「てことで、私バレー部に入ることになったんだよね、何にもバレーのこと知らないのに」
「へー、いいんじゃない?」
居間でそんな話をまぁちゃんとしていた。
「いーかなぁ?でも亮とかにテニス部誘われてたから少し悪かったかなーって」
「あいつら何も考えてないし大丈夫だろ」
「まぁちゃんはテニス部入ってあげるの?」
「いや、私もう入ったから無理だわ」
「えっ!?入ったの!?」
「そう」
「うそ、何部?」
「バスケ部」
「え!なんで!?」
「いや私毎日バスケ部の腹チラ見に行ってたじゃん」
「え、知らないけど…そんなことしてたのかいきみ…」
「そしたらさ…虹村先輩が暇なら入れって言ってさ」
「誰…虹村先輩誰」
「ほら私虹村先輩好きじゃん」
「いや知らないよ!誰さ虹村先輩!」
「虹村先輩に言われたらね…入るしかないから…」
「そうか…よくわからんけどきみが虹村先輩を好きなことはわかったよ…」
「あとね、軽音楽部に入る気満々」
「!? どうしたのきみ!!意外だね!!」
きみはもっとめんどくさがって何もやる気ないと思ってたよ!!と言うと
「どーせ先週俺とけいおん見たからでしょー」
と、つまんなそうに清光が言った。
「Yes!!」
「軽音楽部っつったって主楽器出来ないじゃん」
「いーのあたしボーカルだから」
「いや、軽音楽部ってそーゆーんじゃないから、楽器出来なきゃダメだから」
「何怒ってるの?清光…」
「だって!!主ってば!!!俺と剣道部のマネージャーなるって約束したのに!!勝手にバスケ部入って!!!」
「え、きみ、清光と約束したの?」
「してない」
「し・た・の!!主忘れただけでしょ!ほんとムカつく!何のために俺剣道部頑張ってきたと思ってんのさ!」
「知らん」
「主にかっこいいとこ見せたいからでしょ!?そのために爪剥げそうになってもがんばったのにぃ!!」
「えー、やましい理由」
「清光ーだったら部活やめていーけど、バスケ部入ればー」
「安定うるさいよっ!やめないしっ!」
「おいおいお前ら喧嘩すんなよー」
「誰のせいさ、もうー!」
(清光ほんとまぁちゃん好きだなー)
(それにしてもまぁちゃん、軽音楽部も入る気満々だなんてすごいな…)
(成長したなまぁちゃん…)
「で、バレー部イケメンいるの?」
「いる!!」
「食いついたw」
「まず黒尾くんがすごいかっこいい!!」
「黒尾知らん」
「あと、牛若くん!!」
「へー牛若知らん」
「あとはまぁ、菅原くんも可愛い顔してたかなぁ」
「菅原知らん」
「てかまぁちゃんのクラスにバレー部いるの?」
「知らん」
「知らんしか言ってないね」
「まだクラスでコーイチとジローとディアンヌしかしゃべってない」
「きみ人見知りだもんね」
そんな会話をしていると
玄関がガラガラと開いて、チワーッス!と大きな声が聞こえた。
(お!)
(この声は!)
「よー。さおりまなみいるかー?」
「花道っちゃん!!」
「よぉ、花道ー」
私達の大好きなイトコ、花道っちゃんのご登場だ!!
(わぁーーい♡)(久々に会ったー♡)
「入学おめでとなー。合宿行ってて会いに来るの遅くなっちまった…わりかったな」
これ、お祝いと花道っちゃんは御祝儀袋を取り出した。
じーん!お兄さんだー!泣けるー!
「花道っちゃんこそ大学入学おめでとうだよ!!」
「ほんとなー、バスケ推薦取れてよかったよねー、花道の頭じゃ大学とは無縁だもんねー」
「ふぬー!まなみは相変わらず生意気だなー!」
「とか言ってまぁちゃん、花道っちゃんの影響かバスケ部入ったんだよ」
「なぬ!?」
「いや別に花道の影響じゃない、虹村先輩が…」
「そうかぁ、あのまなみがねぇ…そりゃーミッチーも喜ぶぜ」
「なぜ三井出てきた」
「さおりは何部だ?」
「私はバレー部」
「球投げ遊び部か」
「うん…あながち間違えじゃないけど…」
「そーいや花道、リヴァイ知ってる?」
「おー、チビせんこーか」
「今担任なんだよね」
「まじか!ワハハ!まなみ問題児扱い(爆笑)」
「ヤバイよね、むかつくわあの刈り上げチビ」
「まぁな、けどおりゃあゴリのが強烈だったからよ…」
「まぁ花道はバスケにハマって途中からバスケばっかだったしあんま気になんなかったんだろうね…」
「がんばれよ」
「うん…」
そんな会話をしていると、あれ花道くん来てたの?ご飯食べて行くでしょ?と光忠がやって来た。
みんなも呼んでこなくちゃ、なんてテーブルには美味しそうな料理が並んだ。
「おー、光忠の飯はいつ食っても美味いから好きだぜ!」
花道っちゃんは食べ尽くす気満々だ。
ドタバタと短刀ちゃんたちがやってくる。
「あー!花道さんだー!」
「ほんとだー!」
「わーい!花道さん、遊んでくださーい!」
短刀ちゃんたちが群がり、花道っちゃんは飯食ったらなぁ、なんて笑っている。いいなぁ、あんなに短刀ちゃんたちに囲まれて…大人気だね。
みんなが席についたら今日は花道っちゃんも一緒に
「いただきます!!」
美味しいお夕飯タイムが始まった。