030***ユウジ

小春と同じ部屋になって、ウキウキして、今夜は緊張して寝れへんかも…と思うてたおれやったが、

いきなり白石からの集合がかかってめんどいけど山側のコテージに集まった。

 

いや小春と同じ部屋やからって、可愛い小春にやましいことはせぇへんからな!

小春は清い存在やから変な事はもちろんせぇへん。

ただ、天使と同じ部屋でひと晩過ごすというのは、やはり俺も緊張するんや。

おとこなら誰でもわかると思う。

 

んで、こんな時間に呼び出されて、なんやねんって思うとった。

 

 

「なんやねん、こんな時間に!」

「すまん…」

「金太郎もう寝たで」

「あ、金太郎はええねん!金ちゃんは早寝早起きの良い子やからな!」

「師範も朝早いからって寝ました」

「銀も・・・ええねん、朝のお勤めあるしな!」

「んもう、早く寝ないとお肌だ荒れちゃう~~~」

「白石こらぁ!俺の小春の美肌の危機やないか!」

「すまん!すぐ終わるから!!」

「白石、どげんしたと?」

「集合ってなんすか」

「それがな・・・」

「おん」

「おれな・・・」

「なんやねんはよ言えや」

「あんさ・・・」

「もったいぶんなや」

「俺・・・・・・・前さんのこと好きかもしれん」

 

 

 

は?

 

 

 

この場にいた、全員がそう思った。

 

(なんやねん、)(そんなことで呼び出したんか)

 

 

 

「解散」

「集合!いやいや、待って!」

「せやってそんなん知らんわ」

「前さんって、どっちのっすか?」

「え!?妹のほうとちゃうよな!?」

「謙也声でかいわ」

「いやいや、お姉さんのほうやで」

「そうやんな・・・」

「なにホッとしとるんすか」

「し、してへん!」

「蔵リン、ずっと前からさおりんと文通してたんやもんね」

「おん、せやねん・・・」

「え、それって好きやから文通してとったんとちゃうのか?」

「え?」

「せやねぇ・・・蔵リンの事やから、好きな子以外とはそんなことせぇへんと思っとったけど・・・」

「え!?いや、最初はあれやで!?別にやましい気持ちとかはなく、純粋に友達として文通やって始めたしな!」

「けど、白石、あの子といる時間多いけん、好いとると思うちょった」

「・・・え・・・千歳そう思っとったん?」

「千歳きゅんだけやなくて、みんな思っとったで」

「わかりやすいっすわ、会った時すぐに話しかけたのあの人やったやないですか」

「うそやん、なしてお前らのがわかっとるんや」

「謙也もわかったやろ?」

「え?俺?・・・あー・・・俺は・・・いやー・・・まぁでも文通してる時は普通に楽しそうやなって思ってたけど、好きかどうかは・・・」

「え、謙也何見ててん、白石見てたらすぐわかるやん」

「いやー・・・」

「まぁとにかく、蔵リンがなんで自覚したか聞かせて」

「自覚っちゅーかさ、」

「何やねん」

「ずっと前さんええ子やなぁって思うててん、会った時から」

「おん」

「ほんで、文通しとってさ、楽しかったし、文通してる間に彼女のことわかってくるやん」

「せやね、1年生の頃から文通しとるとねぇ・・・」

「元々、前さんの性格はほんまにええ子って思ってて、」

「・・・久々に会うたら、可愛くなってたとかそんなんやろ・・・」

「せやねん!!!!謙也わかっとるやん!!!!」

まぁ…似たようなもんやからな

「え?なんて?」

「なんでもない!!!!」

「去年の試合のあとは、会うたことはあると?」

「ないねん・・・ほぼ1年ぶり・・・」

「(俺と一緒やな・・・)」

「まぁ文通は続けてたけどな、幸村くん倒れて落ち込んどったし、そんな遊ぼうなんていう雰囲気でもなかったしな」

「まぁわからんでもないけど・・・まさか今回のイベントにおるとおもわんし・・・ドレスも似合っとったしねぇ」

「せやねん!!あんな恰好してるとか反則やん!?背は去年とそんなに変わっとらんかったけど、雰囲気とか大人っぽくなっとるしさー」

「はよ告ればええやないすか、ほな俺戻りますね」

「財前まって!!!!告白とかどないすればええねん!!!!!」

「いや、お前散々告られとるんやから慣れとるやろ」

「告白するのとされるのは全くの別物!!!!」

「っちゅーか、お前な、大事な大会前に告る告らんとかアホか、ちゃんとせぇや部長」

「・・・・・・俺も、そう思うたんやけど、」

「・・・すまん」

「なんで謙也さんが謝るんすか」

「え!いや、なんでもない!!」

「落ち着かんのやろ?こんなに男の子に囲まれる環境やし・・・気になってもしゃーないわよねぇ」

「そうなんや・・・今、この島におる女子って二人だけやん?そうなると、自然と目が言ってまうっちゅーか、彼女が他の男に笑いかけてるのとか、みんな彼女に優しくしとるのとか見るの無理」

