転生したら推しの世界だった話part14■まなみ&謙也

は~~~~~

やばいわ、推しがこんなにも尊い・・・

 

 

謙也と二人で、学祭を回る。

最高に楽しい!!ってか幸せ・・・

 

(まじかよ・・・こんなご褒美・・・)

(生きててよかった・・・)(いや、むしろ前世で死んでよかった・・・)

 

心の中で小躍りしちゃうよ

♪ Å
ヽ(‘A` )ノ
へ( )
….く….

 

やばい。。。ありがとう。。。ありがとう神様・・・!

 

 

「次何喰う?タコス近くにあるで」

「タコス、食べる」

「おん、ほないこか」

 

 

謙也は本当にちゃんと案内してくれてるし、いろいろ買ってくれようとする。

でも、DCの貴重なお小遣いを減らしてはいけないからな!最初のから揚げだけおごってもらったわ!男の威厳も守りつつ、謙也のお小遣いも守る私・・・!完璧だ・・・!

 

 

「あータコスめっちゃ混んで出るわ」

「タコス美味しいもんなぁ」

「俺、並んでくるからあっこ座って待っとって」

「わかった」

「勝手にウロチョロしたらあかんで!」

「謙也に言われたくないわ」

「せやな!」

「お金」

「あとでええよ!」

「わかった」

 

 

ぴゅーっと謙也がいなくなったので、タコス売り場の近くのベンチに腰掛ける。

やばいわ、最高に幸せだわ・・・何これ・・・何これ!!

さおまなで何度も読んだ!!!

謙也と一緒に二人で出かけて、謙也がアタシに何かを買ってきてくれるの、何度も読んだ!!!!

でも、それがこうして現実になるとか、嬉しすぎて吐きそうだ・・・謙也最高・・・まじ尊い・・・

 

 

謙也のほうをチラリと見る。

目があって、謙也がこっちに手を振る。

 

 

 

かわいすぎか。

 

 

 

はわわわわわ、マジでやばいわ・・・謙也最高すぎる・・・!

思わずニヤけるわ・・・顔が緩んでくる・・・。

 

 

はぁ・・・幸せだな・・・謙也素敵すぎる・・・。これが現実とか・・・まじかよ・・・謙也がかわいすぎてつらい・・・。

 

 

謙也のこと考えて、ほわほわしていると、

 

 

 

「え、めっちゃかわええ!」

 

 

 

近くでそんな声が聞こえた。

何かと思って振り向くと、

 

 

 

「なぁきみ、どこの学校なん?」

「一人やろ?案内したるで!」

「お好み焼き食べに行こうや」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナンパかよ。

 

 

 

まって、今謙也と幸せいっぱいのウフフタイムだったのに、なんで????

空気読めや!!!!!!

一気に気持ちが冷めて真顔になったわ。

 

お前らお呼びじゃないからどうぞ早々に立ち去ってください

 

ほんとむかついて、むかつきすぎてやばい。

 

 

 

「いや、今ひと待ってるから無理」

「えー友達?」

「ほな、その子も一緒に、な!」

「(な!じゃねーわクソが)いや無理」

「無理ってなんやねん」

「ええから、一緒に遊ぼうって」

「無理」

 

 

 

ああ、罪深い女だな私は・・・

今世の私はかわいい。

いや、前世も可愛かったけど。

今世はマジでモデルレベルでかわいいんだわ。

はぁ・・・どの世界線でもかわいいかわいい言われて本当に私ったら・・・

 

 

 

なんて現実逃避してる間に、アタシの横にナンパくんたちが座ったりして囲んできた。

マジかよ、最低だな・・・逃げ場なくしてどうしたいのきみら・・・?強引な男は嫌われるぞ・・・。

そんなに女の子と遊びたいならナンパ橋にでも行ってくればいいじゃん・・・。

 

 

 

「いいから、行こうや」

「なんなら、学校抜け出して他のところ行こか?」

「ええなぁ!そうしよ、なぁ!」

 

 

 

そして、とうとう、ナンパくんたちの一人がアタシの肩に手を置いた時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なにしてんねん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

!?

 

 

 

 

 

 

すごい、地の底から湧き上がるような低い声が聞こえた。

男たちはゾクッとしたのか、ギギギと顔を動かし、その声の主を見る。

 

 

 

(うそ・・・)(初めてだ・・・)

 

 

 

そこには、ものすごい剣幕で、明らかに怒っている顔の謙也がいた。

 

 

 

(わ・・・嘘みたい・・・)

 

 

 

謙也って短気だと思う。

けっこうケンカというか、言い合いしてるとこ見てたし。

 

だけどね、

 

こんなに本気で怒ったの初めて見た。

 

 

怒って低くなった声も、本気でキレているこの顔も、はじめて。

 

 

 

(け、けんや・・・)(めちゃくちゃかっこいい・・・)

 

 

 

 

「お前ら、何してんねん」

「け、謙也・・・」

「お、お前こそ、なにして」

「その子から離れろや」

「え?」

「な、なんだよ、謙也、そんなに怒ってどないしたん」

「ええから離れろや!」

 

 

 

謙也がユウジ化している・・・

マジかよ・・・こんなかっこいい謙也見れる日が来るとは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(しかも、)(私のことで怒ってくれてるんだよね・・・?)

