【IF】本当は怖いブラック本丸のみんなで転生してみた2

「え・・・嘘でしょ・・・?」

「本当!」

 

アタシが一番信じられないよ~と言うまあちゃん。

 

彼氏ができたって・・・

嘘でしょ・・・?

 

「え・・・御手杵って、あの御手杵くんだよね?」

「うんそうだよ」

「きみがいつも好き好きいってる人でしょ?」

「うん、超かっこいいよね。スタイル良いし」

「え?いつから付き合ってるの?」

「え?わかんない」

「わかんないの!?」

「わかんないけど、付き合ってたらしいよ!」

「そうなの!?」

「うん、結婚してくれるんだって!」

「どうしてそこまで話が飛躍してしまったの??????」

 

なんだかわからないけど・・・

本当に意味がわからないけど、まぁちゃんに彼氏ができた。

いつも、御手杵くんのこときゃあきゃあ言ってたのは知ってる。

知ってるし、好き好き言ってたけど、まさか付き合うとは・・・

 

でも、みんなで遊んでる時とか、御手杵くんの視線がまぁちゃんにいってたの私知ってるんだ。

ずいぶん、優しい目で見るなって思ってた。

だから、きっと御手杵くんは御手杵くんなりに、まぁちゃんをずっと好きだったのかなって思った

 

思ったけど、あの御手杵くんだよ!?

ド天然の御手杵くんだよ!?

まぁ、まぁちゃんが幸せならいいけどさ・・・

そもそも、まぁちゃんがいつ御手杵くんを好きになったのか、何もわからない。

うーん。なんだか腑に落ちない。

 

 

ということを考えていたら、

 

「どうしたんだい?考え事かい?」

 

憂い顔の姫も可愛いけど、花のようにかわいい笑顔を向けてほしいな

 

と、言われてファッ!?っとなった。

大般若さんは本当にもう・・・。

毎回カフェに遊びに来るたびにこうして甘い言葉を囁くから心臓に悪いよ・・・。

大般若さんは口説くのが趣味らしい。

ここ普通のカフェだよね?なんだろうこのホスト感・・・

 

「きょうのおやつはおいしくなかったかな?」

 

と、心配そうに聞いてくる小豆さんに、私は笑顔を作った。

 

「いえ、おいしいです!いつもありがとうございます!このフワフワのパンケーキ・・・口に入れたら溶けちゃうくらい柔らかいですね」

「それはめれんげがこつなんだ」

「へぇ・・・そうなんだ」

「おいおい、小豆、俺が姫を口説いていたのに途中で邪魔するなんて野暮だぞ」

「はは、すまん。おれもかわいいえがおにはよわいんだ」

 

はぁああああ

長船の皆さんはもうううううう

私の中でこのカフェは『ホストクラブ長船』ということになっている。

来るたびみんながかわいいかわいいって言いだすから、心臓がもたないよ・・・

完全に私を褒めて貢がせようとしている感がすごいけど、私普通の女子高生だからね!!

 

「やあ、来てたんだね」

 

腕まくりをしながら、小竜さんがカウンターのほうから出てきた。

小竜さんは大学生なので授業が終わってからお店を手伝っているらしい。

 

「こんにちは」

「こんにちは。そういえば、こないだ行ったモルディブの写真が出来たんだけど見るかい?」

「あ、はい、見たいです」

 

小竜さんは旅をするのが好きみたいで、しょっちゅうあちこちに行っている。

フラフラしているから、一番お店にいる確率が低いかな。

小竜さんかっこよすぎてまともに顔みれないから、ずっと旅行に行ってていいよ・・・。

ただ、小竜さんの撮る写真はとても素敵で、写真を見るのが好きな私はいつも楽しく写真を見ているんだ。

 

「わぁ・・・キレイ・・・」

 

透き通るようなきれいな海の写真を眺める。

小竜さんは、センスがいいから写真が本当に上手いなぁと感心してしまう。

 

「だろ?とてもキレイな海だったよ。きみにも見せてあげたいと思った」

「こんなに透き通ってる海・・・行ってみたいなぁ・・・」

「ああ・・・それじゃあ新婚旅行で行こうか?たくさんカップルもいたから、俺もきみのことを余計に思い出してしまってね」

 

新婚旅行?

誰との?

 

と思って、顔を上げると、そこには、小竜さんのイケメンフェイスが・・・

 

心臓が止まりそうだと思った時、

 

ガンッ

 

「近い」

 

料理にひと段落ついた光忠さんが、トレイを私と小竜さんの間に入れると、

そのトレイに小竜さんがぶつかった。

大丈夫だろうか?

