異世界にトリップしたと思ったら乙女ゲーの悪役令嬢役でした(4)サオリ

( ゚д゚)ハッ!

 

 

 

ついに私は死んだのか・・・
死んで詫びても詫びきれないと思っていたからそれはそれでおkだが・・・・

 

 

 

「気が付いたかい?」
「あれ・・・?ユキムラ・・・?」
「急に弟に抱き着いて鼻血出して倒れるから驚いたよ」
「え!!?わ、わたしそんなことを・・・!?けんしんくんは!?けんしんくんは無事なの!?」
「無事だけど・・・きみの大量の鼻血を浴びて今シャワーを浴びて着替えているよ」
「あぁ・・・!私ってばなんてことを・・・!!!けんしんくんのあまりの可愛さに思わず・・・!!」
「・・・・・悪かったね」
「え?」

 

 

 

 

急に謝るユキムラに戸惑った。
謝るべきは私の方なのに・・・

 

 

 

 

「謝るのはこっちだよ・・・私が・・・彼を苦しめてたのは事実だし・・・」
「・・・屋敷に招待したのは 本当に変わったのかきみを試したかったからなんだ」
「え・・・?」
「きみのあまりの仕打ちに弟は外出できなくなった。でも今の君なら・・・今の君なら弟を見て、どうするか・・・本当に君は変わったのか 見たかったんだ」
「・・・そう」
「でも、あの時・・・弟が君を見て、怯え、恐怖した時、俺はやっぱり頭の中が憎しみでいっぱいになって  イザベラ、と大声で威嚇した」
「・・・」
「・・・きみは弟を傷つける気なんて もうなかったのにね」
「・・・でも傷つけていたのは事実だから・・・それは当然だと思う。あなたの大切な弟を傷つけてしまって本当にごめんなさい」
「いや・・・それはもうさっき解決しただろう?正直驚いたよ、あんなに俺の影で震えてばかりの弟が君の前に出てあんなに堂々としていられるなんて」
「・・・デコピンだけで済んじゃったけど、いいのかなぁ」
「弟も言ってただろう?あれでもう おあいこ なんだってさ。あんなに小さくても、あいつは男だよ。男が決意したことを無下にするのはやめてくれ」
「・・・・・・・わかった。けんしんくんがそれでいいって言うなら、私は彼の決定に従うよ」
「あぁ、そうしてくれると助かるよ。・・・それにしても、やっぱりきみは以前の君とはまるで別人だね。弟のことも”けんしん”なんて呼んでさ」
「え?けんしんくんじゃ、ないの?」

 

 

 

そう、私が不思議そうに尋ねた時

 

 

 

「・・・ぼくは、ケンシンだ。アルバート・ケンシン・ウィリアムだ」

 

 

 

(え?)

 

 

 

振り返ると、先ほどとはまた違う服を着たけんしんくんが立っていた。
うん、その服もめっちゃ可愛い。超似合う。世界一可愛い。

 

 

 

 

じゃなくて!!

 

 

 

「・・・アルバート・ウィリアム・・・・・・」
「アルバート・ケンシン・ウィリアム、だ」

 

 

 

あぁ・・・

 

その名前を聞いた瞬間に また記憶の波がドバっと押し寄せてきた。

 

 

 

