転生したら推しの世界だった話part20■まなみ&さおり

なんか、さっき起こったことが夢みたい。

本当に信じられなくて、涙止まらなくて。

とりあえず、あまり長時間2人でいてもいろいろ言われちゃうよね・・・ってことになって、戻ろうとしたとき、ちょうどさおちゃんと白石も戻ってきて、廊下で出くわした。

 

 

「あれ、まぁちゃん」

「さおちゃん、戻ってきたか」

「うん、戻ってきたよ」

「毒草の話ばかりされなかったかい?」

「うん、毒草の話はあんまりなかったよ」

「毒草の話ばかりて・・・」

「お前毒草の話になると白熱するからな」

「まぁちゃんもお話しにいってたのかい?ってか、泣いたの?目赤いけど・・・」

「うん、謙也に告られた」

「え!?」

「なしていきなり言ったん!?」

「けんや、これだけは覚えといて。さおちゃんと私はラブルス以上に一心同体だから、何でも言う」

「わ、わかったわ・・・」

「おめでとう!!!」

「ありがとう!!!」

「まぁちゃんおめでとう!!!心の底からうれしい・・・!!涙出る・・・!」

「うう・・・ありがとう・・・アタシもきみが泣くとつられるからやめてくれ・・・」

「だって・・・だって、まさかこんなことが・・・でもこうなると思っていたよ私は・・・」

「ありがとう本当に・・・」

「えぇ・・・二人で泣き始めたらどうしてええかわからんわ・・・」

「けんや」

「え、なんや」

「お前、付き合うんか?」

「まぁ、そら、OKもらったし・・・付き合ってくださいって言うたから付き合うけど・・・」

「うそやん・・・」

「いや、うそやないし・・・」

「え、いつから?いつから好きやったん?」

「え、あー、いや、焼き肉の時にはもうかわええなって思うてて・・・」

「はぁ・・・そうやったんか・・・」

「まぁ、そういうことで、お付き合いすることにナリマシタ・・・」

「・・・おめでとう」

「ありがとう!」

「あー本当によかった・・・よかったよ・・・」

「うんうん、ありがとうきみ・・・」

「めっちゃ泣いてるやん二人とも!」

「え、そんなに喜ぶくらい謙也のこと好きやったんか・・・」

「当たり前だよ・・・もう前世から好きだったよ」

「え!?」

「・・・おもろいこと言うなぁ!おもろいやん、けんや!ええ彼女やな!」

「・・・せやろ!?めっちゃノリ合うねん!!」

「えーすごい!!すごいね!!やっぱり(けんまなは)こうなる運命だったんだね!!」

「そこまで言われるとなんや照れるわ・・・!」

「よし、じゃあ、結婚式みたいに部屋入ろう!」

「え!?どういうこと!?」

「みんなにもう堂々と宣言しようよ!!」

「そうだね、隠す必要ないし、いつか言うなら今言っちゃおうみんないるし」

「じゃあ、白石くん、中で結婚行進曲かけてきて、あるはずだから」

「わかった!!」

「えぇ・・・!」

「私司会者やるね」

「えぇ・・・!」

「うん、さおちゃん司会得意だから、頼むわ」

「白石くんにドア開けさせるから、そしたら入ってきてね」

「おk」

「えええ、マジでやるん!?」

「やるよ、いや?」

「いや・・・ではないけど、ちょっと恥ずかしいっちゅーか・・・」

「ばかやろう!恥ずかしがってては笑いはとれないぞ!!」

「!?」

「正々堂々とやるから面白いんだろうが!!」

「せ、せやな、わかったわ!頑張る!!」

「そんで恥ずかしがるのは、本番の時でお願いします!」

「!?  ほほほ、本番て!!」

「ははは」

「・・・も~~~!!ほんまに昔から、お前は・・・!」

 

 

そういって赤くなる謙也。

あーもう昔のことちゃんと覚えてるとか最高だな。可愛すぎるでしょ。マジでいつ死んでもいいわ。死にたくないけど。

もう今の私無敵だよ、無敵。

恐ろしいくらい無敵すぎる・・・。

 

中では、さおちゃんと白石がうまくやってくれてるみたいだった。

ちょうどキリが良いところで、割り込み機能を使ったのか、音楽が流れだしたのが分かった。

アタシが謙也の腕を掴もうとすると、また顔が真っ赤になっちゃう謙也。くそかわいいな。

照れてどうしたらいいかわかってないみたいだったから、腕を少し追って三角の隙間を作って、そこにアタシの腕を入れる。

うんうん、本当に結婚式っぽくていいよ!!