 

小竜「いって。この顔に何かあったらどうするんだ」

光忠「大丈夫大丈夫、鼻血が出てもイケメンだろう?」

小竜「彼女の前で鼻血なんか出せないよ」

光忠「彼女はカッコ悪いところも受け入れてくれるよ」

小竜「自分だってカッコ悪いところなんて見せられないくせに・・・」

光忠「僕はいいんだよ。ね、さおりちゃん、夕飯食べていかない?イタリアン作るよ」

さ「え・・・帰りますけど・・・」

小豆「かえるのか?」

 

謙信もたべていくとおもうぞ

 

小豆さんのずるいその一言で、心が揺れる。

ダメダメ!

お母さんご飯作ってるだろうし、それでなくてもここの通うようになってから、体重が・・・

長船のみなさん、料理が上手すぎて完全に餌付けされてる・・・

食べ物おいしすぎて太る・・・泣きそう

 

 

さ「今日は帰ります。ところで、謙信くんはまだですか」

小豆「きょうはうんどうかいのりれーのれんしゅうがあるといっていたからなぁ」

さ「え!?謙信くん今年もリレーの選手に選ばれたんですか!?」

小豆「ああ、くらすでいちばんはやいといっていたからな」

さ「さすが!!!さすが謙信くん!!!やだ!!尊い!!」

光忠「もちろん運動会は応援に行くんだろう?」

さ「当然です」

 

謙信くんと出会ってから早1年・・・

去年小学校1年生だった謙信くんは天使だった・・・

運動会頑張ってる姿を見ると涙出てくるよね・・・

関係者じゃないからカメラは遠慮したけど心のシャッター押しまくったし・・・

(学芸会は行きたかったけどやはり関係者ではないのでさすがに遠慮しました)

 

そんなことを考えていると、カフェのドアが開いた。

そこには、ランドセルを背負った謙信くんの姿が・・・

 

さ「謙信く~~~~んお疲れ様~~~~ここ座って!!!」

 

謙信くんに隣を進める。

素直に私の隣に座る謙信くんマジ天使。

 

小豆「おつかれさま、ぱんけーきたべるかい?」

謙信「うん、ほしい。小豆のぱんけーきはおいしいからな」

さ「謙信くんリレーの選手に選ばれたんだって?」

謙信「うん、だからぼくはがんばるんだ。あんかーだからな」

さ「アンカーなの!?わ~~~~~~~やばい絶対見に行く~~~

小豆「いつもえんりょするが、とっているせきでみてもいいのだぞ」

さ「いえいえいえいえ、そんなご家族にお邪魔するなんて出来ません!!私はグラウンドの片隅でこっそり眺めているだけでも幸せなんです!!!」

大般若「じゃあ家族になればいいじゃないか」

小竜「家族になればいいね」

光忠「名案だね」

小豆「そうだな」

 

長船のお兄さんたちが、何を言っているのかはわからないけど・・・

家族?

なんだかみんな目が怖いような・・・

 

 

謙信「かぞく・・・かぞく!!なりたい!!」

 

 

ふわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ謙信くうううううううううううううううううううううんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!

 

 

謙信くんのご両親は、お仕事がとても忙しいらしく・・・

というか、長船グループはかなりの大企業なので、みなさん親御さんとあまりそこまで関わりがないから、こうしてイトコ同士で仲良くなったんだって言ってた。

特に、一番年下の謙信くんは、みんなで面倒を見るくらい、大切に大切に育ててきたんだろうけど・・・

いつも「みんながいるからさみしくないぞ!」とは言っているけど、絶対強がりだよね!!

私知ってる!!

本当はお父さんとお母さんに会いたいよね・・・

だから、家族に憧れる謙信くんの気持ちもわかるよ私・・・

 

 

「うんうん、家族、なろうね!!謙信くん!!!」

「うん!きみがかぞくになってくれたらうれしい!!」

「じゃあ私は謙信くんのお姉ちゃんになるね!!」

「おねえさま・・・!」

 

 

ぱああああっと謙信くんの顔が明るくなる。

まじかよ

天使がいるぞここに

まじで死んでもいいわ・・・

 

 

光忠「謙信くんの本当の家族になれる方法教えてあげようか?」

小竜「いやいや、謙信の実の兄と言えば俺だよ?ここは俺が・・・」

小豆「なら、おれは謙信のほごしゃだ」

大般若「おっと、それなら俺にもチャンスはあるだろ?」

 