アルバート・ウィリアム・・・・・・・・・・

それ攻略対象隠しキャラその1の名前じゃねぇかよおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

思い出したわ!!!!!!!!!
オリバーに弟がいるけどイザベラにいじめられて外で遊べないって聞いて
ショタに何してんじゃコラァ💢って思いながら、弟会いたい・・・って思ってちょっとググってみたら
全ED視聴後、もう一度最初からプレイし、色々なフラグを回収しつつ進むと学園を卒業してウィリアム家にメイドとして就職するルートが発生。
そこのルートでウィリアム家で働くことになり、アルバートと出会いずっと心に傷を負い屋敷にこもっていた彼の心を癒す主人公・・・
最後は力を合わせて悪の根源イザベラを倒して平和が訪れる隠れスーパーハッピーエンド・・・
クリアしてないけど私知ってる。
だってショタを落とせるって聞いたから。
たしかこのショタ、数年後死ぬほどの美形に成長してそれはもう幸せそうにふたりは暮らすはず・・・
年下の男うらやましいねってまぁちゃんと言ってたんですけど 今ここにいましたわ!!!
てかけんしんくんなの納得ですわ!!!!!!!!!!!
どうしようこれ数年後めっちゃイケメンになったら・・・
いやけんしんくんはこのままでいようね・・・?この可愛いままで・・・・・・・・・・

 

しかし主人公、うらやましいな!!!
こんなかわいいけんしんくんまで落とせるの!!?
うそだろ!?けんしんくんルートあるの!?嘘だろ!!?
私が主人公になりたいんですけど!!!!!(泣)

 

 

 

・・・・あれ?

 

ちょっと待って???

 

これ・・・  story変わってない・・・・?

 

あれ・・・?
今けんしんくんと和解したね???

 

 

あれ???
これ、けんしんくんと和解したから私だからこれどうなる・・・?どう・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・????

 

 

 

 

 

 

 

▼ さおりはむずかしいことをかんがえるのをやめた

 

 

 

 

 

 

 

ま、いーや(*´ω`)
なにはともあれこれで思いっきりケンシンくんを愛でることが出来るし
彼が許してくれて笑顔で過ごせるようになるなら何も問題はないぞ!!

 

 

「・・・さっきからどうしたんだ?ぼんやりして」
「あぁ、たまにこうなるんだよ、気にしなくて大丈夫だよ」

 

 

 

 

( ゚д゚)ハッ!

 

 

 

「ケンシンくぅぅん💖💖💖そういえば私お土産に美味しいお菓子持ってきたの💖💖💖」
「おかし・・・?」
「一緒に食べよ💖💖💖」
「し、しかたないな!いっしょにたべてやるぞ!!」
「ふふ、じゃあ俺は美味しいお茶でも淹れて来ようかな。さぁ、アルバート・・・いや、俺もケンシンって呼ぼうかな。ケンシン、彼女をドローイング・ルームへご案内してくれるかい?」
「まかせてくれ!!」

 

 

 

こうして私は可愛いケンシンくんと素敵な時間を過ごせた・・・。
本当に神様っているんだね・・・。幸せすぎて泣きそうだよ。
あとはまぁちゃんがいれば完璧なんだけどな・・・。

 

とりあえず、 こんどはぼくがあそびにいってもいいか? という可愛いケンシンくんの申し出を喜んでお受けし、
そして最後にまたケンシンくんに苦しい!と言われるほど抱きしめ
大好きって100回くらい言って帰宅した。

 

 

 

 

いやーーーーー
色々あったけどいい一日だったーーーーーー!!!

 

 

 

(しかし私が行った罪は消えないのである・・・)
(ずーーーーん)
(私じゃないけど)
(イザベラだけど)
(でもイザベラ私だから私がやったんだ・・・)
(死にたい・・・)

 

 

なんかもう現状もよくわかんないし
結局ここはどこで私はなんなのかもわかんないし
最近はこっちで過ごすことが当たり前になってきてるから
現世の記憶の方が夢なんじゃないか、と思うようになってきてしまった。

 

 

 

いや、でも、これはまぁちゃんとやった乙女ゲ―とそっくりだし・・・
いや、乙女ゲ―をやってる夢を見てた・・・?
まぁちゃんという双子の妹は本当は存在しない・・・?
じゃあ私がやってた壮大な悪事は一体なんだったんだ?

 

 

 

色々なことが頭の中を巡り  結局わけがわからなくなって私は覚えてることをまとめたノートを開いた。

 

 

 

オリバー・ウィリアム → ユキムラ
アルバート・ウィリアム(隠しキャラ) → ケンシンくん

まぁケンシンくんは隠しキャラだとして、主要攻略キャラのオリバーは登場・・・。

あと主要攻略キャラは3人いるわけだけど・・・

 

ひとりは王子だろ・・・?

