さおちゃんずるいよ!という気持ちと、謙也アタシのこと覚えてくれてるみたい!という気持ちと、謙也とお話ししたい気持ちで、勢いで謙也のそばに行った結果、やはり謙也がアタシのことを覚えていてくれた。
謙也のこと好きすぎるし、嬉しすぎるし、気持ちが爆発して、思わず泣き出したアタシを見てオロオロする謙也。
困らせるつもりはないけど、もっと記憶には残ってほしいとは思う。
(でも謙也の好みは無邪気な子!)(泣いてたら嫌われてしまうかもしれない!!)
「なーなーねぇちゃんどないしたん!?なんで泣いとるん!?謙也のせいか!?」
「え!?俺久しぶりって言うただけやんけ!!え!?俺のせいなん!?」
「お前も会うたことあるんか?」
「おん・・・俺も大阪で迷子になったって言うてたからちょっと会ったことあんねん」
「あらん?ほな、蔵リンと同い時期くらいやったのかしら?」
「(コクコク)」←泣きながら肯定する
「へぇ、すごいな、お前ら同じ時期に会っとたんか」
「そうみたいやな、偶然ってすごいな」
偶然じゃないけどな
あ~~~~~~~目の前に謙也がいるし、四天宝寺が会話してるの聞くだけで涙止まんないよ・・・はぁやばい・・・ユウジが・・・財前が・・・千歳がそこにいる・・・ああ・・・感動する・・・そして吐きそうだから離れたい・・・もっと遠くから眺めていたい・・・今そんな気分・・・
「なぁなぁ姉ちゃん、泣きやんでや、女の子が泣いてたら涙を止めてやらなあかんってうちのおかん言っとったで」
はぁ~~~~~~~金ちゃん~~~~~~~
金ちゃんがかわいすぎる~~~~~~~
金ちゃんのお母さんの言うことが深い~~~~~~~
良い教育をされているなぁ~~~~~~~
さおちゃんをチラッとみると、めちゃくちゃうらやましそうな顔でこっち見てる
羨ましいだろうな、さおちゃんは・・・
でも、なんか金ちゃんと謙也がアワアワしてるおかげでちょっと落ち着いてきたかもしれない・・・
「もう!謙也のせいで姉ちゃん泣いたんやから、笑かせたってや!!」
「モノマネとかええんやないっすか」
「ええな、モノマネせえや」
「モノマネ!?モノマネなんてできんわ!!」
「頑張って
謙也きゅん
」
「は?お前なに小春に応援されとんのじゃ殺す」
「理不尽!」
「ほな、俺録画してますね」
「勝手にすなや!」
「謙也はよモノマネ!」
「え~~~~・・・」
「ほな、ユウジでもええで」
「俺関係ないやん」
「さっき青学の人のマネしとったやないですか」
「上手かったばいね!」
「さすがに不二くんの味覚まではモノマネできんかったけどね」
「ああ~すまん小春・・・!味覚までマネできるように頑張るわ!!」
「いや、味覚のモノマネは無理やろ!」
「俺ば、トトロのメイちゃんのモノマネ聞きたか~」
「なんでメイちゃん出てくんねん!」
「おじゃまたくし!」
「お前がすんのかーい!」
「しかもなかなかマニアックなとこいきよったで」
「あらぁなかなかやるやないの
」
Σ(;゚ω゚)ハッ!!
四天宝寺がコントを始めるから、思わず入ってしまった・・・
ってか、この人たち本当にずっと賑やかだし、ずっとしゃべってるし、ずっとボケてるな・・・ツッコミ謙也しかいなくない・・・?謙也がんばれ、超頑張れって応援したくなるレベルだねこれ・・・?
「小春に褒められるなんて許せん」
「ユウジ、威嚇するのやめぇや」
「ねぇちゃん、もう大丈夫なん?もう泣かへん?」
「うーんどうだろう(感極まるとすぐに泣けるな・・・)」
「泣いたらあかんで!せや、ねえちゃんここにおってな!ワイらが笑わせたるで!」
「え・・・金太郎なんでそんな約束すんねん・・・」
「ええやんか!あんな、ユウジも小春もお笑いのライブでとってな、毎回どっかんどっかん笑わせてるんやで!」
「せやからなんで俺らが笑わさなあかんねん」
「謙也くんが笑わせてあげればええんやないの?」
「!? 俺!?」
「泣かせたの謙也さんやしな。責任とったらええんとちゃいます?」
「あら、いい案やないの~、せやで、男は女の子泣かせたら、せ・き・に・んとらなあかんで?」
「せ、責任・・・って・・・」
”責任”
そうして、謙也はチラッとアタシを見た。
そして、
ボンッ
何かを思い出したのか、謙也が真っ赤になった。
(あ、そういえば)
アタシ、小さい頃、謙也に「結婚して」って言ったんだった。
(責任・・・って)
(いろんな意味があるし・・・)
謙也はそれを思い出したのだろうか?
あの時の約束を思えていて、
責任の言葉に反応したのだろうか?
