秋だ!体育祭だ!!
2学期はそれはもう劇的に忙しくて、逆にそれが今の私には落ち着くのである。
私は運動得意じゃないから今日は生徒会の方と、女子全体の競技だけでいいから安心してる!
(運動得意な子は他にもいるしね!)
(ヒメコもディアンヌも大活躍するし)
(ヒーロー科の子たちもいるし)
(みんな男子に負けないもんなぁ、本当にすごい)
生徒会の仕事と言ってもテントでスムーズな進行が出来てるか見張ってるだけで
放送委員会が放送担当するし、保健委員会が救護班するし、体育委員会が競技の進行してくれるし、
割とやることは少ないんだー。だから生徒会のテントの下で涼んでるんだー、屋根付きだからね・・・!
三津谷「前、そろそろ全校女子の借り物競争が始まるだろう、行った方がいい」
さおり「あ、はい!三津谷先輩、ありがとうございます」
手塚「がんばってくれ」
柳「運が強いものが勝つ競技だ・・・確率で言えば」
三津谷「33.6%と、お前は言うよな、蓮二」
柳「・・・いえ、33.67%と言うつもりでした」
三津谷「負けず嫌いなところは相変わらずだな」
さお(オロオロ)(どうしよう喧嘩始まった)
跡部「いつものことだ、気にせず行ってこい」
さお「う、うん」
三津谷先輩と柳くんいつもなんか数字の話してもめてるんだよね・・・。
たまに3組の乾くんも混ざってるけどもう何を言ってるかわからないんだ・・・。
喧嘩してると思うんだけど違うってみんな言うし・・・
よくわかんないや。
と、思いながら集合場所に到着!
三津谷先輩に教えてもらわなかったら忘れてたよ!!
まー「やあきみ」
さお「やあ!」
まー「きみおらの前だ」
さお「あ、ほんと」
まー「ディアンヌとヒーロー科と一緒だよ」
さお「それはやばいね」
まー「潰されないように気を付けて」
ディアンヌ「もー!聞こえてるよ!潰さないもん!」
梅雨「私たちヒーロー科のお題は少し難しいはずよ」
お茶子「さおりちゃん、お互いがんばろうなぁ!」
さお「うん、みんながんばろうね・・・!」
(女子みんないい人だな・・)
(みんな可愛くておっぱい大きくていい人・・・)
(スタイルいいしいい人・・・)
整列してみんなで話しながら待っていたらすぐに順番が来た。
ヒーロー科は1・2・3のレーンで黄色い封筒。
普通科の私たちは4・5・6のレーンで青い封筒を拾う。
ピストルが鳴って一斉に走り出す。まぁ走るのは追いつけるわけないからさ・・・!
私は余った封筒拾うんだ・・・!
私が一つ残った青い封筒を拾った時、すでにみんな借り物を探しにどこかに行ってしまっていた。
(ああ、みんな早いなぁ!)
(どうしよう・・・!)
ガサガサ 封筒を開ける。
お題は・・・・・・・・・・・・・・
『イケメン』
!?
!!?!!?
!!!?!?!?!?
「えええ!?!?」
思わず声が漏れた・・・!いやこれ・・・!こんなお題アリ!?
てかイケメンって・・・
この学校イケメンだらけだから・・・・!!!!
(ってことは誰でもいいってことだよな!!)
(イケメンイケメン・・・)
(早くしないと・・・!これはラッキー問題だ・・・!!)
イケメン
その言葉を見た時 すぐに浮かんだ人がいたんだけど。
それは今は内緒の話で、
私は そうだ生徒会に行けば誰か一緒に走ってくれるはず と思って 逆側にある生徒会のテントへと向かおうとした。
「前さん・・・!!」
その時
名前を呼ばれて 振り向いた。
(あ・・・)
「し、白石くん・・・」
「前さん!!お題、なんやった!?」
「え、えっと、」
「俺、なんか手伝える!!?」
「え!いや、あの、生徒会の方に行こうと思ってたんだけど・・・」
「生徒会!?遠いな!お題何!?眼鏡!?鉢巻!?時計!?」
「あ、ち、ちがうの、これ・・・」
ペラ と紙を見せると 一瞬固まった白石くんは
「・・・ちょお、失礼するで」
そう言って
私を
お姫様抱っこしたのだ・・・!!
