まぁちゃんの泣き落としのおかげでなんとかU-17の合宿に潜り込むことができた我々。
(まさか本当に潜入できるとはwww)(確率は半々くらいかと思っていたけど、マネージャー同行が許されるとはな)(選手にとって必要なものと感じたらOKらしい)(すごい警備厳しいくせに緩いなwww)
まぁちゃんがU-17に行くこと謙也に内緒にするって言うから、私も白石くんに内緒にしてる。
こないだの四天宝寺の学祭の時に撮った写真をLINEでアルバムにして送ってあげたら、白石くんとても喜んでいたんだ。お礼言われて、みんなに見せたら好評だったって言われて。
結局みんなも写真欲しいし、写真たくさんすぎて白石くんが全部落としてUPし直すの大変だからって、四天宝寺テニス部と我々双子のLINEグループ作って、そっちに写真UPしてみんなが見れるようにして、みんなにも褒められてとても嬉しかった・・・。
まさか四天宝寺のLINEグループに参加できるとは・・・!まぁちゃんも喜んでたわ!ここで写真を共有して、みんなも喜んでくれて、まぁちゃんユウジのLINE知れたって震えてたし・・・。まぁちゃんユウジ好きすぎて謎だな・・・。
そんなこんなで、私と白石くんは二人きりのやり取りはあまりないんだけど、四天宝寺のLINEグループのほうでちょこちょこまぁちゃんたちが会話してるの見てなんだか仲間になった気分・・・(あまりにもLINEの内容が濃いというか展開が早いので見てる専門です)
氷帝のバスの中、まぁちゃんとワクワクしてた。
「やはり負け組のほうについていこうと思っているんだアタシ」コソコソ
「え~つらいよ野宿・・・」コソコソ
「だよねぇ・・・野宿きついから、いろいろ考えてるところ」コソコソ
「でもさ、やっぱり彼女がそこまで付いてくるのもさ・・・ここはおとなしく彼氏の帰りを待っていたらどうだろうか・・・」コソコソ
「まぁねぇ・・・ずっと一緒にいたいけど、確かにそこまですると男としてはちょっと・・・って感じかな」コソコソ
「そうだよ、修行に彼女が押しかける漫画なんてないからさ~みんな女はおとなしく待ってるものだよ」コソコソ
「その固定概念をぶっ壊して新しいヒロイン像を作りたい」コソコソ
「だからきみヒロインじゃなくてヒーロー枠だから、ヒロインなりきれないからやめなよ」コソコソ
「なんてことだ」コソコソ
「おい、お前ら何コソコソ話してやがる」
「え?それ聞くの?聞いちゃうの?生理の話してたらどうすんの?一緒に話できるの?毎月お腹痛くなって大変だよねぇ~おすすめのナプキンって何、跡部?」
「!?」
「まぁちゃん、跡部いじめるのやめなよ」
「跡部、関わらんほうが身のためやで」
「な、な、ナプ・・・」
「おい、亮が流れ弾で真っ赤だw真奈美やめろよ」
「宍戸さん、女兄弟いませんからね・・・大丈夫ですよ、何も恥ずかしいことではないです。尊いことなんですよ!」
「チョタの家庭の教育が行き届いてて素晴らしいな、良き旦那になるだろう・・・」
「う、うるせぇ!いいからもう着くぞ!!」
跡部がそういうので外を見ると、山の中だというので、とても広い施設の入り口が。
一本道がとてもきれいに舗装されていた。
そしてそこには・・・
「青学(ザコ)はどいてろ!」
ワイワイして道にたむろしている青学の横をバスが通り抜ける。
「聞きました?奥さん、今年の全国大会優勝校にザコですって!負けたくせに」
「跡部、自分以外の人間をザコと呼ぶのはやめたほうがいいよ、それは人としてダメだよ。実力は確実に手塚くんのほうが上だし・・・」
「う、うるせぇ!!挨拶代わりだろうが!!」
「こんなのが挨拶ってお前もっかい幼稚園からやり直してこいよ」
「なにぃ・・・!?」
「まぁまぁ・・・やめぇや、これが跡部様なんやて」
「お前らが甘やかすからいけないんだろうが!」
まぁちゃんたちがそうもめていたんだけど、私は知っている。
青学のすぐ先には、
「四天宝寺だ!」
「なに!?」
窓の外を見ると、そこには四天宝寺の面々が。
そして、
(わ、わ、わ~~~)(今、思い切り目が合ったかも・・・)
外には白石くんの姿が。
「ちょっと、止めてくれ!止めてくれ!」
「馬鹿言うな、このまま集合場所まで行く」
「止めてくれたっていいじゃん!」
(まぁちゃん、またもめてる・・・)
こないだぶりだけど、また白石くんに会えたことがうれしくて。
なんて挨拶しようかなって、バスを降りるまで考えているのであった。
