第5話:知識を蓄えましょう!(サオリ)

 

 

「え?王子様なのですか?」

 

帰りの馬車の中で、お父様とおじい様から聞いて驚いた。

私が気になってたイケメンのことを聞いてみた。父と祖父に「いつもお世話になってる」とかなんとか言ってたから、お知り合いなのかなと思って。

 

「そうなんだ、クラノスケ様は西の国から留学されていてね」

「この国の医療が発展していることは勉強したな?」

 

おじい様からそう言われ頷く。

私の住んでいる国は、他の国に比べて医療がとても発展しているらしい。

100年前は、この国だけの話してはないんだけど、どこの国でも不衛生で、その辺になんのものだかわからない汚物も落ちてたりしてたそうだ。動物のものもあったし、おそらく人間の汚物も街に捨ててあるとか…地獄か。

そんな環境だったから、流行病も流行り、死ぬ人が多かった。

 

それを革命したのが、先々代の王様だったそう。

まずは衛生面をどうにかしようと、公衆トイレを設置。野良犬、野良猫などの動物も捕まえて、施設にいれて狂犬病対策。

石鹸の開発、公衆浴場の設置をし、各家庭のゴミの処理も徹底したところ、流行病が減ったらしい。

その他、強いお酒が消毒にいいとわかり、アルコール成分だけを抽出し、消毒用だけのアルコールを開発。

今では様々な医療施設が建ち、庶民も気軽に来れる病院もあるそうな。

確かに前世の世界でも様々な産業革命がなされてたった100年で人類の技術は大きく進歩したけど。

どうやらそんな感じらしい。

 

ただ医療が発達してると言っても、この時代ではね・・・。電気もないこの世界では、出来ることは限られてるし・・・ワクチンとかもまだまだ研究段階みたいだけど。

どちらかと言うと、「予防」が進んでるって感じかな、私から見たら。

確かに衛生面に気をつけるだけでも感染率が全然違う。

トイレの後は手を洗うとか、お風呂に毎日入るとか。当たり前のことでも病気の予防になるからね。

これからどんどんいろんなウイルスとか病気のワクチンも発明されていくと思う。

 

さすがに前世の記憶みたいに、手術室で腫瘍の摘出手術!みたいのはまだないみたいだけど、ケガとかの手術とかはかなりの腕前だそう。手術用のメスをアルコール消毒するだけで、傷口の化膿が減ったとか。

逆に手術してバイ菌入って化膿して死ぬとか普通にあったみたいだから、ほんとそれだけは良かったよね・・・。

 

そんな我が国には留学してくる学者や医者、そして学生たちが後を絶たないそうだ。

そんなわけで、あのイケメンも留学して医療や、政治、経済など様々なことを学んでいるらしい。第一王子で国を背負う方だから、率先して学びに来ているとのこと。

なるほど。そういうことだったのか。

 

「とても礼儀正しく優秀な方でね、一緒にいたケンヤ・オシタリ殿にはお会いしたかな?」

「はい、ご挨拶していただきました」

「彼も公爵家の人間なんだが、代々医者の家系でな、彼から学ぶことも多いよ」

 

なるほど・・・あの一緒にいた方も前世で言う「関西弁」だったけど、他の国の方だったんだなと思う。

西の国とはお互い良い関係を築いているらしいので、お父様もおじい様もお仕事でよく行かれるのだとか。小麦粉を使った料理がとても美味しいって言ってくれた。

 

「サオリは彼のことが気になるのか?」

 

婚活推奨派のおじい様が突然そんなことを聞いてくるものだから、思わず顔が赤くなりながら必死に否定する。

 