(ひぃぃぃぃぃ!!!!!!!!)
「ちょ、し、し、し、しらいしくん・・・!!!!」
「俺でええやん!!!」
「え?」
「俺でええやんかそれ!!!」
「・・・」
(・・・まぁ、そのとおり)
(一番に浮かんだのは 白石くんの顔だったけど)
でも
こんなの
(恥ずかしくて死ぬ・・・・!!!!!!)
ワァ! と 歓声が上がったのがわかる。
みんなが見てる。
注目されてる。
恥ずかしい。
ああ、駄目だ、恥ずかしくて 今にも溶けてしまいたい。
きっと私の顔は真っ赤だろうし
走り出した白石くんの耳も 赤かったし
なんかもうよくわからないけど
わからないんだけど・・・!!
(ど、どきどきする・・・!!!)
(死んでしまう!!!!!!!)
私はもう現実から目を背けるように おもいっきり目をつぶった。
次に目を開けた時、私はすでにゴールした後だった。
ゼェゼェと息を切らす白石くん。
1位の旗を掲げた梅雨ちゃん。
あぁ、負けたんだ、そう思った。
ミッドナイト『はいはい、じゃあお題確認するわよ!お姫様抱っこされて来たけど・・・お題は・・・・イケメン!!!OK、まさにイケメンよね!でも残念ながら2位・・・2位だけど顔を真っ赤にする2人・・・青くっさ!!!大好物よ!!赤組に+10点追加しちゃって!!」
ミッドナイト先生が そうマイクでいったんだけど
私もう恥ずかしすぎて顔上げられない。死んでしまう。
白石「あ~1位取れへんかった・・・すまん」
白石くんが私をおろしてゼェゼェと息を切らしながら言った。
私は恥ずかしさのあまり その場にしゃがみこんだ。
白石「あ、だ、大丈夫?どっかぶつけた!?すまん!俺夢中で!前さん運動会で1位取ったことないって前に言うてたからなんとかして取らせてあげたい、て、思うてたんやけど・・・」
余計なことやったよな!?
ほんま、ごめんな!!
そう慌てて謝る彼に
私は色々な感情が爆発しそうでなんの反応も出来なくて。
「もう席に戻りなさーい」って言う先生の声が聞こえて、小さく ほな、 って白石くんの声が聞こえて彼がその場を去ったことがわかった。
わからないけど、本当にわからないけど、心が死ぬんじゃないかってくらい激しく動いてるの。
息が出来なくて苦しいの!
私本当に死んじゃうんじゃないかなってくらい動悸息切れ激しいの!!!!
(・・・ツラい)
苦しくて苦しくて、競技が終わったあともクラスの方には戻らずにずっと生徒会のテントで過ごした。
白石くんのことはそれからもう、見ることは出来なかった。
体育祭サボろうかと思ってたけどサボったらマジで留年させるってリヴァイのチビに脅されるしよ、それ聞いてまた歌仙ブチ切れるしよ、だから歌仙に何言われたのか堀川と清光と安定めっちゃ今日見張ってるからねおらのこと。
ついでに歌仙が言ったのかリヴァイが言ったのか知らんが幼なじみのアホたちにもなんか言ったらしくてめっちゃバカにされつつやつらもおらのこと見張ってるからね。
もうサボれねーんだわ!くそ!!
