「お前なんか白石たちと楽しそうにしてたな」
「いや、別に普通だったよ」
「なんで俺の近くに座らなかったんだアーン?」
「だって亮隣に座ってたし、他に空いてなかったし」
バスを降りて少し跡部や亮とそんな話をした。
「お前、白石と仲いいのかよ」
「ううん、別に仲良くないよ」
「…そないハッキリ言われたらさすがの俺も傷つくわぁ」
あ、白石くん と後ろにいた白石くんの方を振り向いた。
「よぅ、白石。お前副委員長やってるらしーじゃねーの」
「せやで、まえさんのサポートしとるんや」
「フッ。そーかよ、まぁいい。こいつのこと頼むぜ」
跡部が白石くんの肩をポンと叩くと白石くんは不思議な顔をして
「…跡部くんはまえさんのなんなん?」
と、聞いた。
(なんなん、って)
(いやただの同じ中学出身ってだけだよね?)
私がそれを言おうとしたら
跡部に先に答えられてしまった。
「ま、お前に頼むぜって言える仲だ」
フフンと跡部はえらそうにしながらさっさと建物の中へと入っていった。
「…ほんまなん?」
白石くんにそう聞かれて、答えようとしたけど
「おい、さおり。また遅れるから行くぞ」
と、亮に手を引かれてしまって結局私は白石くんにごめんね、またね、としか言えなかった。
「さおちゃん」
「あ、まぁちゃん」
「女子同じ部屋でよかったね」
「うん、よかったね」
「きみバスの中で誰と隣だったの」
「白石くんだよ」
「あー、金田一一か」
「そうだよ、きみは?」
「私ね、1組のバレー部の人だったよ、なんか話しかけられたけどウザイから寝てた」
「そうなんだ、ディアンヌは?」
「ディアンヌ1組の彼氏といちゃついてた、リア充爆発…しなくていいディアンヌなら」
「ディアンヌなら可愛いからいいね」
「むしろもっとやれ」
「わかる。いいな、いちゃついてるの萌えたしょ」
「クソ萌えた彼氏っていいな、コーイチ付き合ってくんないかな」
「無理だろ。隣の席のバレー部、誰?1組なら黒尾くんか菅原くんだね、どっちかな」
「わからん、ウザイ方」
「両方うざくないと思うけど」
「おーい、さおりーまなみー、集会始まっちゃうよぉ~」
「荷物置いたらすぐホールに集合言われたやんか、ほんま仲いい双子やな」
まぁちゃんと話しているとディアンヌ(天使)とヒメコ(オカン)に呼ばれた。
今夜みんなで泊まれるとかすごい楽しみだな!
私たちは慌ててホールに向かった。