今度の金曜日にご飯食べに行こう、なんて約束は
ほんまに俺にとっては些細なことで。
(いや会えること自体はめっちゃ嬉しいことなんやけど)
その日が何日かだなんて ほんまに意識してへんかったんや。
「白石さん、これ、どうぞ」
女子社員数名に囲まれて リボンのついた可愛い袋を渡された。
(あれ・・・?)
「今日って・・・」
「バレンタインのチョコですよ!」
「安心してください、女子社員から全員にあげてる義理チョコです!」
・・・今日、バレンタインやったんか
(すっかり忘れとった)
周りを見ると他の男子社員の机にも同じラッピングの袋があるから
「あ、ほないただくわ、おおきに」
みんなももろてる 義理 ならと受け取った。
(ん?)
(あれ・・・)
(待って・・・)
(俺今日誘ってもうた、さおりちゃん・・・!)
(もしかしてバレンタイン期待してるように見えたかも・・・!?!?)
うわぁ、なんやそれ、恥ずかしいわ・・・!
いくら忘れとったとはいえ・・・・・・
ま、けど、会えるからよしとしよう・・・!!!!
その後も今日会えることが楽しみでウキウキで仕事して
今日はデートやから早く帰ります宣言を朝からしとったおかげで無事に定時で上がれたで!!
ちなみに彼女出来てから、彼女できてん!!て言うてたから今年は本命も渡されへんかった!!
平和なバレンタインやったで・・・
毎年めっちゃ怖いからな・・・
この日が憂鬱で・・・・
けど今年はさおりちゃんのおかげで怖いことない!!
むしろ会えるん楽しみでいい1日を過ごせたし、これからもっと楽しくなるで・・・!!!!
ウキウキ
「お、おまたせしてすいません・・・!!」
その声に振り向いた
「さおりちゃん・・・!」
パアァァァ
今日もカワエエで、さおりちゃんは・・・
学校帰りなのか大きなサブバックを持っていた。
「何か食べたいもんある???」
「え、いや、あの」
話しながらスッと彼女の荷物を持とうとすれば
「あ!!持たなくていいです・・・!!!」
と断られてしもうた(´·ω·`)
基本的に「私が持ってるものはあなたが持って」って女の子しか周りにいぃひんから
断られたことが少しビックリやった。
「あ、ごめんな、大事なもの入っとった?」
「や、それもありますけど・・・自分の荷物は自分で持つので・・・」
それが当たり前だと思ってるので・・・
と言う彼女に涙が出そうなくらい感動してもうた!!!!
な、なんてええ子や!!!!!!
親御さんがさぞ愛情持って育てられたんやろうな・・・
うちのねえちゃんもゆかりも「箸より重いものは持てへんから男が持てや」って思うとるで・・・
え・・・
うちの教育どうなっとんねん・・・
まぁよう考えたら自分の物は自分で持つって当たり前のことやんな・・・!?
そんな当たり前のこと忘れとったわ・・・
ほんで今日も思う
さおりちゃんは可愛くてええ子
こんなええ子が俺の彼女なんてな・・・
奇跡ちゃうかな・・・
いまだに信じられへん・・・
「あの、白石さん・・・?」
感動で打ち震えてる俺を彼女はそっと覗き込んだ
「あ、すまん!で、何食べたい!?」
「えっと・・・その」
「ん?」
「し、白石さんのおうちにお邪魔しちゃダメですか・・・?」
「へ?」
「え、え???」
俺は今幻聴が聞こえたんやろか・・・?
「うち・・・?」
「あ、い、いきなりだとご迷惑ですよねすいません・・・」
「いや、いやいや全くご迷惑なことないで・・・?むしろウェルカムやけど・・・え、ええの?」
この場合、俺の ええの? は二人きりになったら俺何するかわからへんけどええの? の意味も含む。
「あ、だっていつも外でご飯食べると白石さん絶対おごってくれるし・・・私が出したくても出させてくれないし・・・今日バレンタインだから、私が料理作ってご馳走したいんです・・・」
え、えぇぇ・・・!!!
