(んー・・・)(あー・・・なんか体だるいな・・・)
(寝すぎたな・・・)
15時に白石くんの探索を手伝う約束をしていたから、15時になる前に目覚めて簡単に支度をする。
管理小屋の外に出ると、白石くんが待っていてくれた。
「あれ、白石くん待っててくれたの?」
「いや、通りかかったから少しな」
私が、じゃあいこ~と言って歩き出す。
白石くんの隣にいるのもかなり慣れてきた。
「入ってくれればよかったのに、外暑いでしょ」
「大丈夫やで、それよりまえさん大丈夫?」
「え?何が?」
「いや、なんか疲れた顔してるから・・・」
「え、本当?ちょっとお昼寝しすぎてだるい感じはするけど、大丈夫だよ」
「ホンマ?無理せんでな」
「うん、私インドアだから、アウトドアがちょっと慣れてないんだ。でも、これでも部活入ってからかなり体力ついたんだよ~!」
「そうなんや!アウトドアも確かに疲れるからなぁ。慣れてない場所っちゅーのもあるしな」
「そうだね。とりあえず、コテージあってよかったよ。私ちょっとテントで寝る自信ない・・・」
「え?そうなん?テント楽しない?」
「うーん、虫がなぁ」
「はは、まえさん虫嫌いやもんな」
「うん・・・苦手・・・」
「確かにここ山やし、テントやったら虫がたくさん入り込んでくるやろな」
「わ~こわい・・・そんなことにならないでよかった・・・」
白石くんとそんな話をしながら、探索に向かう。
やっぱり白石くんと話してると、全然話途切れないし楽しいや。
いろいろな話をしながらやってきたのは、けっこう開けた広場だった。
「わぁ・・・こんなところあったんだね」
「ほんまやな・・・ん?あっちに木があるなぁ」
「本当だ」
「あれ、マンゴーやない?」
「え!?あ、本当だ!!」
まぁちゃんが謙也くんととって来てくれたマンゴーの木は、元々あまり数が多くなかった上、金ちゃんが大量に食べてしまったせいで、あれからマンゴーを食べられなくて悲しかったんだ。
マンゴー甘いし、美味しいし、暑いから食べやすくて嬉しい♥
ずっと食べたかったんだよね~!
「わぁ、マンゴー食べたい!」
「え、ほんま?ほな後で持って帰ろな!よかったなぁ、マンゴー見つかって!」
「うん!嬉しい!」
「おー、ほなこの辺探索して、帰る時に持って帰ろ」
「うん、わかった!」
「じゃ、俺あっちのほう探索するから、まえさんこの辺もう少し探索してな」
「はーい」
こうして白石くんと別れて、探索する。
と言っても、あまり探索するところないんだよね、私のほう・・・。
うーん、虫出て来たらやだなぁ・・・。
なんか、マンゴーの木の近くにいると、甘いニオイで良いニオイだな・・・。
そういえば、けっこう30分くらい歩いたけど、何も飲んでないから喉渇いたな・・・。
あ、私が疲れたということは、白石くんも疲れたってことだよね・・・。
あんなに頑張ってくれてるし、休憩が必要だよね・・・?
というか、休憩しないとダメだわ!
白石くん倒れちゃうかもしれないし・・・
マンゴー1個だけとろうかな・・・
水分補給にもなるし、いいよね。
よし、マンゴーを1つとろう!
そう思って、木に手を伸ばす。
けれど、背の小さな私では全く届かない・・・。
これはあれだ。
木に登るしかないってやつだ・・・。
(えー・・・どうしよう・・・)
(でも軍手もつけてるからいけるかなー・・・)
(けっこうキレイな木だし、いけないこともないな・・・)
(見た感じ虫もいないし・・・)
そう思って、恐る恐る木に登るために、上のほうにある枝に手をかける。
それから、足をかけて・・・
木登りなんかしたことないけど、マンゴー欲しさに登って行く。
(白石くん、マンゴーとってたらビックリするかな?)
(甘いもの食べて休憩してほしいな・・・)
なんとか少し高い枝に手が届き、あとは実をとるだけ。
あと少し。
あと少しで届きそうで、必死に手をのばして。
(届いた!!)
