金ちゃんが「たこ焼き~~~!!世界一うまいたこ焼きやで~~~!!」って一生懸命客引きしてるからあまりのかわいさに倒れそうである。
マジで金ちゃん最高・・・。
え・・・ってか私すごいことに気づいてしまったんだけど、これ原作と違って成長するじゃん・・・。小さい頃の白石くんと会えたように・・・。
ってことは夢にまで見た金ちゃんの成長姿が見れるってこと・・・?
いや、でも金ちゃんは金ちゃんだから可愛いのであって、大きくなった金ちゃんよりも小さい金ちゃんのほうがかわいいな・・・。
小さいままでいてほしいよ金ちゃん・・・。
どーせなら、大阪に生まれ変われさせてくれたら、みんなの成長も見れたのに・・・と思うけど、こうやってテニプリの世界に生まれ変わっただけでも幸せなことだよね・・・。
そう思いながら、くるくるたこ焼きを回す。はぁ・・・いくら秋とはいえ、鉄板のそばは暑いな~。ふう。
「お前、なかなかうまいやんけ」
「え・・・ありがとうございます・・・」
「東京もんなのに大したもんや」
「ユウジ・・・お前なんでそんな上からやねん・・・」
「ユウくん!うちらも営業行ってくるで~!これにたこ焼き入れて持って!ちょっと校内回って売ってくるわ!」
「おん!まって~小春~♥」
「(ラブルス可愛い)」
「・・・ユウジがすまんな・・・」
「え、いや、全然大丈夫だよ(むしろ、それでこそユウジだと思ってるから・・・)」
「・・・にしても、ほんまに上手いな焼くの」
「え!?そ、そうかな・・・」
「おん、俺に比べたらまだまだやけどな」
「うん、そうだよね」
「・・・ここつっこむところやで?」
「え!?あ、そうなの!?ごめん!私そういうの気づけなくて、だめなやつなんだ、ごめん!(あわわわ、せっかくまた普通にしゃべってくれてたのに機嫌悪くなっちゃう・・・)」
「・・・いや、だめとかやなくて、」
「ごめんね、ほんとダメだね・・・わたしなんて、ダメダメすぎて恥ずかしいよ・・・」
「なぁ」
「え!?(ビクッ)(めっちゃ低い声・・・!)(え!?怒らせた!?)」
「その”私なんて”ってやめへん?」
「え、」
「私なんてって卑下せんでや」
「えっと・・・」
「さっき、俺のいいところたくさん言ってくれたやんか」
「・・・」
「あれめっちゃ嬉しかってん」
「・・・(え!気持ち悪かったんじゃなかったの!?)」
「あんなに俺のこと見ててくれるきみが、ダメなはずないやん。人のええところ見つけられる子なのに」
「・・・や、あの・・・(いや、それは前世からめっちゃ見てるからね、下手したらストーカーだからね私)」
「自分のこと、ダメな子ダメな子って言うなら、俺が、」
「・・・」
「俺がきみのええところたくさん見つけるわ」
「!?」
「だから、もう”私なんて”とか”ダメなやつ”は禁止やで」
「・・・」
「わかったら返事!」
「え・・・!は、はい・・・!」
「おん、それでええで」
そういって、ニコッと微笑む白石くん。
???????
ちょっと今何が起こってるかわからない。
ええええ??どういうこと???
あれ????意味わかんない???
どういうこと??????
頭の中ハテナいっぱいで。
わかんなくてとりあえず、たこ焼きを焼く手だけ止めずにいた。けど、やっぱりよくわかんなかった。
(白石くん怒ってたんじゃなかったの?)(いや、今も怒ってたな)(やっぱり私に怒ってたよね・・・?)