眩しい・・・!!!
眩しいわ・・・!!!
天使ちゃうか・・・!?
やましいこと一瞬でも考えてごめんな・・・
俺はこの子を守るんや・・・!俺自身の手からも・・・!!!!!
「あ、あぁ、そうか、バレンタインやもんな!え、手料理ご馳走してくれるん!?めっちゃ嬉しいわ・・・!!」
ほな、うちに行こか!!
そして俺はさおりちゃんと一緒にうちの最寄り駅まで電車に乗りこむのやった。
ガタンゴトン
揺れる電車の中。
彼女と並んで 手すりにつかまった。
「嬉しいなぁ・・・何作ってくれるん?」
「あ・・・な、何か食べたいものありますか・・・?」
「んー・・・せやなぁ。何作れる?」
「え、えっと・・・ある程度のものなら・・・」
「え!?料理出来るんか!?すごいな!」
「あ、まぁちゃんと二人暮らしなので・・・自炊してますし・・・」
「そうかぁ!得意料理は何?」
「得意・・・得意なのはなんだろう・・・」
「あ、ほなよく作るのは?」
「えっと・・・グラタンと春巻きは・・・好きでよく・・・」
「え!すごいやん!!ほな、グラタンお願いしてもええ?俺チーズめっちゃ好きなんやわ」
そう言うと なんとなくさおりちゃんの顔が輝いて
嬉しそうに ハイ! と笑ってくれた。
(あぁ、かわええな・・・)
もし
もしもやけど
俺が毎回おごってまうから 彼女はどこか負い目を感じとったのかもしれん。
俺としては 俺は男やし、年上やし、相手は学生さんやし、絶対びた一文払わされへん!! って俺なりのプライドがあるけど
そして女の子はおごられて当然と思うてるような子ばかりやと思うてたから
優しい彼女には少し負担だったのかもしれへん。
(・・・そんなこと、考えもせぇへんかった)
(俺の周りにはこんなええ子おらんかったから)
(けどもし俺もおごられ続けとったら気にしてまうと思うし)
(負い目感じてまうかもしれん)
そんな当たり前のこと 年上なのに気づかれへんかった。
人として大切なことなのにな。
いつもいつも 純粋で素直な気持ちをぶつけてくれるさおりちゃんに 気付かされてもらってばかりや。
(・・・俺、この子のこと ほんまに大切にしよう)
こうしてたまに手料理作ってもえたら、彼女の気持ちは少し楽になるのかな
そんなことを考えとった。
(ん?)
「あ、そーいや、うち材料ないわ」
買うて行かんと
思い出して呟いた俺に 駅ついたらスーパーありますか? と小さな彼女は俺の顔を覗き込むように聞いてきた。
可愛い。
いつも乗ってるこの電車に彼女と一緒とか、不思議な感覚やった。
「あぁ、駅前にスーパーいくつかあるで」
「じゃあ寄っていきましょう!」
「せやな!あ、道具とか平気かな?俺んちないのもあるかも」
「白石さんは自炊しないんですか?」
「たまに・・・けど簡単なものしかせぇへんから・・・何かいるのあるかな?」
「んー、グラタンなら耐熱のお皿があると助かります・・・」
「あー、耐熱皿ないわ!どないしよう」
「じゃあ・・・百均があるなら百均で買いましょう」
「え???百均に耐熱皿ある?」
「ありますよ!他にも木べらとかもしおうちにないなら買っていきましょう」
やっぱ女の子やなぁ・・・
百均行っても食器とか見ぃひんから何も知らんかった。
俺とさおりちゃんは電車を降りて駅前の百均とスーパーで買い物を済ました。
「すまんなぁ、食材買うてもろて・・・」
「でも百均のものは白石さんが出してくれたじゃないですか!」
「それは俺んちのやからな!」
百均ってちゃんと見たことないねんけど見てるとむっちゃ楽しいなぁ、と俺は笑った。
「そうなんですよ!すごいいろんなものがあって、百均すごいですよね!」
「文房具しか買うたことないわぁ」
