木10 ~VOL.1~

(ん・・・)

チュンチュン

 

目が覚めたらそこは

 

(あ、ほてる)

 

ホテルでした。

 

 

 

いや私も経験豊富ですしそこそこ。
ここがホテルなのもわかるし、私が裸なのもあちゃー誰かとやっちゃったんだって一瞬で察することはたやすいんだけどさ。

 

 

 

(・・・相手、誰)

 

 

 

隣にそっと目をやる・・・

 

 

 

(・・・うん、誰)

 

 

 

全然知らない男で気が遠くなる・・・
はぁ・・・マジか・・・
この歳で知らん男と記憶ないうちに朝チュンってあれだな・・・あほかわたし・・・
ま、いーか!細かいことはどーでもいいわ!人生長いしこんなことの2度や3度きっとあるわwww
避妊したかな!それだけ気になるwww
さおちゃんになんて言おうwww無断外泊しちゃったよwww
まぁいーや、さ、帰ろ!!!!

 

 

(起こさないように、)

 

 

着替えてカバンもって出ていけばミッション完了だ!

 

 

(あーパンツない・・・)
(ストッキングやぶれてるしwww)

 

 

 

「・・・んー・・・・・・ん?」

 

 

 

!!!!!

 

 

 

ぬ、ぬおーーーー!!!
見つかってしまったぁ!!!
ミッション失敗!!!
相手にうまいこといってそそくさと帰る方向にシフトチェンジします!!!!

 

 

 

 

「あ、起きた?おはよ!」
「・・・」
「まだ寝ぼけてるみたいだね!よし、好都合!じゃ!」
「え・・・」

 

 

 

え、え、えーーーーーーー!!!?!?

 

 

 

そう叫んだのは、男のほうだった。

 

 

 

「ちょ、うるさいwww」
「え、なにこれ!なんなん!なんでこんなことなってん!!!」
「知らないしwww」
「え、あ、え!?あ、やった!?俺、やった!つかやったな、ところどころ記憶あるわ、うん!!」
「うわー、ところどころとかサイテーwww」
「は!すまん!!すまん、俺ほんまサイテーやな・・・!」
「ほんとだね(にっこり)」
「ですよね・・・!つか、ほんまごめんやけど、記憶、ある?」
「いやないよ!」
「え!全く?」
「全く!あんた誰!」
「うそやろ!?そこから!?そこは覚えとこうや!まなみちゃんやろ?」
「え、なぜ名前を・・・こわ・・・」
「つか昨日話したやん!仲良くなったやんか!」
「いつ!」
「いつって、あの、あさがやのダーツバーで・・・」
「うそ!あたしダーツバーいってない!」
「いったんやって!一緒にダーツやったやん!そんで意気投合したやん!」
「知らんしwwww」
「うそやろ・・・」
「で、なんでこーなったの?」
「いや・・・そこはすまん、俺もそこは覚えてへん・・・」
「うわーサイテーwww」
「ほんま、サイテーやわ・・・」

 

 

 

 

そして男はあたしの目を見つめ 意を決したように

 

 

土下座をした・・・!(えw)

 

 

 

 

「ほんっまに、申し訳ない!」
「え、いーって・・・」
「殴ってくれ!!」
「いや、つかそれ、重いしwどえむかw」
「殴ってくれへんと気がすまん!!」
「きもいwwwちょ、マジどーでもいいからwww帰らせてwww」
「どーでもいいって!ひどいな!!」
「え、だって、どーでもいいし・・・」
「うそやろ!?あんなに意気投合したやん!今度遊ぼうとか約束したやん!!」
「したのかよwマジかw」
「せやけど付き合う前にこんなんしてまうとは・・・」
「いやだからいいって」
「とりあえず、この後飯行かへん?」
「なんで?」
「なんでて!お互いのこと知るためにやろ!」
「え、そーいうのいいってば」
「いや、俺、このままにはでけへん・・・」

 

 

 

 

いらぁ

 

 

 

 

(・・・なんなのこいつ)
(なんで 楽しい思い出ができたねラッキー!んじゃお元気で!ってできないの?)
(このあたしと寝れたのに、後悔するとか・・・)
(ありえないわ!!)
(クソが・・・!!)
(つか、罪悪感であたしのこと誘ってんじゃねーよ!!)
(そんなんで誘われるほうが迷惑だわ!!)

 

 

 

 

 

こっちだって、付き合う前に手出してきた男なんぞに興味ないわ!!!!

 

 

 

 

 

(むかつく!)
(・・・こうなったら)
(こうなったら!!!!)

 

 

「・・・」

 

 

 

 

ポイ

 

 

 

 

 

あたしは持ってたカバンをソファに投げた。

 

 

 

 

「え?」
「・・・気が変ったわ」
「あ、帰るのやめてくれたん?ほな、飯でも、」
「いかねーっつーの」
「へ?」
「・・・せーっかくこんなことになったのに、記憶ないとか淋しくない?」
「え!?え!?ちょ、」

 

 

 

ぎしぃ

 

 

 

ベットにいる彼の上に おいかぶさった(男前)

 

 

 

「後悔できないくらいいい思い出にしてやるから、覚悟しな(きらりん)」
「や、や、ちょお、ちょお待って・・・!」
「男らしくあきらめて」
「い、いややって!!俺ほんまに、こんなん・・・!順番ちゃうやんか!いや俺が悪いんやけどさ!」
「はいはい、黙って」
「ちょ、やめ、どこさわって!やめてー!きゃー!やめぇって言うとるやろ!」
「は?なにあんた、昨日したんでしょ?インポなの?それともゲイ?」
「ちゃう!そんなんとちゃうけど!ちゃんと!段階、踏みたいねん、って!」
「ちょっとw勘違いしないでwww」

 

 

 

あたし、体から入って好きになるとか付き合うとかありえないから

 

 

 

そう冷たくいうと 彼の顔が変った

 

(わ、)

 

それを見て 一瞬ひるんでしまった

 

そして私は思うのだ

 

(あぁ、やっちまった)

 

彼の 地雷を踏んでしまった

 

 

「・・・ほな、そっちがその気ならこっちもその気で行くけど、ええ?」

 

 

今度はぐるんと、彼があたしにおいかぶさって

 

(やばい、これは)

 

やめればよかったと 後悔した時には もう、手遅れだった。

0