036***さおり/まなみ

午前中、海で遊んで、とっても楽しくて。

途中で海側の六角の人たちも遊びに来て、水着姿見られたの恥ずかしいけど、あんまりそういうの気にしない人たちだから楽しく遊べたよ。良かった。

 

お昼ご飯の時間になったから、戻ったらもうお昼出来てて食べ始めるところで、手塚くんとか橘くんにお手伝い出来なかったこと謝った。

みんな、気にしなくていいって笑ってくれてるから超いい人たちだな・・・と思っていたら、「まえさん、こっち座りや!」と名前を呼ばれたので白石くんの隣に座った。

 

 

「白石くんも、ご飯作るの手伝ったの?」

「おん、部長会議終わって、自主練のあと時間あったからな」

「そうなんだ、ごめんねお手伝いできなくて」

「え!?まえさんいつも頑張ってくれてるし、全然遊んでくれててええんやで!」

「そんなわけにはいかないよ・・・。漂流して先生方いないのに、のん気に遊んでしまった・・・」

「気にせんでって!」

「あ、でも六角の人も先生のこと心配してた割に遊んでたな・・・」

「せやから、気張ってばっかりも疲れるし、ええと思うで?というか、まえさんたちが楽しそうにしとったら、みんな救われとると思う」

「そうかなぁ」

「そうやで」

「ならいいんだけど・・・」

「それより、まえさん昼食べへんの?」

「うーん、なんか海行ったから水分たくさんとってお腹いっぱいで・・・」

「あーそれはあかんな」

「うん、お腹すいたらあとで食べるよ」

「おん、わかった」

「うん」

「まえさん少し焼けたんとちゃう?」

「え!?日焼け止め頑張って塗ったのに!」

「日焼け止め塗っても焼けないわけではないからなぁ」

「あ~やっぱり南の島きたら焼けちゃうよね~」

「健康的でええんとちゃう?」

「えー焼けるのやだなぁ」

 

 

「めっちゃ仲ええな」

 

 

謙也くんの声でハッと気づいた。

話し込んでたからびっくりした。話に集中してしまっていたよ。

 

 

「びっくりするわ、全然会話途切れへんやん」

「せやろ?仲良しやねん、なーまえさん」

「う、うん。仲良しだよ?」

「(よっしゃ、仲良しって言われた)」

「よかよか」

「俺かてねーちゃんと仲良しやで!なー」

「え!(ドキッ)う、うん!!!!!すっごい仲良し!!!!!////」

「え・・・」

「金ちゃんのほうが全力で肯定やったな」

「よかよか、仲が良いことはよかばい」

「相変わらずやなー千歳は」

 

 

そんな話をしながらご飯を食べて、後片付けはきちんと手伝って・・・

なんだか少し午前中の海で疲れてしまった私は、15時からの白石くんの探索に付き合う約束をして、それまでコテージに戻ってお昼寝をしたのだった。

 

 

 


 

 

 

あれ・・・?

 

 

ここは・・・どこだ・・・?

 

 

うーん・・・

 

 

さおちゃんと一緒に海で遊んでいた。

六角の人たちも来て楽しくて遊んでたんだ。六角にめっちゃイケメンいて、冷や汗でたわ。もうずっと眺めていたいくらいのイケメンだった・・・。

そんなイケメンに浮かれて、途中でさおちゃんが「そろそろお昼だし帰る」って言ったけど、アタシはもう少し遊んでくって言って・・・。

そんで、六角の人たちがワイワイガヤガヤしてるのをボートに乗りながら遠目から眺めて、イケメンだなってニヤニヤしてて・・・。

 

そのあと、確か・・・・・・・・

 

・・・寝たな。

ボートで寝たな、間違いないな。

うん。間違いない。

ボートの揺れが気持ち良いのと波の音のヒーリング効果すごかったもん。

寝たわ。

 

そんで・・・気づいたらここだ。

ということは、今の状況は・・・

 

 

 

遭難の遭難・・・!

 

 

 

え、まじかよやべぇ。

遭難したのにさらに遭難したとか笑えない。

しかも今回は一人だ・・・!

これはやべぇ、暑いからじゃなく、普通に変な汗出てきた。いや、暑いからかもしれないけど・・・。

 

とりあえず、ここはどこだと辺りをキョロキョロ見回す。

どうやら砂浜に打ち上げらたようで、ここはどこかの島なのかと思うけど・・・。

うーん・・・どこだここは・・・。

 

なんかでも、もし誰か人がいて、怖い人だったらやだから大声出せないな・・・。

誰かいますかーとか普段なら言ってるけど、これもし変な人がやってきて、おら可愛いから連れてかれたら困るし・・・。

先住民とかさ、絶対アタシ可愛いから惚れるしょ・・・。

お嫁さんとかにしちゃうしょ・・・。

アタシ南の島で子だくさんとかマジでやだわ無理・・・。

 

 

そんなことを考えながら、どうしようかと思っていたら。

 

 

「やー くま で ぬぅ してる?」

 

 

という声が聞こえてきた。

 

 

ヒイイィィィィ

 

本当に先住民いた!!!!!

 

 

「アタシ可愛いけど、お嫁さんにはなれないから!!」

 

 

そう言って振り向いた。

 

 

「はぁ? ぬぅ 言ってるんば?」

 

 

そこには、ジャージを着た金髪の先住民がいたのだった・・・。

 

 

「ひええええ、やっぱり先住民だったぁぁあ!!」

「先住民って ぬぅ だ? やーきさからぬぅ言ってるんば??」

「アタシはこんな南の島で子育てする気なんてないからぁぁぁ!!」

「ぬぅ言ってるかわからねーんけど、迷子んかいなったぬかー?」

「何言ってるかわかんない・・・日本語プリーズ・・・

「まずえーしろーぬとぅくるんかいいちゅんから着いて来るさー」

 

 

なんかよくわからないけど、着いて来いって言ってる??

