「あ、まぁちゃんよかったよ来てくれて」
「え・・・?」
「さっきはフレンズたち呼び出せないからまぁちゃんも呼び出せないかと思ったけど女王蜂倒したからいけたね!!」
「ウソ・・・」
「お、俺たち・・・」
「ん?どうしたの?」
助かったーーーー!!!!
と、まぁちゃんと謙也は泣きながら叫んだ。
え、大号泣だけど・・・え???
「うっぐ・・・めっちゃ怖かった・・・めっちゃデカイ魚に食べられる瞬間だった・・・」
「口が・・・大きな口が・・・うっ・・・俺守れへんと思うて・・・もうだめかと・・・うぅっ」
「なんやわからんけどよっぽど怖い思いしたみたいやな?」
「私たちも大変だったけどまぁちゃんたちも大変だったみたいだね」
「ひっく・・・もう・・・海の中行かない・・・!魚しばらく食べれない!!うわぁーーーーん!!!」
「おおきに・・・さおりちゃんほんまにおおきにな・・・ぐずっ」
「謙也もう泣き止めや・・・」
「そうだ、まぁちゃん!このモンスター仲間にできるかな?」
「え?え!?何これ!!!!!何メートルあるのこの虫!!!コワ!!!」
「怖いよね・・・すごいがんばってやっつけたんだけど・・・仲間呼ばれちゃっててまぁちゃんがこの女王蜂仲間にしてくれたらきっと襲われないと思うんだよね」
「えーーーー?めっちゃがんばったねきみ!すごいな・・・いけるかなぁ?他の人が倒したモンスターは味方にできないしなぁ・・・」
「そこをなんとか!」
「無茶言うねきみ・・・あれ?ニョロちゃんいるね?ニョロちゃんがんばった?」
「うん、ニョロちゃんもがんばってた」
「じゃあいけるかも!フレンズたちが戦ったモンスターは仲間になるから」
やってみるね、とまぁちゃんは女王蜂に近づいた。
すると 今まで動かなかった女王蜂がピクっと動いた。
「あんま近づくと危ないで!」
白石くんが叫んで 謙也くんがダッシュでまぁちゃんに近づいた。
そして
くぅぅぅん🥺
き、
キタァァァァァァ!!!!
「よし!!!仲間にできた!!!」
「わーーーまぁちゃん、最強!!」
外からブゥゥゥンという複数の羽の音が聞こえてきた
「あっ!仲間が集まって来た・・・!」
「マジかよ」
「まぁちゃん、女王蜂に攻撃しないように命令させて!」
「任せて!!!」
そして気が付けば 女王蜂のいた王座に座って そこへ膝まづく女王蜂やその部下の蜂たちを従わせるまぁちゃんの姿があった・・・
「圧巻!!!!!!」
「喜んでる場合じゃないよきみ」
「はっ!そうだった!!さおちゃん、とらおたちまだ海の上飛んでると思うからインプットしといてくれない!?」
「あ、うん、やっとく」
「よかったぁ・・・あの子たち大丈夫か心配だったのさ」
「そうかそうか、大丈夫だよ、今インプットしといたからね」
「さんきゅ!」
「で、水系モンスターどうなった?」
「強いの手に入れれたよ!!」
「お、やったね」
「きみは何か新しいアイテム手に入れたの?」
「うん!!!それがすごいの手に入ったさ!!」
じゃーんと私はさっき手に入れた銃をまぁちゃんに見せた。
「お!銃!」
「へぇー!この世界で銃のアイテム見たことなかったわ!」