 

王子の名前・・・確か・・・

ら・・・
ら、ら、ら・・・・

 

そうだ!!!
ライアン!!!!
ライアンだ!!思い出した!!

 

苗字は思い出せないけど名前はライアンだ!!!

 

 

ここまで隠し攻略キャラだとても一応攻略キャラのケンシンくんも私の知ってるケンシンくんにそっくりだった。
てことは攻略対象のキャラはみんな私の知り合い・・・ってこと?
うーん・・・

 

 

 

ライアンが王子、これがメインの攻略キャラ。主人公と結ばれたら私は死ぬ・・・(こわい)

 

 

 

あと、学園の教師。年上で眼鏡をかけた・・・まぁちゃんがひむろっちみたいだな~って言ってたな🤔
名前はカルロス。年上興味ないし一番にクリアしたけど正直あんま興味なくて覚えてないんだ・・・
メガネ外したスチルはかっこいいと思ったんだけど・・・
EDも二種類クリアしたのにあんま記憶にない・・・
イザベラはこの人のルートだとどうなるんだっけか・・・?

 

 

あとは学園一のチャラ男。こいつも興味なさ過ぎて全然覚えてないんだよな・・・
てか多分クリアすらしてない!
まぁちゃんはこのチャラ男推しだった。名前なんだっけな・・・まぁちゃんがいつも言ってた・・・
あぁそうだ!!!!!ダリルだ!!!おらのダリルってよく言ってた!!!
チャラ男が一途になったとこたまんねえ~😚って大喜びしてた!!
主人公がダリルと結ばれたらイザベラ確か死ぬんだよな・・・
どうゆう最後かは忘れたけど・・・イザベル死んだしダリル超一途になってくれたしハッピー✌ってまぁちゃん言ってた。
てことはおら死ぬんだな・・・。怖い・・・。どう死ぬんだ・・・怖い・・・。

 

 

あともうひとり隠し攻略キャラがいるんだよね。
でも全クリしないとクリアできないし、ググったらショタのアルバートみっけてそこだけ興奮して終わってしまった🙄
だからなんも覚えてないの、やべぇ・・・
私どうなるんだろう・・・どうあがいても死ぬ運命なのかな・・・?

 

 

 

とりあえず

 

★主要攻略対象キャラ

・ライアン(王子)(メインでしおりちゃんポジション)
・オリバー・ウィリアム(秀才) → ユキムラ
・カルロス(教師)
・ダリル(チャラ男)

★隠し攻略対象キャラ

・アルバート・ウィリアム(隠しキャラ1) → ケンシンくん
・隠しキャラ2 → ???

 

 

こんな感じか・・・。
よく思い出したな私も・・・。
こっちが夢なのか現実なのかわからない中で・・・
でも現実だろうが夢だろが、私が今まで悪事を働いてきたことは周りの人の言動で明らかになっている!!!!
何としてもこの罪滅ぼしはしなければならない!!!!!
そして死んでお詫びをと思っていたがやっぱり怖いしケンシンくんという希望を見つけた今!!簡単に死ぬわけにはいかんのだ!!
ケンシンくんと死なない約束したしね!!
てことで、私のサバイバル術と熊と戦える技を身に着ける事案は今も継続中なのである!!!!

 

 

(食べられる草とかキノコも勉強しておこう・・・!)
(めっちゃ忙しいぞ!!!)

 

 

とりあえず色々思い出してノートにかけたので 少し満足。
明日に備えて寝よう!!  それではグンナイ!!!