やばいこれ絶対あれだ、嫁ルート確定だ・・・

私ピンチすぎる・・・

 

どうしようか困っていると、

 

 

「平古場くん、何をしているんですか?」

 

 

と、日本語が聞こえた。

良かった・・・日本語がわかる先住民がいたようだ・・・

 

 

「お、えーしろー」

「凛、ぬぅしてるんば?」

「遅いから来てみれば・・・彼女は向こうにいた確か氷帝の・・・なぜここに?」

「わからねーけどくまんかいいた」

「プリーズ!!プリーズノット花嫁!!OK!?

「彼女は何を言っているのですか??」

「わんにもわからんさー」

「プリーズプリーズ!!」

「プリーズ?ぬぅが欲しいんば?」

「さぁ?」

「・・・この場合は、お願いと言っているのでしょう・・・。とりあえず、ここにいても仕方がないですから、一緒に我々のロッジにいきましょうか」

「・・・ロッジ?え?ロッジに住んでるの?」

「ええ、今は離れのロッジを借りていますが・・・あなた先日我々と会いましたよね?覚えていないんですか?」

「え!?会ったっけ?え、いつだろー・・・アタシ海外初めてだし・・・先住民に知り合いはいないはずだけどな・・・🤔」

「・・・何やら壮大な勘違いをしているようですね・・・まずはロッジで話を聞きましょう」

「え!?そう言って連れ込んでアタシをお嫁さんにする気でしょ!?そうはいかないんだからぁ

「変なちゅだば」

「変なこと言ってないで行きますよ

 

 

そう言って、アタシは無理矢理腕を捕まれ、先住民たちに連行されたのだった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?んじゃ、先住民じゃないの?」

 

 

ロッジについて、何とお昼ごはんをご馳走になって(優しい先住民だなと思った)、で、よくよく話を聞いていたら比嘉中という学校の人たちだった。

聞き取れないのは、沖縄弁らしい。

このえーしろーと言う人も、標準語のわりになまってるからな。

 

 

「先住民って何ですか・・・」

「だってさーどっか別の島に漂流したと思ったんだもんー」

「くまやうひはなりてるけどむにー島だぞ」

「え?え?なんて?え、何て言ったの?マジでわかんない、日本語プリーズ」

「きみたちはちょっと黙ってなさいよ・・・ここは合宿先の島ですが、我々は彼らと一緒にいませんからね。少し離れたロッジを使っているんです」

「そうなのかー知らなかったよ」

「それにしても、ボートで寝てしまうなんて・・・たまたま同じ島に流れ着いたからよかったものの、本当に遭難してしまう可能性だってあるんですよ」

「めんぼくない」

「反省してませんね?」

「冒険には反省は必要ないさ

「・・・あなたバカですね?」

 

 

バカと言われた。解せん。

でも、この人昼ごはんくれからな!

豚肉ないから魚でゴーヤチャンプルー作ってくれたんだけどめっちゃ美味しい・・・。

ってか、魚も大きくて肉厚な新鮮な魚で、肉みたいな弾力があって、めっちゃ美味しいんだ・・・。

まさかこんなところで食べれると思わなかったからね・・・美味しくて感動した・・・。

しかも、デザートにパッションフルーツのゼリーまでくれたんだぜ・・・?

パッションフルーツのゼリーって沖縄では一般家庭でも良く作るデザートらしくこれまた美味しかった・・・。

 

山側って料理上手めっちゃいるんだけどさ、海側って料理上手いないんだよ!!!

ブン太の料理美味いけど、スイーツのほうが得意じゃん?あの人。

あとは、六角の人とかも料理率先してやってくれるけど、ザ☆男の料理って感じなんだわ。山側みたいな繊細な料理出てこないんだわ!!

 

そう思うと、なんか久々に美味しいご飯食べれてアタシはとても満足したし、美味しい料理作れるやつに悪い奴はいないから、この比嘉の人たちのことも信用してやろうと思った。

 

「はぁ・・・さすが沖縄人は違うな~、沖縄料理最高うみんちゅって言うんだっけ?よくTシャツとかになってるやつ!」

「うみんちゅは、漁師のことを指します。沖縄人はウチナーンチュですよ」

「ああ!ウチナーが沖縄で、沖縄人はウチナーンチュって言うのか。先生、沖縄の勉強になりました!あざーす!」

「・・・全く、のん気な人ですね」

「え?アタシのこと好きだって?まいったなぁ」

「誰もそんなこと言ってませんよ。どうしてそうなるのですか、あなたの頭はお花畑ですね」

「てへっ☺」

「ほめてませんよ」

「あっしぇ懲りてねーさー 」

「ふんとー んかい変なやつ」

「え?なんて?」

 

 

この後、お腹いっぱいになったアタシは、コテージでまたまた昼寝。

そんで、夕方近くになってからキャンプ場に送ってもらったよ。(ボートもあとで持って来てくれるらしい至れり尽くせり)

比嘉のやつらいい奴だな!またご飯を食べに行こう!

 

 

「もう来ないでください」

 

 

うん、これも照れ隠しだな。

アタシ知ってる。

絶対また遊びに行こうと思いながら、またキャンプ場をフラフラしたのだった。

 

 

 

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