「剣とか弓とかやもんな」
「しかもこの銃すごいの!獲物の急所に当たるまで追いかけ続けるし、弾入れなくても無限に出せるみたい」
「マジかよwwwwきみ今まで全然攻撃とかできなくて心配してたから安心したよ」
「一気に攻撃力アップしたよ!!」
「あ、そういやさっき俺らもアイテムの箱もろたよな?何やろ」
「俺らじゃない!私がもらったんだ!私のだぞ!!」
「見るくらいええやんかー!!」
「仕方ないな、見せてやろう」
そう言ってまぁちゃんはさっきこっちに呼んだ時に一緒についてきた箱を取り出した。
「まず一個目!これは人魚にもらいました!」
「え!?人魚!?え!?めっちゃ会いたいしょなにそれ!!!海の底一緒に行けばよかったよ!!」
「いや海は駄目だ、海王類いるから」
「え・・・海王類いたの?」
「ワンピースで読んだから間違いない・・・死ぬほどでかい海王類に食べられそうになった・・・」
「マジか・・・めっちゃ怖いじゃん」
「めっちゃ怖かったよ・・・ね、謙也・・・」
「めっちゃ怖かった・・・海はもうあかん」
「海に行けと言われたら死んだ方がましだ」
「そんな・・・人魚会いたかった・・・」
「さおりちゃん!俺が今度連れてったるよ!!」
「出た、空気読めない白石の発言」
「海舐めたらあかんで白石!」
「白石に連れてってもらわなくても人魚仲間にしたから大丈夫だよ」
「そうなの!?」
「うん、人魚の王が仲間になってくれたわ」
「王が!?」
「ただジェンダーレスだから名前すごい悩んでる・・・個人的には人魚の王といえばトリトンなんだけど・・・」
「え、ジェンダーレスなの・・・?」
「そう・・・オカマだった・・・」
「うそ・・・!すごいね・・・」
「話脱線しとるで・・・宝箱なに入ってるんやろ」
「そうだそうだ、開けるよ」
まぁちゃんが箱を開けると 中には小さな豆粒がたくさん入っていた。
「え・・・まさかこれは・・・・・・仙豆?」
「ドラゴンボールの???」
「え、そんなわけないやん」
「白石食べてみてよ」
「毒見!?」
「待って、helpに聞いてみるから!」
「うん、そうして」
私はhelpを起動して豆を調べることにした。
「help!この豆は何?」
『はい。これはuserだけが使えるアイテム、Soldierです』
「え!これきみのアイテムだったの!?よかった!!無意識で持ってきてた!!よかったよきみの役に立てて!!」
「え、なんか命がけで海に行ったのに私のアイテムでごめん」
「いや全然いいのさ、きみのこと心配すぎるから少しでもアイテムあるといいよ・・・はい!きみが使って!」
「いいのかい・・・?」
「いいもなにもおら使えないしな」
「まぁそうだけどさ・・・」
「ソルジャーって言ってたけどどうやって使うんだろ」
「どうするんだろうね?help!soldierの使い方を教えて!」
『はい。soldierは地面に投げて使います』
「え?投げる?」
「投げるてなんやろ」
「投げてみてさおちゃん!!!!ジャックと豆の木かもしれない!!!」
「え、ちょっと一粒やってみようか???」
「見せて!!!!!」
私が豆を一粒地面へ投げると
ボン!!
