異世界にトリップしたと思ったら乙女ゲーの悪役令嬢役でした(10)マナミ

 

 

アタシ、ティーザー!
ティーザー・マナミ!
世界一の美少女で天涯孤独の捨て子!
孤児院で育てられてる!!!

 

シスターは超優しくて好きだ。
シスターの作ったクッキーはとてつもなく美味しいし、シスターの教えの一般人には3コンボまでは真面目に守っているぞ(ニッコリ)

 

 

いつ誰に何をされるか分からないから撃退法は優しいシスターに教わったけど、一緒に育った兄弟たちほど武器の扱いには長けていない。
いちにぃとか弟たちはみんなとてつもなく才能あるよ。特にナイフのね!素晴らしいよ。いちにぃなんて日本刀とやらを12歳の誕生日に送られていた。
羨ましいなぁ。
おらなんて、接近戦は向いてないとか言ってこないだの誕生日に貰ったの25口径の銃だったもんなー!!
みんなほどの才能はないけどさぁ、護身用のナイフじゃなくて大きいナイフ欲しいなぁ。牛をさばけるくらいのさぁ・・・。

 

 

孤児院のみんな腕は立つけど優しいから動物狩ってこないからあんま肉食べれんし!!
たまにシスターがでかいクマかイノシシ倒してくるけど、アタシ牛肉が食べたいんだわ!!

 

 

牛肉が!!!!!!!

食べたいんだわ!!!!!!!!

 

 

(たまーにあしながおじさんからの差し入れで牛肉食べるけどべらぼうに美味いんだ)

 

 

 

 

 

でもシスター、野生の牛はいないから無理とか言うしなー!!!
牧場の牛さんはマリアねーさんブチギレるから無理なんだそうだ・・・マリアねーさんにいたぶられるの大好きなくせにな・・・。いたぶられながら牛狩ってきてくれよ。無理か。シスター死んじゃうな。

 

マリアねーさんにはハニトラの才能あるわねって言われてるから金持ち落とすかな!

 

なんせ超絶可愛いアタイだからさ~~~~~
「養子にしたい」って申し出が引く手あまた。

 

養子に出すなら面会に来た貴族1人ずつぶち殺す!って言ってるから今のところ孤児院での生活を死守している。
みんなには貴族の養子になるのすごいから女の子だし行きなってすごい言われるけどさ。
今はまだ行けないんだよ。

 

 

 

だってアタシには夢があるんだ。

 

 

 

 

それは、アタシを産んでくれた両親に会うこと。

 

 

 

 

 

両親に会って

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシを捨てたことを後悔させて生きている方が辛くなるほど地獄を見せてやりたいんだ!!
お願いです死なせてくださいって言っても死なせてあげないんだ!!
あはははは!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だからまだ養子には行けないよ。
孤児院のみんなとも別れたくないしね。

 

 

 

 

「まぁねぇ、もうすぐ学園に行くのかー」
「早いよなぁ」
「接近戦大丈夫?まぁねぇ、射撃なら得意だけど接近戦は鈍いから心配だよ」
「一般人よりは遥かに強いから大丈夫じゃない?」
「ところがだ!とんでもないことをシスターに言われたんだ」
「なに?」
「一般人の女には手を出すな、と・・・」
「それはまぁ・・・その通りですよ」
「一般の女性に手を挙げてはいけません」
「マジで!?いじめられたらどうするの!?」
「いやまぁねぇいじめるツワモノなんかおらんばい」
「学園にいる間は何が起きても手出したらダメだって言ってたぜ、シスター」
「え!?!?3コンボまでは!?!?」
「学園にいる間はNGで」
「マジかよ・・・イライラし過ぎて死んじゃうなな!あしながおじさんも余計なことしてくれるよな、なんで学園に行かなきゃならんのだよブツブツ」
「でも食堂でおいしいごはん食べるって張り切ってましたよね!うらやましいです
「そうだ!食堂で伝説のステーキを食べるんだった!!牛肉!!!でも一般人しばけないとかクソすぎる!!」
「でも学園で問題起こしたらマリアねーさんの牧場に修行に送り込むってシスター言ってたぞ」
「え・・・それは無理だ・・・動物なんぞ全部食べ物にしか見えないのに世話なんか出来るかよー絶対いやだーーー」
「じゃあ我慢だね」
「学園にいる間だけだからさ」
「まぁねぇが問題起こすと孤児院の支援も切られるばい・・・きばらんね!」
「わかった、学園にいる間だけはみんなのために我慢する・・・あとは闇討ちだね・・・銃なら得意だからさ・・・」
「まぁその辺は任せとけよ」
「まぁねぇが直接手を下すことはねーよ」
「俺達がなんとかしてやるから」
「心強い・・・!!」