マンゴーが手に届いて、あとは降りるだけ・・・
そう思った時。
クラッ
「あ、」
なんだか一瞬めまいがしたと思ったら、
グラリと天地が入れ替わる。
やばい、木から落ちる。
そう考える時にはすでに遅くて、手の中のマンゴーを潰さないようにだけ守るように抱えた。
(地面にぶつかる!!)
怖くて、目を瞑っていた私は、
ドサッ
「まえさん!!大丈夫!?」
暖かい逞しい腕に受け止められ、そのままの勢いのまま、彼ごと倒れてしまった。
地面に倒れた私を心配する声は止むことはなく、本気で心配してくれているのだと思った。
そして、それと同時に、彼の優しさに胸が高鳴った。
「怪我ない!?痛いとこない!?」
「し、白石くん、ごめんね!!重いよね!!すぐどけるから!!」
「そんなことより怪我は!?」
「えっと・・・大丈夫、白石くんが支えてくれたから・・・」
「はぁ・・・よかった・・・・・・めっちゃビビったで!!見たら木登りしとるし・・・危なっかしいバランスやし!!あんな登り方やったらそら落ちるわ!!」
「ご、ごめんね」
「何で木に登ってるん!?マンゴーはあとでええって言うたやんか!!」
「ご、ごめんさい・・・」
「はぁ・・・マンゴーそんなに食べたかったん?」
「あ・・・ううん。白石くんにと思って・・・」
「え、・・・俺?」
「うん・・・疲れてるだろうし、水分補給も兼ねて、休憩してほしくて・・・」
でも、結局迷惑かけちゃったね・・・ごめんね
白石くんに迷惑や心配をかけたことに胸が痛くなってきて、そう言ったあとに目に涙が浮かんできた。
白石くんにこんなに怒られることってないから、多分けっこう本気で怒ってるんだなって思ったし、これだけ怒るってことは心配かけてしまったんだろう。
「・・・」
すると白石くんは、私を抱き留めていた手を背中に回し、
私を力強く抱きしめてきた。
「・・・俺のためやからって、そんな危険なことせんで・・・」
「うん・・・ごめんね・・・」
「まえさんに何かあったら・・・俺、ホンマに生きていけへん・・・」
「・・・」
「1人にした俺も悪かったな・・・もう絶対俺の側から離れんといてな・・・」
「うん・・・ごめんね・・・」
「ほな罰として、もう少しこのままな?」
「え・・・あ、うん・・・でも重いでしょ?」
「重いはずないわ」
「え、重いはずだけど・・・」
「まえさん、」
「なに?」
「・・・おおきにな」
「・・・私も、助けてくれてありがとう」
こうして、しばらく白石くんの腕の中にいたあと、
2人でマンゴーを食べて休憩して、最後にみんなの分もとって帰りました。
(白石くんがあんなことするから・・・)(なんだかドキドキしちゃったよ・・・)
※マンゴーとろうとして落ちて抱き締められるの実話です!
「さおちん!よお!」
「あれ?きみ、来たの?あのあと何してたの?」
「素敵なランチを食べていた・・・🤤」
「え?何言ってるんだきみは」
4時過ぎに比嘉の人にキャンプ場まで送ってもらって、それから一回管理小屋に戻ってシャワーを浴びた。
水着のままだったからね・・・!
比嘉の人たちアタシの水着姿で誘惑しちゃったな・・・魅力的な自分が怖い・・・
そうしてなんだかんだで5時半頃にお腹すいたなぁと思って外に出た。
海側に行こうかなって思ったんだけど、比嘉のご飯食べたら大味の海側に行く気になれず・・・。
とりあえず山側のご飯何かな~って見に行ったら、橘って人が「今日は山菜の炊き込みご飯だ」って言うから、うひょー🤤ってなった。
そうそう、こういうのだよ~~~こういうのを望んでいたのだよ!!🤤🤤🤤
と、いうことで炊事場の後ろのテーブルでご飯を待ちつつ、さおちゃんを待った。
そしたら、さおちゃんやってきたのは良いけど、また白石と一緒だった。
ちっ😡
ほんと白石なんなの!?
そんなにアタシとさおちゃんの仲を邪魔して楽しいのかよ!!ムカつくな!!
白石絶対許さないからな!!!!!
