クリスマスのあの日。
(正確にはイブなんやけど)
奇跡的に結ばれた俺たちは・・・
今、札幌と大阪ちゅう絶望的な遠距離の中で愛を育んでいる・・・
いや付き合いたてやで?
まだ付き合うて1回しかデートしてへんし!!
けど彼女はすぐ札幌行ってまうし!!(遠慮する彼女を無理やり空港まで送ることには成功したが謙也と妹さん一緒やったし)
今すぐ会いたい・・・・のに・・・・・・・・
俺も年末実家帰ってきたら・・・・・・・・・
遠い・・・北海道めっちゃ遠い・・・・・・・
ピーチ乗って会いに行ってまうかな・・・・・・・
ジェットスターでも可・・・・・・・・
金「なんや白石ー、いつまでしょげとんねん!失恋なんて大したことないやろー!!」
白「失恋とちゃう!!金ちゃん、遠距離やで!!遠距離恋愛になってもうて落ち込んでるんや俺は!!!」
財「は・・・?年末年始お互い実家帰ってる言うだけのことやろ・・・?それを遠距離恋愛・・・?は???」
白「なんや財前も遠距離恋愛経験者か?むっちゃつらいよな・・・どないしてこの淋しさ埋めたらええねん、まだ付き合うて間もないのに・・・」
財「キッショ・・・死んでください」
ユ「ほんまキモイな!!!俺なんて小春ハーバード行ったんやで!?外国やで!!?そのまま就職してずっとアメリカおるんやぞ!10年以上も!!たかが国内の里帰りのくせに何言うとんねん!!」
春「アタシはこうしてたまに帰国するんやからええやないの♥たまにしか会えないから燃え上がることもあるんやで♡♥」
白「せやって・・・毎日でも会いたいのに、会えへんのやで?今日同窓会あるて言うてたし、同級生の若い男に口説かれたらどないしよ・・・さおりちゃんはめっちゃ信用しとるけど周りの男は信用ならん!なんせまだ20歳そこらやろ?一番血気盛んな時期やん?さおりちゃんめちゃくちゃ純粋やし可愛し手出されへんか心配で心配で・・・」
謙「いやー・・・あの子むちゃくちゃ真面目な雰囲気漂ってるからなかなか軽い気持ちでは手出しでけへんと思うで・・・?」
千「白石ば昔から夢中になると何よりも優先するけんね、大事にしとるのが目に浮かぶたい」
春「ほんまやね♡♥熱烈やわ~♡♥」
白「せやねん、ほんまに大事で仕方ないねん・・・」
財「まだ付き合うて一週間経ってへんのに・・・?ほんま引くわー・・・」
白「引かんといて!!」
年末。
地元に帰ると絶対会うのが中学の時のテニス部メンバー。
まぁ素の俺でいれる場所っちゅーか…
気楽なメンバーやで。俺がいくら彼女の話しても付き合うてくれるしな!
財「ちゅーか20歳てやばないすか?ロリコンやな…」
白「ロ!?ロリコンちゃうやろ!!!れっきとした成人女性やんか!!!!」
金「白石ロリコンやったんかー!」
白「ちゃうわ!それ言うたら謙也もやからな!?俺の彼女の双子の妹に猛アタックしとったからな!?」
謙「!?」
ユ「は?謙也もロリコンか?やばないか?あまりにもモテへんから気ぃ狂ったか?」
謙「ロリコンちゃうわ!!あと俺はモテる!!!!」
財「ほな猛アタックしてどやったんすか?」
謙「・・・」
ユ「・・・それでこそお前やで」
財「期待裏切らないっすよね」
千「謙也、元気出さんね」
金「謙也ぁ落ち込まんでテニスしようや~」
石「大丈夫やで!俺も仲間や!」
銀「おなごが全てやないで」
春「アタイが謙也きゅんの彼女になりましょか~?」
ユ「浮気か!!死なすど!!」
謙「いや、ちゅーか!!!別にフラれてへんし!!お友達からって言われただけやし!!!」
ユ「わからんやっちゃな!それフラれたってことやんけ!!」
財「ドンマイっすよ」
謙「」
白「ちゅーか!!俺の話を聞けや!!彼女が可愛くて仕方ない話を!!!」
財「絶対嫌や」
ユ「誰が聞くか」
金「シライシしつこいねん」
千「ははは、こん唐揚げうまか~」
春「恋バナは好きやけど蔵リンの恋バナはちょっと脂っこいのよねぇ・・・」
