「たっだいまー!!!!」
2泊3日のサマーキャンプが終わり、無事に帰宅!
はー、やっぱ我が家は落ち着くなぁ。
光忠「おかえり!楽しかったかい?」
歌仙「おや、ずいぶん焼けたね?先にお風呂に入っておいで、保湿しっかりするんだよ」
はーい とドタバタと廊下を走って 走らない!洗濯物も出してよ! と言われたので洗濯物ぶち込んですぐお風呂場直行した。
小学生チームもみんな待っててくれたみたいだけど、お風呂先入るから待っててねー!と先に風呂に入ることにした。
「はー、めっちゃ楽しかったね」
今回友達たくさん出来たわー!1学期は憂鬱だったけどやっと楽しく過ごせそうだー!2学期楽しみー!
とか服を脱ぎながらさおちゃんに話しかけて、
「・・・で、きみは何があったの」
朝起きた時にすでに冷や汗ダラダラたらしながら顔面蒼白で固まり朝食も取らずにバスもアタシの隣をキープ、逃げるように帰宅したさおちゃんに尋ねた。
絶対なんかあったろ、何があった。
「ど、どうしよう、まぁちゃん・・・」
「どうした?おらが寝てる間に何があったのさ」
「いや、きみが寝てる時間は何もないんだけど」
「うん」
「花火した時さ・・・」
「あぁ、うん、途中きみいなかったね?」
「あの時さ・・・」
「うん」
「・・・告白 されたの」
「え!!誰に!!」
「・・・白石くん」
「え!!?!?!?名探偵が!!?!?!?!?」
「ど、ど、どうしよう!!!どうしよう!!!」
「え!!!してきみなんて言ったの!!?」
「最初全然気づかなくて、あんまりよくわかってないし覚えてないんだけど」
「うん」
「・・・多分、いいよって言ったと思う」
「え!?!OKしたの!?」
「た、多分・・・」
「え!!?マジで!!!?!?」
「だって!!!告白だと気づかなくて!!!」
でもウンって言った後すごい喜んでたし!!!
なんか付き合ってとか言ってたし!!
よく考えたら好きとか言われたし!!!
と、さおちゃんはめっちゃ涙目で動揺していた。
そしてそれに気づいたのが夜中の2時だっていうんだから面白すぎる!!!!
なんでその場でわかんねーんだよ!!さすがきみだな!!!!
「あー、マジでおもしろすぎだなきみ!!気づいたら付き合ってるとか普通ないよwww」
「私どうしたらいいの!?どうしよう!!?!?」
「え、そのあと話したの?」
「話してないよ!!ずっときみと一緒にいたしょ!!」
「うむ、隠れるようにな」
「ほんとどうしよう!!気まずすぎて学校行けない!!」
「えwww何がwwwウケるwww連絡来てないの?」
「連絡先交換してないもん!!!」
「wwww あいつも慌てすぎて聞くの忘れてるwwwww」
「やばいよほんと・・・このままじゃ学校いけないよ!!」
「いや行けるしょwwwいいじゃん、付き合っちゃいなよ、きみだいぶ白石かっこいいってホワホワしてたよwww」
「そ、そうだけど!!無理だよ付き合うとか!!」
「なんでさ、きみずっと見た目も中身も兼ねそろえた完璧な人だって大絶賛してたじゃん、相手に不足はないよ」
「え!!きみは私に彼氏できていいと思ってるの!?!?」
「思ってない、きみ取られるのむかつくから絶対許さん」
「え!!?どっち!!?」
ねぇ私どうしたらいいの!!? と湯船にざばーっと浸かったさおちゃんは大パニックを起こしている。
ほんと面白すぎるwwwww
相変わらず告白とか気づかないもんな、にぶちんだなw
(まぁでもさおちゃんと付き合うとかマジで許せねぇ)
(めっちゃジェラるわ!!!!)
(さおちゃんおらのだ!!!)
(・・・でもさおちゃんが白石と付き合ったら)
(白石とあいつも仲いいし・・・)
(みんなで遊びに、とか、)
・・・・・・・・・・
( ゚д゚)ハッ!
な、なに考えてんだアタシは!!!さおちゃんをダシにするようなことを・・・!!!!
てかそもそもあいつなんて興味ないし!!!!
なんなのさ!!!むかつくな!!!サマーキャンプ中一回も話してないわ!!!なんで話しかけてこねーんだよ死ねや!!!!
(なんか無性にムカムカしてきたわ!!!!!)
隣では相変わらずさおちゃんがめそめそしてるし・・・
「どうしたらいいと思う?ねぇ、まぁちゃんならどうする?」
「知らん!きみはどうしたいのさ!!」
「え・・・」
「いやならいやって断りなよ!!」
「・・・でもすごい喜んでたからなんか今更断りにくいっていうか」
「大体きみ白石のことキャーキャー言ってたのになにが不満さ!!」
そうだ
白石はいつも いつだって わかりやすくさおちゃんに話しかけにきていたのに。
そしてさおちゃんも嬉しそうにそれに答えていたのに。
それなのに 付き合うことになって動揺するってどーいうことだよ!!?!?
めっちゃ図々しくない!!?!?
「いや・・・不満とかじゃないんだけど、ただ・・・まだ付き合うとか恋愛とか全然わからなくて・・・なんかすごい怖くて・・・」
「わからないの当たり前でしょ!きみ誰とも付き合ったことないんだから!!」
「え!」
「それこれから徐々に慣れていくんでしょや!!きみは子供過ぎるんだよ!!何が不満かわからんけどきみのこと好きって言ってくれてるんだからありがたく思いなよ!!どんだけ図々しいのさ!!」
「う、うん・・・ごめん・・・」
(・・・しまった)
八つ当たり、してしまった。
(あーーーーーさおちゃんに八つ当たりするとか)
(アタシのが子供過ぎるわ・・・)
そのあとはさおちゃんもアタシのイライラを察したのか何も言わずに 何かずっと考えているようで
そしてアタシもそれ以上はしゃべらなかったけど
8月31日、夏休み最終日。
「・・・まぁちゃんの言う通り、私ごときが断るのもおこがましいから私は彼に捨てられるまでは付き合うと思う」
と、さおちゃんは言った。
(・・・そうだよ)
がんばってね、と言いながら やっぱり本心は めちゃくちゃ淋しくて
さおちゃんの目を見ることが出来なかった。
夏が、終わる。