 

 

 

 

 

 

胸熱。

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんやねん、謙也、そんな怖い顔すんなや」

「え、もしかして、謙也の彼女?」

「え、謙也彼女おったん!???」

「なぁ、彼女なん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼女や!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかったら二度と、人の彼女に手ぇ出すなよ!!」

「お、おお・・・」

「す、すまんな!」

「お幸せにな!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハッ!!!!!!

 

 

思考回路がショートしていた・・・

 

 

 

 

 

えーっと、えーっと・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SU☆KI

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とりあえず、わたしはけんやがすきだ。

 

 

 

世界中の人に言いたい。

 

 

 

 

 

私は謙也のことが

 

 

 

大好きだ

 

 

 

 

 

 

 

 

死ぬかとおもった。

まじで死んじゃうかと思ったし、どういうことだろうか????

これは夢・・・????あ・・・もしかして私また死ぬ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か!?なんもされへんかった!?」

「え・・・あ、うん」

「すまん!!!!あいつら悪い奴らやないんやけど、ちょっと遊んでるみたいでな・・・」

「いや・・・」

「ほんまにすまん!!!怖い思いさせたよな・・・」

「いや、ダイジョウブ(普通に無理って断ってたし、あしらうのうまいからマジで大丈夫だった)」

「すまん、一緒にいればよかったな・・・俺一人で並ばんとよかった・・・」

「・・・タコス買おうとしてくれてたんだから別に・・・」

「あ!!!!!」

「・・・」

「タコス買えんかった・・・」

「・・・」

「す、すまん!!!なんや、からまれてるとこ見たら、いてもたってもおられんくて・・・!」

「・・・」

「つい、並んでるの忘れてもうた・・・!」

「・・・」

「す、すまん!!!もう一回並びなおさな!!!!」

「・・・」

「すまん!!!怒ったよな!?すまん!!すぐ並びなおして、」

「・・・ふふ」

「!?」

「ありがと」

 

 

 

 

 

謙也の気持ちが嬉しくて。

本当に、夢かと思うくらい嬉しくて。

 

だから、自然と顔が緩んでしまった。

 

(並んでるの忘れるくらいだったんだって!)(そんなの、怒るはずないじゃん!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あの!!」

「ん?」

「あ、あのな、」

「うん」

「あ、あの、彼女って言うたこと、」

「うん」

「ほ、本心って言うか・・・」

「え?」

「あ、あんな、」

「・・・」

「お、おれ、」

「・・・」

「お前のこと、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーンパーンポーン♪

 

 

 

 

 

『早食い大会に出場予定の忍足謙也くん、忍足謙也くん!はよこいやぁぁぁぁ!!もうすぐ始まるで!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

「あーーーーーーーーー!!!忘れとった!!!!」

「(忙しいやつだな・・・)」

「すすすす、すまん!!!俺いかな!!」

「うん」

「早食い競争出るんやった!!」

「アタシも行く」

「え?」

「優勝、するんでしょ?」

「!?  おん!!」

 

 

 

 

 

(めっちゃ、ドキドキした・・・)(謙也真っ赤で・・・)(すごいびっくりした・・・)

 

でも、

 

謙也の気持ち、なんとなく伝わったよ

 

 

(謙也、大好き・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほな、行くで!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニカッと笑った謙也が、アタシの手首を掴んで走り出す。

 

謙也のたこ焼き超高速早食いをこの目に焼き付けるため、一生懸命走って、着いていくのであった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「おおきくなったら結婚して!」

 

 

その一言がなぜだかずっと忘れられなかった。

 

 

俺は自分で言うのもあれやけど、小さい頃から落ち着きがなく、母曰く「ひどいチョロ助やった」とのこと。そんな俺やからモテたことはない。幼稚園でかっこいいと言われるのは落ち着きのあるおとなしめなクールな子。

俺みたいな落ち着きのない、いや逆に言えば子供らしい子供は、成長が早い女子には「子供ね」と言われるだけやった。(いや、お前も子供やろと何度も思った)

 

そんな俺に、「結婚して」と言う女の子がいた。

迷子になったみたいでうちにたまたま来た女の子。ゆうしの友達?って言うてたっけ。

とてもかわいい女の子にそんなことを言われて、俺はドキドキして。そうして、その言葉が頭から離れなくなったんや。

 

白石も言うてたけど、うちにも毎年年賀状が届いていて、毎年かわいくなる彼女を見るたび、なんだかあの言葉が頭によぎった。

もちろん結婚なんて子供やから考えることはなかったけど、それでも”好意を寄せられる”ということがとても嬉しかったんや。俺にそんなこと言うてくれたの、後にも先にもあの子だけやで・・・。

 

 

そんな彼女と再会したのが、全国大会の時。

氷帝めっちゃかわええマネージャーおるやん・・・そういやゆうしがいつも電話でマネージャーむかつくやつおるって言うてたなー・・・何がむかつくんやかわええのに・・・ん・・・?あれ・・・?あのかわええ子・・・俺知っとるな・・・?