 

 

 

 

😴🌠

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「社交界?」

ある日、突然お母様に今夜は社交界があるから目いっぱいオシャレしろと言われた。
そういえば記憶では先日社交界デビューを無事に果たした記憶がある・・・。
イザベラはそれはそれは気品と自信に満ち溢れ完璧にこなしていた・・・
あいつ性格最悪なくせにこういうのは上手くていいな・・・
私社交界なんて人の多い場所今からビビってるよ・・・行きたくない・・・

 

でもお母様死ぬほどこわいから言うこと聞かないといけない。
そもそもイザベラが性格ひん曲がったのこの人のせいだからね。
父親は他人にめっちゃキツいし性格悪いし多分現世なら上司にしたくないナンバーワンの性悪男・・・でも私や母は溺愛でデレデレしてなんでもワガママ聞いて買い与えて甘やかす毒親だし
母親は仕方ないから産んだけど産んだらもう興味ないから自分では育てなかったし超プライド高くて性格悪い女だからね。
父親には甘やかされ、母親には一切愛情をかけてもらえず甘えることも許されなくて
そりゃあ性格ゆがむわー!!!!

 

 

 

まぁある程度放任されてるのが救いだけどね・・・。

 

で、今日の社交界にきていくドレスを選べって言われてるんだけど
これがまた・・・

可愛くてゴージャスなドレスがいっぱいで目移りしちゃう・・・💖

こういうのはこの時代で過ごせる特典だよねー!!

 

 

あぁ、ピンクもいいし赤もいいしムラサキも素敵だし白も綺麗だし・・・

 

 

 

 

コンコンコン

 

 

 

「サオリ、失礼するよ」

 

 

そこに現れたのは いとこのユキムラと

 

 

「えすこーとしにきたぞ!!」
「け、ケンシンくぅぅぅぅん💖💖💖」

 

 

ムギュウ💖

 

 

「わ!!こ、こら!あうたびにだきつくのやめないかきみは!!」

 

 

はー今日も可愛い
スーツすごい似合ってるかわいい
ケンシンくんがかわいい
それだけで生きていける
今日も地球は周ってる
サイコ―
ケンシンくんさいこー・・・

 

 

 

「サオリ・・・きみまだ支度終わってないのかい?」

 

 

 

( ゚д゚)ハッ!

 

 

 

「そ!そうだった!!今ドレス選んでて目移りしちゃって・・・」
「全く仕方がないねきみは・・・じゃあ、俺たちが見立ててあげるよ」
「わ!ありがとう・・・!」
「やっぱりサオリには赤が似合うんじゃないかな」
「ぼくはむらさきがいいとおもうぞ!!」
「いや、赤だろ?」
「むらさきだ!!」
「・・・なんだよ、こないだまで俺のかげでイザベラが怖いとピーピー泣いてたのに」
「な!も、もうあのころのぼくじゃないぞ!サオリがうまれかわったいま、ぼくだってうまれかわったんだ!!」
「・・・へぇ、でもまだ子供なんだから黙っていようか」
「に、にいさまだってまだこどもじゃないか!!」
「・・・言うようになったね」
「にいさまだっていじわるだぞ!!!」

 

 

「ケンシンくんが言うなら紫にしようかな・・・って思ってたけどこの紫露出すごすぎて着れないし、赤はセクシーすぎるしやっぱりこっちのピンクにするね💖」
「・・・そうかい」
「え!わ、わかったぞ・・・」
「じゃあ着替えてくるね!!」

 

 

 

私は早速着替えて ユキムラとケンシンくんと馬車に乗り込み会場へと向かった。

 

 

ついた先は きらびやかで美しい宮殿だった・・・

 

 

 

 

(はわわわわ・・・!)
(なんつーかわいさ・・・!!)
(これぞまさに映画の世界・・・)
(そんな素敵なところでこんな可愛いドレス着てケンシンくんがエスコートしてくれるとか・・・)
(私もう死ぬのかな・・・?)
(・・・いや、シャレにならんからやめとこ)

 

 

