”一緒に住む相手”とまぁちゃんから写メが届いたので、すぐに電話した
まぁちゃんあんなイケメンに囲まれててずるい!!
「ちょっとまぁちゃん!」
『何さ』
「ずるいしょ!イケメンに囲まれて!」
『イケメンwww中身最悪なやつしかいないけどなwww』
「え、この中の誰と住むの?」
『金髪』
「え、金髪2人いるよ・・・」
『あー、髪短い方の金髪だわ』
「めっちゃイケメンでしょ!!パーマかかってるほうの人もすごい素敵だけど・・・」
『天パだわwww』
「えーいいなー、これ例の友だち?」
『そうそう、赤い髪のやつがSNS載せるとかで写真撮ったんだよね、それ送ってきたからきみに転送した』
「へーそっかー、このメガネの人もかっこいいね!」
『うへーキモタリやめれー』
「きもたりって言うの?」
『うん、キモいからキモタリ』
「なにそれ!」
『キモタリのイトコなのさ~この金髪・・・だからなんか会いたくないのにうち来てたんだよね・・・』
「そこまで嫌いなんだ!」
『うん・・・キモいさ・・・きみも会ったら絶対引くよ・・・』
「マジかー・・・」
『でも、金髪のほうはめっちゃ性格いいわ!』
「あ、ほんとー」
『なんかすごい行動早くてさー、片付けとかもテキパキしてるし、なかなかいいよ!』
「良かったね!不衛生な人やだもんね」
『そうなのさー、でもめっちゃ話合うし、そこそこ家事できるみたいだし、良かったよ・・・』
「そっかぁ・・・」
『そんで、もう一緒に住むルール決めたから』
「え!ルール!?」
『そうだよ、きみも決めないとだめだよ』
「え、どんなやつ!?」
『女連れ込まないとか』
「あ、それ大事だね!!」
『大事だよー、光熱費折半とか、掃除は分担するとか、ちゃんと最初に決めておかないとだめだよ』
「うん、わかった、メモするわ」
『そうしてくれwww』
「女を連れ込まない・・・」
『女連れ込んだらすぐ出てってもらうって言ったよ』
「あーそっかーでもそしたら困るの君だね」
『あ、はい・・・なので女連れ込まないように言い聞かせました』
「女連れ込みそうな感じな人?チャラそうに見えるけど・・・」
『いや、見た目だけだね、多分そういうこと出来そうもない人だわ』
「あ、ほんと」
『医者だからモテるとは思うけど、彼女いないって言ってたし』
「よかったね!きみ医者なんて最高でしょ!」
『そうなんだよ』
「きみ、付き合っちゃえばいいしょ!」
『いや、そういうのめんどい』
「そうか・・・」
『きみこそ頑張りなよ!今日なんでしょ?きみの引っ越し』
「うん・・・」
『向こうのが先に引っ越したんだって?』
「うん・・・」
『おかんとか手伝いに来てくれるの?』
「いや、業者に頼んでるからいいって言った」
『おかんにルームシェアすること言った?』
「言った・・・けど、女の子って言った」
『だよね、男とするとか言えないよね』
「うん・・・あの人たち、自分の引っ越しの準備に忙しいから来ないよ」
『そうかい、近いから遊びにきそうじゃない?』
「いや、来る時は同居人にお願いして隠れてもらうか、出かけてもらうわー」
『そうしな』
「したら、そろそろマンション行くから・・・」
『うん、じゃあねーがんばれよー』
電話を切った私は、家族に挨拶をして、忘れ物がないか確認して部屋をあとにした
お母さんは「手伝いに行かなくていいのー?」って聞いてたけど、来られたら困る
荷物はもう先に業者が持って行ってくれた
今まで使っていた家具は古いし、汚いから全部新しく買った
リビングに置く家具は、むこうが独り暮らししてた時のあるから持ってくるって言ってたから、私が買ったのはベッドとパソコン用のデスクくらいだけどね
(ベッドとパソコンデスクはまだ届かないし・・・)
(荷物あんまりないから、段ボールは部屋に置くよう白石さんが案内してくれるって言うし・・・)
(とりあえず、私も行くか)
残りの荷物をつめたリュックを持って颯爽と自転車を走らす
自転車で約10分・・・めちゃくちゃ近い、このタワーが私の新居だ・・・
(近いな・・・)(まぁちゃん遊びに来たらきっと喜んでくれるなこの近さは・・・)
(ビックカメラ近いのが私には最高だ・・・)(札駅大好き・・・)
新しい部屋の番号を押して、インターホンを押す
「今、開けるわ」とすぐに白石さんが気づいてくれて、ドアを開けてくれた
(ここが私の第一歩・・・!)