(だとしたら、嬉しい、なぁ・・・)
フフッ
ボボンッ!!
「あ、笑った!ねぇちゃんやっと笑った!!」
「よかばいよかばい」
「・・・謙也さん真っ赤っすけど」カシャ
「あ!ほんまや!!」
「やややややや、ちゃうねん!!・・・ちゃうねん!!!!」
「なんで2回言った?」
「もう、謙也きゅんったらぁ~ロックオーン・や・ね
」
「は!?小春謙也にロックオンなん!?死なす!!!」
賑やかなこの席で、泣いてるのもバカバカしくなってきて、泣くのをやめて乾杯することにした。
びっくりした・・・四天宝寺すごい・・・ってか、まぁちゃんすごい・・・
まぁちゃん頑張ったね・・・
まぁちゃんが四天の席に行ったとき、「すげーーーー!!まぁちゃんすげーーーー!!」って思ったよ・・・
私多分ってか、絶対いけない・・・
ほんと、BBAはじっこでおとなしくジュース飲んでたほうがいい・・・
ってかそれより今の状況を助けてくれ( ^∀^ )
相変わらず白石くんが目の前にいるんだわ( ^∀^ )
そしてジロちゃんは眠いからその辺で勝手に寝てる( ^∀^ )
はぁ~あ、まぁちゃんめちゃんこ楽しそう( ^∀^ )
謙也とまぁちゃんもあの時出会っていたという話になった時、白石くん「せやったんか・・・」って呟いたんだよね。もしかして感づいてしまったかな?意図的に会いに行ったことばれてしまったかな?
・・・なんて考えてたら、白石くんに聞かれた。
「謙也ともあの時会うてたってほんま?」
「え、あ・・・はい・・・そうです・・・」
「あ、敬語やなくてええで!」
「あ、はい、あ、じゃなくて、うん・・・(やばい会話してるしぬ)」
「えっと、なんて呼んだらええかな?」
「えっと、双子だから下の名前で呼ばれてて、普通にさおりでいいんだけど・・・(まって、それを確認してくれるの?確認してくれるの!?すごくない!?すごい優しいしすてき!!!!)(あ、やっぱり名前で呼ばれるの死にそうになるから早まったか!?)」
「ほな、昔みたいに”さおりちゃん”って呼んでもええ?」
「う、うん・・・(はあああまじかよ~~~~~~今の白石くんもちゃん付けで呼んでくれるのかよ~~~~~~めちゃんこすごいな、大丈夫かな、名前呼ばれるたび死んでしまうかもしれないな!!本当に大丈夫かな私!!!!????)」
「ほな、さおりちゃん、な。あれから迷子になってへん?」
「な、なってないよ!もう大きいんだから・・・(そもそもあれは意図的ですし、BBAなので本当はどこでも迷子にならずにいけちゃいますし・・・ってか、白石くん話しかけてきてくれて死ぬ、名前よばれてしまった死ぬ、とりあえず死ぬ)」
「はは、せやんな、あれからかなり成長したもんな」
はああああ~~~~
ははって笑う白石くん尊い・・・
拝むわこれ、私拝みます
ってか、お金払います
お金払ってでもいいから、この笑顔をずっと見ていたい・・・
はぁああ好き・・・
って思ってたら、いきなり手が伸びてきて
「ほんと、成長したよね~~~~~~」
と胸を揉まれた。
ジ、ジロちゃん!!!
なんで
よりにもよって
白石くんの
目の前で!!!
それを見ていた白石くん、再び
ボンッ
そら、なるわ!!!
中学生だもん!!!!中学生なんて一番こういうのに敏感な時期だわ!!
「ジ、ジロちゃん!!!触らないで!!!」
「え~?いつもあんまり気にしてないからいいかと思った」
「い、いつも・・・?」
「ち、違うの、ほんと違うの!!(なんだこの浮気を疑われた旦那のような雰囲気は!!!)」
「違わないじゃん、よく触るよ~」
「違うでしょ!!膝枕の時とかに触れちゃうだけでしょ!!!!(やめてよ!!!淫乱だと思われたら終わりでしょ!!!!!)」
「あ、膝枕はいつもしとるんや・・・」
「ち、ちがっ・・・!」
もう何を言っても言い訳にしか聞こえない・・・!
やめてよまじで!!!!白石くん淫乱女子なんて大っ嫌いなんだから!!!!!
淫乱じゃないから私!!!!!(小さい頃の白石くん以外と)手を繋いだこともない純情女子ですから!!!!!
