「8人か・・・この学園目当ての部活やりたくて来てるやつも多いし結構厳しいかもな」
そう言うのは不二山くん。
今、どうすれば柔道同好会(仮)を柔道部に出来るのか、作戦会議をしているところ。
さお「生徒会の規約では3人で同好会、8人で部活動になるんだよね」
嵐「8人なぁ・・・」
さお「とりあえず同好会を目指して、同好会になれば小さな試合とかは出れるから実績伸ばして少しずつ人数集めるしかないのかな、って」
嵐「まぁそうだよな・・・とりあえずあと2人探さねぇと・・・」
さお「そうだね、2人くらいなら入ってくれる人もいそうだよね!?がんばろ!!」
嵐「あぁ、そうだな。やる前から諦めてもしかたねぇし、やろうぜ!!」
さお「・・・で、きみは何をしてるの?」
さっきから黙々と机に向かっているまぁちゃんに声をかける。
まー「んー・・・・・・・・・・よし!出来た!」
さお「何?」
まー「チラシ作った!!」
そこには柔道らしきものをするドラえもんのようなものの絵があった・・・
嵐「お!!来たれ柔道部!か!かっこいいな!」
まー「でしょ(フフン)」
さお「でもこのドラえもんみたいの手足長くて気持ち悪くない・・・?」
まー「大丈夫、イケる」
嵐「だな、かっこいいぜこいつ」
まー「うむ」
さお「確か同じクラスの七瀬くんすごい絵が上手かったから頼んでみようかな?」
まー「え・・・?七瀬ってマコといつも一緒にいるハル・・・?え、あいつめっちゃ絵上手いの・・・?悔しいなそれ・・・ちゃんと描くわ」
さお「なんで敵対心燃やしてるの・・・?」
その後まぁちゃんはメラメラと燃えてとても上手なチラシを描いてくれた。
うん、これなら目を止めてもらえそう・・・!(最初からやる気だせばいいのに絶対最初のふざけてたw)
まー「さ、これ配りに行こうか」
嵐「あぁ、行こう」
ガタッ
さお「あ!待って!こういうの配るときは生徒会に許可を・・・!」
まー「えー!!めんどくせ!!」
嵐「配るのもだめなのか?厳しいな」
さお「こういうのはきちんとルール守らないと」
まー「じゃ、行くか」
さお「え?話聞いてた???まずは許可を・・・」
まー「だからさ、許可取りついでに生徒会の人間勧誘してくるわ」
さお「え」
嵐「お、いいなそれ!」
まー「ね、じゃあ行こうか」
さお「えっちょっと・・・」
こうして私たち3人は生徒会に許可をもらいに行くのだった。
生徒会のメンバーを勧誘は無理だと思うけど・・・
でもいつも不二山くんががんばってるから力になってあげたいなって思ってたし、
まぁちゃんも同じ気持ちなのかな?って思ったら まぁいいか、と私も結局まぁちゃんに甘いのでそう思うことにした。
~生徒会~
まー「たのもーーー!!!」
嵐「お!道場破りみたいでかっこいいな!」
さお「あぁ…」
生徒会のメンバーがポカーンとした顔でこっちを見ている。なんだその間抜けな顔は!!
跡部「なんだ。さおり、部活行ってたんじゃなかったのか?アーン?」
部活じゃないなら生徒会に来いよ、と跡部は言った。
こいつ相変わらずさおちゃんのこと好きだな、どんだけ傍に居たいんだよ!
さおちゃんがバレー部に入った時なんてもう荒れて荒れて仕方なかったもんな。ほんと残念だな、気付かないうちに彼氏出来てたんだぞさおちゃん。そして別れたんだぞ。さおちゃん今バツイチだからな!!
(知ったらまた機嫌悪くなってめんどくさいから言わないけどな!!)
さお「あ、ごめんね、今ね柔道部作るお手伝いしててね…」
跡部「柔道部、だと?」
じろり
跡部は嵐のことを思い切り睨んだ。
わかりやすいやつだな、子供かこいつは!
