木10 ~VOL.9~

「きみ、白石とやらとはどうなったの?」
「あー」
「ちゃんと話し周りに色々聞いたのかい」
「いや、本人に聞いたよ」
「マジかやるね」
「いやなんかもうきちんと話聞かなきゃ何にもわからないと思ってさ」
「きみにしては思い切ったね」
「うん、負けなかったよ」
「してなんて言ってた?やっぱりきみがカッコイイとか好き好き言ったんだろ?」
「そうなのさ、きみすごいねきみの言う通りだよ」
「いや、私はすごいよ」
「なんか告白されたのさ」
「はっ!?」
「白石さんずっと私のこと好きだったらしくて」
「えーキモイね」
「そうなの、キモイのさ」
「もちろん断ったしょ?」
「もちろんだよ!気持ち悪いと伝えたよ!」
「え、やばいなそれwww」
「言いすぎたかな?」
「いやでもキモイの事実だし、クソ真面目なきみと酔って朝チュンとか許せないから別にいーよ、平気」
「いーよね…うん… 」
「ほんとないわ!でもよくきみ心揺れなかったねイケメンに弱いのにw」
「いやなんかもうキモさのが勝ってしまって…」
「(´^ω^`)ブフォwww」
「なんかむしろ怖かったし…大体なんであんな人が私を好きなのかもわからないよ、頭おかしいんじゃないかな」
「出たwww」
「だっておかしくない?なんで私なんだろう?イケメンに好かれるようなことした覚えないよ」
「いや、きみ真面目だからどこで地雷踏んでるかわからんよ」
「おかしいしょ…真面目なら尚更選ばないよ…」
「そんなことないしょ、きみなまら性格いいからな」
「そんなことないよ・・・」
「結局どうなったのさ?きもいって言っておしまい?」
「やーさすがに私にも非はあるし・・・会社では普通にするから忘れてって言った」
「まぁそれが得策だよね」
「でしょ?会社では普通に接するからって」
「うん、それがいーわ」
「でもそのあとに告白されて断ったら友達になりたいって」
「しつけぇwwww」
「でしょ!?しつこいよね!!」
「白石やべぇwww」
「いやほんと焦ったよ・・・」
「友達ってwww」
「でもまぁ友達なら仕方ないと思ってなったさ」
「寛大だな」
「まぁね・・・自業自得なとこもあるからね・・・」
「優しすぎwww」
「あと最後にあれ言ったわ」
「なにさ」
「好きな人、いるって」
「・・・・え、あ、あれ?あいつ?うそだろ、え、好きではないしょ?」
「まぁ・・・好きではないけど・・・」
「忘れられないとかそんなもんでしょ」
「そうだよ」
「つーかまだ忘れてないの!?それこそ自業自得なんだから忘れなよさっさと!!」
「いーしょ、忘れらんないんだから!それより君なんか最近帰り遅いけど何してんのさ!」
「え?なんもしてないけど」
「そうかい」
「ちょっと飲み会が立て込んでるだけだよ」
「わかったよ・・・(まぁお風呂先に入れるからいいんだけどね)」

 

じゃあお風呂入ってくるよ・・・と、立ち上がると あたしもはいるとまぁちゃんも立ち上がった。
わ、わぁ・・・!!

 

「いや、風呂で毛そったりいろいろしたいから・・・君先に入ってきなよ!」
「え、いや一緒に入ろうよ、毛なんていつものことじゃん」
「時間かかるしさ!!!!きみ入ってきて・・・!!」
「変な奴だな、じゃあ入ってくるよ」
「うん・・・」

 

(あ、あぶない・・・)
(キスマーク見られるところだった・・・)

 

ほんとあのひと余計なことしてくれたな、とか思いながら

 

(・・・好きな人いるって言ったら固まってたけど)
(もう話しかけてこないかもな)
(まぁ私ももう関わりたくないし・・・)
(でも)

 

 

悲しい顔、してたな

 

 

そんなことを思いながら 鳴らない携帯を見つめた。

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