 

 

 

はぁこいつら輝かしいほどにいい子たちだなーと思いながら
学園に行かねばならんことを憂鬱に思いながら入学準備する・・・
ってゆーかパンツくらいしか持ち物ないんだけどな!

 

 

ま、学園行けば王族だの貴族だのウヨウヨいるしアタシの両親も知ってるやついるかもしれないしな!!

 

 

苗字はずっと教えられないまま育った。
苗字あるとは思わなかったし。
でも学園に旅立つ前日の夜にシスターにアタシの苗字を教えてもらった。

 

 

ティーザー・マナミ・アヴァン

 

 

アヴァンって悪名高い公爵の苗字らしいな。
つまり・・・つまりはアタシの仇討相手はあいつらってことか・・・?

 

そういえば、イザベラって女もうちの奉公行ったパイセンたち処刑してるじゃん?
フフ、両親共々地獄をあじあわせてやるわ・・・!!!

 

そう復讐に燃えながらアタシは学園に向かった。

 

 

 

 


 

 

 

「私たち双子なんだよ」

泣いてる女の子に声かけたらそんなことを言われた。
ふざけているようには見えない。
話を聞くと彼女はアヴァン家の人間なんだそうだ。
しかも、探していたイザベラがその子本人だった。

 

なんだかすんなりと、あぁアタシほんとにこの子と双子なんだろうなとか
アタシはあのアヴァン家の娘なんだろうなとか 確信した。

 

アタシたち似てたし。
苗字一緒だし。
ペンダントも同じの持ってるって言ってたし。

 

こんなに早く仇討が見つかるとはラッキー!と思ったが

 

 

 

さおちゃんが めちゃくちゃいい子だったのだ・・・。

 

 

悪名高いイザベラとは思えない。
生まれ変わったと本人は言っていたけど本当に噂とは別人のようにいい子だった。

 

 

 

こうなると困ったな。
イザベラはおろか、アタシを捨てた両親に復讐することも出来ない。
仲良くなったさおちゃんがきっと悲しむからね。
うーん、最初の目標にはたどり着いたのに目的は達せない・・・

 

 

とりあえず今日もさおちゃんの笑顔を守るために隠密活動するしかないな・・・

 

 


 

 

 

 

「それで?マナミの出生についてはわかったのかい?」
「うん、アタシ公爵のアヴァン家に捨てられたらしいよ」
「・・・やっぱり」
「いちにい知ってたの?」
「いや、シスターにマナミの苗字を聞いてね・・・もしかしてと思ってたよ」
「だよね」
「あのマナミとそっくりな子がイザベラ・アヴァンかい?」
「そうなんだよ・・・でも超絶いい子なんだよな・・・今ではもう大親友」
「マナミとは姉妹なんだろ?」
「うん、双子らしい」
「双子か・・・捨てられるのなんとなく予想つくなぁ」
「ねー・・・」
「で、どうするんだい?復讐するために学園に入ったんだろ?」
「うーん、まぁさおちゃん悲しませたくないしそこは様子見だなぁ・・・今度いちにぃもさおちゃんに会ってみて。噂と違ってめっちゃさおちゃん優しいから」
「そうか・・・マナミがそういうんだからそうなのかもね。今度会ってみるよ」
「うん、そうして」

 

 

 

 

それからいちにぃはさおちゃんと会ってみていい子で感動していた。
いちにぃもパイセンたちが処刑されたの胸痛めてたはずなのに、拍子抜けしたらしい。
そしていちにぃとさおちゃんとよく3人で遊んだんだけどなんかいちにぃさおちゃんのこと気に入ったみたいだ。
おらにはわかる。