「まぁちゃん、マンゴーあったんだよ!白石くんとたくさんとってきたから食べよう!!」
「うむ、許す🤤」
「なにが?」
「マンゴー美味いからな」
「お、マンゴーがたくさんだな。これだけあるなら、ゼリーにしても良さそうだ」
「うひょー🤤」
「あれ?ゼラチンあったっけ?」
「食糧庫にあったぞ、ゼラチンは日持ちするからな」
「あ、本当?そしたらゼリーもいいね!」
「とりあえず今日はこのまま食べる🤤」
「うん、食べよう」
ご飯食べて、さおちゃんとマンゴー食べ始めて。
美味しいねって話してる時に、ミーティング始まって。
アタシもさおちゃんも気にせずもぐもぐマンゴー食べてたよ。
そしたら、今日探索してた人達から「〇〇見つけた」って報告してた。
そんで、
「温泉をみつけたで」
って、メガネ(忍足)が言ったから、アタシもさおちゃんも思わずマンゴーを食べる手を止めた。
温泉・・・?
マジかよ・・・
アタシとさおちゃんは顔を見合わせる。
「温泉行きたい!!」
「うん!!行きたい!!」
キラキラキラキラ
アタシ達の輝いた瞳を見て、男たちは、
「「「「よし、いくか」」」」
と快く温泉に行く決意をしてくれたのだった…
ラッキー!!!!
けっこう山奥だけど大丈夫?と言われた。
虫嫌いだけど、まぁ長袖着て帰れば大丈夫だろう。
この島に来てから、管理小屋のシャワーしかなかったからお風呂入りたいと思ってたし嬉しい!
お風呂の準備が終わったアタシとさおちゃんは、みんなと一緒に温泉に向かうのだった。
「ふー!いいお湯~温泉さいこ~!」
「ちょうど岩で2つに分かれて良かったね!混浴だったらどうしようかと思ったよ」
「混浴でも入ったよ」
「さすがだねきみ」
「うん」
さおちゃん今日もたくさん動いて疲れちゃっただろうから、温泉に来れて良かったわ!
そう思って2人でのんびり温泉に入っていると、隣から騒がしい声が聞こえた・・・。
あ、この声四天宝寺だわ。あいつらどこ行ってもうるさいな。
「あぁ、えぇ湯やな」
「これは、よか湯やねー。疲れた体にきくばい」
「これが山奥の秘湯っちゅー話やな」
「遠山金太郎、いっくでー!」
「ちょお、金ちゃんやめや!言う事きかへんと、毒手を湯舟に入れて、毒湯にするで!」
「毒湯!?い、いやや!ワイ、飛び込むのやめる!白石はずっと左手あげときや!」
「わかったわかった。左手ぇあげてれば、ええんやな」
「左手あげて風呂入るなんて白石も大変やな」
「あぁ、いつもは外すんやけどな。いつ助けがくるかもわからへんし、包帯は無駄にはできんわ。こう見えて、包帯のメンテナンスも大変やし、お金もかかるんやで……それに金ちゃんもおるしなぁ……」
「そうなんか。意外に大変なんやな。風呂でも包帯つけてるイメージあったわ」
「どんなイメージもってるちゅーねん。あぁ、アカン。手がしびれてきたわ……」
「ずっと左手あげてるからばい」
「なぁ~、ケンヤ。どっちが長く潜れるか競争せぇへん?」
「えっ?俺はもうあがるわ」
「いくらなんでも早すぎや!」
「カラスの行水はイカンばい。もう少しだけ入るとよか」
「しゃーないわ、あと10秒だけやで」
「短すぎばい……」
「じゃあ、白石~。どっちが長く潜れるか競争せぇへん?」
「俺もパスや。せっかくの温泉や。それに左手が湯に浸かってまうで。千歳に頼んでみぃ」
「遠慮しとくばい」
「ふんぎぃ~っ、じゃあケンヤ!どっちが速く泳げるか勝負や!」
「速く……やと。えぇ度胸や!勝負したろやないか!」
「ケンヤ、やめときや。この温泉じゃ……」
「白石、絶対に譲れへん勝負もあるんや。金ちゃん、温泉でどっちが速く泳げるか勝負や!」
「よっしゃ、いっくでー!」