わかる

「は?謙也なんて?」

「なんでもない・・・」

「いや、お前の気持ちはわかるで、小春かわええからな、ほんまに男どもの中に入れとくのは心配で気が気でないわ俺も」

「もうユウくんてば

「いつも以上にベッタリばいね、よかよか」

「向こうはどう思ってんすか、部長のこと」

「え!?あー・・・いや、嫌われてる・・・とは思わんけど・・・」

「さおりん相当なニブちんやから、好きとかそういうのわかっとらんと思うで」

「そうやねん、めっちゃ純粋でな、恋とか付き合うとかそういうのわかっとらんと思う」

「なるほど、この環境で男どもが近づくのが嫌やけど、付き合うとかそういうこともでけへんからどないしよっちゅーことか」

「そう!!ホンマにその通り!!」

「はよ告れ、ほな俺行きますわ」

「せやから告れんねん!・・・告ったら絶対フラれる・・・ユウジが言うとおり、大会前に何言ってるのって絶対引かれる・・・」

「けど、他の男と仲良くしとるとこも見たないんやろ?めっちゃわかる

「せやねん!わかっとるやん謙也!!」

「そうやねぇ・・・まぁ他の人と話とっても、さおりん鈍いから大丈夫やない?」

「けど!万が一ええなって思う人できたらどないしよって思うてまうねん!今日も青学の不二クンとずっと楽しそうに話とって・・・めっちゃ気になってん・・・」

「でも、告ったってフラれる可能性のが高いんか」

「難しい問題ばい」

「はぁ・・・どないしたらええんやろ・・・?正直、今日まで彼女にこんな気持ち抱いたことなかってん・・・」

「わかるわ・・・会えない時間て気持ち膨らむよなぁ・・・」

「なんで謙也さんがわかるんすか」

「あ、いや!」

「んー、ほな明日から蔵リンが彼女のそばに一番おったらええわよ!」

「ああ、各自で探索したり、作業する時間はずっと一緒におったら他の男とのこと心配せんでもええもんな、さすが俺の小春や!天才やな!」

「せやなぁ・・・普段一緒の立海ですら、違う環境やからもしかしたら危ないかもしれんし・・・一緒にいるのはいい案やな! Σ(;゚ω゚)ハッ!!俺海側いけんやん!

「めっちゃええやんそれ!ほな、明日からそうするわ!」

「おお、ほんで大会終わったら告ればええよ」

「おん、おおきに!」

「ほな、俺もうホンマに行きます」

「おん、財前おおきにな!」

「俺ももう寝るばい・・・」モゾモゾ

「おん、おおきに千歳!」

「俺らも帰るで」

「蔵リン明日から頑張ってね

「おん、ほんまにおおきにな!」

「・・・頑張ろうな」

「おん?謙也もおおきに」

 

 

 

白石はホンマに、(女関係は特に)どーしようもないなーと思いながら、

コテージまでの道、俺は小春とのんびり戻った。

(デートや♥)(小春独り占めや♥)

 

 

 

「蔵リンがあんなこと言うとはね~」

「ホンマやな、信じられんわ」

「どっちかと言うと、女の子苦手な印象やしねぇ」

「せやな、けどもう決まっとったんやと思うわ」

「え?決まっとったって、ユウくんどういうことなん?」

「あいつ、多分最初から、惹かれてたんやと思うで」

 

 

やから、他の子に告られても全く興味なかったんとちゃうかな?

 

 

俺がそういうと、小春が目を見開いて俺を見た

(え、めっちゃかわええ)

 

 

「・・・ユウくんって、ほんまにそういうとこすごいよなぁ・・・」

「え!?俺すごい!?」

「おん、すごいと思うわ、さすがの観察眼やわ」

「小春に褒められた♥」

「ふふ・・・大丈夫やで、多分。あの2人は大丈夫やわ」

「おお、小春が大丈夫っちゅーんなら、大丈夫なんやな」

「おん、大丈夫やで」

 

 

ユウくんすごいわ~と小春に褒められた俺は、ご機嫌にコテージまで戻ったのやった。

 

 

(小春可愛すぎて死にそうや・・・)

(正直、白石とかどーでもええけど、小春に褒められたのは良かった!)

 

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