「文房具も色々可愛いのありますよね!」
「俺百均ハマりそうやわ!」
「ふふ、また行きましょうね」
そんなことを話しながら。
片手に会社のカバンと食材を入れた彼女のエコバック持って。
(ほんまは手とか繋ぎたいんやけど)
(またビックリさせてまうから)
今日はガマンで。
電車でも百均でもスーパーでも思うたけど
新婚さんみたいで、 こんなんしてるのがめっちゃ楽しくて幸せで
これだけのことで幸せなんて
彼女と付き合えてほんまによかったと 幸せを噛み締めた。
ただのスーパー、ただの百均。
でも今まで買い物した中で 最高に一番楽しくて
間違いなく俺は今世界一の幸せ者やと思った。
(はー・・・)
(好きが止まらん・・・)
(どないしよう)
家について鍵開けて。
バタバタと部屋にあがって。
手洗いしたり、なんやかんやして。
さおりちゃんがさっそくキッチンに立ったから その様子をじーっと見とった。
「白石さん、本当に部屋綺麗ですよね・・・物がない・・・キッチンもすごい綺麗・・・」
「あーあんま無駄なもの置きたないねん・・・キッチンはあんま料理せぇへんからかな」
「どうしよう・・・木べらとか耐熱皿とか増やしてしまった・・・・」
「え!?それは使うものだから全然大丈夫やで!?」
むしろさおりちゃんと買ったものとか増えたらめっちゃ嬉しい!!
って俺が言うと さおりちゃんは 顔を赤くして俯いた。
はいカワ(以下略)
「そういや俺も買うたものあるんや百均で」
「なんか色々見てましたよね」
「まずな、これ、さおりちゃん用の茶碗と箸と・・・」
「え!?」
「えっとそれから・・・」
「え、あ、い、いいんですか!?」
「ええに決まっとるやんか・・・!!むしろ百均で悪いけど・・・」
「全然百均でいいです!!!!」
「いや今度改めて買いに行こうな?なんか・・・かわええやつあるやん・・・すごいオシャレななんか・・・大きいイオンとかにある雑貨屋みたいなやつ・・・」
「え、Francfrancとかですか!?いやいや、私百均でいいんです!白石さんが選んでくれたのがすごい嬉しい・・・!」
(・・・ええ子・・・・・)
(百均でこんな喜んでくれて・・・)
「あとな、うち全部コップとか同じ無印のやつやねんけど、今度お揃いのマグカップとかも買いに行こうな?」
「え、私無印好きだし全然無印でもいいですけど・・・」
「いや俺んちの味気ないねん・・・なんかええの見に行こうや、長持ちするやつ」
「私のもの増えちゃいますね・・・」
「増やして!!彼女なんやから遠慮しないで!!どんどん遊びに来て!!」
「ふふ」
「(笑うた!)」
「・・・嬉しいです、すごく」
はぁ
ガマン
彼女 守る
から
ガマン
あーーーーーーーーーー(理性との闘い中)
ぎゅ
俺はそっと彼女の後ろに回って キッチンで彼女を後ろから抱きしめた。
「!!?!?!」
パニクる彼女に すまん10秒だけ と言って そしてパッと離れた。
「あーーーすまん、あまりにも可愛くて抑えが利かへんかった」
「・・・(真っ赤)」
「・・・手伝うことある?」
「だ、大丈夫です・・・」
「ほな、なんかあったら呼んでな」
そう言って彼女から離れてソファに腰かけた。
はーーーーーーーーー
10秒だけ抱きしめてもうた・・・
やってもうた・・・
守ろうと思うたのにやってもうた・・・
はぁ・・・
可愛過ぎるのがあかんで・・・
(けど一緒に食器とか見に行くの楽しみや)
(そういやショッピングモール新しいとこ出来たて聞いたな)
(駐車場あるかな~)
色々検索しとると ええ匂いが漂って来た。
はー、なんやこれ・・・
うちのキッチンに彼女がおる・・・
やばない・・・?