「・・・ほな、まずはお互いのこと良く知らなあかんな!」
「?????(もう、なにいってるかよくわかんない何言ってんの)」
「じゃあ、まずは好きな毒草は?・・・なーんて、」
「あ、好きな毒草はスズラン(これ何万回もさおまなで読んだし、何万回も頭の中でシュミレーションした)」
「え!?」
「え!?」
「え、なんで!?」
「え、え、え?何が!?なんか間違った!?(え、もうやだ泣きそう)」
「いやいやいや、普通毒草聞いたらみんな「知らんがな」っていうところやで!?」
「えええ、知らんがなって言われたかったの!?」
「いや、言われたないけど、ボケのつもりで・・・」
「え!?またツッコまないとダメだった!?ごめんなさい!!」
「いやいやいや、ええねん、ええねんけど、あまりにもあっさり出てきてびっくりしたわ!毒草の話とかよくするん?」
「え・・・毒草の話はこれが初めてかな・・・毒草というか植物図鑑が好きでよく読んでるから(あなたが好きなことだから勉強してるんだよ・・・)」
「うそやん!?」
「え!?う、うそじゃないよ・・・」
「やば・・・最高やん・・・」
「え?何?」
「他には?好きな毒草ある?」
「え、えーっと、(え、この人毒草の話こんなに食いついてくるの!?)プリムラとか、ヒガンバナとか、キツネユリも好きだけどね、」
「おおおおおお俺、トリカブト育ててんねん!知っとる?」
「あ、うん、もちろんトリカブト知ってるよ(育ててるのめっちゃ知ってた)」
「せやんな、有名やしな!ほな、他は?」
「えーっと・・・」
財前くんが毒草の話は禁句って言ってたっけ・・・確か何時間も語れるか・・・。
本当にそうだったんだ・・・。
(でも、白石くん楽しそうだな)
本当に毒草が好きなのがかわいいなって思った。
たこ焼きを焼く手を止めずに、毒草の話を聞いていた。(夢中で毒草の話をする白石くんが最高にかわいいです)
「それでは、ひたすら長ネギを切ります」
トントントントン
「うまかね~~~」
「めっちゃうまい・・・」
「普通だよ、みじん切り」
「はぁ~助かったばい、目に染みとった」
「千歳はん、ガスがなくなりそうや、一緒にボンベ交換してくれへんか」
「よかよ」
「・・・はぁ~すごいな、普段から料理するん?」
「うーん、うち料理人雇ってるからなぁ。でもほら、プロの味より家庭の味が食べたくなることってあるじゃん」
「おお、うちは家庭の味ばかりやから、プロの味めっちゃ食いたいけどな」
「まぁそれと逆な感じ。そんな時は自分で作ったりするかな」
「へぇ、なるほどなぁ~金持ちも大変やな」
「ほら、謙也しゃべってないでこっちで紅ショウガ刻んで!」
「!? おん!」
「タコも切らなくちゃな・・・タコぬめぬめだからちょっとやだな・・・」
「ほな、俺がこれ終わったらやるわ」
「あ、本当、ありがとう」
「いや、こっちこそ手伝わせてもうてすまんな」
「ううん、むしろこんな貴重な体験ができるとか思ってなかったから最高すぎて最高に嬉しいよ」
「え!?そうなん!?けど、氷帝にも学祭あるやんか、学祭なんてどこも一緒ちゃうの?」
「全然違うよ。氷帝はね、自分たちで屋台とかやらない」
「え!?」
「全部プロが作ってくれる」
「そうなんか!」
「私たち生徒は、執事とかメイドとかになって各テーブルまで運んだりはするけど、作りはしないよ」
「へぇ・・・」
「あと、オペラとかミュージカルとか発表したりする」
「ええ、うちと全然ちゃうやんけ!」
「ここと一緒のはずないしょ、ここNSCでしょ」
「誰がよしもとの養成所やねん!」
「ツッコミwwwでも、アタシはこっちのほうが面白いよ」
「え、ほんま!楽しんでもらえたならよかったわ!」
