クロスオーバー67【さおり】

「はぁ~~~~やっと終わったぁぁぁ」

 

 

 

そんなこんなで!!

 

 

 

やっと学年末テストが終わった!!!!!!

次は6月くらいまで試験もないししばらくはゆっくりできる!!!!

 

 

 

 

「はぁ・・・」

 

 

 

 

嬉しくてニヤニヤしていたら

 

 

 

 

 

 

「前さん」

 

 

 

 

 

 

声をかけられて顔をあげた。

 

 

 

 

 

 

「お疲れ様。テストどうやった?」

 

 

 

 

白石くんだ・・・。

 

 

 

(ドキッ)

 

 

 

知らないうちに胸が高鳴ったこと 気が付かないフリをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、し、白石くん、お疲れ様・・・今回は結構出来たかな・・・うん・・・」
「そっか!部活も休みやったんやろ?ゆっくり勉強出来てよかったなぁ!」
「う、うん、テスト準備期間中もじっくり休めたから・・・こんなに部活休めたの初めてで、だから、えっと、」
「ハハ、今日から部活やろ?」
「う、うん、あ、て、テニス部もだよね?」
「あぁ、そうやで!お互い部活ばんばろうな!」

 

 

 

ほな!

 

 

そう言って彼はカバンを持って教室を出て行った。

 

 

 

 

 

(・・・上手くしゃべれなかった)

 

 

 

あんなひどいことをしたのに
彼は笑顔で話しかけてくれるのに。

 

 

 

(今日も 上手に笑えなかった)

 

 

自分が本当に嫌になる。

 

 

 

 

 

 

「前ー、部活行こうぜ」

 

 

澤村くんが私の頭を ポン と撫でた。

 

 

「あー・・・澤村くーん・・・」
「ん?どうした?」
「私はほんとダメな女だよ・・・」
「へ?何言ってんだ?」
「はーあ・・・」
「試験全然できなかったのか?」
「そういうわけじゃないけど・・・」

 

「大地ーーー!!前ーーーー!!部活行こうぜーーーー!!!」

 

ドアから元気に菅原くんが呼びに来たので私は澤村くんと一緒に教室を出て部活へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よー!久々だなぁーーー!!!」

 

 

ハハハ ハハハ とわざと爽やかに笑いながら
黒尾くんは  私を抱き上げた・・・・・・

 

 

 

「黒尾くん!!ちょっと!!おろして!よ!!!」

 

 

 

怒ってジタバタするけど ふざけた彼には余計逆効果で ちょっと痩せた? とかまたニヤニヤされて言われちゃうのだ。

 

 

 

「下してってばー!!」

「はいはい、クロちゃーん、俺のさおりちゃん下してね💢」

 

 

 

黒尾「俺の~?」
及川「そうそう、オ レ の!お風呂も一緒に入った仲だもんね?ね?さおりちゃん?」
さお「すっごい小さい頃の話でしょ、1歳とか・・・」
黒尾「えー、うらやましー!俺も入りたい!ねぇ、今夜一緒にはいろ」
さお「!?」
及川「は?さおりちゃんは俺と入るから無理ですぅー」

 

 

おいかわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!

 

 

 

それを聞いて般若の顔で岩ちゃんが来た・・・
いつも助けてくれるの岩ちゃん・・・
ありがとう岩ちゃん・・・・

 

 

 

 

岩泉「おう、さおり、悪かったな。おら行くぞクソ川!!」ゲシゲシ
及川「痛いよ岩ちゃぁぁん」
岩泉「黒尾も!!先輩が呼んでたぞ!」
黒尾「ヘイヘイ・・・」
岩泉「あとな」
及川「なに」
黒尾「ん?」
岩泉「俺だってさおりと風呂入ったことあっからな」

 

 

幼稚園の時

 

 

 

そう岩ちゃんは言い残して、徹くんを引きずって体育館の奥に行ってしまった。
うーん・・・
どうしたんだ岩ちゃんまで・・・
久々の部活でおかしくなったのかな・・・。

 

 

 

 

 

そんなことを思いながら  私は久々の部活に精を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「前はさー、誰かにあげんの?」

 

