ep.022

「白石く~ん、お昼一緒に食べましょう♥」

「ああ、ええですよ」

「やった~~~♥じゃあみんなで食べよう!」

 

 

 

昼休み

キャッキャッ と お花だらけの女子社員に連れて行かれてしまった

 

 

あ、やっぱり私だめかもしれない

 

 

 

まだ午前中に研修したばっかりなのに、すでにドッと疲れた私・・・

食堂で「はぁ」とため息をついた

そこに仲のいい友達がやってきた

 

 

 

「まえさんおつかれー」

「お疲れー」

「白石くんの担当になったんだって?」

「うん最悪」

「なんで!?イケメン好きでしょ!!」

 

 

 

(ああ)

(みんな決まっていう事は同じか・・・)

 

 

 

チラッと彼のほうを見る

そこには数人の女子社員に紛れて、一人だけ白石くんの姿が

 

 

 

(はーモテモテですこと)(ヘラヘラしちゃって、)

(ホントなんか、)

(嫌悪感)

 

 

 

 

「・・・だめかも私」

「え!?ダメなの!?なんで!?」

「うーん、私、チャラい人嫌いだからさー」

「えーでもホストクラブ行きたいっていってるじゃんいつも」

「んー、でもさ、イケメン俳優でも女関係で噂になってる人とかすごい顔も見たくないくらい嫌いになるのさ」

「そうなの?」

「んー、だからちょっとあれ見ちゃうとねー」

「え、全然基準がわかんない、イケメンならだれでもいいんじゃないの?」

「え・・・そんなはずないしょ・・・」

 

 

 

(イケメンは性格ありきなのに!)

(あーだめこれ、)(これまぁちゃんじゃないとわかんないわ!)

 

 

これ以上話しても無駄だと思って話すのをやめた

 

 

ホント、チャラい人はダメなんだよね・・・

あの女の子に囲まれてるのとか・・・

見ててもすごい嫌だわ・・・

 

 

 

彼に対するイメージがどんどん変わる

 

 

 

 

(やーホントにないわ)

(これ、斎藤工と常に一緒にいるみたいな感覚だよ)

(嫌悪感しかないよ)

(どうすりゃいいの私の二週間・・・)

 

 

 

 

昼休みが終わっても、業務的な会話しか出来ず、そのまま就業時間となった

 

(よかった・・・)

(やっと解放される・・・)

 

 

けど、

 

 

 

 

ガシッ

 

 

 

 

「ほら、新歓いくよ!」

 

 

 

 

と上司にいい笑顔で誘われてしまったのだった・・・

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

「じゃあ、かんぱーーーーい!」

「「「「「かんぱーーーーい!!!」」」」」

 

 

 

(ああ・・・誘われたら断れない私・・・)(まぁちゃんごめんよ・・・)

 

 

 

なぜかみんなの優しい配慮により、白石くんの隣に座らされてしまった・・・

 

 

 

(広報にはバカしかいないのか)

(まぁ、キャピキャピする女がいなくていいんだけどさ、)

(隣壁だし、反対側には白石くんだし、なんかもう逃げられない・・・)

 

 

 

 

「まえさんの好きな肉きたよ!」

「わー肉ー」

「まえさん肉好きなんですか?」

「そうだよ、この子肉食だから」

「肉食って・・・」

「男にはかなり草食なのにねー」

「モテるくせにガード固いしねー」

「モテないよ」

「だって、営業の内田さんとデートいって何もなく帰って来たんでしょ!?」

「いや、全然、デートじゃないよ、あれは遊びに行っただけさ」

「向こうはそう思ってないしね!」

「まえさんだけだよ、そう思ってるの」

「そうかなー?」

「この子すごい鈍いしねー」

「彼氏いたことないんだよー」

「え!?ちょっと、何でバラすの!?」

「・・・え?嘘でしょ?」

「ホントだよ、年齢=彼氏いない歴だから」

「や、やめてよ!白石くん引いてるしょ!!」

「隠すこともないしょー」

「そうだ、白石くん、まえさんどう?」

 

 

 

(え!?)

(な、なぜそれを白石くんに・・・!?)

 

 

 

 

そんなこと聞いても、どうせ「無理」って言うからやめて!!

白石くん同棲してる彼女いるからやめて!!

 

 

 

 

そう思っていたんだ け ど・・・

 

 

 

 

「・・・・・・・・・俺で良ければ」

 

 

 

 

と意外な答えが返ってきたものだから、もうビックリ!

 

 

 

 

(ま、またからかってる~~~~!!)

(彼女いるくせに・・・!)

 

 

 

 

「や、やめてよみんな!!」

「まえさんそう言いながら顔真っ赤でしょ!」

「そうだ!あれやってもらいなよ!!」

「え、あれって?」

「まえさんいつも言ってるしょ、壁ドンやってほしいって!」

「~~~~~~~!!!???」

 

 

 

ば、ばかだ・・・!!!

違う!!!

私の言っている壁ドンはこんな、

こんな居酒屋でやるものではない!!

 

 

 

 

「や、やめて!!ふ、ふくしそうたくんがいいから!壁ドンは!!」

「え~、いいじゃん壁ドン」

「や、いいの!!!ホント、白石くんに変な事言わないでよ!!!」

 

 

 

 

もう、ちょっとお手洗い行ってくる!

 

 

 

と私はカバンを持って席を立った

 

 

 

 

トイレに行って、写った鏡を見て落ち込む

 

 

 

 

(こんなブス・・・)(からかって楽しいのかな・・・)

(ブスだから楽しいのか・・・)

 

 

 

 

はぁ・・・とため息をついて、トイレを後にする

その後は、全然お酒なんて飲んでいられなくて、

一次会ですぐに帰宅した

 

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