あの後、お母さんとお父さんが改めてお礼を言いに行くって言って、(特に私は誘拐未遂疑惑もあるため)
一緒に行くか聞かれて、もちろんついていった。
日曜日にお邪魔したので、白石くんのご両親がいて、うちの両親のお礼の品にびっくりしてた。
榊グループの自社の様々な商品を持って行ったから超驚いてたよwww
そりゃそうだwww
まぁちゃんも一緒に、白石くんと、お姉ちゃんと、ゆかりと遊んで。
そんなに長居するのも悪いからと本当に少しの間だったけど・・・
白石くんとまた会えたことがうれしかった。
「さおりちゃん、小学校入学したんやろ?何組やった?僕1組やった!」
「わ、私も、1組だったよ!」
「ほんまに?一緒やなぁ」
そういってニコニコ笑う白石くん
(*´Д`)=3ハァ・・・
本当に白石くんは今日も可愛すぎてしんどいわ・・・
そして、私、白石くんに「さおりちゃん」って言われて幸せすぎてやばい。
なんだろうこの幸せは。
というか、前世で幸せと思っていた幸せは本当の幸せじゃなかった・・・?
私今にも倒れそうなくらいうれしくて幸せ。
白石蔵ノ介という人間がこの世に存在しているだけで、全ての生きとし生けるものに感謝をしたい。
とにかく白石家のお父様とお母様には多大な感謝を・・・そして、神様にも忘れずに・・・。
「く、くらのすけくん」
「なぁに?さおりちゃん」
ジーン(´・ω・`*)・・・・・・・
なにこれ
これほんと、何百回も夢に見たし、何百回も妄想したし、現実になってほしいと願ったけど、これが現実?もう私死んでもいいって思えるくらいの幸せだ。いや、まだ死んだらだめだ・・・。最終目標は白石家の墓に入ること・・・。
「くらのすけくん、小学校頑張ってね」
「うん、がんばるよ」
「また会えたらいいね」
「会えるよ、きっと!」
「・・・そういってもらえると嬉しいな・・・」
自然と顔が緩んだ。本当に子供白石くんは優しくてかわいい。
ありがとう、白石くん・・・私また明日から頑張れそうだ!
「さいごに、みんな写真撮ってもらっていいかな?」
「ええよ!」
「お父さん、写真撮って」
運転手さんがカメラを車から持ってきてくれて、お父さんがカメラを構えた。
子供たちだけで玄関の前に並ぶ。
私はもちろん白石くんの隣・・・
みんなでピースをして、良い写真が撮れたと思う。
そのあとはバイバイして、白石家の皆さんと別れた。
白石くんは車が見えなくなるまで、ずっと手を振ってくれていた。もう感謝しかない・・・。
お父さんもお母さんも「良い方たちだったね」と話していて私も嬉しかった。
そうなの、白石くんって本当にいい人だから、そんな白石くんを育ててくれたご両親も良い人なの。本当に全員美形で素晴らしいご家族だった。
お姉ちゃんちょっときついけど、面倒見いいし、あれは将来立派な大阪のおばちゃんになるな・・・。
「さおちゃん、よかったね」コソコソ
「うん、きみもありがとう」コソコソ
次は謙也の家だなって思ったけど、まぁちゃんが寝たふりをし出した。
まぁちゃんは「謙也にもう会わない」って言ってたんだ。
「アタシ、謙也にもう会わない」
「え!?なんで!?」
「謙也はすごいかわいかった」
「うん」
「だから、もう満足した」
「うん」
「やっぱりアタシたちが東京に住んでるってことは、あまり会わないほういいのかもしれない・・・」
「うん・・・」
「謙也が存在しているっていうのは確認できたし、今はそれでいいわ。謙也には、これから私のいないところですくすく成長して、アタシが知ってる忍足謙也になった時に、また会おうと思う」
これが昨日の会話。
私はその話を聞いて、確かにあまり白石くんの人生にかかわらないほうがいいのかもと思いなおして、会うのはこれで最後にしようと思った。
だから最後に写真を撮ってもらったんだ・・・
(この写真を思い出にして、白石くんとはもう会いません・・・大きくなるまで)
車の中でまぁちゃんが寝たふりをして、(多分そのうち本当に寝る)
忍足家に来た時は、うちの両親もまぁちゃんが寝ているから車に置いていこうっていう話になった。
私も下りないでまぁちゃんと一緒にいるって言ったから、両親だけでご挨拶にいった。
両親は、私たちが車にいるから、おそらく玄関先だけで挨拶をすませたんだろう。
すぐに出てきた。
と思ったら、
その脇を謙也が走ってきて、ちょうど私の前にある窓の前にとまった。
私は運転手さんに言って窓を開けてもらう。
すると謙也は私に話しかけてきた。
おそらく、両親に双子の姉がいること、まなみは寝ていることを聞いたのだろう。特に私でも驚く様子はなかった。
「まなみ寝とるんやろ!?」
「う、うん(え~~~~~謙也くそかわいい!!!)」
「これまなみに渡しといて!」
そういって手を伸ばしたので、私も手を出した。
私の手にコロッとしたものが乗せられ、それを見ると、
「消しゴム・・・?」
におい付きの消しゴムや、かわいい形の消しゴムがいくつかあった。
「気に入ったのあったら、二人で分けてな」
そういって、笑う謙也。
かわいい。
このころの謙也、黒髪だし、普通にかわいい。こりゃかわいいわ。
両親が戻ってきて、車に乗り込む。
私は謙也に手を振ったら、謙也も振り返してくれた。
車も出発したので、まぁちゃんをふと見ると。
(あれ?)
まぁちゃんは肩を震わせていた。
(泣いてる・・・?)
まぁちゃんは絶対起きてて、会話を聞いていたんだろう・・・
感極まってしまったんだと思う・・・
(気持ちはわかる)
刀剣男士なら、絶対に桜が舞ってるだろうなと考える。
手の中にあた消しゴムをまぁちゃんの横に置いて車の揺れに私も身を委ねることにした。
(よかったね、まぁちゃん)
きっとこれは、私たちの一生の宝物になるんだと思いながら、目を閉じた。