謙也がいた。
バスの中から見えた。ばっちり目があって、ぽかーん( ゚д゚)としてた。(くそかわいいな)
さっそく降りて話しかけようとしたけど、跡部が下ろしてくれなかったから、仕方なく集合場所で待ってたよ。
なんかコートとかたくさんあって・・・建物とかもあるとこ・・・どこかはよくわかんないけど・・・。
走ってきたのか、目があって、それから謙也は走ってアタシの前までやってきた!(めっちゃ早くてうけるwww)
「な、な、な、」
「ナマステ!!!」
「ナマステ!!!・・・って、ちゃうわ!!なんでおんねん!!」
「氷帝のみんながどうしてもついてきてくれないとやる気が出ないというから仕方なく・・・」
「おい」
「ふざけんなよ」
「マジマジいなくてもいいC~」
「ジロ・・・お前買収されとったんとちゃうか・・・」
「ほらね」
「いや、何一つわからん」
そういって、謙也はまだ頭にハテナマークがたくさん浮かんでいるようだった。
あ~謙也だぁ・・・本当に謙也だ・・・会えて嬉しい!!
もう、謙也がいるという事実だけでうれしくてしかたないよ!!!!
思わず
顔がほころんだアタシを見て、謙也は一瞬止まって、
それから、笑って、「ま、ええか」と言ってくれた。
本当に
謙也が尊いんですが!!!
めちゃんこ会えて嬉しい~~~~!!!あ~~~もう大好き~~~!!
(またすぐさよならなんだけど・・・)(謙也負けちゃうから・・・)(それでも、)
この一瞬でも会えて嬉しいなって思った。
(マジで負け組ついていきたいよ・・・)
「え、なんでおるん?」
バスを降りて、白石くんが来ないかなってソワソワしてたら白石くんが来てくれた。
話しかけてきてくれたの嬉しすぎて死にそう。BBA死にそうだよ・・・。
ってか、何も考えずにただただU-17に行きたいと思ってたけど、やばくない?ここイケメンしかいないじゃん・・・中には変なのも多いけど、中学生大体イケメンですし、太郎ちゃんの言う通りオスの巣の中迷い込みましたって感じするな・・・生きて帰れるのかな私・・・キュン死する可能性も微レ存・・・。
「えっと、サポート役としてついてくることになって・・・」
「そうなんや、なんも言っとらんかったから、めっちゃびっくりしたわ」
「まぁちゃんと、内緒にしてたんだ、驚くかなと思って」
「おお!そうなんか!めっちゃびっくりしたわ!」
「うん、びっくりさせるの成功だね」
そういったら、白石くんも「せやな、思惑通りやったな」って言ってくれたから、ほんわかした。まじで最高。いまだに不思議だわ白石くんとお話してるの。本当に私は生きているのだろうか?夢じゃないのかこれは。
その時、
「ねぇぇぇちゃぁぁぁん!!!」
ドーーーーン
???????
何かに吹っ飛ばされて、私は地面に突っ伏してしまった。何事???
と思ったけど、その声の主で分かってた。
「金太郎!!」
「す、すまんねぇちゃん!!吹っ飛ぶと思わんかった!!」
「力加減考えなあかんやろ!!」
「すまん!!」
「さおりちゃんケガない!?」
そう言って、手を差し伸べてくれる白石くんすき。
「ケガ・・・ないと思う・・・お尻から倒れたからお尻は痛いけど・・・金ちゃんすごいね、まるで猪のようなタックルで驚いたよ」
「驚かすつもりなかってん・・・すまん・・・!」
「ほんまにあかんで!金ちゃん!!」
「ううっ・・・すまん・・・ワイこしまえのほう行っとるわ、ねえちゃんにケガさせんように離れるわ・・・」
「え、いや、そこまでしなくても!(金ちゃん!!)」
「ねえちゃん、またあとでな!!」ピュー
「金ちゃん・・・(はやっ・・・いてしまった・・・)」
「さおりちゃん、すまんかったな」
「ううん、大丈夫・・・白石くんもありがとう」
「無事でよかったわ・・・頭とか打っとったら謝っても謝りきれんし・・・ほんまにすまんかったな」
「ううん、大丈夫」
「いやいや、ほんま何かあったら責任とるとこやったわ」
「え・・・責任・・・?」
「え・・・あ!いや!深い意味はないねんけど!!」
「あ、うん、わかってるよ。白石くん、責任感強いから、気にしないでね」
「え・・・」
「じゃあ、白石くん、頑張ってね」
そろそろきっとヘリコプターからボールが落ちてきて中学生たちみんなボールとるんだ・・・私知ってる。新テニめっちゃ読んで勉強したから知ってる。
(白石くん・・・!頑張れ!!)