「い、いいえ!そうではなく、西の国の方とおじい様たちがどのような関係なのかと思っただけです」

「父上は大臣として彼らが小さい頃から西の国の王族の方々と関わりがあるし、今彼らの留学の面倒をみさせていただいているのが我が領なんだよ」

「え、そうなのですか?」

「ああ、王家からも頼まれていてね、なんせ我が家の使用人たちは非常に優秀な者が多いから、それを見込まれてね。実は王家にも使用人をお貸ししているくらいなんだ」

「はぁ・・・レベルが高いんですね・・・我が家の使用人は」

「彼らは学ぶために来ているとは言え、大事なお客様だからね。失礼がないように、我が家の屋敷と使用人をお貸ししているから何度もお会いしているよ。何か困ったことがないか、よく顔を見て話しにいっている」

 

最近は、私たちが戻ってきたことでバタバタして、会いに行く回数も減っていたそうだけど、それでも彼らに気を配っているらしいよ、お父様。

 

「しかし、残念だな・・・年齢も近いし、身分も申し分ない方だが、お国に婚約者がいるという噂だ」

 

おじい様のその言葉で、「やっぱり」という気持ちになる。

大体身分が高い人たちはほとんど政略結婚のようなものだから婚約者なんて小さい頃から決まってるんだ。ケイゴ王子も婚約してるって言ってたけど、王子様となるととっくに婚約しててもおかしくない。

 

「直接本人に聞いたわけではないが、王族であれば婚約者はもう決まっているだろうな、残念だ」

「何が残念なんですか。隣の国になんて嫁がせるわけありませんよ」

「またお前はそんなことを言うのか!」

 

おじい様とお父様でまた嫁に行かせる、行かせないの談義が始まったので、外の景色を見ながら彼のことを思い出す。

 

(とっても素敵な方だったけど・・・)

(婚約者がいるなら、あまり今後は関わらないようにしよう・・・)

 

前世でもそうだったけど”人のもの”って聞いたら、スッと気持ちが引いていくんだよね・・・。人のものには絶対に手出しちゃだめだ。

 

(手出す気も最初からないけど)(あんな素敵な人、私には無理だし)(ただ、また会えたらいいなくらいには思ってたから・・・)(こうして気持ちを切り替えられたことは良かったな)

 

早くまぁちゃんが待つあの家へ帰りたいなと思いながら、馬車に揺られるのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

あの後。

結局疲れて、すぐにお風呂に入ってバタンキュー。

まぁちゃんとお風呂とか一緒に入ったし、一緒のベッドで寝たけど疲れすぎてまぁちゃんの話を一方的に聞いてただけだった。

あんまり頭に入ってなかったんだけど、朝になってまぁちゃんが「レストラン開きたいんだよね」って言うから覚醒した。レストランを開くとな?

 

 

「レストラン開くって?町に?」

「昨日も話したしょー!」

「あ、ごめん・・・昨日疲れすぎてて記憶が・・・」

「だよね・・・人見知りなのに社交とか頑張ったよきみは・・・」

「それで、レストランの話聞かせて?」

 

 

まぁちゃんに話を聞くと、レストランと言えば貴族のものであり、庶民は食に対して関心がない。関心がないから、食の文化が発展しないとのこと。

確かに料理人もいない庶民が自分たちで新しい食材とかにチャレンジするわけはないし・・・。

 

 

「もう少し食べることに関心を持ってもらって、美味しいものがあふれる町にしたいんだよね!」

 

 

まぁちゃんが笑顔でそういった。うーん、確かにそうすると、町は活気で溢れる気がする。

レストランも王都とか、うちの領の大きな町にはあるけど、数自体も少ない。そう考えたら、確かにもう少し食文化を広めてもいいかもしれない。

 

「町の活性化にもなるし、いいかもね。おじい様とお父様に提案しよう」

 

そう言って、朝食の席で提案してみたけど、良い反応は得られなかった。

 

「確かに、食を発展させれば観光客なども増え、町の活性化に繋がるかもしれないが、本当にそれで利益が上がるのか保証はない」

「慈善事業では成り立たないんだ。やはり商売というものは、利益が上がるからこそ出来るものだ。利益の保証もないのに簡単に店を出すわけにはいかない」

 