と、 煙が立ち上がり、 なんとそこには
「・・・何これ!?ロボット!?」
人型のロボットのような人形が姿を現した。
『soldier、命令を聞く人型ロボットです。戦闘が一番得意ですが見張りも護衛も治療も正確にこなします。指示があるときは直接soldierへ指令を出すか遠隔操作ならわたしへご命令ください』
「これ見たことある!!!!ドラえもんのアラビアンナイトでこんなの出てた!!」
「あったね!!すごい・・・22世紀の秘密道具と同じなのか・・・」
「ドラえもんて・・・」
「けどこれめっちゃ便利ちゃう?」
「めっちゃ便利!!!!さおちゃんのこと守ってくれるじゃん!!!!」
「私防御力も上がった・・・!!」
「よかったよ・・・!フレンズたち君の事好きだから普通に守ってたけどさ!ストレージから出せないとき時どうしようもないもんね」
「そうなんだよ・・・それ今回ほんとに実感した・・・すごい怖かった・・・」
「よかったよかった!さぁて!次はイカ子にもらった箱だよ!」
「イカ子ってきみ・・・ほんとネーミングセンスないな」
「イカ子、沈没船にあった宝箱くれたからこれこそお宝だと思うのさ・・・!」
「きみは宝探し好きだねほんと・・・」
「うむ・・・徳川の財宝だと思う」
「徳川の財宝がゲームの中にないと思うけど」
「どれどれ、開けてみよう」
まぁちゃんがワクワクして中を開けると
「!? 何これ!!またか!!」
また小さい機械みたいなものが入っていた・・・
「またアイテムか!?」
「え・・・なんかごめん・・・機械っぽいね・・・」
「お宝じゃなかった!!!!!!」
「すごいガッカリしてるやん」
「アイテムやろか?helpに聞ける?」
「うん・・・help、これは何?」
『はい。これはflyです。user及びuserが権限を与えた者が自由に飛べるアイテムです』
「え・・・?飛べるの?」
「え!?飛べるの?」
「飛べるてすごない!?」
「飛びたい!!」
「うん、と・・・待ってここ地下帝国の遺跡の中なの忘れてた」
「せやな・・・」
「さおちゃん、ストレージの中に行こう!!あそこなら空が高いし敵もいない!」
「そうだね!!」
私は早速蜂たちも含め、全員をストレージの中にインプットしたのだった。
マジで海王類に食われたかと思って怖すぎた・・・
食われるのも怖いけど遠くにいた魚がどんどん近づいてきて実はめちゃくちゃ大きくて、自分は水の中で自由が利かず・・・って状況が恐ろしすぎてもうだめだった。
これはトラウマ確定です・・・
水の中ね、イカも謙也離さなかったの怖かったし本当にもうね・・・もう嫌だ・・・怖すぎる・・・
もう二度といかんぞ水の中・・・
そんなこんなで!
空飛べるメカを手に入れて早速ストレージの中に戻って来た!
海に置いてきたフレンズたちもみんな戻ってたから安心したよ!
蜂たちは巣を作るために最適な場所を探しに行った。みんなと仲良くするように伝えたけどなんせ好戦的だからねー・・・
しっかり指導しなくてはね・・・
よし!!じゃあ早速空飛ぶぞ!!
「なんかこの小さい機械いっぱいあるね」
「ほんとだね」
「これをどうするんだろ」
「ここボタンみたいのあるんやけど押すだけなんかな?さおりちゃん、わかる?」
そう白石がさおちゃんに言うと さおちゃんはそれを握りしめた。
そして 次の瞬間
フワ
さおちゃんの体が宙に浮いたのだ。
「うえええ!!!!!さおちゃん飛んだ!!!すげー!!」
「さ、さおりちゃん!危なかったらすぐ降りるんやで!?」
「だ、大丈夫か!?」
なぜか焦るアタシたちをよそに
さおちゃんは右や左に少し動いてみて
「・・・思い通りに飛べる!」
と、嬉しそうに更に上空へ飛んだ。
「さおちゃん!?落ちたら怪我するよ!?」
「ぜ、絶対アイテム離したらあかんで!?」
「いやなんかこれすごいよ、絶対離れないというか」
「おおおお落ちそうになったら受け止めるからな・・・!」
「白石心配しすぎて草w」
「俺も絶対怪我させへんからな!!」
「謙也お前もか」
「せやって2人は絶対俺らが守らんと!!」
「ほんとに大丈夫だよ」
ほら、見てみて
さおちゃんが降りてきてアイテムを見せた。
なるほど。
手のひらより小さいそれは、とても細かい脚のようなものでしっかりと体についていて、逆に取ろうとしても簡単に外せるものではないみたいだった。
「あー向こうからしっかり掴まっててくれる感じだ」
「そうそう」
「痛みはない?さおりちゃん、平気なん?」
「うん、全く痛くないよ。むしろくっついてるのに違和感が全くない!体の一部みたいだよ!」
「へぇ!すごいやん!」
「空飛べるアイテムか・・・便利そうやな!」
「しかもこれこんなにたくさんあるのがいいよね、みんなで使えるから!」
「これアタシたちだけじゃなくてフレンズたちにも使えるかな?飛べない子たち出かける時に羽ある子に乗って行っちゃうから置いてかれて寂しそうでさ」
「もちろんだよ!!きみが持ってきたアイテムだからきみが決めたらいいよ!!」
「やったーみんな喜ぶわ!とりあえずアタシも飛びたいからつけておくれよ!!」
「うん、飛んでみて!楽しいから!」
「きみ高いところ嫌いだしジェットコースター乗れないのにこれは平気なの不思議だね」
「自分で思い通り飛べるからかな?安定感もあるし怖いと思わなかったよ」
「マジかよー超楽しみ!」
そしてさおちゃんは Flyを持ったおらたちに向かい、 この者たちに権限を与える と言っ
た、
瞬間に
ビュン!!