「う・・・うっ・・・」
まぁ~~~~ちゃ~~~~ん(TДT)
いてもたってもいられず、まぁちゃんを召喚した。
もう、白石くんの前で、私パニック。
私が名前を呼ぶと、まぁちゃんがすぐに来てくれて、ジロちゃんの頭をペチッと叩いた。
「いたい」
「こらジロ!!!こんな人前でさおちゃんのおっぱい触っちゃダメでしょ!!セクハラで訴えるよ!!!」
「だって、膝枕邪魔されたC~」
「ふてくされてただけじゃん!!ばかもの!!(ペチン)」
「いたい」
「ま、まぁちゃん・・・」
「白石!!」
「え、なに!?」
「さおちゃんは、世界一純粋で、めちゃくちゃいい子だからな!!」
「あ、はい・・・」
「膝枕も天使のような広い心と母性で接しているだけだから気にするな!!」
「え・・・?」
「さおちゃんにとっては、もうみんな子供みたいなもんだから!!」
「こども・・・」
「気にするなよ!!!!」
そういって、まぁちゃんはまた四天の席に戻っていってしまった・・・。
なんかちがう。
助けてって思ったけど、想像してたのとちょっと違ったびっくりした。
そりゃ正直子供のやることだからとあまり気にしてなかったけども。
白石くんの前で子供って・・・なんか違う。
「すごいな・・・妹さん」
「あ、ごめんね・・・白石くん・・・」
「いや、おもろいな、なんやっけ、まなみちゃんやっけ」
「そうです・・・(え、ナチュラルにまなみちゃん呼び・・・いいなまぁちゃん・・・私もさおりちゃんって呼ばれてるけど・・・)」
「なんかでも、母性って言われるとわかる気がするわ」
「え?」
「人のことほっとけない性格なんかなぁって思っててん、さっきめっちゃ氷帝のテーブルでいろいろ運んだりしとったから」
「見てたの!?」
「おん、マネージャーさんかなぁって見とってんけど、それがまさかさおりちゃんとはな!」
ほんま、不思議な縁やな
そう、白石くんは笑った。
あああああああああああ!!!!!!!
あまりの尊さに、顔を隠して天を仰いだ。
そして、涙が出てきた。
白石くんが!!!
こんなにも!!
尊い!!!
そして!!!
笑顔がまぶしい!!!!!!
BBAの心に沁みわたる上に、まぶしくて見れない。
はぁあああカメラぁぁぁ!!!
この笑顔の写真1000枚くらい焼き増しして、壁中に貼りたい・・・!むしろでかいポスターにしたい・・・!
(あああ~~~)(人が働いてるところちゃんと見てくれる子なんだよなああああ)(周りを見てくれる子なんだよなぁぁあああ)(そういうところが大好きなんだよおおおお)
顔を隠して、いきなり泣き出した私に、白石くんが焦っている。
「え!?どないしたん!?」
「うぅっ・・・ご、ごめんなさい・・・ちょっと白石くんの優しさというか、こんな私を見ていてくれたという事実に感動してしまって・・・!」
「え!?」
「本当に白石くんは優しすぎるし、真っ直ぐでいい人すぎて、感動してしまったよ・・・」
「・・・おもろいな、さおりちゃん」
「グスッ・・・私はつまらない女だよ・・・」
「十分おもろいで!せやから、泣かんで・・・!」
「本当に本当に白石くんはいい人だよ・・・周りの人をよく見ていて気使える・・・素晴らしいよ・・・」
「え!?俺は全然やで!?」
「全然じゃないよ・・・本当に素晴らしい人で私は感動してしまったよ・・・こんな人間がこの世にいるのかと思ってしまった・・・」
「そこまで!?」
「素晴らしすぎるよ・・・拝んでおこう・・・🙏🏼」
「まってまってまって!!おもしろすぎひん!?」
「え・・・?私はつまらない女だよ・・・?」
「いやいや、めっちゃおもろいし、泣きすぎやろ!何回泣くねん!」
さっきから泣きすぎやから、ほんまに
と白石くんが笑っている。
ああ・・・・・・・
笑顔が尊い・・・
SUKI・・・
好きすぎてもう吐きそうだ・・・ほんと、どうすればいいんだろう・・・SUKIとしか言葉が出てこない・・・SUKI・・・
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
Σ(;゚ω゚)ハッ!!
まってまって、SUKIって思って、終わるところだったよ・・・!だめだだめだ!!!!
これはあれだ・・・一生懸命頑張ったんだ・・・我慢してきたんだいろいろ・・・2X年以上、白石くんに会いたくて我慢してきたんだ・・・!!!
少しは頑張らなくちゃだめだ!!!!
吐きそうとか言ってる場合じゃない・・・!!
せっかく神様にこの世界に転生させてもらったんだもん・・・!!!
が、頑張らなくては・・・!!!!!
いきなり、泣くのをやめて、私はスッと真顔になった。
その様子が面白かったのか、さっきから白石くんは笑いっぱなしだ。
「し、白石くん」
「ん?何?」
「よ、よければ、なんだ、けど」
「おん」
「ことわって、くれて、全然、いいんだけど」
「おん」
「よ、よかったら・・・連絡先・・・交換・・・してもらえませんか・・・」
「え、」
「だ、だめなら!!いいの!!!」
「ダメなはずないやん!むしろ、俺からも聞きたいところやったわ」
そういって、ポケットからスマホを出す白石くん・・・
(この世界は通信機器系は進んでるからね!!)
はぁ・・・!!!!!!
生きててよかった・・・!!!!!!!!
こうして、私は、白石くんの連絡先を無事にゲットし、繋がりを持てたのであった!