そうして私は、タワーに足を踏み入れた
エレベーターに乗り部屋の前に行くと、
(あれ?)
白石さんだ
「お、来たな」
先日会った時とは違い、今日は私服でとってもラフな格好をしている白石さん
(ふぁー!私服も素敵・・・!かっこよすぎる・・・!)
ヤバい、顔がにやける・・・
「よ、よろしくお願いします」
とりあえず、誤魔化すかのようにそう言って頭を下げた
白石さんは「おん、こちらこそよろしく」と言って、部屋の中へと私を促した
「荷物ホンマにあれだけなん?」
「あ、はい、あれだけです」
「めっちゃ少ないな!すぐに部屋に運んで終わったで」
「ありがとうございました。ほとんど処分してきたので・・・家電とか一緒に使わせてもらってすみません」
「いや、ええねん、俺も独り暮らししてたのそのまま持ってきただけやから」
「以前はどこに住んでたんですか?」
「ん?東京やで、駅前やったからワンルームで15万もしてなぁ」
「え!?ワンルームで!?」
「せやねん、東京ホンマ高いなぁ」
高いと言ってもワンルームって・・・
以前彼が言っていた「会社の近くに住まないといけない」って言うのがなんとなく理解できたような気がする
多分、本当に会社の近くに住んでたんだろう・・・
「あの、家賃本当にいいんでしょうか?私3万だけで・・・」
「ん?ああ、大丈夫やで、住居手当上限7万出るからな、俺も実質3万やねん」
「ああ、そうなんですね、よかったです」
「おん、めっちゃお得やろ」
「・・・けど、それだけ出るなら1人暮らしでも良さそうですけど、なんでルームシェアを?」
こないだ話を聞いてから、何となく不思議だった問を彼にしてみた
(だって、それだけ住居手当出るなら絶対一人で暮らすよ私は・・・)
彼は少しだけ、戸惑った様子のあと、口を開いた
「会社で呼び出し多いんはホンマ、俺家にいる時間ほとんどあらへんねん」
「はぁ・・・・」
「やっぱりそれだけ家におらんから、少しでも負担を減らしたいっちゅーのが一個」
「・・・」
「ほんで、あとは、」
「・・・」
「前、独り暮らししとったけど、俺賑やかな方が合ってるみたいやねん」
「賑やか?」
「大阪いた時、ずっと賑やかな生活やったからなー、東京で一人で住んでて話す相手欲しいなーって何度も思っててん」
「へぇ・・・」
「別に寂しがり屋とちゃうねんで!一人でもええねんけどさ!」
「はぁ・・・」
「けど、やっぱり知らん土地で一人っちゅーんのも、虚しくてな・・・それが一個」
「・・・そうだったんですね・・・」
「家に帰ったら誰かいるっちゅーのは、めっちゃ幸せなことなんやって、一人で暮らして初めて分かったわ」
「・・・わかります、私も独り暮らしはできませんから」
「せやなぁ、女の子なら特にな」
「本当に、よろしくお願いします」
「はは、自分何回よろしくって言うねん、もうたくさん聞いたで」
「いえ、お恥ずかしい話ですが、私ずっと実家だったの家事が苦手で・・・」
「あー」
「いろいろ教えてください」
「おん(笑)ほなスパルタで教えたるわ!(笑)」
(よかった)(白石さん、いい人だ!)
「片付け手伝うか?」という彼に「大丈夫ですー」と返事をして部屋に入る
イケメンと住むなんて、憂鬱で仕方なかったけど、白石さんがとってもいい人だからなんだか心が軽くなって、楽しみにしている私がいた
(早く片付けおわらせよーっと!)