いきなり風が起きたから何が起きたかよく分からなくて さおちゃんと?????ってなってたら
「うおおおお!!!!めっちゃオモロイな!!!なんやこれ!!!ほんますごい!!!」
空飛べるとは思わんかったわ!!!と、謙也がものすごい速さで空を飛んでた。
落ち着け
「謙也ーあんまスピード出したら危ないで」
「誰もおらんのやから危ないことないやろ!思い通りに飛べるの最高やな!」
「あんたねー!危ないでしょーが!」
アタシたちにぶつかったらどーする気さ!と言いながら私もその場から真っ直ぐと空に浮いた。
どんどん高くなって辺り一面が見渡せる高さまでこれた。
「わあ・・・」
めっちゃキレー!!
元々ストレージの中って綺麗だなと思ってたけど空から見下ろすと言葉も出ないくらい美しかった。
「すんごいねー、ストレージの中」
「ね!綺麗だよね」
「最高だよ景色よすぎる!あ、水辺がある!」
「わーキラキラしてるね!」
「海なのかなぁ、湖かな?」
「結構大きそうやな!ストレージの中自体がどんくらい大きな世界なのかわからんけど」
「海なら問題なく水属性の子達が住めるんだけどなー!湖とかの淡水でも住めるのか聞いてみよう・・・」
「あ、人魚さん?」
「うん、イカも!引き継ぎ終わったらきみと1度海行かないと・・・今回は飛べるから楽だ!!海の底にはもう行かない!!」
「ウケるね、わかったよ」
こうして私たちは空を飛ぶアイテムも手に入れたし、引き継ぎの終わったオネェの人魚(名前は乙姫にした!)とイカ子を迎えに行った!
人魚に初めて会ったさおちゃんは感動してたし、乙姫のお世話係で他の人魚も数名来たからオシャレな人魚の入り江が作れそうだ!わくわく😉
あとストレージの中には海があったし普通の魚とかも住んでた!
ストレージの中、何気に果物とか山菜もたくさんあるし、鳥とか普通の小動物もいるし魚もいるから食べ物困らんのよね🤔
ほんといいモノ拾ったわ!!
さおちゃんに感謝…!!
「ほな俺らそろそろログアウトするけど絶対勝手に強い敵と戦ったらあかんで」
「わかった」
「わかってへんやろ?こないだもそういって勝手にレアモンスター倒しに行ったやんか!」
「ゴリラ欲しかったから」
「いや!死んだら甦られへんからもっと危機感持ってや!?」
「わかったわかった」
「わかってへんやろ!?」
絶対わかってへんねん!自分が命の危機にさらされてるってわかっとるんやろか!?
もっと自覚持ってほしいわ!!!!