とりあえずユキムラたちと一緒にいたんだけど、ユキムラとケンシンくんは挨拶回りに行くとかでいなくなってしまった・・・。
私はイザベラの記憶を精一杯たどり、
○○叔父様ごきげんよう とか ○○侯爵ご無沙汰しております とかなんか話しかけてくる紳士淑女の皆様にご挨拶をした・・・
そしてご挨拶をしながら肉を食べた・・・

肉うまい・・・
どの時代も肉はうまいな・・・
変わらない味・・・肉・・・

 

 

モシャモシャと肉を食べていたら 突然周りの人たちが頭を下げ始めた。

 

何事? と思いながらのんきに肉を喰い続けていると

 

みんなが頭を下げてる先の男が こちらを振り向いた。

 

 

 

 

そして 私は

 

持っていた肉を  ボトリ と床に落とすのだ。

 

 

 

 

 

 

まさか

 

 

うそでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あ?てめぇはイザベラ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

周りが頭を下げているから 呆然と立ち尽くした私が嫌でも目に入ったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・アトベ」

 

 

そう呟いた私の頭を どこから飛んで来たのか、ユキムラが慌てて グッと掴んで下げた。

 

 

「何やってるんだ!王子様に向かって礼もしないで・・・おまけにミドルネームで呼ぶなんて・・・殺されるぞ!」
「ご、ごめん・・・」

 

 

アトベは フン とマントをひるがえし、中央の王座へと腰かけた。

 

 

マジかよ・・・

いや・・・・

もし知り合いが攻略対象キャラなら・・・

 

 

 

王子は アトベなんじゃないか、と薄々思ってはいた

 

けど

 

その通りだった。

 

 

 

 

(はーーーーーーーー)
(マジか・・・)
(マジかぁーーーーー)
(王子様、跡部かぁーーーー!!!)

 

 

 

 

跡部は 同じ学校ではなかったけど、まぁちゃんと幼馴染の3人が氷帝に通っていたし学校も近かったし
まぁよく私まで一緒に連れまわされてたんだよね・・・。
そして私がラーメンが食べたいと言えば北海道に連れてってくれるし
まぁちゃんがフォアグラ食べたいと言えばフランスに連れてってくれた・・・
なんか向こうでのあだ名もキングだったし、すごいわかる・・・超納得・・・もう言うことない。

 

 

でも強いて言うならすごい気軽に 跡部 って呼んでたから
なんか王子様で敬語使わないといけないの ちょっとめんどくさい・・・。

 

 

でもこの人のルートで主人公と結ばれたら私処刑されるんだよね・・・
可愛いケンシンくんのためにも死にたくないからなんとかご機嫌取らないといけないな・・・
肉食ってる場合じゃないぞこりゃ・・・

 

 

 

 

 

 

「挨拶に行っておいで」

 

ユキムラにこそっと耳打ちされた。

 

「あ、そうだよね、今ちょうど(処刑されたくないからご機嫌取りに)行こうと思ってたんだけど・・・」
「サオリが第一王妃候補なんだから早く行かないと失礼だよ」
「だね、今行ってく・・・・・・・・ん?」

 

 

 

 

 

え?

 

なになに?

 

 

第一王妃候補   って言った???

 

 

 

 

 

 

 

「は?どうゆうこと?」
「え!?あんなに大喜びでそれはもう厭味ったらしく自慢して歩いてたのに忘れたの!?」
「え!?え!!?」
「・・・はぁ。無理もないか。以前の君とは別人だもんね」

 

いいかい?王家に嫁げる人間ってのは数少ないんだ
その中でもサオリは最王位の貴族だから、もうきみがご内室第一候補と決まっているんだよ、わかったかい?

 

 

そう、ユキムラに言われたとき

 

 

(・・・あ、)
(そうだ)

 

 

 

思い出した

 

 

 

 

王子様のお嫁さん第一候補に選ばれたってそれはもう今まで以上に偉そうに鼻が高くなって
少しでもナマイキな人がたら「王子様内室第一候補のこのわたくし無礼な真似を・・・!」とか言ってなんか偉そうに処罰とかしてた。
マジクソ。イザベラ、クソ!!

