電話をすると、 白石が謙也の家に飛んでやってきた。
「フッ・・・俺な、完璧な計画立てとってん」
そんで落ち込んでんのか、気取って話を始めるコイツを 今アタシはとても
殴 り た い 。
「なんや白石、おセンチさんやなぁ~哀愁漂ってんで」
「気取ってるだけにしか見えないしむかつくねこいつ」
「初めてのデートやろ?気付いたら完璧な計画立てて、話の内容も台本通りやったんや・・・」
「え!気持ち悪いんですけど・・・なに台本って・・・お前台本なんて作ってたのかよ」
「当たり前やん!!何通りかの受け答え想定して完璧なデートを計画しとったんや!この俺に抜かりはないわ!」
「抜かりはないって以前に超ウザイしキモイよ・・・」
「こいつはこーゆうやつやで」
「白石の個性が見えてきたよ・・・」
「なのに・・・なのにっ!帰りの車の中やで!?デートの終盤、一番大事なとこや!」
「筋書通りにいかなかったわけね・・・」
「せやねん!なんか俺さおりちゃんこと好きかもぉ~ちゅうか、大好きや!って気付いてから全部筋書き吹っ飛んでもうて」
「やっぱし好きて自覚なかったんかこいつ・・・」
「それでよくさおちゃんをデートに誘えたもんだよ・・・」
「最終的に・・・わけもわからず・・・まなみちゃんの話ばっかしてもうて・・・」
(え?)
「今、なんて?」
「・・・せやから、まなみちゃんの話ばっかしてもうて・・・」
・・・・・。
∑(。・д・。)b ア、ナルホド!
「お前かーーー!!!!!お前のせいか白石ーーーーー!!!!!死ねぇぇぇ!!!!!」
「おおおおお!!!ま、まなみ落ち着けーーーー!!!ホンマに死ぬ!!白石が死んでまう!!!!」
白石の首を思い切り絞めた私を謙也が止めた。
いやもう殺人犯になってもいいから 殺させてくれ!!
(白石のせいでさおちゃんが勘違いしたんだっ!)
(そういえば、2人でランチとかするのちょっと嫌そうにしてたもん!)
(アタシだって白石とランチとかしたくないけどアイツが寄ってくるんだもん・・・)
(ってどっちにしても白石のせいだ!!!!!)
(ゆーーーるーーーーさーーーーんーーーーー!!!!)
ヽ (#`皿´)ノ ムキーーーー!
~約15分間暴れまくる~
「ゼェゼェ・・・恐ろしいわ、このみなぎるパワー・・・」
「ほんまやで・・・止めるのも一苦労やっちゅー話や・・・」
「くそ・・・やりそこねたか・・・ゼェゼェ」
「殺人犯なんかになったらあかんよ・・・」
「いや、話はわかった。まなみちゃんが暴れてる間に無駄なく謙也から聞いたで!」
「ちゅうか俺の部屋が・・・」
「俺が悪かったわ、それはすまんことをした」
「悪いと思うならなんとかしろ!今すぐさおちゃんに告ってこい!!」
「え!?それは無理やわ!!」
「なんでさ!!それが一番簡単に解決できるだろーが!!」
「いや・・・さおりちゃんが俺のこと好きかもわからんのに告白て・・・」
「好きに決まってんだろ、態度見ててわからんのか!」
「けど!まだデート1回しかしてへんし!!俺の完璧な計画ではデートは最低3回は必要やねん!」
「キモイ!!童貞みたいなこと言ってないでさっさとしろーーー!!!」
「あかん!ここは譲れへんねん!無駄なく完璧にいきたいねん、俺は!!」
お前のその考え自体が無駄だよ・・・
そう思ったけどこれ以上言っても伝わらなさそうだからもうやめておいた・・・(疲れたし)
「あ、そうだいいこと思いついた」
「何?」
「今から白石も一緒にさおちゃんに謝りに行けばいいんだ」
「それはしゃーないな、もとはと言えば俺のせいやし」
「そんでついでにデートしてこい、今日ヒマだろどーせ」
「え!?もう2回目!?早すぎやろ!1回目のデート昨日やで!?」
「だからいいんだろうが!さっさと告って付き合っちまえ!!」
「なんて横暴な・・・けど、今日も会えるなら俺はそれはそれで・・・」
「ええんかい!ちゅうかもうお前らさっさと帰ってくれ・・・これ以上俺の家ぐちゃぐちゃにされたらかなわんで・・・」
「バカ!謙也も一緒に行くんだよ!」
「えぇ!?俺も!?」
「当たり前でしょ!!白石と二人きりだったらまた誤解されるでしょ!?」
「あー・・・せやなぁ・・・」
よしっ!早速うちに出発だーーー!!
と、その時は 自分の計画が完璧だと信じ込んでいた。