白石もさおりちゃんにめっちゃ言い聞かせとったけど・・・
さおりちゃん真面目やのにめっちゃゲーム楽しんでるし攻撃力アップしてからはもう積極的に戦いに挑んでやばいで・・・
めっちゃ好戦的やねんああ見えて・・・
そらもうワクワクして挑んでいくからな・・・?
さおりちゃんの武器めっちゃ強いから逆に相手が不憫やで・・・
強いけどなんかあったら危ないし、ほんまにヤバイモンスターとかシャレにならんし 白石も俺も必死に説得してログアウトした。
2人ともわかったて言うてたけど絶対わかってへんと思う。
ログアウトして現実に戻ってからも 不安は尽きへんけど
このゲームしとると信じられへんくらい体も頭も疲れるから俺はすぐに眠りに落ちた。
明日も・・・朝練か・・・起きれるやろか・・・Zzzzzzz
「うおおおおおお遅刻やぁぁぁああああぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」
朝
毎日朝練して授業して放課後部活して家に帰って遅くまでゲームにログインしとるから
最近ぜんっぜん朝起きられへんねん・・・
体力には自信あるんやけど なんや頭がボーっとして体が重い感じするっちゅーか・・・
とにかく俺は急いで走って部室に飛び込んだ。
「お、遅くなってすまん!!!!!!」
バタン!!とドアを開けると
「謙也・・・」
もう着替えて朝練始まってるはずの時間やのに
みんな制服のまま 深刻な顔して部室に集まっとった。
「ど、どないしたんお前ら?」
「謙也、ニュース見たか?」
「ニュース?いや最近ニュースもなんも見れてないわ・・・」
「大変やねん」
「あのゲーム、販売中止になって政府が回収を始めてるんよ」
「まなみちゃんが閉じ込められてるゲームか!?なんでや!?」
「それが・・・全国でさおりちゃんたちと似た症状の人が増えてるみたいやねん」
「意識不明の?」
「現実世界では植物人間みたいになってもうて、政府でゲーム内を調べたらゲーム内には意識としている人も多いんやけど」
「現実にもゲームにもおらんくてほぼ脳死状態になってる人もいるらしくてな・・・」
「こわいやん!え、まなみちゃん平気やろか!?今すぐ見に行った方がええんとちゃうか!?」
「落ち着け謙也、今行くのは難しいやろ」
そう話してる俺のスマホが鳴って めっちゃ焦って電話に出た
「も、もしもし?なんや、侑士か、脅かすなや!今お前と電話しとる場合やな・・・」
『ニュース見たか謙也』
「ニュース・・・て、ゲームのやつか?」
『あぁ・・・そのことで跡部が話したいそうや』
「跡部が?帰る方法がわかったんか!?」
そういうと 白石も話を聞きたいとか言うし とりあえずテレビ電話で繋げてもろた。
画面の向こうには深刻な表情の跡部が映っとった。
「あと」
「跡部くん、2人を助ける方法は何かわかったんか?」
俺が話そうとすると白石が割り込んで来た。
白石も内心めっちゃ焦っとるんやろなと思うて 俺は何も言わずに跡部の言葉を待った。
『・・・その前に、あいつらはゲーム内では元気にしてるのか?』
「元気やで、昨日・・・ちゅーか、夜中の2時くらいまではずっと一緒におったから間違いない」
『そうか・・・お前らもニュースで見たと思うがあのゲームは意識不明者が多数出たため政府で販売禁止令が出された』
「あぁ、それはニュースで見たで」
『政府が今必死に回収を始めている・・・中毒性の多いゲームで回収されたくないやつも多いだろうから金を払ってでも回収しようと国をあげての大騒ぎだ』
「国が動くっちゅーことはそれだけ深刻な状況ってことやな」
「けど・・・おかしないか?そういうのは制作会社が必死にやるもんやろ」
『そう・・・おかしいのはそこだ。ネットではすでに噂になってるが・・・販売会社がどこにも存在しねぇ』
「え!?」
「な、ど、ど、どーゆうこっちゃそれは!?」