ちょっとぶつけて痛いお尻を気にしながら、荷物をとりにいくのだった。
「さおちゃん、大丈夫かい、タックルされてたけど」
「金ちゃんすごい力で驚いたよ」
「だよね」
「そろそろボールが上から降ってくるね」
「そうか、あんまり覚えてなかった」
「最初、ボール降ってきて、それとらないと帰れって言われるよね」
「ああ、なんか跡部とか大量にとっててずるかったよな」
「あれやってから、高校生が怒って絡んでくるから、みんなで倒して、徳川さんとか鬼さん出てきて、」
「うんうん」
「今日はそれで終わりだったはず・・・施設の案内されるはず」
「そうかそうか」
「明日がペア組んでシングルスなるやつだわ」
「え・・・じゃあもう明日で謙也いなくなっちゃうじゃん・・・」
「うん・・・でも今日は一緒にいれるから一緒にいて」
「うん・・・めっちゃ悲しい・・・ついていきたい・・・」
「だろうね・・・でも洞窟で寝るのとか無理だと思うよ・・・虫しかいないし・・・」
「だよね・・・」
そんな会話をこっそりさおちゃんとしていたら、本当に空からボールが落ちてきて、みんなで拾い出した。
中学生すごいな、圧倒的じゃん。マジでみんなボール広いすぎwww
そして、それにブチ切れる高校生・・・
この高校生たちはモブだから名前もない人もたくさんいるし、早く帰ってくれてよいのに。
ボールとれなかった時点で帰ればよかったのにおとなしく・・・
みんなそれぞれ試合を始めて、試合してない人たちはコートの外で試合見てた。
芝生の上にいる謙也を見つけたから、すかさず近寄って声をかける。
「よっ!」
「おお、きたか」
「来たぞ。ちゃんとボール拾えたか?」
「拾ったで」
「うむ、よしよし」
「まなみん、謙也きゅんに会いたくてここまで来るなんて・・・愛やねぇ・・・」
「え!?や、俺・・・は関係・・・え!?あるの!?」
「うむ、あるぞ」
「え!?」
「会いたかったから来た」
「えぇ!?」
「千歳にも会いたかったし」
「・・・え?」
「金ちゃんにも・・・」
「ぇ・・・」
「本当にはユウジと財前に会いたかったけど、招待されなかったんだろ!!」
「お、おん・・・」
「会いたかった・・・」
「・・・」
「あとれんじにも会いたかったし、えーしろーにも会いたかったし、ピロシにも会いたかったし、ダ、ダビくんにも会いたかったしモジモジ・・・たくさん会いたい人いたよ!!」
「・・・そう、なんか、めっちゃ知り合いおるんやな・・・」
「いや、全然知り合いじゃないけど!」
「え!?どういうこっちゃ???」
「あー・・・全国大会で知った!!」
「そうなんか」
「でもね、」
「おん」
「一番謙也に会いたかった!!」
アタシがそう言って謙也に笑いかけると、謙也は、
真っ赤になってしまった。
(かわいい)
だって、本当に、謙也に会いたすぎて転生したくらいだし。
「会えたね!」
「・・・おん!」
「も~ラブラブやないの~♡」
「うむ、ラブラブを目指す」
「ら、らぶらぶ・・・」
「ええわぁ~♡ウチもイケメンくんと・・・♡」
「小春ちゃん、ユウジいらないんだったらアタシにちょうだいよ!!!ずるいしょ小春ちゃん!!」
「ユウくんは大事なパートナーやから、だぁめ♡」
「くそう・・・そうやってユウジの心をもて遊ぶんだろ・・・小悪魔め・・・」
「ふふ♡」
「って、あれ!?千歳めっちゃ試合してる!!」
「千歳くんも張り切っとったからなぁ~」
「千歳ー!いてまえー!」
「千歳ー!!神隠し!!かっこいいです!!」
「かっこいいですて・・・そんな応援ある?」
「うむ、あるのだ」
「まなみんってば、おもろい子やね♡」
(あーあ・・・)(明日もういなくなっちゃうのか・・・)
そう思うとなんだかさみしくて。
謙也のそばから離れたくないなぁ~と感じるのだった。