(ん・・・)
チュンチュン
目が覚めたらそこは
(・・・ここ、どこ?)
やたらと可愛いキラキラしたお部屋
真っ白のきれいなシーツ
憧れの 天蓋ベット
それから・・・・
ちょ、っと 待って
あの、
背中から
私を 抱きしめている人は誰ですか
(・・・いや)
(いやいやいや)
(うそでしょ)
(うそでしょ?うそでしょ!!?)
(いやこれわかるわ)
(男の人ってわかるわ・・・!)
(うそでしょ・・・私が!?)
(わたしが、まさか、)
(この後ろの人と 一晩を共にしたと・・・?)
(いやいやいや、ないよねないない)
(・・・・・・・・でも私 裸だ)
そして私を抱きしめるこの腕が すごく筋肉質で男らしいから
(・・・やばいわ)
(やったわ私)
(・・・死にたい)
(まさかの朝チュン・・・)
(私の人生には一生ありえないと思っていた・・・朝チュン・・・)
(振り向いたら・・・ふくしそうたくんがいたらいいですね・・・(現実逃避))
(まぁちゃんになんて言おう・・・)
(まぁちゃん絶対心配してる)
(私が朝帰りとかありえないもんな)
(もしかしたら警察に相談してるかも!)
(やばい・・・とりあえず帰らなきゃ・・・)
(この最低なくそ男はもう一生会いたくないからもう急いで逃げよう)
そう、私は 体にぎゅうと巻き付いている後ろの男の 腕をはずそうと・・・
「・・・ん?起きたん?」
おはよ、とその人はぎゅううとさらに私を抱きしめた。
(・・・うわぁぁぁぁ)
(きもちわるい・・・!!!!)
(ど、どうしよう、)
(泣きそう・・・!!!)
(・・・でもなんか聞いたことある声な気がする)
(だとしたら余計最悪!!)
「昨日、ほんま最高やったわ」
「・・・」
「めっちゃ幸せやった」
「・・・」
「愛してるで」
「・・・」
「これからもずっと一緒におれるとか最高やな」
「・・・・」
「・・・って、どないしたん?」
「・・・」
「・・・ほんま、恥ずかしがりやな。そんなとこも可愛えんやけど」
ぞわっ
(やばい!!!!)
(この人・・・)
(本当に気持ち悪い・・・!!!)
「・・・あ、あの、これはなにかの間違いというか、涙をのんで今回は水に流すのですべて忘れてください」
「・・・え?」
「あの、離してもらえますか?私急いで帰らなきゃいけないので」
「え、ちょ、待って?なに怒っとるん?」
「いや怒るというか、まぁすごいショックですけど、私にも非はあると思うので今回はなかったことにしますので、」
「ちょ、なかったことにされたら困るんやけど・・・!」
「は!?な、なに言って・・・!とにかく離してください!!!」
「離さへんよ!!ちょ、とりあえず落ち着いて、な?話しよ?」
「いや、ほんと!!!なに!?やめてください!!離して!!!!」
怖くなった私は 思い切り抵抗して
ベットから落ちて
それでも逃げようと 必死に 床に落ちてたタオルで体を隠して
なぜかきちんとたたんである洋服に向かって、
「・・・さおりちゃん!」
名前を呼ばれ 思わず 振り向いた
(・・・え?)
・・・!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
「し、しらいしさ・・・・」
「さおりちゃん、まさか覚えて、」
「こ、こないで!だめ、きちゃだめ!はだ、はだかだし、今!」
「そんなんいまさらやん!」
「は!?なに言ってるんですか!?し、白石さんですよね!?な、わたし、なにして、」
「え、白石さんですよねって・・・え、なに、え」
覚えてへんの!?
そう叫んだ白石さんが 私に駆け寄ろうとして
!!!!!
「きゃーーーーーーー!!!!!!!!!!」
白石さんの なにがなにであの、その、 思い切り、見えて しまったのだ・・・
・・・さいあくだっ!!
(ちーーーん)
(しんだ)
「すいませんでした・・・・!」
白石さんがベットの下で
ベットの上にいる私に土下座をする。
服はもちろん着た。
「ひっ、ひどいです、こんなの、わたし、」
涙が止まらない
「せやって・・・まさか記憶がないとは思わへんし・・・」
「酔った勢いだなんて・・・あんまりです・・・!」
「いや、せやけど、さおりちゃんがええって言うて付き合うてくれるて言うたし・・・おれ浮かれてもうて・・・」
「は!?んなわけないでしょ!?てかさおりちゃんってやめてください!!」
「す、すいません・・・いや、でも!ほんまに!俺何回もええの?って聞いたし、付き合うって言うてくれてたし・・・」
「私酔ってたんですよ!?シラフでそれ聞かないとか本当に最低なんですけど!!!」
「・・・いや、ほんまにそれは返す言葉ないわ・・・付き合うたからって初日で関係持つとか・・・もっと大事にせなあかんかった」
「は!?馬鹿じゃないですか!?付き合いませんよ!!!!」
「え!?」
「だから私酔ってたから覚えてないのに!酔ってる女に迫るなんて卑怯です!!」
「・・・はい」
「最低です!!!」
「・・・せやな、」
「白石さん、中身もともなうイケメンって白石さんの会社の人もうちの会社のみんなも言ってたから、だから、私の中で、しんたのような存在に・・・していたのに・・・っ」
「しんた?え、誰!?」
「誰でもいいじゃないですか!!!」
「あ、せ、せやな・・・」
「ほんと・・・がっかりです、あなたには・・・」
「え、っと・・・ほんま、に、・・・・・すみませんでした。せやから」
泣き止んで、と 白石さんは私に手を伸ばした
「やめて!!」
触らないで!
そう叫ぶと、白石さんの手が止まった
「・・・とにかく、白石さんが最低で軽くて女ならだれでもいいってことがわかりました。ほんと最低、最悪です」
「え、いや、俺は、」
「・・・大嫌い!」
私は泣いて そのまま部屋を後にした。
白石さんは追いかけては 来なかった。