跡部「…1年5組不二山嵐、柔道部がないのにこの学校の柔道部に憧れて入学。今も柔道部を作ろうと1人奮闘している…そうだな?」
嵐「ん?お前俺の事知ってるのか?」
wwwwww
嵐つえーなwww
跡部のこと知らないとか最高オブ最高だな!!
跡部「俺に知らないことはない。不二山、残念だったな。この学校に柔道部はもう出来ない、お前もよくわかってるだろ」
さお「跡部、そのことなんだけどね、不二山くんまた柔道部を作りたくて…」
跡部「お前は黙ってろ」
あーあ・・・
さおちゃんがまた新たな男と仲良くしてるの気に食わなくてめっちゃおこじゃん、跡部・・・
どうすんだよこれ・・・
嵐「頼む。俺は柔道部を作りたい。メンバーを集めさせてくれ」
跡部「ダメだ。柔道部は別の学校へ移ったんだ。今更作っても勝てるわけねぇ。勝てない部を作る訳にはいかない。活動は認められない」
跡部がそう ハッキリと言った時だった。
「勝てるよ」
そう、言ったのは
さおちゃんだった。
「勝てるよ。不二山くん、すごく頑張ってるもん。努力してるもん。私、見てたからわかるよ。これだけ頑張ってる人が負けるわけないって、私は信じてる」
見てたから、とか
信じてる、とか
さおりくん、どうした???
跡部の地雷踏みマシーンなのか???
青筋立ってるだろ、跡部・・・
と、思いつつも。
嵐が努力してるの、おらも知ってるし。
さおちゃんが本当にそれを応援してるのも知ってるし。
チラシせっかく描いたの無駄にしたくないし。
だから、私も協力してやるさ。
おらはいつだってさおちゃんの味方だ!!
まー「跡部、見てこれ」
跡部(ジロリ)
まー「(めっちゃ機嫌悪いな)これ、すごい上手くかけたの」
跡部「・・・まさか、お前が描いたのか?」
まー「そうだよ、来たれ!柔道部!カッコイイだろ?一生懸命描いたんだわ、この傑作を無駄にしたくないんだわ」
跡部「・・・」
まー「チャンス、あげたらいーじゃん?跡部らしくもない。そんな余裕ない男じゃないだろ、跡部は」
さお「そ、そうだよ!!」
そしてさおちゃんも必死に説得にかかる。
さお「私も部活や生徒会の合間ぬってお手伝いするし!!不二山くんならきっと実績残せるよ!お願い、跡部・・・チャンスをちょうだい」
嵐「頼む」
嵐が頭を下げて
さおちゃんもそれにつられるように頭を下げた。
おらは頭は下げない。人に頭は下げたくないからな。
でもおらの描いた絵無駄にするならおらは跡部を許さない。
跡部「・・・仕方ねぇな」
さお「!」
嵐「それじゃ・・・!」
跡部「いいか。チャンスをやるだけだ。半年以内にメンバーを5人集めろ。そして試合にでろ。そこで勝ったら今後活動することを認めてやる」
嵐「本当か!」
さお「わ!やった・・・!」
嵐「よし!じょあまずは仲間集めだな!」
さお「うん!大丈夫、きっと見つかるよ!!」
さおちゃんと嵐が大喜びして
その様子を面白くなさそうに跡部が見ている。
まぁ若干私怨も入ってる気もするが
跡部はちゃんと実績で全てを判断するやつだとわかっているから大丈夫だろう。
5人揃えて勝つって言うのが大変なこと、その時のアタシ達はまだ知る由もなかったのだけど
ウィーン
とりあえずは1歩前に進めたかな
ガシャンガシャンガシャン
跡部「・・・おいまなみ、お前勝手に何してやがる」
まー「え?チラシカラーコピーしてますけど何か???」
そんなもんは自分たちでやれっ💢💢と跡部に生徒会室を追い出されてしまった。
やっぱりアイツ、私怨だらけだわ!!!
(でもさおちゃん張り切ってるの可愛いから許す)