041***白石

まなみの後に、立海、そのあと氷帝がやってきて、俺は散々怒られて。

そのたびにまえさんは俺をかばってくれたけど、

おれはみんなが怒るのは当然やと思って一日中怒られてました。(反省はめっちゃしてる!)

 

朝倒れたまえさんも、どんどん元気になってきて、トイレも全然一人で行くし(水分とりすぎてトイレ近くなったって文句言っとった)

夕方にはマンゴーと橘くんが作ってくれた握り飯(塩多め)を食って、俺が飯食いに行ってる間にまなみとシャワー浴びるって言うてたし、

見た感じはいつものまえさんと全く変わらんくらいに回復していた。

 

(とりあえず・・・大丈夫そうやな・・・)

 

熱中症の軽いものは回復が早い。

とはいえ、重症になると死に至る症状や。

 

「今日は早めに寝てな、明日の朝は手伝いとかええからゆっくり寝とるんやで!」

 

夕飯のあともう一度顔を見に行ったが、体力回復のためにも、さっさとコテージからは立ち去った。

俺がいても逆に気ぃ使わせるだけやし。

まえさんは俺の言葉に頷いて笑って、「もう大丈夫だよ」と言うてた。

 

今日一日ずっとまえさんのそばにいたのもあって、体動かしてへんから帰りに軽くランニングして。

戻ろうとしたところで、

 

 

 

「白石!」

 

 

 

声をかけられた。

振り向くとそこには・・・

 

 

 

「何してんねん・・・お前ら・・・」

 

 

 

四天宝寺のみんながそろっとった・・・

 

 

 

「白石ー!ねぇちゃん大丈夫なん!!?」

「おお、もう大丈夫やで」

「それはよかったばい」

「謙也も、今日はおおきにな」

「いや、ええねん!元気になった良かったわ!」

「で、なんで集まってんねんこんなとこで」

「謙也がな、廃病院見つけたんやって!!せやから探検に行く計画や!!」

「金ちゃん、声大きいばい・・・」

「せやで!他のやつに見つかったら反対されるから静かにせな!!」

「えー!探検いけんくなるんは困るから静かにするー!」

「いやいや、危ないやろ、ここは手塚くんに相談したほうがええんちゃう?」

「絶対反対されるやろ!…しかもあっこ、TB…Tuberkuloseってカルテにあったし…」

「え?それ結核やろ?隔離病棟やん」

「お化け出てくると?」

「お化け!!わいお化けと勝負するわ!!」

「なんのや。ええから落ち着け金太郎。ともかく、俺らでまだ探検しとらんところ行ってみようや。この情報を打破できるもんがあるかもしらんし…」

「…まぁ、俺も早くまえさんを家に帰してやりたいし…状況が変わればええとは思うけど…」

「せやろ!?ほな、明日みんなで行ってみよ」

「けど、まえさんのこと心配やしなぁ」

「大丈夫やろ、まなみもついてることやし…明日の午前中だけでも探検にいってこよ」

「やったー!楽しみや!」

「金ちゃん、静かにするばい」

「…まぁ、金太郎止めれるの俺しかおらんしな。しゃーないから付き合ったるわ」

「おお!ほな明日9時にここに集合な」

「おう」

 

 

 

 

 

!!!???

 

 

 

 

「え…待って待って!!いつからおったん!!??」

「さおちゃんは大丈夫かってとこから」

「最初からやん!!」

「気配なかったで・・・」

「うむ、気配を消すのは得意だ」

「え!?忍者なん!?すごない!?」

「半助の嫁だからな!」

「半助って誰や!」

「えーっと、ほんで、行く気なん?」

「うん、いく」

「なんで!?今日めっちゃビビってたやん!!」

「今日は急すぎたからな。これだけの人数で行けば明日は大丈夫だ!」

「あかんて!危ないやん!」

「大丈夫だ、お宝がアタシを呼んでる…(´┓`*)」

「あかん!」

「…………だって謙也守ってくれるんでしょ?」

「え、あ、ま、まぁそら当然やけど・・・」

「じゃあ大丈夫だ」

「いや、大丈夫…やないやろ」

「よかよか」

「千歳ー何がええのー?」

「え、ほな、まえさんには内緒にしてな?連れてくるとかなしやで?あの子病み上がりやし、怖いの嫌いやろうからめっちゃ心配」

「さおちゃんに言うはずないしょ。廃病院きもかったからね、そんなところさおちゃん行かないと思うし」

「ほな、安心やわ」

「…ほな、明日、9時にここ集合で。誰にも言ったらあかんで」

「おう!!わかった!!」

「了解たい」

「…わかったで」

「がってんしょうちのすけ!」

「いつの時代の返事やそれは」

 

 

 

こうして、謙也の見つけた廃病院にみんなで行くことになり、今日はそれぞれ解散となった。

俺たちもロッジに戻る。

 

 

(明日行く前にまえさんのとこ、顔出していかなあかんな)

 

 

1日でも、1時間でも、1秒でも早くここから出れるように。

いつ終わるかわからないこの状況を何とかしようと、俺たちは動き出したのだった。

 

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