酔っ払いはそっちでしょ!!もういい!!謙也、ホント寝るよアタシ!!」
「おん、ええで」
「じゃあ寝てやるからね!!」
「おん、ちゃんと布団かけて寝るんやで」
「どんだけ優しいんだお前はwww」
「謙也すげーな、今日は日頃のあいつへの不満を全部聞いてやるからな!」
「え、いや、俺別に不満なんてあらへんけど・・・」
「ないはずねーじゃんwww」
「いいから、飲め飲め!」
バカ2人が謙也に絡んで(こりゃオールかな・・・)(ったく、迷惑なやつら!)
アタシは謙也の寝室へと向かった
ギィ・・・
扉を開けると、シンプルな部屋の中に医学書が並んでいる
(あんまりちゃんと部屋に入ったことなかったけど・・・)
(ちゃんと医者してるんだな・・・)
机にある論文のようなものは英語で書かれていた
(英語・・・)(あいつ英語読めるのかな・・・)
とりあえず、横になろうと、謙也のベッドに潜り込む
(・・・)
(・・・男臭い)
(けど、)
(ベッド譲ってくれたから文句は言えない・・・)
なんだか、謙也のベッドはとても寝心地が良くて、
(あー・・・すごいなこのベッド・・・)(めっちゃ寝れる・・・)
いつもなら場所が変わるとすぐには寝付けないはずなのに、
この日はお酒の力もあったからか、すぐに瞼は重くなってきた
(なんだか安心するな、このベッド・・・)
居間から聞こえる笑い声の中で、アタシはいつもよりも心地よく眠りに着いた