 

 

学園に入学してから、いろんなやつと出会った。
同じクラスのオシタリってやつはすごいバカで足早いからって毎日パシリにしてたんだ。
途中でパリられてると気づいたオシタリは怒っていたけど
「じゃあ明日からもう一緒にご飯食べれないね」って言うと
「は?明日からも一緒に食おうや」と言ってなんだかんだ場所取りしてくれて中等部の3年間はなぜか一緒にお昼ご飯を食べた。
あと一緒に金の亀とか龍のうろことか妖精の涙とかお宝を探しに行った!!見つからなかったけどな!!

 

シライシはそんなオシタリと仲が良くて、あとさおちゃんの想い人だ。
シライシは面白くないのが面白いやつで、とにかく普通の男なんだけどさおちゃんはそんなアイツの顔に惚れたのかキャーキャーよく言っていた。
2人でいつもデートしに行くから付き合ってんのかなと思いきやそういうのではないらしい・・・
まぁまだ中等部だもんな!!高等部になったらわからんぞ。
なんか背も伸びて声変わりして男らしくなったシライシにさおちゃんは完全にノックダウンされていた。

 

さおちゃんのいとこのユキムラというやつはなかなかいいやつで休みの日には家にもよく招いてくれた。
家に行くと美味しいお菓子もあったし、めんこい少年がいた。
ケンシンはいつもさおちゃんに懐いていたな。中等部にそのうち入ってくるんだけど、なんかよく4人で遊んだ。
チェスとか教えてもらったけど室内の遊びはどうしても面白くなくて、ユキムラの家の裏庭でみんなでイノシシ狩りした。
みんなイノシシ狩るの初めてだったから楽しいって言ってくれて一緒に過ごす。
さおちゃんは 実は私ユキムラとケンシンくんに嫌われてて今必死に罪滅ぼししてるの、とか言ってたけど どこが? といつも思っていた。
さおちゃんは二人に愛されすぎだといつも思っていたし、実際さおちゃんを取り合ってよく二人は喧嘩していた。

 

あとバカ王子のアトベか。
コイツはほんと明らかに好きな子イジメるタイプの男でさおちゃんイジメて 俺様のものだ とマーキングしとったな。
さおちゃんもうシライシに夢中なのに、第一皇女候補だかでさおちゃんを自分の物扱いしてたな。
あほだから庶民の流行の物とか教えるとすぐに買いに行きたがってなぜかさおちゃんとアタシを同行させた。
でも帰りにめっちゃ美味しいステーキくれるから許した。あとフォアグラという食べ物がこの世で一番うまいと教えてくれたのもコイツだから許した。
てかさおちゃんモテモテだな!!!さおちゃん可愛いもんな。

 

 

学園にいる男はまぁまぁ、性格悪いやつとかも超絶可愛いおらにかかれば意地悪なやつはいなかったな。

 

 

 

ところがだ。

やっぱり 女 は違うんだよなぁ。

貴族のブスどもがさ・・・おらの美貌を妬んで嫌がらせを始めたのは中等部1年の冬だった。
元々さおちゃんの取り巻きだったんだって。
さおちゃんってかイザベラのね。
まぁイザベラの取り巻きだったってことは性格ゆがんでるんだわ。
人をいたぶるのが快感だとか。どえすか!!!
なんかおらも狙われてさ・・・イザベラ様がおとなしくなったのはお前のせいだって逆恨みみたいな。
でもシスターや孤児院のみんなと約束したし、さおちゃんにも心配かけれないし
一般人の女には手を出したら駄目だから気にしないようにしてた。むかつくけど。
でもどんどんエスカレートしてってさ・・・
ぶっ殺してやりたいって思ってたけど、それやると孤児院に支援がいかなくなるからな・・・
学園では問題起こさないって約束したし・・・

 

 

 

でもあの日、終業式の日。
中等部もう終わりだな、やっと高等部かって思ってた日。
さおちゃんがイザベラって記事が出回って すっごいむかついて
お前らかって問い詰めに行ったら ヤバそうな液体持ち出されて
それでもやり返したら駄目だと思って木に登って

 

さおちゃんが助けに来てくれてさ。

 

さおちゃん来てあいつらいなくなって

 

でもさおちゃん泣いてて。

 

「もう一緒に暮らせない」って言われて
さおちゃん様子おかしいし焦っちゃって
受け身あれだけシスターに習ったのに

 

木から落ちたアタシは 頭を打った。

 

 

そして思い出したのだ。

 

 

自分は 22歳OLのまえまなみだということを・・・・!!!!