「あー、それネットではみんな知ってる話題っすわ・・・会社の住所調べてもなんもないし販売店でも営業は一切なくメールのみでのやりとりで商品入荷しとるって」
『そうだ。そもそもゲームもいつの間にかネットでプレイ動画が上がって口コミで全世界に広がりそこからネット販売、そこに目を付けた販売店が入荷して店頭販売を開始、値段もそんなに高くないことから一人一台と言われるゲームにまで発展した』
「なんやそれ・・・」
「俺らそんな恐ろしいゲームをしとったんか・・・」
「しかも世界中やもんな」
『アメリカも中国もヨーロッパ各国も出所のわからねぇこのゲームに危機を感じてるようだ。公にはなってねぇがこのゲームのためだけに首脳会談が行われた』
「やばいやん」
「それだけ多くの人が意識不明や脳死、衰弱死もしてる人いるらしいっすよ」
『そうだ・・・それだけ深刻な状況ってことだ』
『だからよー!!!早くあいつら助け出さねぇといけねーだろ!?』
ぬっと出てきたのは向日やった。
(あぁ・・・)
(幼馴染やもんな)
(・・・心配やな)
向日をかわきりに続々と氷帝メンバーも顔を出す
『今すぐあいつらの居場所教えろよ!!』
『そうだそうだ!!俺らも会いたいC~!!!!』
『ま、まなみさんとさおりさんに何かあったら俺・・・俺・・・!ぐずっ』
『泣くんじゃねぇ長太郎!!!!!』
『お前ら黙ってろって言ったろ!』
「・・・なぁ、跡部くん、それで・・・治し方はわかったんやろか」
「このまま戻れへんかったら・・・あかんよな」
「戻れた人は今までおったんか?」
『・・・いねぇ』
「え・・・」
「嘘やろ・・・」
「そんな・・・」
今までこの状況になって元に戻った人がおらんって事実に その場にいた全員が息を飲んだ。
(どないしよう・・・)
(どない・・・)
(まなみちゃんが・・・)
(そんなのあかん・・・・)
誰も言葉が出ない中
『・・・だが、まだ可能性はある』
そう口を開いたのは跡部やった。
「方法があるんか!?」
「ど、どないしたらええんや!!」
『お前らも聞いたことあるだろう・・・魔王の話を』
魔王・・・
(まなみちゃん言うてたな)
(魔王を倒して魔物と共存する世界を作るって)
『まだゲーム内で誰も魔王を倒したことがないらしいが、南米のヘビーユーザーのクエストに 魔王を倒せと表示されたらしい』
「え!?」
「ほ、ほんまに魔王が存在するんか!!」
『そのヘビーユーザーも現実では意識不明、ゲーム内ではギルドメンバーとは交流がありクエストの内容が発覚したらしい・・・長時間プレイしてるやつからこぞって意識不明になってやがる』
「・・・そういや俺も最近頭がボーっとすんねん」
「謙也もか・・・実は俺もやねん」
『お前ら、あいつらの監視で毎日長時間ログインしてるんだろう・・・症状が出始めるのも時間の問題だ』
「うそやろ・・・」
『おい!!お前らまで倒れるんじゃねーぞ!あいつらが・・・あいつらが戻れなくなるだろ!!』
『やめぇやガクト・・・謙也、お前大丈夫なんか?』
「俺は平気やで、体力には自信あるし」
『今のうちにあいつらの居場所教えとけよ!マジでお前らまで倒れたらシャレになんねーぞ!!』
『ガクトやめろって』
『とりあえず魔王は俺たちも居場所を探してる。居場所を見つけたら連絡するからみんなで倒しに向かうぞ』
「わかった・・・二人の居場所もみんなに教えてええか聞いとくわ」
「魔王の話もしとくで!何かあったら困るからみんなと集まるまで待つように言うとくわ!」
『頼んだぞ』
侑士たちと電話を切って
部活どころやない俺たちは今後のことを話し合うのやった。
「魔王を倒しに行こうと思う」
いや
いやいやいやいやいや
「え、俺言うたやん?みんなで行くでって、今言うたやん?」
早速その夜 ログインして今日の話をまなみちゃんたちにしたんやけど
話し方が悪かったんやろか?????