ちょっと、写真撮ったら怒るかな・・・?
怒られるよなきっと・・・
勝手にはあかんよな・・・
盗撮やもんな・・・
許可とればええかな・・・?
「なぁさおりちゃん写真撮ってもええ?」
「だ、だめです!」
「ですよね(´·ω·`)」
いやわかってたで
恥ずかしがり屋さんやもんな
わかってたで俺は・・・
振り替えってまたじーっと彼女を見てると
あまり見ないでください! と、怒られてもうた(´·ω·`)
可愛ええから仕方ないんです・・・!!
しかしええ匂いやな・・・
めっちゃお腹空いてきたわ・・・
「白石さん、チーズ乗せてもいいですか?」
「たっぷりお願いします!!!」
うちのトースターでグラタンやいて 出来上がり。
そういや鍋つかみがあんまええのなくて
出来たの熱いから俺がテーブルまで運んだ。
鍋つかみも買わなあかんな、なんて思いながら。
さおりちゃんと一緒にグラタンを食べた。
「あ、めっちゃ美味い!!」
「ほ、ほんとうですか?」
「ほんまに!!!めっちゃ家庭の味!!美味い!!!」
毎日食べたいわ って言うと
彼女はホッとした様子で
「・・・また作りにきます」
と、笑った。
うん。
まだ付き合うて約2か月。
少しづつ進めばええ!
そう思いながら 俺は残さず彼女の手料理を満喫したのやった。
(そしてサプライズでチーズケーキ作ってきてくれてたことに驚く)
(最高にハッピーなバレンタインになったで!)
(お返しどうしようかめっちゃ悩むわ・・・・!!)
今日はバレンタインやけど 彼女はバイト言うてたな。
学生の頃みたいにバレンタインってそんな期待しとるわけやないけど。
病院でいくつかチョコもろたけどさ
やっぱ好きな子からもらえたら・・・って 少しは思うやん???
(けど彼女バイトやしな)
(ウロウロしとったら期待しとるみたいでおかしいよな)
そう思って仕事が終わったらまっすぐ帰った。
途中で彼女の店の前を通ったけど 彼女の姿は今日はウィンドウからは見えへんかった。
(あーあ)
(せめて姿だけでも見たかったわ・・・)
そう思いながら 家に帰った俺はコンビニ弁当食って、今日もらった袋を開けた。
甘いもんはそんな食べへんけど、まぁこの時期くらいはええかな、と眺めとった。
(まなみちゃんから欲しかったけど)
(友達やしなー!)
(あの子のことやから無理やろ)
(もう家やし潔く諦めよ)
そう思って冷蔵庫からビールを取り出し 飲もうとした
その時
LINE
LINEが来て パッと画面にそのメッセージがうつった。
『 今日、何してるの? 』
彼女からのものやった。
(おお!)
(まなみちゃんから連絡くれるとは!!)
(珍しい!!)
『今日はもう家におるで』
『そうなんだ。もう寝るの?』
『いやさすがにまだ寝ぇへんけど!のんびりしとったで!まなみちゃんは?バイト終わったん?』
『うん、今終わったとこ』
『お疲れ様!迎え行こか?』
『え、いーの?』
『えーで!車で行くから15分くらい・・・待てる?』
『うん、待ってる』
『外寒いしまた変なのに声かけられたらあかんからどっか入ってて!!』
『わかった、近くのスタバいるね』
『おう、すぐ行くわ!』
(よっしゃ!)
(会える!!!)