ド正論を言われた。

私たちは前世もただのOLだったから経営に関わることはしてなかった。でも言ってることはわかる。

「食文化を発展させたい!」なんてふんわりとした理由ではOKが出るはずなかったのだ。

 

「まぁこのマヨネーズというものはとても美味いがな」

「我が家の食のレベルがどんどん上がっているね、でもね、商売をするとなると、元値や利益が絡むから簡単に店を出すというわけにはいかないんだよ」

 

おばあ様まで「我が家だけで楽しめばいいわ」と言っている・・・。

 

うーん、これはなかなか手強いぞ。

 

 

「まぁちゃん、私はこれから勉強をする」

「お、そうかい」

「うん、ちょっと経済について調べてみるから」

「難しいこと始めるね」

「お金の流れについてまずは調べる」

「うん」

「だから、まぁちゃんは料理の開発に勤しんでくれ」

「OK、それ得意」

「よろしく頼むよ」

「うん」

 

 

 

こうして、二人で分担して作業することになった。

私はまず経済の勉強を始めた。というのも、この領のお金の流れについてまずは調べておく必要があるからだ。

この領はとても資源が豊富で、土地柄作物も豊富だ。とても恵まれている土地を持っている。特に医療に使う鉄などは我が領土から出る資源だし、実際に医療で使う器具も工場を持っていてそこで作っているとのこと。加工技術もあるんだね。

その他にも宝石とかも出るし、加工して売っているみたい。

あと、いくつかある領土のうちの一つからは石炭なども出るらしいから、エネルギー関係の貿易も盛んらしい。特に北の国などの雪が降る地域は冬の寒さに石炭は必須だから、とても良い顧客なんだとか。

あと、一番大事なところで、町のレストランはうちの領で運営してるってこと。これ、個人経営で誰かやってたら新しく商売を始めると競合になってしまうから安心した。

主に旅の途中で立ちよる貴族たちの休憩の場所として設けているらしく、町の小さな料亭とは違うみたい。町の小さな料亭も支援してやってもらってるから、ほとんどうちが経営してるみたいなものだな。料亭のほうは、商人とか町の人とか騎士さんとかが気軽に入れるみたいだけど、お酒を飲むのがメインになっていて、食べ物はパスタ、パン、スープくらいかないそうだ。

なるほどなるほど。

経済の勉強をしていていろいろわかってきた。

この領土はさすがに豊かだ。国のナンバーワンの公爵家というだけあって、いい土地が与えられている。

ちなみに、公爵という爵位は王族の親戚にしか与えられない称号なのだそう。といっても、遠い昔の先祖が王族から分家して公爵になっただけで、今となっては血筋に関してはほぼ他人も同然だけどね。公爵を名乗れるのは王族の分家だからということだ。だからこそ、資源の多い土地を授かったんだろうと予想できる。

そして、お父様たちはその土地を代々守っているんだ。

領地は私たちが住んでいる町が一番大きい領地でも、他にもいくつか領地を任されている。お父様はいろんな領地を見て回るからいないことも多いんだけど(いわゆる出張)、領地を経営するってなかなか大変なことだなって思った。

 

(そりゃ、ぼんやりした私たちの夢じゃNGでるわな)

 

娘に甘いとは言っても、そこは経営者だ。きちんとした理由もなくいきなり店をオープンはできないんだろう。

 

次に調べたのは、貿易とかのこと。

調味料とか食品とか、どういったものが輸入できるのか。

 

それから、どういう人がこの領地に足を運ぶのか。

例えば王都に近いから、王都に行く人たちの休憩場所になってるとか。あと、逆に王都から避暑地に来る人も多いみたい。王都から少し来るだけでのんびりとした雰囲気が広がってるしね。この辺緑も多いし、高原という土地柄、夏とかは涼しいらしく、貴族たちが避暑地として別荘をもっている場所もあるとか。前世でいう軽井沢とかそんなところか。

 

いろいろ調べて、わからないところは執事の人に聞いたり、お父様とかおじい様の秘書の方に聞いたりした。皆さん、勉強熱心な私を褒めてくれて、いろいろと教えてくれたわ。さすがに王都の経済の流れは教えてもらえなかったけど、うちの領土のことについては、跡を継ぐものとして知っていて当然なのか教えてくれた。

なぜお父様とかおじい様に聞かなかったかって?