さおちゃんのところ行きたくても行かせてくれない。
がっちりホールドされる・・・
こいつらほんとおらのこと大好きだな・・・コーイチ、結婚しよ♥
まー「さおちゃんに・・・会いたい・・・」
コーイチ「さっき借り物競走で話してたじゃねーか」
まー「足りない・・・ずっとそばにいたい・・・」
岳人「アホだなお前・・・せめて宿題やっとけばサボってもバレなかっただろうに・・・」
ジロ「完全に目付けられてるCwww」
まー「うぅ、さおちゃん・・・」
清光「まなみー、次の競技出るんでしょ?迎えに来たよ~♥」
安定「早く行くよ」
まー「ふぅ・・・出番たくさんだな・・・人気者はつらいぜ・・・」
ルカ「いや、女子少ないだけだからwww」
岳人「おまえだけじゃねーからwwwむしろお前運動音痴のくせに出番多くて笑うwww」
ジロ「むしろ運動音痴だからいなくていーのにwww」
まー「は?お前が見張ってるからサボれねーんじゃねーか💢💢殺すぞ💢💢」
清光「もー、いいから行くよまなみ!」
安定「俺達も出番近いんだし早くしてよね」
まー「わかったわかった、次の競技なんだっけな」
安定「男女ペアの二人三脚だろ」
まー「そうか・・・誰とペアだろ、イケメンだといいな」
清光「は?浮気しないで💢」
岳人「ペア決まってねーの?」
まー「番号札だけ引いたけど相手が誰かわからんよ」
ジロ「まなみとペアになったやつ可哀想www」
ルカ「絶対転ぶ方に100円♥」
コーイチ「やるからには勝て」
まー「わかったからちゃんと応援してろよ!」
そうしてアタシは清光と安定に連行されながら
二人三脚の集合場所に向かったのだ。
(ペアの人誰だろ・・・)
(橘くんだと嬉しいな・・・♥)
(木兎でもいーな!)
(チャリ部もいいな、チャリ部は誰でもいーやみんなめっちゃ好きだ)
(かずきちも嬉しいな・・・♥)
(あと・・・)
(あと、まぁ・・・もし、アイツだったら・・・)
(まぁ・・・アイツでも、いーけどね!)
(一緒に走ってあげるけどね!)
(・・・サマーキャンプの時一言も話してないけど)
(最近全然話してないけど)
(ま、まぁ・・・今日笑顔で一緒に走るなら・・・許してやってもいいぞ・・・)
色んなことをグルグルと考えながら
集合場所へとたどり着いた。
安定「ちゃんとやるんだよ」
清光「写真撮って応援してるからね♥」
2人と分かれて、係の人に自分の番号を伝える。
「5番です!!!」
「5番ですね、こちらでお待ちください」
わ~
ドキドキするお(*´ω`*)
どうかどうかどうか!!!!!
知ってる人でお願いします!!!!
(どきどき)
「5番はこっちです」
係の人の声に
ガバッと顔を上げた
(きたっ!!!!)
(◉ ω ◉`)
「・・・」
「・・・」
(ºωº)
「ちっ・・・きみか・・・」
(💢ಠ益ಠ)
き、きみかじゃねー!!!!!!
そりゃこっちのセリフだ!!!!!
舌打ちすんなクソがっ!!!!!!!!
まー「てめぇ・・・野村・・・!!」
野村「あれ?また最近お腹がたるんできたようだね・・・ふふ」
まー「やめろ!あほ!見るな!!!」
野村「きみは胸もないし色気もないしせっかくの二人三脚で女子に触れるチャンスなのに・・・全然嬉しくないなぁ」
まー「こっちのセリフだわい!!!!!」
超ムカつく!!!!
お前となんてペアやだ!!!って思ったけど文句言ってる暇なくすぐ出番だ!!!!!
野村が渋々おらと自分の足を縛りだした・・・
クソっ!!!
クソォ~~~~~!!!!!!!!
野村「・・・大根足」
まー「一言余計だ!!!!!!!」
そう言いながらスタートを切った野村とおらは
お互い気に食わない気持ちが一致しすぎて
1秒でも早く離れたくて
なんと
見事
1位を取ったのだ・・・!!!!!!
まー「ゼーゼー野村ほんと嫌いほんと大嫌い・・・!」
野村「同じセリフをお返しするよ!」
と、口で言いつつハイタッチする2人であった・・・。
はー・・・
なんかおら野村とすごい縁あってこわいよ。
体育祭野村の印象強烈すぎて野村のことしか覚えてないまま終了!!!!!!