帰り道。1年生みんなで坂ノ下商店に寄って 肉まんを食べていると
急に菅原君に そんなことを言われた。

 

さお「え???何が???」
及川「俺にくれるよね?ね?ね!?」
岩泉「ヤメロ(ごつん)」
さお「え?何の話?」
菅原「ハハハ、このぶんじゃ期待できねぇかー!」
さお「???」
東峰「・・・チョコレートだよ」
さお「チョコ?」
黒尾「バレンタイン💖」
さお「・・・あ、あぁ!!!バレンタインか!!あ、そうか、そういえば来週だね!?」

 

 

 

ごめんごめん って言うけど、みんなに 忘れるなよー! とか言われてしまった。
そんなバレンタインって大事???
女子と男子の温度差、ちょっとびっくりする。

 

 

 

花巻「先輩方、今年は女子入ったし、しかもマネージャーやってくれてるしチョコもらるかなーって期待してたぜ?」
さお「え!?責任重大だね!?」
澤村「いや、気にするな前、お前の好きなようにしろよ、な?お前らも前の事困らせんのやめろよ」
スガ「とか言って、一番欲しいの大地なくせにー💖」
黒尾「ねー💖」
澤村「は!?な、なに言って・・・!」
及川「え?一番欲しいのはオイカワさんだよ???」
岩泉「だからお前は黙ってろっつーの」

 

 

岩ちゃんが徹くんを叩いていつもどーりギャーギャーとなってしまったけど

 

 

(そっかぁ)
(先輩たち期待してるならあげあいとなぁ)
(家族にも・・・)
(幼馴染にもあげてるし・・・)
(うーん、たくさん必要だ)

 

 

どうしようかな・・・・・

 

 

 

さお「うーん・・・」

 

悩んだ私に気が付いたのか
澤村くんが小さい声で 本当に気にするなよ と言ってくれた。

 

 

さお「あ、え?」
澤村「だから、ほんと気にしなくていいんだって。男ってバカだから期待するけどさ、なくても全然平気だからな。前は前で・・・その・・・彼氏もいるんだし、

 

そう気まずそうにもごもごと言う澤村くん。

 

 

(あ!そうか!)

 

 

さお「さ、澤村くん!違うの、あのね、私、もう別れて・・・」
澤村「え?」
さお「だから、えっとチョコの話は別に全然そういうので悩んだんじゃないっていうか・・・」
澤村「あ!そ、そうなのか!?え!?あ、それは!悪い!失礼なこと言ったな💦」
さお「ううん!こちらこそ、相談に乗ってもらったのにごめんね・・・」
澤村「いや、前が謝ることはない!そ、そうか・・・あー・・・そうか・・・」

 

黒尾「なーにコソコソ話してんの?」
スガ「大地ーヌケガケは許さねぇぞー」

 

 

 

澤村くんは そういうんじゃない! とか言いながらスガ君たちの方に行った。

 

 

(・・・別れたとか・・・・)
(なんでか自分で言ってて落ち込んだし)

 

 

 

木兎「なー!まなみ、チョコくれるかなー!?」
さお「わ!木兎くん!?あ、まぁちゃん・・・どうかなぁ?バレンタインとか興味ないと思うけど・・・木兎君仲いいから言えばくれると思う!!」
木兎「マジかー!!!んじゃラインしとく!!!」
さお「うん、言ってみて!きっとくれるから!!」

 

 

(まぁちゃんは マコちゃんにあげるんだろうか・・・?)

 

 

そういうのは 興味ないはずだけど
もしかしたらあげるかもしれない

 

(そしたら全力で応援しないと・・・!)

 

なんだか私までソワソワしてきたぁ~!!!!!!

 

 

 

及川「ねぇ、トオルくんに本命チョコくれてもいいからね???俺さおりちゃんの気持ち、喜んで受け入れるから・・・!!」

 

大事にするよ!! と言った徹くんが 岩ちゃんだけじゃなくみんなに一斉につっこまれて(痛そうなツッコミ・・・)

 

アハハ と笑いながら 少し冷めた肉まんにかじりついた。

 

 

(バレンタイン)
(考えないとな・・・)

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