「暇だ…」
むくりと体を起こして窓の外を見た。
なんかさおちゃんたち、男子と楽しくキャッキャしとるわ。
ほらな、男子が寄ってくると言ったんだわ!
知らない人と同じ空間にいることほど苦痛なことはないよ…
(しかし暇だわ)
(ゲームもってくればよかったなー)
(長谷部が先生に見つかったら怒られるから置いていけってしつこいから!!)
(…あー、長谷部元気かなぁ)
(御手杵に会いたいな…)
(岩融と遊びたい…)
(いちにぃ愛しい…)
(あのウザイ清光ですら恋しい…)
それほど知らない人たちとの泊まりなんて苦痛で仕方がなかったのだ。
(みんななんだかんだ楽しそうだし…)
(私だけアウェーだよ…)
(私は1人でもこの環境に逆らい続けてみせる!!)
三(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )三(‘ω’)三( ε: )三(.ω.)三( :3 )ゴロゴロゴロ
「ダメだ!暇だわ!よしコーイチに会いに行こう!」
合宿中くらいお前らの世話したくねぇってバスで隣の席に座ってくれなかったけどね!
今とてもあいつらに会いたい!
誰でもいい!!
こうして私は部屋をあとにした。
「…しかし、あいつらがどこにいるのか私知らないぞ」
グルグルと回っていると
「あ、まなみっちー♡」
何か知らんがバスケ部の連中に見つかった。
くそっ!うぜぇ!
「…(無視)」
「ガン無視www」
「ちょ!まなみっち!シカトやめて!マジで!」
「まなちん、やほー」
「あ、むっくん♡やほー」
「!!? ちょっとー!俺と全然態度違うじゃないっすかーーー!!!」
「あひゃひゃひゃひゃひゃwww」
「笑いすぎだ、高尾」
(もー、ほんと…)
(バスケ部も虹村先輩とむっくんと高尾くらいしかまともにしゃべったことないからね…)
「ひとりか?」
なんだっけこいつ
かがみかなんかだな、たしか
「…(無視)」(・ω・`)彡プィ
「(イラッ)なに無視してんだてめー」
「まぁまぁ、火神くん。女性には優しくしてください」
?
誰だ今しゃべったの
「まなちーん、お返事くらいしなきゃダメだよー」
「だって怖い」
「は!?怖いだ!?テメーのがこわいっつーの!!」
「コイツ嫌いだむっくん」
「うん、俺も好きじゃないけど我慢して~」
「!?」
「火神くん、ドンマイですよ」
「ほかの女子はどーしたんだよひんにゅ…じゃなくて、まえ」
あ、こいつ同じクラスの青峰とかいうアホだ
こいつ巨乳好きだからディアンヌのおっぱいばっか見てんの!マジキモイし超バカ!
そんでこいつ普段心の中であたしのこと貧乳って呼んでんだなwww逆に笑えるわwww死刑だけどwww
「…ご覚悟!」
いにちぃの真似しながらカーンと金タマ蹴りあげてやったわwww
高尾呼吸困難www青峰死亡www他青ざめるwww
「…まなちんやりすぎー」
「見てるだけで痛いっす…」
「ひゅんってしました…」
「野蛮な女なのだよ…」
「なかなかやるな…」
みんなが口々に言う中、私はむっくん愛してるよー!と叫びながらその場をあとにした。
(ふぅ…)
(ほんとバスケ部1年ろくなヤツいねーな)
(虹村先輩と宮地先輩いなかったら入ってねーわクソが!)
(むっくんは好きだけどな!!)
そのまま暫く進むと、隣のクラスの担任土井先生に会った!!
「どうしたんだ?」
爽やかに聞かれたらもう倒れそうで生きてるのつらいまじカッコイーな半助たん…
「…先生にお願いが」
「ん?私にお願い?どうした?」
ファァァァアーー!素敵だ先生ー結婚してくんろーーー
「…壁ドンしてください」
「は?」
「壁ドン」
「え?」
「壁ドン」
「なぜ」
なぜ私がきみにそんなことを?
と、半助たんが不思議そうに小首をかしげたところでリヴァイがきた。やべぇ、退散!
ピューε≡ヽ( ゚ 3゚)ノ
「うーむ、いないな3バカも桜井兄弟も…」
広い宿泊施設で何がなんだかわからなくなってきた。
部屋でお菓子食べてればよかったかな…
「どうしよ、無駄につかれ…」
!!!!!!!
「だーれだ♪」
誰かに目隠しをされた
いや、男子なのはわかる
男子なのはわかるんだけど、選択肢広すぎてわからんわ!
つーか気安く触んな!!
とりあえず殴っとくか!
「んなことわかるわけ…」
振り向いて、殴ろうとした
「!!!!」
しかし、その顔を見て私の右手は止まるのだ
「か、かずき…ち!!!」
「まなみちゃん、久しぶりだね!!」
そこには、中学の時の同級生の火原和樹と柚木なんとかが立っていた…!
(はわぁぁぁ)
(わしかずきちには弱いぃぃ)
「もー、まなみちゃん、高校でも吹奏楽部入ってくれると思ったのにー」
「いや、ごめんごめん」
「何してるの?」
「あうー暇だったんだよー、助かったよかずきちー( ToT )」
「あはは、じゃあ今からクラスの友達と体育館でバスケしに行くからきみもいこ!」
「え…でも…」
(知らない人たちに会いたくない…)
(精神的苦痛…)
「さ、いこ?」(ほほえみながら手を差し出す)キラキラキラキラ~(ネオロマンス)
「……いきますっ!!」
こうして私はかずきちに連れられ体育館へと向かったのだった…。