迎えに行く だなんて言って
ただ会いたいだけなんやけど。
ビール飲まなくてよかったぁ~
そう思いながら車のカギを持って 外に出た。
「車持ってたのか」
会って第一声がそれやった。
「持ってるで!」
「いつも白石が車出してるから知らなかった」
「たまにしか乗らへんしなー・・・バイクのが乗るし」
「え、バイクもあるの?」
「あるで!チャリもあるで!」
「めっちゃ乗り物あるじゃん!!」
「乗り物好きやねん」
「そうなんだ」
「走るのが一番好きやからあんま乗らへんけど。酒飲むと乗れへんしな乗り物!」
「持ってる意味ないじゃん!!」
助手席に座った彼女はけらけらと笑っていた。
(今日は機嫌ええな!)
「いいなー車」
「車ほしいんか?」
「うーん、運転はしたくないけどね」
「免許は?」
「持ってるよ」
「お、持ってるんか」
「でも免許取ってから一度も運転してないわ」
「まぁ東京おったら車いらんしな」
「でも車で行きたいところもあるしね、車いいなーって思う」
「車で来たいとこ?どこ?」
「え?うーんと、例えば地方の大型所ピングモールとか」
「あぁ、電車では行きにくいところあるもんな」
「あと海とか遊園地とか!」
「お!遊園地好き?」
「だいすき!」
「え、ほんまに?何乗るん?」
「ジェットコースター」
「えええ!ほんまに!?え、車出すから今度いこうや!」
「うん」
「ええの?」
「うん」
「やった!俺もジェットコースター好きやねん!」
「そうなの?それはいいことだ」
「めっちゃ早いの乗ろうや!!」
「うん」
「よっしゃー!楽しみやなー」
「うん」
遊園地に一緒に行ける! とか
ジェットコースター好きなんて好み一緒で嬉しいわ! とか
そんなこと思って 浮かれて 彼女がソワソワしとることに気が付かへんかった。
「やっぱ富士急やろなー!ええじゃないかって乗ってみたいねん」
「うん」
「楽しみやなー!いつ行く?」
「うーんとね」
「おん!」
「あのね」
「ん?」
「その前にさ」
まず今日の話しよ
そう言って彼女は
「どうしようか悩んだけど、でもさ、色々してもらってるしさ、」
と言って
ちょうど家について 車が停まったら
「・・・あげるね」
と 袋を渡してきた。
「・・・・え?俺に?」
「いや、あんたしかいないでしょ」
「え!え、これって、まさか・・・!」
「お、お世話になってるから、だからね」
そう言って 顔を赤くして
「・・・いっぱいもらってると思ったし、今日、もしかしたら誘われていないかもって思ってたけど」
家いるって言ってたから、とごにょごにょ言いながら。
「義理しかもらってへんわ!!!」
「そう?」
「え、めっちゃ嬉しい!!義理でも嬉しい!!おおきに!!!」
「・・・義理じゃないよ」
「え?」
「それ、義理じゃないから」
そう言って 彼女は
送ってくれてありがと!!!
と、逃げるように 車から飛び出してマンションの中に入って言ってもうた。
残された俺は 袋をそっとあけて
「・・・・手作りやんかこれ・・・・・・・・」
心臓がバクバク動いて
しばらくその場から 動かれへんかった。
電話してラインして
義理じゃない
そう言うてた意味を聞きたいのに
彼女からの返事はなく 今日は諦めて家に帰った。
(・・・どないしよ)
(義理じゃない、って)
(それって)
心臓が破裂しそうなくらいうるさくて
こんなにバレンタインって楽しいイベントやったか!?って思って
まるで中学生みたいに 浮かれまくって
彼女からもらったお菓子を食べて
「美味しかった、おおきに」
って連絡すると
よかった ってやっと一言返事をくれて。
(ああ)
(あかん)
(好きやなぁ・・・)
とりあえずこれ以上なんか言うと 怒られそうやから
「遊園地はいつ行く?」
と 話題を変えた。
(・・・遊園地行ったときは)
(覚悟しとってな)
きっとその日が 俺ももう一度気持ちを伝える日かも、と思いながら
彼女からの返事を待つのやった。