先月、9月にさおちゃんが修学旅行に行っていた。
沖縄。
そんで、今月は中国に研修ツアーだかに行くんだって!!!
ちょっといろいろ行きすぎじゃない???
と思っていたけど、
氷帝もなかなか忙しいんだよね~
めっちゃ海外研修ある~
でも、テニス部はうちらよりも忙しいよ。
合宿でスイスとかカナダとか行くからな!!!
ほんと、忙しそうでうけるわ。
で、
今、アタシは
「Tochter, warum trinkst du jetzt keinen Tee mit mir?」
ドイツに来ている!!!!!
「え、なにお前話しかけられてんだよ」
「カツアゲじゃね?」
「最近は普通に声かけてカツアゲするって言ってたC~」
「いや、これは・・・」
「早く逃げろってお前」
「ナンパだ」
「は!?」
「んなわけねーだろ!!」
「絶対嘘だね」
「目を見ればわかる」
「はぁ!?」
「ふざけてねーで、早く来いよ!」
「いや、ナンパだ」
「え!?」
「嘘だろ!?」
「まなみが!?」
「ふざけんな、アタシモテるんだぞ!?」
「Weil dieser Typ mein Mädchen ist, also kann ich nicht zusammen sein(俺の彼女だからお前とは一緒にいけない)」
「Oh …」
「跡部、今、絶対余計なこと言ったでしょ」
「言ってない。ほら、行くぞ」
せっかく、海外のイケメンとランデブーできる予感だったのに・・・
跡部め・・・!(まぁついて行かないけど怖いし)
「まなみ、早く来いって!」
「また変なのに声かけられるぞー」
「今度こそナンパじゃなくカツアゲだよ~」
はぁ・・・
騒がしいな・・・
ホント、嫌になるよ・・・
あーあ・・・
さおちゃんに会いたいな・・・
時差8時間あるから、国際電話しようにも、
夜電話しても、日本真夜中だし・・・
朝電話しても、さおちゃん学校とか部活中だし・・・
ってか、どんな時間にかけてもさおちゃんほとんど学校だわ・・・
ピンポイントで電話するの超難しいわ・・・
立海のバカ・・・
そう思いながら、
口では人を馬鹿にしていた3バカと跡部が待っていてくれたので、
肩を並べて歩く。
今は、ローテンブルクってところにいるんだけど、
街並みが可愛い。
童話の世界みたいだ。
さおちゃんが好きそう。
お店もたくさんあって、
おいしそうなものとか、
可愛い小物とか、
お土産とか、
いろいろ見てたら、どうも足が止まってしまってね・・・
なぜ3バカと跡部と行動してるかというと、
先生にジロの見張りを頼まれたからです!!!
昨日の、ノイシュヴァンシュタイン城で、ジロが寝ちゃって・・・
ノイシュヴァンシュタイン城って、本当にマジで広いんだよ・・・
その中をね・・・
必死に探し回ったんだ・・・
主にテニス部が先生に言われたんだけど、幼馴染だからってアタシまで駆り出されて・・・
それで今日も、せっかくの自由行動なのに、ジロの面倒見ろって言われたわけさ!
幼なじみだからって!
女友達といろいろ計画立ててたのに!!!!
やってらんないよ!!!!!
(まぁでも、)(正直ドイツ語のわかる跡部がいるのは心強いけどな!)
(食事代も全部出してくれるしな!!!!)(最高!!!!!)
そんなこんなで、結局いつものメンバーと一緒にいるってことさ。
「俺、ウィンナー食いてぇな」
「亮、ハマりすぎだろw」
「こっちきてからずっと食べてるじゃん」
「ドイツのウィンナー美味いだろ」
「なら、この先に美味い店があったはずだ」
「マジか、行こうぜ」
「そこでちょっと寝てE~?」
「あー」
「まぁジロにしたら頑張ってるし・・・」
「いいだろう、少しだけだぞ」
「いや、みんなジロに甘すぎだろw」
「昨日の大捜索を考えたら、かなり頑張ってるだろ」
やっぱり旅行は楽しいけど、歩くの疲れるね。
亮のリクエストで、ウィンナーを食べにお店に入った。
こっちきてから、ウィンナー絶対毎食でるさw
ホテルでもw
ドイツのウィンナー美味しいからいいけどさ~。
味付けとかいろいろあるから、亮は完全にハマってるみたいだ。
「やっぱり、旅行中はご当地のもん食べるのが一番だよな」
「亮、大阪行った時もたこ焼きばっか食ってたよな」
「あんまりあんな機会ねぇし」
「夏に忍足の里帰りについてった時のか」
「ユーシの従兄弟とも会って、遊んだぜ」
(・・・)
”ユーシの従兄弟”
その言葉で、思わず体が止まる。
(イトコって・・・)
(やっぱり・・・あいつのことだよねぇ・・・)
おしたりけんや
あれから音沙汰が一切ない。
アタシも連絡しないし。
お互い様。
(あんなこと言っちゃったし・・・)
(嫌な女だと思っただろうな・・・)
(うるさいって、思っただろうな・・・)
(・・・泣かれて困っただろうな・・・)
今は、その名前を聞きたくなかったなと思った。
アタシが、こんなにもアイツのことを考える必要など、全くないというのに。
だって、関係ないのだ。
たまに、偶然会った時しか、ほとんど会話しなかったのに。
(それでも、)
一緒にいた時間が、楽しかったからか、
ノリが合うからなのか、
忘れられないのだ。
あの、キレイな金色の髪が。
「おい、ガクト・・・」
「あ、やべっ」
さすがに、3馬鹿も何を思ったのか、
アタシの前でおしたりけんやの話はしないようにしていた。
なんか、気を使われてるのもやなんだけど。
別に何もないし。
でも、何か、こうして気を使えるようになるくらい、
こいつらも、少し大人になったのだろうか。
からかわれるの嫌で、けっこう本気でこいつら避けてたからかな。
さおちゃんが何か言ってくれたのかもしれない。
さおちゃん怒ったら怖いし・・・
(まぁ、こいつらまだまだガキだけど)
(空気を読むってやつ、もう少し習得したほうがいい)
「・・・アタシこれ食べたら、テディベアのお店行きたい」
「はぁ!?ぜってぇやだ」
「さおちゃんにお土産買うの!」
「しょうがねーよ、少し付き合ってやろうぜ」
「向日、お前も姉に買って行けばいいだろう」
「あーそうだな、おれもねぇちゃんに買おう。あいつうるせーし」
「んじゃ、決まりだね。」
「お、来たなウィンナー!」
「おい、ジロ起きろよ!」
「ここのウィンナーは持ち帰りも出来るからな。このまま慈郎が寝てるなら包んでもらおう」
「跡部本当にジロに甘すぎだなwww」
(もういいんだ)
(あいつのことは忘れるって決めたんだ!)
(今は、旅行を楽しもう!)
アタシは、他に、さおちゃんへのお土産は何がいいか考えるのだった。