「うん、すごい楽しいよ!なんか貴重な体験だよね・・・こういう学祭とか大人になってから参加したくてもできないから、しっかりかみしめておかないとね・・・。」
「おお・・・なんや言葉に重みがあるな・・・」
「だから、ユウジに感謝してるよ、こうして参加させてもらえるの」
「・・・俺、せっかく来たのにとか考えすぎやったな」
「いや、謙也も気使ってくれてありがとね」
「・・・いや、気使ったわけやないけど、楽しんでもらいなぁて思うてたから・・・」
「じゃあ、今すごい楽しいわ!」
「おん!俺も楽しい!」
ニコニコと謙也が笑う。
くそかわいいなおい。
は~~~~
ユウジに触れられ、謙也に笑顔を見せてもらい、本当に言うことないな・・・最高・・・。
幸せはここにあったのだ・・・。
「よし、じゃあタネも作らないとね・・・粉、粉・・・」
「俺、タコ切るわ!」
「うん」
「アタシこれ混ぜる・・・」
「おん、頼むで」
「粉計るやつ・・・」
「あっこにあるで」
「あ、本当だ、ありがと」
「おん」
「謙也、タコ入れるボウルないじゃん」
「ほんまや、確かこの辺に・・・」
カシャ
「!?」
「夫婦か」
))))))スタスタ
「な、なんやねんあいつ!へ、変なこと言っていなくなりおって!少しは手伝えっちゅー話や!」
「財前・・・本当に自由人だな・・・(最高)」
「せやねん!しかもいっつもいきなり撮ってくんねん!」
「そうなのか」
「前もあくびしとるとこ撮られてな、めっちゃ校内中追い掛け回したったわ」
「(それ知ってる)財前はテニス部のみんなこと大好きだからね」
「いやいや、全然好きやないやろ!むしろ嫌われてるんやないかと思うわ!」
「違うよ、財前はみんなのこと好きだから写真もたくさん撮るし、めんどくさいって顔しても一緒にいるんだよ」
「いや~それはないやろ・・・」
「多分財前って本当に嫌いなら相手にしないタイプでしょ?シカトしたり、関わらないようにしたり・・・」
「・・・まぁ・・・言われてみれば・・・」
「だから、本当はみんなのこと大好きなんだよ」
「・・・え、なんかめっちゃ財前のことわかってるな・・・」
「・・・あー・・・(財前とそこまで話したことないからな・・・)・・・焼肉の時とかみててすぐわかったよ」
「そうなんか!すごいな!!人を見る目あるっちゅーか、そういう考え方大人やな」
「(中身BBAだからな)人を見る目はあるつもりだよ。だから、四天宝寺のみんなはいいやつばっかりだから好きだ」
「お、おお・・・!それめっちゃ嬉しいな!」
「でしょ」
「・・・俺も?」
「え?」
「お、俺のことは、どう・・・思っとるんやろ・・・って気になって・・・」
隣にならんで、そんなことを言う謙也の耳が真っ赤で。
横顔も赤くなっているのがわかって。
(うわー・・・)
(もう謙也がいちいち赤い顔するから、こっちまで移っちゃうよ・・・)
なんて思いながら、また包丁を動かし始めた。
ダメだ、今の私もきっと顔が赤い。
ジーーーー
「まって!!!!ムービーはやめて!!!」
「爆ぜろ」
))))))スタスタ
「絶対いると思うたわ!!あいついつもタイミング悪いというか、ええというか・・・」
「財前らしいわ」
「せやろ!?なんなんあいつ!!!」
「まぁまぁ」
「せやって、今、いいとこで・・・ゴニョゴニョ・・・」
「・・・・・・アタシの気持ちは、」
「へ?」
「アタシの気持ちは子供の頃にもう伝えてるよ」
ボンッ
アタシがそう、謙也に言うと、謙也は予想通りますます赤くなって。
(ふふっ・・・)
「そ、それって・・・」「ま、まじかぁ・・・」とか、一人でブツブツ呟く謙也の隣で、
(これ以上は、アタシからは言わないからね)
そう思いながら、アタシは野菜を切り続けていた。
(お料理得意なところ、)(もっと見てほしいからね!)