(ほんと嫌すぎて死にそう・・・)
吐きそうだよ、嗚咽止まらない!
でも・・・行かねばならない・・・
「おはよう・・・ございます・・・」
小さく挨拶して 自分の席に向かう
「おはよー!まえちゃん!金曜日あのあとどうだった!?」
!!!!
先輩につかまってしまった。
(ああああーーー)
(心臓ドキドキするうううう)
「お、おはようございます、先輩・・・金曜日はありがとうございました・・・」
「ねぇねぇ、3次会のあと、どーなったの!?」
「ど、どうって」
「どうにか、なってないの!?笑」
「や、あの、それは・・・」
(だめだ!)
(聞かれたら うそつけないし!!)
(うそもつけない、ごまかせない・・・私の性格上それはむりだ・・・!!)
「あ、あの、それが、」
「なーんてね!」
「え?」
「まえちゃん真面目だからどうにかなるわけないなんてわかってるから笑」
「あ、」
「2次会まですごいいい感じだったからさー、付き合うことになったかなーとか思ったけど」
「え!いい感じ・・・だった・・・?」
「まえちゃんがすぐに付き合うわけないもんね!よし、じゃあ午後向こうの会社行くから準備しといてね!」
バシン!と背中を叩かれ
よろめいて、机に手をついた。
(・・・いい感じだったって)
(いや、これ聞けないな)
(私記憶ないんですけど何がありましたかとか・・・)
(聞けないな!!!!)
ど、どうしよう・・・・
その日の午前中は頭の中真っ白でなんにも考えることができなかった・・・・
うぅ、向こうの会社行くのやだよぉ・・・
「行くよー、レプリカ持った?」
「持ちました」
先輩の後をバタバタと追う。
はーあ憂鬱だ・・・
どうしよう・・・
白石さんに会っちゃったらどうしよう・・・
会わない日のが多いけど 会っちゃったらどうしよう
どうしよう、マジで会いたくない、どうしよう
吐きそうつらい死にたい
そんなことを考えていたら 会社についてしまった・・・
あああ・・・
今すぐ核爆弾とかふってこないだろうか!いっそこの会社ごと爆破して!!
びくびくしながら会社に入る
打ち合わせの会議室に向かい・・・
うん、セーーーーーフ!!!!
なんもなくとりあえず会議室にこれたよ!!!
打ち合わせは総務部だから白石さん関係ないもんねー♪
と、帰り道を考えずに 私はなぜか安心して打ち合わせに没頭した。
「あーあ、暗くなっちゃったね」
向こうの会社を出るころにはもう18時を回っていた
遅くまでごめんね、もう定時過ぎたでしょー、なんて向こうの係長さんに言われた。
「いえ、大丈夫ですよー、こちらこそ遅くまですいません」
またねーと穏やかなその人に見送られ
私と先輩はここの社員さんに紛れながら会社を後にする。
ほっ
よかった!!今日はとりあえず終わった!!
あとは金曜日にもっかい来ればいいだけだから・・・
うん、それまではまだ平和に暮らせそ・・・・・
「まえさーーーーーーん!!!!!!」
!!!?
ちょ
こ、この声は・・・!!!
「ほらほら、まえちゃーん、来たよ、白石くん」
にやにやと先輩が私をつつく
いや
まじで
シャレにならんのですけど・・・!!!
「やっほー、白石くん」
「おつかれさまです!今朝はメールありがとうございました!」
「めーる・・・?」
「いや今日午後まえちゃんといくよーって白石くんにメールしといたんだよね、会社から」
「え・・・」
「感謝します!!!」
「いーのいーの笑じゃ、私帰るからがんばれ白石くん」
「はい!ありがとうございます!!」
去っていく先輩を見送った白石くんが くるりと私に向き直った・・・
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・
ダッ!!
がしぃっ!
「ちょ、逃げへんで・・・!!」
あぁ、走り去ろうとしたけど腕つかまれた
もうつんだわ
\(^o^)/オワタ
「まえさん、きちんと 話させてくれへん?」
・・・
(・・・まぁ)
(私も 聞きたいことあるし)
「・・・わかりました」
白石さんはなんだかホッとして少しだけ笑顔を見せた。
「人に聞かれたくないので個室にしてください」
私のリクエストに応え、彼はすぐに個室を予約してくれお店に連れってってくれた。
・・・慣れてるな。
やっぱ・・・イケメン怖い・・・
「・・・まえさん、ほんまに ごめんな」
お店について 改めて彼は私に頭を下げた。
「あの後、ずっと家で考えてん・・・ほんま、酔ってるときに告白するとか男らしくなかったわ・・・」
「告白・・・」
「・・・そこも覚えてへんよな、えっと、」
「あの、」
「ん?」
「私、記憶が本当になくて」
「・・・おん」
「説明してもらえませんか!?」
いちから・・・!!!
そう叫んだ私に 彼は固まった。
「・・・」
「あの、私、真実を知りたくて、」
「・・・」
「嘘偽りなく、全て正直に話していただけませんか・・・」
「・・・」
「あの日は私、ショックで全く話を聞かずに逃げてしまったので」
「・・・・わかりました」
全部、お話しします。
そう白石さんはポツポツと ことの真相を 話し始めた。