カラオケで、ユウジの物まねを見て大爆笑。
財前の作ったミクの曲を私が歌って、みんなで散々盛り上がって
「あー疲れた、眠い」
意外とノリノリの白石の歌を聴きながら 頼んでたお酒に口を付けた。
「お前まぁまぁ歌上手いやんけ」
隣にドカッと乱暴に変態の痴漢男が座った(げっ!)
「・・・まぁね、カラオケ好きだし」
まぁまぁってなんじゃー! と言う元気もさすがに真夜中の2時には残っていない。
アタシは仕方がなく隣に座って来たこの男と会話をしてあげた(優しいからね、アタシ!)
「明日・・・っちゅーか今日やけど、仕事ないんか?」
「土曜日じゃん休みに決まってるしょ」
(あ、そうか!)
(こいつフリーターだから土日関係ないのか)
(可哀想に・・・)
「あんたこそ、仕事大丈夫?」
「は?」
「土日も仕事でしょ?」
「や・・・当直やったら土日も仕事やけど、今週はないねん」
「へぇ・・・(当直?)」
当直ってなんだっけ?
(なんか聞いたことある)
(あ、わかった)
(あれだきっと、学校の用務員のおじちゃんとか)
(先生とか当直って言うよね)
(あれ、てことは、コイツ教師?げ!確かに教師の犯罪率高いけど!)
フリーターじゃなかったの?
「当直って、あんた、先生?」
「せや、一応、先生や」
「マジでか。どうりで変態なわけだ」
「は?」
「教師って最近逮捕される人多いじゃん!変態だし納得」
「何言うてんねん!教師やのうて、医者や」
「つーか教師でその金髪は・・・・は?いしゃ?」
「そ。大学病院で内科の医者しとる」
「・・・はい?」
な ん で す っ て ! ?
「どっちにしろ変態っぽい!!」
「なんやと!?」
(ちょ、ちょっとまて!)
(医者と聞いた瞬間、この私の胸の鼓動はどうしちゃったの!?)
あぁ、マズイ
(どうしよう!)
私
(どうしよ!!!)
¥ 大好きだからっ!!!
(ヤバイ、フリーターだと思ってたからずっと!!)
(医者なんてやめてよ何その高スキル、つ、釣られるもんか!)
(あんたなんかに・・・釣られないんだからねっ!)
「お前なぁ、黙っとけば可愛ええのに ほんまヒドイ女やで」
そう思うのに
(・・・近い)
カラオケって、マズイ。
薄暗いし、誰かが歌ってたら声が聞こえにくいから 顔近づけなきゃ会話できないんだもん。
(さっきから近いよ、この変態・・・)
そうだ!!!
医者であろうとも、変態って事実に変わりはないんだっ!!
こ、これ以上近づいてみろ・・・
お前の性癖暴露して警察に突き出してやる!!!
「痴漢に、なに言われても聞こえません」
「痴漢てしつこいなお前も・・・」
「お前って言わないで!」
「痴漢ちゃうねんて、ほんまに」
「・・・ウソだ」
「ウソちゃうて、ほんまにお前の後ろに常習のおっさんおったんやて」
「・・・え!?」
「俺が気づいておっさん捕まえたあと、お前が俺の腕つかんで蹴り入れて」
「え?え?」
「あの後大変やってんで!駅員は犯人が常習のおっさんやってわかってくれとったけど」
「え?え?え?」
「お前にキンタマ蹴り飛ばされて、動けんくなって降りなあかん駅降り過ごして・・・」
「え?え?え?え?」
「大事な学会遅刻して、ホンマに最悪やったっちゅー話や、マジで」
「えーーーーーーーーーーー!?」
(うそだろっ!)
(だってだって、こいつが犯人で私のケツを触って・・・)
(え?あれ?)
冷や汗が 止まらない
「そ・・・そいつは」
「ん?」
「ご・・・」
「ご?」
「ご、ごめーんね」
「!? 謝ってへんやんけ!!」
「えーだってウソだ、絶対あの時ケツ触ったのあんただろー、減るもんじゃないからいーけどさ」
「いいんかい!?ほならなして俺に変態痴漢て責めとったん!!!」
「あんたがつっかかってくるからでしょ!?」
「俺はお前がしつこいから・・・」
「何また人のせいにして!!」
「どっちがやーーーー!!!」
「ちょおーー!!そこーーーー!!イチャついとらんで俺の物まね見ぃやーーー!!」
ユウジに指を差されて 一瞬息を飲む
「あ、あほかーーー!!誰がイチャついてなんかっ!!」
「イチャつくわけないじゃん!!!!こんな・・・・・・・」
(こんな・・・!!)
こんな・・・
(こんな?)
・・・・・・。
(ダメだ、)
痴漢じゃない、フリーターでもない
なんかやたらと常識人である(もしかしたらこの中で一番の)この男に
今更どんな皮肉を言えばいいっていうんだよ・・・・・・っ!!!!
「こんな、なんや?(ニタニタ)」
「くっ!(ニタニタしやがって!)」
「言うてみぃ?痴漢はもう使えへんけどなぁ(ニタニタ)」
「こんな・・・(くそぉ!)」
「こんな、なんやねん(ニタニタ)」
アタシはここで 負けるわけには・・・いかないのだ!!!!!!
(なぜなら悔しいから!!)
(負けず嫌いなんだぜアタシ!)
最 終 兵 器 投 下 !
「こ、こんな・・・こんな!すてきなひとと!!!はずかしくていちゃつけないよっ」
シーーーーーーーーーーーン
その時 ちょうど曲と曲の間の沈黙。
(ちょっ!!!!!)
顔を赤らめて涙目で もちろん わざと 言ってやったこのアタシの軍神の反撃(ボケ)が
あろうことか 部屋中に響き渡り
部屋にいる全員が 固まってこっちを見つめていた・・・・
オワタ\(^o^)/wwwwww
そして、一番あってはいけない恐ろしい話
隣に座っている 奴 が
ゴクリ と生唾を飲みこみ
「な、何言うてんねん、お前・・・」
なんて 全然おもしろくないことを言うもんだから(マジで死ねよツッコミどーした!?関西人なら面白く返しやがれアホ!!)
みんなが 「あ、こいつら いつの間に」 みたいな空気になって非常に居づらくなって
私は 全力で
┗(^o^ )┓三3 逃げました。