は~~~
転生しちまったよ
いいことはしておくもんだね・・・
ご褒美が最高すぎたよ・・・
(無意識の善行だけど)
いやぁ、やっぱりね人のために死ぬと良い人生が送れるってえはらさんが言ってたけど、本当だね・・・
1000人規模で助けると、願い通りの世界で生まれられるんだね・・・
謙也がこの世界に本当にいるかわからんけど。
それを確かめたいとはずっと思ってた。
でももう少し大きくならないとダメだと思ってたし、なんとなく謙也がこの世界のどこかにいるような気はしてたんだけど。
(まぁでも・・・生まれた時から会いたいと思ってたのは本当だよ・・・)
いつも突拍子もないことを言い出すのはアタシのほうだけど、
今回はそれを確かめるために、さおちゃんの提案にのったのだった。
さて、ショタのさおちゃんの強い希望により、さおちゃんは白石に、アタシは謙也に会いに行くことになったのはいいものの。
幼稚園を卒園したばかりの子供には正直難しいミッションだと思っていた。
でも、脳内がBBAだからなんとかなってしまった。
(ま、本当に存在しているか確認したいし、アタシも会いたいし・・・)
(正直、子供のころの謙也には会いたい・・・)
(本当に落ち着きなかったら笑っちゃうかもしんない・・・)
たまたま道頓堀にいたアタシは、そのまま謙也のお父さんがやっていると思われる「忍足医院」に向かった。
初めは小学校行こうと思ったけど、電話帳で忍足医院の文字を見つけて予定変更。
こりゃ病院に行くしかないなと思った。
忍足医院は、私たちのいる道頓堀の観光場所から、割と近かったんだこれが…。
とことこ歩いて病院へ向かう。
アタシ地図とかよくわからないし、さおちゃんが行き方をメモにしてくれたよ!
地図見て「コンビニを右」とか書いてくれたから、このメモの通りに歩いてる。
近いとはいえ、子供の足で20分以上歩いてようやく・・・
「あ!あった!」
忍足医院の看板を見つけた。
(うわああああ)
(あったあった!本当にあった!)
(け、けんやはいるかな!?)
観察していると、忍足医院の隣の敷地に立派なおうちが・・・
そういえばなんかのアニメで謙也と忍足が白衣着て遊んでるのあったわ・・・
あれお父さんの仕事着持ってきたけど、家となりだからってこと???
うーんと考えていると病院から、患者さんっぽいおばさんが出てきた
「あら、どないしたん?お嬢ちゃん、中入るん?」
「えっと・・・(入ってもなぁ・・・受診できないし・・・)」
「お母ちゃん中かいな?ほら、はよ入りー」
大阪のおばちゃんがご丁寧に忍足医院のドアを開けている。
自動ドアだから、入らないと非常に迷惑である。
大阪のおばちゃんめ・・・すごいな・・・。
仕方がないので中に入る。
「これ、履いてお母ちゃんのとこいきな!中おるんやろ!!」
おばちゃんは子供用のスリッパをとって、目の前に置いてくれて、アタシが履くのを待ってた・・・
仕方がないから靴を脱ぐと、靴をさっさと下駄箱にしまい去っていった・・・
大阪のおばちゃんすごすぎない??子供に容赦ないな!!
仕方がないからトボトボと中にはいる。
受付の人が立って不思議そうに見ていたので近づいた。
(はぁ・・・もうこうなりゃヤケだ!!)
「あ、あの・・・」
「どないしたん?お母さんは?」
「け、けんやくん、いますか?」
「え、けんや?」
(うおおおお言ってしまった!!!)
(言ってしまったぁ!!!)
とにかく本当にいるのかを確認したくて、
おしたりけんやという人間がここにいるのか、存在を確かめたくて、
名前を告げてしまった。
すると、その受付の人はにっこり笑って、
「今呼ぶから座って待ってて」
そういってくれた。
そして、電話で「謙也、お友達来てくれたで」と伝えてくれた。
アタシは言われたまま空いているソファに座り、謙也を待つ。
(け、けんやに・・・)
(けんやに会える・・・)
ドキドキドキドキドキドキドキドキドキ
鼓動が早くなる
すると、病院の奥のほうから、バタバタという音が聞こえた。
受付の人が「けんや!走らない!」というと、ピタっとその足音が止まった。
「おかん!友達って誰!?」
まだまだ幼い顔の謙也が、目の前にいる
(いた・・・)
(謙也、本当にいたんだ・・・)
思わず涙がこぼれそうになる
謙也がいた・・・
アタシが泣きそうになって顔をゆがめた時、
「誰これ?」
そう謙也が言った。
(あ、やば)
そうだそうだ、アタシと謙也はまだ友達じゃなかったんだ
アタシがどうしようかと考えていると、子供謙也が止まらない
「え、友達って誰が?俺知らんで?お前誰や!!!」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
こ、
このやろ~~~~~~
すごく素直に「誰や!」なんて言うから腹立ってきた!!!
別の世界でお前のことを10年好きだった女だよ!!!!
お前と結婚したくて転生してきた女だよ!!!!!!