 

 

そしてあれだね。

 

あれだわ。

 

 

 

めっちゃ王子に色目使ってすごい嫌われてたけどめげずにガンガン迫ってたの思い出した。

イザベラやべぇな・・・
王子様に色目使うとか・・・

 

 

てか王子様跡部なら私色目使うのもやだし結婚もしたくないな・・・

 

 

まぁだからどのルートでも王子と結婚する前には処刑されたり殺されたり国外追放されてるから王子とは結ばれてないはずだけどね。

 

 

アトベも可愛そうだね・・・
イザベラみたいなクソと結婚させられそうになって・・・
しかも迫られてるとか・・・
アトベってハッキリ物事言うけど、紳士だから傷つける言葉は言わないもんな・・・
相当嫌だったに違いない・・・
だってさっき舌打ちされたもん(白目)

 

 

 

 

「ほら、またぼーっとしてないで!挨拶に行っておいで!」

 

 

礼儀正しくね! とユキムラに背中を押され
あまり気が乗らない中、王子の元へと向かった。

 

 

 

(はー・・・)
(どう見ても跡部・・・)
(アトベが王子・・・)
(だめだ、そのまんますぎて笑う・・・)

 

 

王子へ挨拶の列が出来てそこに並んで
私の番が来た時、跡部はロコツに嫌そうな顔をした。

 

 

(紳士だけどめっちゃ態度に出すよね跡部w)

 

 

 

 

「失礼いたします。本日は王子様にお会いでき至極光栄でございます」
「あー、わかったわかった、お前はもういい・・・ってわけにもいかねーか、一応勝手に決められたとはいえお前は俺様の嫁の第一候補・・・とりあえず頭をあげろ」

 

 

(俺様!!)
(ヤバイ、跡部のまんまじゃん!!)
(笑う・・・!!)

 

 

頭をあげろと跡部が言ったので
グッと顔をあげて跡部を見た。

 

 

うん!
どっからどう見ても 跡部だ!!

 

 

(うけるw)

 

 

跡部はというと、イザベラを相当嫌ってるのかものすごく嫌そうな顔をして イザベラからの次の言葉にかまえていた。

 

 

(ロコツに態度に出すな!!)
(跡部だってまだチビのくせに!!)
(中1で会った時と同じ顔してるわ!!)

 

 

 

「・・・いえ、本日はこの辺で失礼させていただきます。町では風邪が流行っているそうです。王子様も体調を崩さぬようご自愛なさってくださいませ」

 

それでは、 とそそくさと後にしようとした私に

彼は

 

 

「は?」

 

と眉間にしわをよせた。
いや、跡部はいつも眉間にしわを寄せてるんだけど(三バカとまぁちゃんのせいで)

 

「・・・お前今なんて言った」
「へ?今? それでは と申し上げましたが・・・」
「ばか!違う!その前だ!」
「(ばかって言われた)(ちょっとム)・・・ご自愛くださいませ、と」
「・・・いつも一方的に自分の話しかしねぇお前が ご自愛くださいませ、だと?」
「(跡部に言われたらイザベラもおしまいだな・・・)」
「フン!お前も挨拶のひとつも覚えたか!!」

 

救いようのねぇ女だと思ってたが少しはマシになってきたじゃねーか

 

そう、跡部は人を小馬鹿にしながら笑った。

 

は?
ちょっと失礼なんですけど・・・・・

 

 

 

(でもイザベラが救いようのないクズ女なのは事実!!)
(跡部って見る目はあるんだよなー)

 

 

「・・・失礼致します」

 

 

私はとりあえずペコリと頭を下げて 逃げるようにその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

後から聞いたが 跡部の名前は

ライアン・ケイゴ・アトベ・ザンダー

らしい・・・。
まーたムリヤリ現世名入れてきたな!って思ったけど

 

 

”ライアン”

 

 

こちら、跡部が攻略対象メインキャラの王子様で確定しましたっ!!!(白目)

+5