謙信「あ・・・でもやっぱり・・・」

さ「ん?どうしたの?」

謙信「おねえさまはやめる」

さ「え!!???どうして!!!???いやだった!!??」Σ(゚д゚lll)ガーン

謙信「いやじゃないよ、いやじゃないけど・・・やっぱりきみのことはぼくがまもりたい・・・。だから、ぼくがおおきくなるまでまっていてほしい・・・」

 

 

 

 

 

 

 

謙゛信゛く゛ん゛

 

 

 

 

 

 

 

まじかよどういうことだ

こんなにも謙信くんがかわいいなんて

謙信くんは地上に舞い降りた天使だ

間違いない(確信)

謙信くんがかわいすぎてかわいすぎてつらい・・・

まじで心臓いたいわ、私死ぬと思う

というか、今一回死んだ

謙信くんが好きすぎる

 

 

 

 

 

 

 

「ずっとずっと待ってるよおおおおおおおおおおおおおおお」

 

 

 

 

 

 

 

ギュッと謙信くんを抱きしめると、少し控えめに抱きしめ返してくれたやばいなにこれしぬ

幸せいっぱい胸いっぱい・・・!

謙信くんに頻繁に会いに来ててよかった・・・!

この1年が報われて良かった・・・!

 

この後は、二人でパンケーキをめちゃくちゃ半分こした。

(私イチゴ、謙信くんバナナチョコ)

 

謙信くんがいるから今日も私は幸せです

 

 

 

 

 

 

長船大人組「「「「思わぬ伏兵だった」」」」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「どうしてお前は宿題をやってこない!!」

 

長谷部が激おこである。

笑う。

 

正直前世で散々主厨なところを見ていたせいで、激おこな長谷部を見ると笑う。

お前、廊下水拭き選手権で馬のマスクをかぶって全力で床掃除してこっちの腹筋崩壊しそうになったってのに、なに怒ってんだよwww

笑うわwww

 

「聞いてるのか!?」

「聞いてない」

「なぜだ!?」

「えーだって長谷部面白いから」

「長谷部じゃない!!先生と呼べ!!どうしていつも呼び捨てするんだ!?」

「長谷部は長谷部だよ」

「お前は・・・!!💢」

 

長谷部の額に青筋が立った。

ますます怒っているようだ。

 

「お前は本当に、昔から問題行動ばかりで!!💢」

 

そういうと、長谷部はピタッと動きが止まった。

そして、

 

「昔から・・・?」

 

と呟いたあと、

 

 

サーッと顔が真っ青になった。

お、これはwww

 

 

そして、素早く、

 

 

「申し訳ございませんでした!!!!!!!!!」

 

 

と土下座し出した。

職員室で。

 

周りの先生たちも「長谷部先生何したの・・・?」「え・・・わいせつ事件・・・?」「長谷部先生が・・・?」「教え子に・・・?」とざわざわしている。

お前も場所考えろやwww

 

結局、このあと校長室に長谷部が呼ばれて、私は解放された。

アホだな長谷部www

とりあえず放課後だったし、家に帰ろう。

全くもう!

さおちゃんまた長船カフェ行っちゃったし、暇になっちゃったよ・・・。

長谷部のせいで一緒に帰れなかったし悲しみ・・・。

 

御手杵と一緒に帰ろうかな

・・・と思ったけど、御手杵気づいたらもう帰ったっぽい。

御手杵は彼女だって言ってくれたけど、本当に彼女なのだろうかと不安にしかならないよね。

本当に付き合ってる・・・?

それともこないだのことは夢だった・・・?

 

 

とりあえず一人でとぼとぼ歩いていたら、見たことのある空色の髪の人がキョロキョロしていた。

あれはいち兄だ。

いち兄は記憶がないんだけど、粟田口みんなと遊んでいるときに一緒に遊ぶことがある。

アタシは大将組と遊ぶのが好きだからな!

相変わらずみんなかわいいぞ!