少しは
空気読んで
女の顔を立てろ!!!!!(無理)
子供謙也にそれを求めるのが間違っていた・・・
わかってる・・・
6歳の謙也は純粋そのものだもんな・・・
謙也って書いて純粋って呼んでもいいくらい・・・
謙也に「知らない」とはっきり言われた私に、受付の謙也の母と思われる人が話しかけてくる。(美人だった)
「謙也のこと知っとったよねぇ?同じ幼稚園やった?」
「えっと、ゆうしくんに聞いて・・・」
そういうと、「ゆうし!?」と謙也が反応した
まぁなんだかんだで仲良しだからな・・・この二人は・・・
「あ、ゆうしの友達なん!?そうなんか!ほな、東京から来たん!?」
「う、うん・・・」
「ゆうし今東京やもんなー、東京で俺のこと話とった!?」
「うん(あいつ東京にいるのか)」
「そうなんか!」
私は忍足(メガネ)が転校が多かったことを知っている
本当に適当に言っただけなのにどうやらなんとかなったようだ
(まぁ忍足にアタシのこと聞かれたら終わるけど)
でも、やっぱり、東京から来たという女の子が一人でいるのが気になったらしく、
謙也のお母さんにいろいろ聞かれて、
アタシは「道頓堀を観光していたら、迷子になってしまい、ゆうしに聞いた病院が見えたから入ってけんやくんに助けてもらおうと思った」と適当に伝えた
それを謙也のお母さんは信用してくれて、すぐに警察に電話してくれた。
うちの親もさすがに警察に相談してたみたいで、折り返し連絡がきて、すぐにタクシーで迎えに来てくれると言っていたらしい。
「謙也、お話してあげとってな」
病院の受付があるから、謙也のお母さんは忙しそうで、
アタシは謙也に連れられて、病院の奥の玄関から家に向かった。
(おおおお!!!!)
(謙也の家に入れた!!!!!)
「なんかのむー?」
そう謙也が聞いて、何でもいいと答えると、麦茶を出してくれた。
「まなみ言うたっけ」
「うん」
「何歳なん?」
「6歳」
「え、俺と同いやん」
「うん、もう少しで入学式」
「俺も!来週入学式やねん!」
そういうと、自慢げにランドセルを持ってきて見せてくれた。
え、ちょっと、子供謙也かわいいんだけど・・・
確かにそわそわずっとしてて落ち着きないんだけど、超かわいいんだけど・・・
さおちゃんじゃないけど、これはキュンとするし、会えてうれしい・・・
謙也に会えてうれしい・・・
本当に感動しちゃうな・・・
謙也がここにいる・・・
夢みたい・・・
これが現実だということをかみしめる
正直、幸せすぎた・・・
(あれ?そういえば・・・)
(しょーたいないぞ?)
「・・・一人でお留守番してるの?」
アタシがそう聞くと、「おん!」と謙也は言った。
「弟おるけど、保育園やねん。俺はこないだ卒園したから、もう行かへん」
「え・・・(大丈夫なの?ウロチョロするのに謙也!危ないじゃん!!)」
「おかんとかたまに見に来るけど、やっぱり暇やし、まなみが来てくれて良かったわ!!」
そういってニカッと笑う謙也
はあぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~
しんどい
まじかよ、子供謙也尊すぎる・・・
こんな素直でかわいいのかよ・・・
天使じゃんか・・・
さおちゃんの気持ち超分かる・・・
謙也と結婚したら、謙也とそっくりの男の子産んでめちゃくちゃ愛でたい・・・
すごいかわいがりたい・・・絶対かわいい・・・
早く結婚して子供産みたい・・・謙也の子供を産みたい・・・
(↑まだ6歳)
「何して遊ぶ!?」
そわそわして目を輝かせる謙也は間違いなく天使だった
だけど、
やっぱり早く、
大きくなった謙也に会いたいよ・・・
二人でトランプやって遊んで、そしたら家の電話が鳴って、
けんやが「おかんや!」って出たら本当にお母さんで。
うちの両親が来たみたいなので、急いで病院に向かった。
お母さん泣かせちゃって悪かったな。
さすがに同じ道頓堀で近かったからアタシのが先に見つかったみたい。
まださおちゃんがいないから、いろいろ聞かれたりしたけど、
うちの親が謙也のお母さんに挨拶してる時に謙也のところに行った。
「ありがと」
「おん、もう1年生やから迷子はあかんで」
「うん、わかった」
「楽しかったな!また遊ぼうな!」
(またって言ってくれた!!!)
その言葉に思わず笑みが出る
(うれしいうれしい!!!)
嬉しくて、謙也に近づく
「けんや!」
「なに!?」
「おおきくなったら結婚して!」
「え!?」
「じゃあね!!ばいばい!!」
それだけ言うと、アタシは病院を後にする
(・・・よし!)
謙也が本当にいたことがうれしい
謙也が存在している世界にいられることがうれしい
謙也がアタシの名前を呼んでくれたことがうれしい
(絶対、謙也と結婚しよう!!!!)
そう改めて心に決めて、
アタシは両親とタクシーに乗り込んだ。
(さおちゃん白石と会えたかなぁ)