 

 

 

 


 

頭をぶつけたので先生に言ってそのままおらは寮に帰宅
さおちゃんも付き添いってことでそのまま寮に戻って来た。

 

 

「まぁちゃん、思い出してくれたんだね・・・!!!!」
「はぁ・・・まだ頭痛いよ・・・タンコブ出来たわ・・・」
「冷やして!!!!!」
「きみの言ってた 記憶がどーのってやつ。やっとわかったわ・・・」
「よかった・・・」
「ひとりでこんな世界でずいぶんつらかったね君・・・可哀想に・・・」
「でもきみが思い出してくれたからよかったよ!!!!」
「おらたち無敵の双子だからな・・・生まれ変わってもやっぱり双子・・・ん?生まれ変わったの?」
「いや、違うんだよまぁちゃん・・・私、記憶が戻ってから色々調べたんだけどさ」
「うん」
「オリバーって名前記憶ない・・・?」
「ん?」
「あとライアン・ザンダーとかアルバート・ウィリアム・・・カルロスとダリル」
「え!!?!?オリバーにライアン!!?そ、それって・・・!!!!」
「そう・・・!あの乙女ゲ―の登場キャラなんだよ!!!!」
「な、なんてこった・・・まさかオリバーがユキムラ・・・?で、ライアンが・・・アトベ???」
「うん・・・」
「まじかよー!!!!まじかよーーーー!!!!!跡部が王子って、っぽすぎて笑う~~」
「え、そこ?まぁ私も跡部は王子っぽいなと思ったけどね」
「なんでうちらゲームの世界にいるの????」
「それは全然わからない。ゲームの世界に居るのか、リアルの世界にも私がいるのか、この記憶が何なのかとか全然わかんない」
「わかんないのかよー!!!」
「わかんないよ!!でも、なんとなく主要キャラは現実世界でも会ってた人だと思うの・・・」

 

 

そういえば最近開いてなかったんだけど、と さおちゃんはガサゴソと本棚をあさって 一冊のノートを持ってきた。

 

 

「これを見て」

 

 

 

 

★主要攻略対象キャラ
・ライアン(王子) → アトベ
・オリバー・ウィリアム(秀才) → ユキムラ
・カルロス(教師)
・ダリル(チャラ男)
★隠し攻略対象キャラ
・アルバート・ウィリアム(隠しキャラ1) → ケンシンくん
・隠しキャラ2 → ???

 

 

 

 

「ここまで思い出して書いてたんだけど・・・」
「きみあのゲームほぼやってないのによく思い出したね!!!」
「そうなんだよ・・・長い年月をかけて思い出したよ」
「ちょっとおら今まえまなみちゃんとティーザーちゃんの記憶がごっちゃになってるからすぐには思い出せないんだけどさ・・・」
「だよね!?私も最初いろんな記憶が混ざって気持ち悪くて動けなかったよ」
「高等部入るまでにはがんばって思い出す・・・」
「頼むよ・・・君だけが頼りなんだよ・・・」

 

 

 

知り合いが主要キャラって思ってたのになぜかいちにぃは現実世界でお隣さんだったのにこっちに来たらなんのキャラでもなくて困ってたんだよね

 

と、さおちゃんが言った。

 

ん・・・?
いちにぃ・・・?

 

 

(いちにぃ・・・孤児院で一緒だったな、おらのアニキみたいなもんだ)
(学園で色々研究して博士号取得して社会的地位を得て・・・)
(あれ?)