 

 

そんなの決まってる。

 

 

プレゼンするからだ。

 

 

「さすがきみだね、資料すげぇ」

「私はこういうのが得意だった」

「うん、覚えてる、めっちゃ得意だった」

「きみの言う、食文化の発展のため、私はやる」

「すごいなきみ、さすがすぎる」

「きみも明日は頼むよ」

「うん、ミツタダともう相談済みだから大丈夫だよ」

「良かったよ、ありがとう」

「あと、子供たちも手伝ってくれるって」

「それは百人力だわ」

「だろ?」

 

 

そうして、私はせっせとプレゼンの資料作りをするのだった。前世OL舐めるなよ、資料作りめっちゃ得意なんだから。

 

 

そして、次の日。

私は、忙しい中お父様、おじい様、おばあ様を呼んでプレゼンを開始した。

もちろん、それぞれの秘書の方に前もってアポはとっておきましたよ。

皆さんお忙しい方なので、今日は休日ということにしたらしい。久々に家族が揃ったのでこのお食事会も兼ねている。休日なのにお話聞いてもらってすみません。

 

 

「それでは、皆さん、お手持ちの資料をご覧ください」

 

 

この領におけるレストランの経営状況から。

主に貴族が使っているレストラン。この領は我々のものだけどすぐ近くには、男爵家伯爵家なども多くあるし、そういったところから利用している方たちも多い。あとは身分の高い騎士の方がとか。

そこそこ繁盛はしているみたいだけど、なんせ高級食材を扱っているので仕入れを考えると売り上げはどっこいどっこい。そこまで売り上げが多いわけではないけど、レストランはなくせないもの。

ということで、まずはレストランで出してほしいメニューと、なくしても良いと思うメニューの見直しを提案。

 

それから庶民向けのレストラン・・・とまでは言わないけど、お店だね!こちらを提案。

レストランで買い付けした中の材料から作れること、少し日がたって貴族のレストランで出せないものや、質的に問題がある食品を今までは廃棄していたけど、それを庶民向けのお店のほうで使うことで材料の無駄遣いを抑えて、尚且つ利益を上げる方法。

材料費も大体の計算をして、原価と売値を説明。

それから、この商売をすることでのメリット・デメリットも説明。デメリットもきちんと説明することがプレゼンには大切ですよ。いいことばかりではいけません。

ただ、この計画、デメリットは人件費くらいでそこまでの大きいデメリットがないというところがメリット。

そんなことを資料と共につらつらと説明する。

 

 

「人件費はかかりますが、町で仕事に悩んでいる人たちを雇うことで貧民を減らすことに貢献できます。また、お店の中でコンテストも開き、市民から「こういった食材を使うと美味しかった」などの意見も取り入れていくことで、市民たちの料理の腕前の向上を図りまります。とても良いアイディアを出す方は実際に雇ってもいいですし。材料費もレストランのものを卸すので無使いを無くします。

この料理は他国ではないので、わざわざ食べに来てくれる方もいれば観光業も盛んになるかもしれません。そのため、我が領地の観光名所をまとめたチラシもお店に置き、行ってみたいと思えるような環境づくりをし、またいつでも領地に遊びに来てもらう・・・そういう流れを作り出したいと思っています」

 

一通り話し終わって、「まぁちゃん」と呼ぶと、まぁちゃんがメイドの皆さんと一緒に料理を持ってきてくれた。

 

 

「これは?」

「これはハンバーグという料理です。まぁちゃんが考えたメニューです。ソースも考え、それを料理長が作ってくれました。こちらをまずは味わいましょう」

 

 