 

彼女を見て、そわそわして。

声をかけたくてもなかなか声をかけれなくて。

ただそわそわしていた。

 

せやって、年賀状の子と一緒やねんもん。

他人の空似かもと思うたけど、どう考えても彼女にしか見えへんもん。

名前を聞いて、やっぱり彼女って確信して。白石も知り合いでびっくりして。そのあと「久しぶり」って言うたら泣かれてまたびっくりして。

 

 

(やっぱりかわええ・・・)

 

 

話たらノリもええし、やっぱりかわええし、ほんでやっぱりかわええし。

 

 

ほんで、

 

 

(あのこと・・・覚えとるんやな・・・)

 

 

 

”結婚して”

 

 

 

あの一言を、彼女も覚えているようやった。それがまた嬉しくて。別の日にLINEを聞いて早速LINEしたら、めっちゃ盛り上がるし、もうもう!!俺の中で彼女への好意が膨らんでいく。かわええし、ノリええし最高すぎるやろ・・・。

正直、ここまで気ぃ合う女の子はじめてやねん。

彼女のことが俺の中でどんどん大きくなっていって。

学祭に来てくれる言うたのも嬉しくて。

 

 

 

ほんで、今日会った時もめっちゃ可愛くて、なぜだかすぐに泣いて焦ったけど、泣いてもかわええなぁって思って。

もうとにかく、俺は彼女にメロメロやって再確認してしまった・・・。

なるべく一緒にいたくて、二人きりになりたくて、それが叶って浮かれてたおれやけど、

 

 

 

 

彼女が他の男に声かけられてるのめっちゃ腹立ったわ。

 

 

 

自分でも驚いた。

ちょっと遊んでるって噂のやつらに囲まれて。

そらかわええしな!?めっちゃかわええし、ナンパされるのも仕方ないと思うで!?でも目の前で他の男に声かけられとるとこ見てみ!?驚くくらいムカついたわ!!!

ほんで、並んでるのも忘れて、急いで彼女のところにかけつけて、もう自分でもわけがわからんくらい頭に血のぼっていて、

 

 

 

「お前ら、何してんねん」

「け、謙也・・・」

「お、お前こそ、なにして」

「その子から離れろや」

「え?」

「な、なんだよ、謙也、そんなに怒ってどないしたん」

「ええから離れろや!」

 

 

 

ほんで、思わず口からでた、

 

 

 

 

「彼女や!!!!」

 

 

 

の言葉。

 

 

 

 

うわあああああああああ

冷静になるとめっちゃ恥ずかしいいいいいいい

 

 

 

 

あの子がかわいすぎて、思わず告りそうになってるし・・・

 

 

ほんま・・・気持ちが抑えられんくらい好きや・・・

 

 

自分でもこんなに気持ちが膨らんでるのが笑えるくらい好きや・・・

 

 

さすがスピードスターの俺☆って気分やで・・・

 

 

 

はぁ・・・でも、彼女って言うても嫌がってなかったみたいやし、そのうちちゃんと気持ちを伝えなと思いながら、今たこ焼き早食い競争に来た。

たこ焼き超高速早食いして、彼女にいいとこ見せたるで!!

 

 

 

チラッ

 

 

 

さっき会場まで一緒に来た彼女が座っている場所を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわあああああああ!!!

 

手振ってくれたぁあぁぁああ!!

 

めっちゃかわええ!!!!

 

 

 

 

 

はぁ・・・

もうあかんわ重症や・・・

 

 

 

 

「謙也、大丈夫か?」

 

 

 

なんや、顔赤いけど。

 

 

たこ焼きを並べる白石がそう言った。

 

 

 

「ダイジョウブヤデ」

「ほんまかいな、具合悪いなら無理せんでも」

「いやいやいや、むしろめっちゃ元気やで。すこぶる元気というか、いつも以上に元気いっぱいというか」

「そうか、ほならええけど」

「おん、大丈夫や」

「・・・ほな、勝てよ」

「・・・おう」

 

 

 

当たり前やん、彼女の前で下手な姿見せられへん。

 

 

(よっしゃ!!)

 

 

彼女がこの会場で見ていてくれるから。

 

俺は気合を入れて、早食い競争に挑むのやった。

 

 

 

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