 

 

パパパパーン♪パパパパーン♪パパパパンパパパパンパパパパンパパパパン♪

 

 

『ご来場の皆様、大変長らくお待たせいたしました。ただいまより、新郎新婦が入場いたします。皆様、どうぞ盛大なる拍手でお迎えください。』

 

 

そうさおちゃんがいうと、とりあえず大きな拍手が聞こえだした。四天宝寺ノリいいな!そういやツッコミ謙也しかいなかったんだった。

そして、ドアマン役の白石がドアを開ける。

 

 

謙也とアタシが足を踏み入れようとした時・・・

 

 

 

 

 

 

ベシャッ

 

 

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

 

 

 

バターン

 

 

 

 

 

 

 

謙也の顔に何かがぶつかって、謙也が後ろに倒れてしまった。

何が起こっているかわからず、謙也の顔を見ると・・・

 

 

 

 

 

 

「え・・・おにぎり・・・?」

 

 

 

 

 

「ワイ知っとるで!!結婚式の時は、米を投げるんやろ!?らいす・・・なんとかってやつやろ!?」

「ああああ金ちゃん、・・・金ちゃん!!そうだけど、そうじゃないし、私が頼んだおにぎりだったまぁちゃんごめん!!」

「こら!!金太郎!!食べ物粗末にしたらあかんやろ!!」

「えーやって、謙也が食べればええやんか」

「アホ!お前の力で全力で投げたらめっちゃすごい衝撃っちゅーことわからんのか!!」

「謙也きゅん、大丈夫?」

「痛そうばい・・・」

「け、謙也!!頑張っておにぎり食べて!!!」

「いてて・・・え?」

「ほら、食べて!!」

「え、え、ま・・・ムグッ」

『おーっと、新郎新婦はじめての共同作業です!!撮影される方はどうぞ前にお越しください』

スッ

「おはへへったいふっととってはやろう!!(お前絶対ずっと撮ってたやろう!)モグモグモグモグ」

「めっちゃ食わせとる!!!wwwwwww」

「ファーストバイトやねwwwwww」

『今がシャッターチャンスです!!どうぞお写真を撮ってください!!』

「ちょ、はって・・・ムグ」

「ハムスターばいね」

「謙也、かわええ子に食べさせてもらって最高やんか!」

「ええなぁ謙也・・・ワイもおにぎり食ってからたこ焼き食おう!」

「うむ、今日は大安吉日だから、ちょうどええな」

「銀さんのお墨付きや!よかったな!www」

「食べ物粗末にしたらあかんから、一粒残らず食べるんやで」

『ご覧ください!とても幸せそうです。ファーストバイトは新婦が食べさせる場合「一生美味しいごはんを食べさてあげる」という意味があるそうです。一生美味しいごはんを食べさせてもらえる新郎は幸せですね!』

「司会がムダに上手い」

「さおりちゃんすごいな・・・本物の司会者みたいや・・・」

(前世で結婚式何回か出たからねというか自分の結婚式やったし)

「モグモグモグモグモグモグ」

「これで最後だから!」

「ゴックン」

『無事に全て食べ終わりました。お二人の愛が感じられる瞬間でしたね。本日は誠におめでとうございます!みなさま、今一度お二人に盛大な拍手をお願いいたします!』

 

 

パチパチパチパチパチパチパチパチ

 

 

おめでとー おめでとー おめでとー

 

 

「エヴァか」

「で、何がおめでとうなん?」

 

 

 

「えーっと、アタシたちお付き合いすることになりました!!」

 

 

 

