午前中、海で遊んで、とっても楽しくて。
途中で海側の六角の人たちも遊びに来て、水着姿見られたの恥ずかしいけど、あんまりそういうの気にしない人たちだから楽しく遊べたよ。良かった。
お昼ご飯の時間になったから、戻ったらもうお昼出来てて食べ始めるところで、手塚くんとか橘くんにお手伝い出来なかったこと謝った。
みんな、気にしなくていいって笑ってくれてるから超いい人たちだな・・・と思っていたら、「まえさん、こっち座りや!」と名前を呼ばれたので白石くんの隣に座った。
「白石くんも、ご飯作るの手伝ったの?」
「おん、部長会議終わって、自主練のあと時間あったからな」
「そうなんだ、ごめんねお手伝いできなくて」
「え!?まえさんいつも頑張ってくれてるし、全然遊んでくれててええんやで!」
「そんなわけにはいかないよ・・・。漂流して先生方いないのに、のん気に遊んでしまった・・・」
「気にせんでって!」
「あ、でも六角の人も先生のこと心配してた割に遊んでたな・・・」
「せやから、気張ってばっかりも疲れるし、ええと思うで?というか、まえさんたちが楽しそうにしとったら、みんな救われとると思う」
「そうかなぁ」
「そうやで」
「ならいいんだけど・・・」
「それより、まえさん昼食べへんの?」
「うーん、なんか海行ったから水分たくさんとってお腹いっぱいで・・・」
「あーそれはあかんな」
「うん、お腹すいたらあとで食べるよ」
「おん、わかった」
「うん」
「まえさん少し焼けたんとちゃう?」
「え!?日焼け止め頑張って塗ったのに!」
「日焼け止め塗っても焼けないわけではないからなぁ」
「あ~やっぱり南の島きたら焼けちゃうよね~」
「健康的でええんとちゃう?」
「えー焼けるのやだなぁ」
「めっちゃ仲ええな」
謙也くんの声でハッと気づいた。
話し込んでたからびっくりした。話に集中してしまっていたよ。
「びっくりするわ、全然会話途切れへんやん」
「せやろ?仲良しやねん、なーまえさん」
「う、うん。仲良しだよ?」
「(よっしゃ、仲良しって言われた
)」
「よかよか」
「俺かてねーちゃんと仲良しやで!なー」
「え!(ドキッ)う、うん!!!!!すっごい仲良し!!!!!////」
「え・・・」
「金ちゃんのほうが全力で肯定やったな」
「よかよか、仲が良いことはよかばい」
「相変わらずやなー千歳は」
そんな話をしながらご飯を食べて、後片付けはきちんと手伝って・・・
なんだか少し午前中の海で疲れてしまった私は、15時からの白石くんの探索に付き合う約束をして、それまでコテージに戻ってお昼寝をしたのだった。
あれ・・・?
ここは・・・どこだ・・・?
うーん・・・
さおちゃんと一緒に海で遊んでいた。
六角の人たちも来て楽しくて遊んでたんだ。六角にめっちゃイケメンいて、冷や汗でたわ。もうずっと眺めていたいくらいのイケメンだった・・・。
そんなイケメンに浮かれて、途中でさおちゃんが「そろそろお昼だし帰る」って言ったけど、アタシはもう少し遊んでくって言って・・・。
そんで、六角の人たちがワイワイガヤガヤしてるのをボートに乗りながら遠目から眺めて、イケメンだなってニヤニヤしてて・・・。
そのあと、確か・・・・・・・・
・・・寝たな。
ボートで寝たな、間違いないな。
うん。間違いない。
ボートの揺れが気持ち良いのと波の音のヒーリング効果すごかったもん。
寝たわ。
そんで・・・気づいたらここだ。
ということは、今の状況は・・・
遭難の遭難・・・!
え、まじかよやべぇ。
遭難したのにさらに遭難したとか笑えない。
しかも今回は一人だ・・・!
これはやべぇ、暑いからじゃなく、普通に変な汗出てきた。いや、暑いからかもしれないけど・・・。
とりあえず、ここはどこだと辺りをキョロキョロ見回す。
どうやら砂浜に打ち上げらたようで、ここはどこかの島なのかと思うけど・・・。
うーん・・・どこだここは・・・。
なんかでも、もし誰か人がいて、怖い人だったらやだから大声出せないな・・・。
誰かいますかーとか普段なら言ってるけど、これもし変な人がやってきて、おら可愛いから連れてかれたら困るし・・・。
先住民とかさ、絶対アタシ可愛いから惚れるしょ・・・。
お嫁さんとかにしちゃうしょ・・・。
アタシ南の島で子だくさんとかマジでやだわ無理・・・。
そんなことを考えながら、どうしようかと思っていたら。
「やー くま で ぬぅ してる?」
という声が聞こえてきた。
ヒイイィィィィ
本当に先住民いた!!!!!
「アタシ可愛いけど、お嫁さんにはなれないから!!」
そう言って振り向いた。
「はぁ? ぬぅ 言ってるんば?」
そこには、ジャージを着た金髪の先住民がいたのだった・・・。
「ひええええ、やっぱり先住民だったぁぁあ!!」
「先住民って ぬぅ だ? やーきさからぬぅ言ってるんば??」
「アタシはこんな南の島で子育てする気なんてないからぁぁぁ!!」
「ぬぅ言ってるかわからねーんけど、迷子んかいなったぬかー?」
「何言ってるかわかんない・・・日本語プリーズ・・・
」
「まずえーしろーぬとぅくるんかいいちゅんから着いて来るさー」
なんかよくわからないけど、着いて来いって言ってる??