ユ「小春のこと胸やけさす気か!!しばくぞ!!」
石「俺も恋バナしたいわ・・・」
銀「まぁ、今が一番楽しい時期やろ、楽しんだもん勝ちやで」
そう言って笑う銀が仏様に見えた・・・
さすが妻子持ちは言うことちゃうな・・・
白「銀~聞いてくれや~」
俺は飲み会では散々さおりちゃんの話を銀に聞いてもらい、カラオケでは散々歌い
ええ気分のまま実家に戻った。
シャワーして寝る準備して
時計を見ると2時。
(・・・さおりちゃん、もう寝てるやろか)
(こんな夜中に連絡したら迷惑やんな)
まだ付き合いたてで距離感が掴めへん。
いや、まぁさすがに慣れてる関係でも夜中の2時に連絡って非常識やんなって思うんやけど。
仕事がないと暇でほんまに四六時中さおりちゃんのこと考えてもうてて
こんなん初めて彼女出来たみたいやけど。でもまぁほんまに。
こんなに夢中になったん初めてやからあながち初恋っちゅーのも間違いではないのかもしれん。
(あー、はよ会いたいな)
(正月、はよ終わらへんかな)
飲み会行く前は連絡取ってたんや。
向こうも今日は同窓会って言うてて、正直着いて行きたいくらい気になって気になってしゃーなかった。
せやって同窓会って男もおるやろ。さおりちゃんカワエエから心配やん。
どないしよ
連絡来てへんし。
めっちゃ気になる。どないしよ。なんかあったらどないしよ。
余裕あるフリして、飲み会中は気になっても連絡せぇへんかった。
けどほんまはめっちゃ気になってるし連絡取りたかった。
でも俺、大人やんか。
余裕ないって、みっともないって思われるん嫌やから。
スマホだけじっと見つめて 他の事も手につかへん。
(あーあ、かっこわる)
(なんや、これなら素直に気になるて伝えて連絡取った方がええ気がする)
(もしかして一番みっともないことしとるんとちゃうんか?)
俺、こんなかっこ悪かったっけ?
(もっとスマートにでけたはずやのになぁ)
必死過ぎて笑えてきて
あぁもう俺らしくもない!! て、時間も気にせずに彼女に連絡を取ろうとした。
ピコン
と、同時に急に鳴ったスマホにビクッとして
画面の文字が信じられなくて
俺はすぐに 電話をかけた。
”こんな時間にごめんなさい同窓会終わってさっき帰りました!まぁちゃんも一緒で、ふたりで眠いねて言いながらもうお布団に入りました。”
”恋バナになって彼氏のこと聞かれて、年上の彼氏がいるって言ったらビックリされました!”
”実は白石さんも飲み会って言ってたから、白石さんモテるだろうしちょっと心配になってて連絡しちゃいました。もう寝てたり、まだ楽しんでるところたったらごめんなさい”
Pululululu
『ハ、ハイ』
「さおりちゃん?」
『あ、はい・・・白石さん、もう飲み会終わったんですか?』
「終わってもう家やで。さおりちゃん、遅かったなぁ」
『起こしちゃいましたか?すいません・・・』
「いや!!起きてたで!!起きてて、おれもさおりちゃんに連絡しようと思うてた!」
『え、そうだったんですか?』
「あぁ、それに俺も同窓会で若い男に迫られたらどうしようとか、はよ会いたいなとか、ずっとさおりちゃんのこと考えとった」
『え、え、』
「・・・けど、かっこつけて言われへんで・・・情けないな。さおりちゃんのほうが素直でよっぽど大人やわ」
『えぇ、そんなことは・・・』
「・・・さおりちゃん、好きやで」
『・・・』
「ほんまに。はよ会いたいわ」
『・・・』
「・・・夜遅くに電話してもうてごめんな!声聞けてよかったわ。ゆっくり休んでな、ほな」
『あ、あの、白石さん、』
「ん?」
『私も、会いたい・・・です。お、おやすみなさい!』
(・・・・・・それは)
(あかんやろ、さおりちゃん・・・)
切れた電話を握りしめて。
可愛いこと言うてくれた彼女へのい気持ちを抑える術がわからず
枕に顔をうずめてニヤニヤしながら
会えたらどこに行こうかなんて デートの場所を探すのやった。