そうして、みんなでハンバーグを食す。

この世界では、ミンチにした肉を再び固めるという考えがまだなかった。肉はそのままの形で焼くだけ。

だから、一度ミンチをするという発想がないところに、ハンバーグをまぁちゃんがぶっこんでみたのだ。

 

 

「これは・・・」

「美味いな!!」

「このソースも不思議な味ですわ」

「これは・・・以前も食べたが、ポテトというものか?」

「そうです、ポテトです」

「うむ、なかなかハンバーグと合うな・・・」

 

この世界ではジャガイモは家畜のエサ・・・だからこそ種芋の価格も非常に安い。ジャガイモは土が良ければ割とどこでも作れる作物だから、種を買ってきて栽培しても良いと思う。

このジャガイモを使った料理は仕入れ価格も安くなるから率先して取り入れるべきなのだ。

 

「こちらのハンバーグをレストランでメニューとして取り入れます。そしてフォアグラやキャビアなどは最低限の仕入れとしましょう。いつ誰が頼むかわからないのに大量に仕入れても破棄するだけなので無駄です。今までの売り上げから行くと、高級食材はかなり減らせます」

「なるほど・・・それで、庶民のレストランというところでもこのハンバーグを出すのか?」

「いえ、庶民向けのほうではハンバーグは出しません。こちらを出します」

 

 

そして、まぁちゃんに合図すると、またまぁちゃんは頷いて、今度は子供たち一緒にトレイに乗せたものを持ってきてくれた。

 

 

「庶民向けのお店では、ハンバーガーを出します」

「ハンバーガー!?」

 

 

トレイの上には、紙で包まれたハンバーガーと、ポテトと、それから飲み物があった。

 

 

「こちらはハンバーガーセットです。食べてみて下さい。フォークもナイフもいりません。そのままかぶりついてもいいのです」

 

 

貴族なので、そのままかぶりつくことに抵抗があったようだけど、まぁちゃんが率先して食べ始めたので、お父様とおじい様も後に続く。おばあ様はさすがにお皿に出して、フォークとナイフで食べていたけど・・・。

 

 

「これは・・・!」

「これもうまいな!」

「パンにはさむだけで、また違った味になるな」

 

 

ハンバーガーの良いところは、中に入れるハンバーグが薄くても大丈夫なこと。パンと他の具材も挟めばボリューミーになから。

そして、サイドメニューの揚げたポテトと、飲み物は・・・

 

 

「おお、これは炭酸水か」

「美味いな!」

 

 

炭酸水って湧き水でもあるんだよね。領土の特産品を調べていたら見つけた。主に掃除に使うみたいなんだけど、飲めるからねこれ!

 

 

「中にレモンと甘味を入れることでレモンソーダを作ってみました。他にも果汁を使えばいろいろな味になります」

 

 

シュワシュワな舌触りは、とてもハンバーグと相性がいいよね!レモン水くらいしか今は作れなかったけど、今後はコーラとかも開発してもらいたいものだ。

 

 

「こちらをセットにした商品と、単品で売り出します。お店の中で食べれるようにもしますが、テイクアウトで持って帰って食べれるようにすれば、市民たちも家で食べることが可能です。気軽に食べれて、美味しくて、携帯食にもなるので、町で浸透すること間違いないと思います」

 

 

そうして子供たちを見ると、とても美味しそうにハンバーグを食べていた。かわいい。

子供にも大人気なんだ、大人たちにも大人気になるだろう。

大量に肉を仕入れることで、価格も抑えられ、レストランの肉も無駄にならないようにする。

メリットしかないでしょ!

 

 

ということを一通り説明した後、お父様とおじい様は黙ってしまった。

 

 

一生懸命考えたプレゼンは、彼らの心に響いただろうか・・・。

そう思いながらドキドキして待っていると、お父様が口を開いた。

 

 

 

 

「よし、今日から私について、経営について学びなさい」

 

 

 

 

え?どうしてそういうことになった?

この案の可否がわからないまま、私はハテナを浮かべるのだった。

 

 

 

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