やばいこれ絶対あれだ、嫁ルート確定だ・・・
私ピンチすぎる・・・
どうしようか困っていると、
「平古場くん、何をしているんですか?」
と、日本語が聞こえた。
良かった・・・日本語がわかる先住民がいたようだ・・・
「お、えーしろー」
「凛、ぬぅしてるんば?」
「遅いから来てみれば・・・彼女は向こうにいた確か氷帝の・・・なぜここに?」
「わからねーけどくまんかいいた」
「プリーズ!!プリーズノット花嫁!!OK!?
」
「彼女は何を言っているのですか??」
「わんにもわからんさー」
「プリーズプリーズ!!」
「プリーズ?ぬぅが欲しいんば?」
「さぁ?」
「・・・この場合は、お願いと言っているのでしょう・・・。とりあえず、ここにいても仕方がないですから、一緒に我々のロッジにいきましょうか」
「・・・ロッジ?え?ロッジに住んでるの?」
「ええ、今は離れのロッジを借りていますが・・・あなた先日我々と会いましたよね?覚えていないんですか?」
「え!?会ったっけ?え、いつだろー・・・アタシ海外初めてだし・・・先住民に知り合いはいないはずだけどな・・・🤔」
「・・・何やら壮大な勘違いをしているようですね・・・まずはロッジで話を聞きましょう」
「え!?そう言って連れ込んでアタシをお嫁さんにする気でしょ!?そうはいかないんだからぁ
」
「変なちゅだば」
「変なこと言ってないで行きますよ
」
そう言って、アタシは無理矢理腕を捕まれ、先住民たちに連行されたのだった・・・
「へ?んじゃ、先住民じゃないの?」
ロッジについて、何とお昼ごはんをご馳走になって(優しい先住民だなと思った)、で、よくよく話を聞いていたら比嘉中という学校の人たちだった。
聞き取れないのは、沖縄弁らしい。
このえーしろーと言う人も、標準語のわりになまってるからな。
「先住民って何ですか・・・」
「だってさーどっか別の島に漂流したと思ったんだもんー」
「くまやうひはなりてるけどむにー島だぞ」
「え?え?なんて?え、何て言ったの?マジでわかんない、日本語プリーズ」
「きみたちはちょっと黙ってなさいよ・・・ここは合宿先の島ですが、我々は彼らと一緒にいませんからね。少し離れたロッジを使っているんです」
「そうなのかー知らなかったよ」
「それにしても、ボートで寝てしまうなんて・・・たまたま同じ島に流れ着いたからよかったものの、本当に遭難してしまう可能性だってあるんですよ」
「めんぼくない」
「反省してませんね?」
「冒険には反省は必要ないさ」
「・・・あなたバカですね?」
バカと言われた。解せん。
でも、この人昼ごはんくれからな!
豚肉ないから魚でゴーヤチャンプルー作ってくれたんだけどめっちゃ美味しい・・・。
ってか、魚も大きくて肉厚な新鮮な魚で、肉みたいな弾力があって、めっちゃ美味しいんだ・・・。
まさかこんなところで食べれると思わなかったからね・・・美味しくて感動した・・・。
しかも、デザートにパッションフルーツ
パッションフルーツ
山側って料理上手めっちゃいるんだけどさ、海側って料理上手いないんだよ!!!
ブン太の料理美味いけど、スイーツのほうが得意じゃん?あの人。
あとは、六角の人とかも料理率先してやってくれるけど、ザ☆男の料理って感じなんだわ。山側みたいな繊細な料理出てこないんだわ!!
そう思うと、なんか久々に美味しいご飯食べれてアタシはとても満足したし、美味しい料理作れるやつに悪い奴はいないから、この比嘉の人たちのことも信用してやろうと思った。
「はぁ・・・さすが沖縄人は違うな~、沖縄料理最高うみんちゅって言うんだっけ?よくTシャツとかになってるやつ!」
「うみんちゅは、漁師のことを指します。沖縄人はウチナーンチュですよ」
「ああ!ウチナーが沖縄で、沖縄人はウチナーンチュって言うのか。先生、沖縄の勉強になりました!あざーす!」
「・・・全く、のん気な人ですね」
「え?アタシのこと好きだって?まいったなぁ」
「誰もそんなこと言ってませんよ。どうしてそうなるのですか、あなたの頭はお花畑ですね」
「てへっ☺」
「ほめてませんよ」
「あっしぇ懲りてねーさー 」
「ふんとー んかい変なやつ」
「え?なんて?」
この後、お腹いっぱいになったアタシは、コテージでまたまた昼寝。
そんで、夕方近くになってからキャンプ場に送ってもらったよ。(ボートもあとで持って来てくれるらしい至れり尽くせり)
比嘉のやつらいい奴だな!またご飯を食べに行こう!
「もう来ないでください」
うん、これも照れ隠しだな。
アタシ知ってる。
絶対また遊びに行こうと思いながら、またキャンプ場をフラフラしたのだった。