 

 

 

「いちにぃって、ミレーって名前だよね?」
「そうだったよね、ミレー・イチゴ・アワタグチって聞いた気がする」
「あ、じゃあいちにぃ主要キャラだね」
「え!?!?でも教師ではないしょ!?まさかチャラ男!?!?」
「違う!!私の推しがいちにぃなワケないだろ!!!」
「そうかきみチャラ男推しか・・・」
「ダリル激推し」
「え、じゃあどれなのいちにぃ・・・隠しキャラ?」
「そうだね、隠しキャラだけど1つ違ってさ」
「え?」
「隠しキャラ3人いるよ」
「え!?そうなの!?」
「うん、めっちゃ条件難しいんだけど、一緒に貴族の悪いやつやっつけるんだよね」
「そうなの!?」
「うん、なんかお兄ちゃんだったのに恋愛になるのすごい恥ずかしかった思い出・・・」
「そうだったんだ!!!!!!!確かにいちにぃお兄ちゃんなのに急に恋愛対象になったら恥ずかしいねきみ」
「いや恥ずかしいのきみだろ、がんばって」
「え?何言ってるの???」
「何が???」
「だって、このゲームの主役 きみだよ?」
「は?」
「え、だって私イザベラだよ?敵の悪役令嬢」
「・・・」
「きみティーザー、主役」
「え・・・・・・・・待って嘘だろ・・・・」
「嘘じゃないよ、それは私もう記憶戻してからしばらくして気づいていたよ・・・」
「え・・・でもきみめっちゃフラグ立ってるじゃん!?」
「え!!誰と!?」
「主要キャラたちと」
「何を言っているの・・・?私みんなから嫌われて・・・」
「あ、あーーーー!!!そんなことより、そしたらほとんどのルートでイザベラ殺されるじゃん!!!!!」
「そうなんだよ!!!!!!!」
「高等部の卒業の日だ!!!!!!!ちょっと前に逮捕される!!!!」
「そうだよ、処刑されるんだよ・・・」
「え・・・・・・きみ・・・・・・・処刑されるの・・・?それはおら許さんわ・・・」
「私もずっと恐怖と戦っていたよ・・・」

 

 

でも、もういいんだ。覚悟決めたから・・・

 

 

と、落ち込みながらさおちゃんは言った。
なんだなんだ?せっかくおらの記憶が戻ったのになんで死ぬルート向かおうとしてるんだ???
と、思って話を聞いたら

 

 

重かった。

 

 

重すぎてビビった。
むしろちょっと引いた。

 

 

 

「イザベラがシライシの姉さん殺したの・・・?」
「うん・・・」
「え・・・じゃあシライシにイザベラなのバレたから二人はもう終わったの・・・」
「終わったというか・・・始まってもいなかったんだけど・・・もう・・・シライシくんとは友達には戻れないね・・・ぐす」
「イザベラやべーやつだな・・・頭おかしすぎる・・・それできみがイザベラになるのも可哀想だな・・・」
「なんでイザベラになっちゃったんだろう・・・」
「なぜだろうね・・・てかなんかその話きいたことあるな・・・なんだっけな・・・」
「え、聞いたことあるの???」
「えーっと・・・シライシの名前なんだっけ・・・あー・・・ダメだ、頭痛い・・・」
「大丈夫?」
「シライシとの出会いは・・・?」
「きみ、無理しなくていいよ」
「どこで出会った?」
「え、っと、学園に入学前の 社交界で・・・」
「あー・・・・・・それアタシも行ったな・・・」
「え!?」
「おらずっとテーブルの影でご馳走食べてたから誰とも会わなかったけど・・・あしながおじさんからドレスと招待状送られてきてさ、シスターの指示で行ったんだよね・・・」
「え・・・きみ・・・」
「だから・・・それは・・・えーっと・・・・・・・・頭痛い・・・・・・」
「いいよ、もういいから!!休んで!!!!」

 

 

 

それにしても食べてて誰とも出会わないとかきみらしいね、主人公なのにねってさおちゃんが言って
いや、おら絶対主人公じゃねーだろ、断言するおらは主役ではない

 

そう言いながら

 

頭がごちゃごちゃで吐きそうになったのでその日は考えるのをやめた。
結論としてはまえまなみちゃんもティーザーちゃんも超絶可愛くて困るなと思っている。

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