 

「いち兄」

 

何かを探しているいち兄に近づいて声をかける。

 

「おや、」といち兄は気が付いてこちらを見た。

いち兄は他の学校通ってるけど、うちの学校にファンがいるくらいロイヤルな噂が流れてくる。

前世のいち兄やばかったけどな。

もう和解してからというもの、アタシにもデレッデレだったからね。

遠征のたびにお土産買ってきてくれたからね。

薬研に甘やかしすぎだって怒られてたわ。

 

「まなみさん、こんにちは。今お帰りですか?」

「うん、いち兄何してるの?」

「ああ・・・昨日秋田がお気に入りのビー玉をカラスに持っていかれてしまったらしく・・・どこかに落ちていないかと探していたのです」

「あーこの時期は巣作りの時期だからねぇ。秋田とられちゃったか」

「はい・・・しかし、一度カラスの手に渡ったものも嫌がると思いますし、やはり新しく買い与えるとします」

「うん、それがいいかもね」

 

「子らよ、何をしておる」

 

いち兄との会話のあと、そう聞こえた声に振り向いた。

そこには・・・

 

「パパ上!」

 

なんと、パパ上の姿があった。

パパ上、なんかどっかのお偉いさんなのに何してるのさ。

 

「これはこれは・・・お父上・・・ですか?」

「違うよ。みんなのお父さんだよ」

「え・・・?」

「この子は記憶がないのか?」

「そうなんだよ、パパ上」

「は・・・?あの、記憶とは・・・?」

 

いち兄が不思議そうな顔をしている。

まぁそりゃそうだな。記憶なかったらなんのこっちゃだよな。

 

「パパ上どうしたの?」

「いやなに、移動中に車から姿が見えたので声をかけただけだ」

 

パパ上がチラリと顔を向けたほうに、なんか長い車がある。

本当だ、パパ上超高級車に乗ってたな。

 

「何をしておったのだ?」

「あのね、秋田がお気に入りのビー玉カラスにとられちゃったんだって」

「あ、あの、秋田とは私の弟で・・・」

「知っておる」

「え!?(なぜ!?)」

「パパ上、カラスのことだから何とかならない?パパ上カラスと交渉してよ」

「な、なにを言っているのですか????」

「交渉するまでもないぞ、ついてくるがよい」

 

そういうと、パパ上はアタシといち兄を車に乗せた。

いち兄はしきりに遠慮してたし、少し怖がってたけど、ごついSPのお兄さんたちに囲まれたのと、アタシが心配だったからついてきたっぽい。

 

超高層ビルの一室に通された。

うわ、眺め良すぎ。

 

「パパ上、ここパパ上のオフィス?」

「ああ、そうだ」

「あ、あの、これは一体・・・?」

 

いち兄記憶がないから、挙動不審だわwww

記憶あったら、何も問題ないのになwww

 

すると、パパ上がオフィスの奥から何かを持ってきて、アタシたちの前に出した。

 

「ビー玉とはこれのことか?」

 

パパ上の手の上にはきれいな色とりどりのビー玉があった。

 

「これです!」

「え!?パパ上これどうしたの!?」

「うむ、今世ではカラスに懐かれて、こうして光っているものがあると献上してくるようになったのだ」

「さすが小烏丸!カラスに好かれるんだねぇ~。パパ上すごいぞ!」

「部下に言って、消毒は終わっておる。カラスが光物を持ってきた時は、なるべく警察に届けているのだが、かわいらしいビー玉だったものでな。ひとまず手元に置いておいたのだ」

「そっかそっか、よかったねいち兄」

「は、はい、ありがとうございました・・・?」

「うむ、良いのだ。子が困っているところを助けるのは父の役目だからな」

「じゃあ御手杵どうにかしてよ!!困ってるよ!!」

「はっはっは、子の自主性を重んじるのも父の役目よ」

「くそっ」

「あ、あの・・・」

「あ、そうだそうだ、秋田に早く返したいよね!いち兄帰ろ」

「送らせよう。車に乗るがよい」

「わーい」

「そ、そこまでしていただくと申し訳ないので・・・」

「いいからこういう時は甘えておくものだよ!」

「そう・・・ですか・・・では、お言葉にあま・・・・・・・・・・・・」

「ん?どうした?いち兄?」

「ふふ、その顔はきっと、思い出したのであろうな」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・思い出しました」

 

 

顔を真っ青にしながら、「主・・・」と呟いたいち兄。

やっといち兄も思い出したから、粟田口のみんなも喜ぶね!!

 

「小烏丸殿、ありがとうございました・・・!」

「ふふ、良いのだ、今度粟田口の家に遊びに行かせてもらおう」

「はい!ぜひいらしてください!」

「アタシもいくー!」

「では、手土産もたくさん持ってくとしよう」

 

こうして、また一人記憶を思い出した人が増えたのでした!

それよりも明日こそ御手杵と一緒に放課後デートしてやるわ!!

 

 

 

 

【IF】本当は怖いブラック本丸のみんなで転生してみた2 完

 

 

+12