「ったく、温泉は静かにはいるもんたい」
グワァァァァァン
「……やめとき、いうたやろ。こんな温泉で泳ぎ勝負なんかしたら、岩に頭打つに決まってるやないか。ケンヤ……金ちゃん?……アカン、2人とものびとるわ」
「仕方なかね。溺れんよう温泉から出してやるばい」
「千歳……そのまま出したら湯冷めしてまうで」
「そうね。タオルだけはかけとくばい。ふー、やっと静かになったばい。白石、こんでゆっくりと温泉を堪能するがよか」
「あー、ほんまやな。ゆっくりさせてもらうわ。んー、絶頂!」
「イタタタ……頭にでっかいたんこぶができてもうたわ」
「頭がガンガンするわ……」
「無茶するからや、ほんま」
「ケンヤ!勝負はおあずけやで!」
「おぅ、いつでも受けたるわ!」
「やれやれ、こりんやつらたい」
「うける、けんやバカだな、すこし落ち着け」
「え!?何!?え!?めっちゃ声はっきり聞こえる!!」
「お、まえさん、まだ入ってるん?」
「うん、まだ入ってるよ~」
「と、隣におるんか・・・ゴクリ」
「おう、隣にいるぞ。声めっちゃ聞こえるなwww」
「普通に会話できちゃうね」
「え~ほならわい、ねえちゃんたちと入りたい!!」
「「それは絶対にあかん」」
「え~白石と謙也のケチ~!!」
「うけるwww」
「え、わ、私、金ちゃんとなら一緒に入ってもいいかも・・・///」
「あかんやろ!!まえさん、もう少し危機感持って!!」
「あ、はい・・・」
「じゃあアタシがそっちいこうかー!?」
「えぇ!?」
「ま、まぁちゃん・・・!」
「だって、四天だけじゃないでしょ?他にもいるしょー?れんじいるー?」
「ああ、いるぞ」
「ひゃーやったー
れんじーすぐいくよー♥」
「ああああああああかん!!!!」
「まぁちゃん、ダメだよ!!おっぱい見えちゃうよ!!」
「まえさん・・・おっぱいって・・・」
「おめー胸ねーだろwww」
「貧乳やからこっち来れるんやない?」
「ころす」
「わぁぁぁ!!まぁちゃん本当にダメだってばぁぁぁぁ!!!!」
タタタタタ・・・
「みんな~~~~~
お待たせ~~~~~
」
「誰も待ってへんやろ」
「お前ら!!小春の裸に!!!興奮したら!!!殺す!!!!」
「なーに騒いでやがるんだ、うるせーな」
「なになに!?なんかおっぱいって聞こえたけどなにー!?」
「いや、まなみがこっち来るとか言うからよー」
「なーんだまなみか。まなみの貧乳見るくらいなら、樺地の胸筋見てるほうがセクシーだC~」
「樺地に負けた・・・だと?・・・ジロー、お前今そっちいくからな!!樺地と比べてみろや!!!
」
「ちょ、ちょっとみんな!!まぁちゃん煽っちゃだめ~~~
」
「マジで来なくていいっすわ、これ以上騒がしくなったら構わん」
「あ~~~ん
真田きゅん・・・いいカ・ラ・ダ
」
「浮気か!!!!死なすど!!!!」
「う、うむ・・・」
「源一郎が戸惑っているなど珍しいな」
「ちょ!!謙也!!」
「え?」
「お前・・・なに鼻血だしとんねん・・・」
「え!?」
「え・・・お前アタシの裸想像して興奮したのかよ・・・ひくわ・・・鼻血のお風呂入りたくないからこっちにいる・・・( ˙-˙ )」
「よかった・・・まぁちゃんおとなしくなった・・・」
「はよ出ろ謙也!!
」
「ちゃ、ちゃちゃちゃ、ちゃうねん!!興奮とかやないかなら!!」
「お前普段カラスの行水やからな・・・そらこんなに長いこと入ってたらのぼせるわ・・・」
ジローとガクトとメガネはお風呂の後でシメたぞ👹
そして、久々に体も温まり、少し体も楽になって、管理小屋に戻ると安眠できたのだった。
(また明日も温泉行きたいな~楽しみ!)