「はよいえやーーーー!!わかりづらいわ!!!」

「あら~おめでとう♡けんやきゅん、よかったやないの!!」

「おお、よかったとね~」

「なに・・・?けんやが彼女持ちになったやと・・・!?」

「めでたいな」

「今日エイプリルフールとちゃいますよ」

「ほんまのことやで」

「よおわからんけど、おめでとさん!!」

「いやいやいや、金太郎がおにぎりぶつけなかったらもっと違う笑いもとれたんやけどな!?」

「充分おもろかったで、お前にしてはな!」

「これupしてええっすか」

「ダメに決まっとるやろ!!」

「じゃあみんなで記念に写真撮ろう!私カメラあるし」

「そうやね、ほら、みんな、並んで並んで☆」

「おう!わかったで!」

 

ゾロゾロ(移動中)

 

「ちゃんとこういうのは言うこと聞くんだな四天宝寺は」

「写真でも笑いとったるって思っとるからなみんな」

「じゃあいくよー!ハイチーズ!」

 

 

 

カシャ☆

 

 

 

こうして、なんかよくわかんないけど、みんなにもちゃんと公表できたし、思い出の写真が出来たから本当によかった!!

これからは、隠すことなく堂々とお付き合いができると思うと感無量です

アタシたちはギリギリまで、みんなとカラオケで盛り上がるのだった。

(謙也から告白されたの、本当に嬉しい!!!!!)

 

 

 

 

 


 

 

 

 

カラオケでの楽しい時間が終わり、私とまぁちゃんは帰路につく。

さすがにもう夜も遅いから、みんなとバイバイした後は普通に解散。

空港まで来てもらうなんてできないからねさすがに。

 

 

「はぁ・・・最高の一日だった・・・内容が濃すぎて何が起こっていたか記憶にない」

「だろうね、きみ本当によかったよ、さすがけんまなだよ。私感動しちゃった」

「四天宝寺の学祭いけただけでも楽しかったのに、まさか、お手伝いもできて、その上告白まで・・・」

「すごいいろんなイベントが凝縮された一日だったね」

「今日何枚のスチル回収したんだよ・・・スチルありすぎて選べないわ・・・」

「本当だね・・・」

「はぁ・・・夢みたいだけど、本当に嬉しいわ」

 

LINE♪

 

「あ、LINEきたしょ、謙也じゃない?」

「うん、謙也だった!!スクショ忙しい!!」

「付き合っても、スクショしないといけないから大変だねwww」

「謙也との全ての思い出をとっておきたい・・・!」

「そうしてくれwww」

 

 

まぁちゃんが謙也とのLINEに夢中になっていたから、何気なく私もスマホを開くと、

 

(あれ?)

 

何件かメッセージがたまっていて、そういえばマナーモードのままだったことに気づく。

いろいろメッセージを見ていたら、なんと、

 

 

「ええ!?」

「どうした?」

「し、白石くんからLINE来た!!」

「なんだって?」

「今日ありがとうとか、気を付けてかえってとか・・・」

「よかったしょ!!くらさおもゆっくりだけど進んでるね!!」

「え・・・何も進んでないと思うけど・・・」

「きみ鈍感過ぎない???なんのために白石がきみを誘ったと思ってんだよ???」

「いや、でも白石くん、あからさまに謙也とは違うよ。謙也はきみと話すとき赤くなったりしてたじゃん最初から。白石くんそんなことないから。普通の友人としてだわ」

「そんなことないよ、アタシわかるもん」

「うーん、よくわかんないけど、今日撮った写真整理して後日あげるということを連絡しておこう」

「業務連絡かwww」

「私も今日はありがとうって言うよちゃんと」

「あたりまえだwww」

「よし、じゃあ簡単に送ろう」

「なんで簡単にするんだwww」

 

 

まぁちゃんはくらさお始まったからーなんて言ってるけど、そうとも思えない私は無難に返信をする。

やっぱりそのLINEが続くことはなくて、白石くんってば気を使ってくれたんだなって改めて思った。

 

 

(今日楽しかったな・・・)

(明日学校から帰ったらすぐに写真整理してアルバムにしてあげよう・・・)

 

 

そんなことを考えながら、飛行機に乗り込む準備をするのであった。

 

 

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