全然伝わってへんねん・・・
いやいつものことやけどな???
「今跡部くんが魔王の居場所調べてくれとるし、何が起きるかわからへんからみんなで協力して倒しに行こうて言うてたんやわ」
「それさっき聞いた」
「居場所か・・・helpに聞いたらわかるかな」
「よしさおちゃん、helpに聞いて今すぐ行こう」
「そうしよう」
「え???なんで???さおりちゃんも行く気満々やんか???」
「初めて魔王を倒した伝説の女・・・ふふふ」
「さおりちゃん????」
「魔王って城にいるって言ってたよね」
「魔王城だね!!聞いてみる!help!魔王のお城の場所を教えて!!」
『はい。魔王の城は霊獣・玄武の背中にあります』
「まって玄武きた」
「玄武やべぇ!!!ふしゆうの世界!!!!」
「え????????」
「え??????????」
「え、めっちゃアッサリ教えるやん居場所・・・」
「helpチートすぎん?いやさおりちゃんチートすぎん???」
「すぐ侑士に連絡するわ」
「やめろ」
「なんでや!?さっきも言うたけど俺らももし意識不明になったら困るからその前に居場所を・・・」
「だから!アンタたちも意識不明になったら困るから今すぐ魔王倒しに行くんじゃん」
「俺らのため!?」
「いやアタシたちもあるけどさ、アンタたちうちらに会うためにゲームしすぎで体調悪いんでしょ?もうそれ倒すしかないじゃん」
「居場所もわかったし問題ないね」
「すぐ行こ」
「いやけどみんなで行った方が・・・」
「ダメ。先にクリアしてあいつら見返すから」
「え!?そんなことで!?」
「そんなことってなに!!!?めちゃくちゃバカにされたんだよ!?!?絶対に許さないから!!!!」
「いや、うそやろ・・・」
「てかあいつらが来たところで足手まといなんだよなー!」
「わかる。私も銃で打っちゃったら困るからいてほしくないなー。もう知ってる人とかフレンズは大丈夫だけど氷帝ギルドとかで私が知らない人連れてこられたら正直どれが敵かわからなくて撃つと思う」
「ウケるそれ」
「さすがにゲーム内とはいえ人殺しは後味悪いわ!」
え・・・?
会話めっちゃこわない・・・?
白石ももうプルプルしながら固まっとる・・・
いや・・・
まぁ・・・・・・
確かにこの双子無敵やけどもさ・・・!!!
「そうと決まればめちゃんこおにぎり作っていかないとね!忙しいぞ!!!おにぎり出来たら出発だ!」
「私もアイテム全部もっかい確認しとこっと!!」
めちゃくちゃ余裕やなこの二人・・・
「なぁ、謙也」
小さな声で白石が俺に声をかけた
「こっそり跡部くんたちに連絡しといた方がええんとちゃうかな?」
「な・・・?せやんな?もしなんかあったら困るもんな?」
「相手は魔王や・・・無事では済まんと思うねん」
「あぁ・・・怒られるかもしれへんけど心配やし、送ろか」
俺はこっそりウィンドウを出して侑士に連絡した。
《魔王城はげんふ》
「あーーー!!!!!ちょっと今誰に連絡する気!?!?!?」
!!!!!
「いや!!し、してへんで!!!!」
その瞬間、慌てた俺はまだ途中の文章のまま送信してもうた。
(あぁ・・・っ!)
玄武やなくてげんふになってもうた!!
そのあとは見張りをつけられ全く連絡はでけへんまま、俺たちは魔王城へ向けて飛び立った・・・。