Xmas18≪さおり≫

12月23日。

今日は白石さんと デートだ!!(多分)

 

まぁちゃんはイケメンには気をつけろよってまだ言ってたけど・・・

私は少しでも彼に釣りあうようにめいっぱいおしゃれをして 家を出た。

 

彼の車に乗り込んで、どこに行くかわからないまま彼につれられてきたんだけど

ついたのは みなとみらい・・・!

ひょー!!

ゲームしてた方がいいとか言ってたのにみなとみらいに来ちゃうとはw

ほんとどうなるかわかんないねw

 

(しかし横浜に連れてきてくれるとか慣れてるなぁ白石さん・・・)

(大人だもんな・・・)

 

ランドマークタワーにのぼったり・・・

オシャレなカフェでランチしたり・・・

カップラーメンミュージアムでカップラーメン作ったり・・・

 

え、なにこれ・・・

めっちゃデートじゃん・・・

え、え、え

 

死ぬほど楽しいんですけど・・・!!!!

 

(あああ2次元でしか経験したことないデートが今ここに・・・!)

(どうしよう・・・白石さん大人だし優しいしほんとかっこよすぎて)

(メロメロです・・・!!)

 

まぁちゃんが家を出る瞬間まで

イケメンにろくなやついないから気をつけろ、絶対騙されちゃだめって言ってたけど

でもほんとに

白石さんはそんな嫌な感じがしないんだ。

あの前になんか変な連れ込まれそうになった時の男の人は変な感じしたけど・・・

白石さんは本当によく気が付くし優しいし素敵で

 

「さおちゃんは世間知らずだからすぐにホイホイなっちゃうからね!」

 

ってまぁちゃんに心配されてたとおり

 

私は

いつの間にか白石さんにホイホイされていたのである・・・。

 

(だってこんなイケメンなのに優しくて素敵で)

(ホイホイされないわけないじゃないか・・・!!)

 

楽しい1日を過ごして フワフワして気持ちでその日を過ごしていた。

 

夕方になって日も暮れてきた。

あちこちできれいなイルミネーションが光る。

うーん、やっぱりまあちゃんと話してたとおりイルミネーションが震えるほどきれいだ・・・

 

そう思って

 

一番私が楽しみにしていた

赤レンガ倉庫のクリスマスマーケットへ向かう。

クリスマスマーケットって大きなツリーがあってね・・・!人工雪が降ってね!!!もみの木の並木道があってね・・・!!

とにかく大興奮なイベント開催してくれてるんだよ横浜は・・・

 

横浜ありがとう・・・

おかげでこんなイケメンと楽しくデートできてるよ、マジですごいよ・・・

 

私がクリスマスマーケットの話をしたら 笑いながらほな行こうかって言ってくれた白石さんも本当にかっこよかった・・・・。

ありがとうございます・・・。

 

クリスマスマーケットに向かう途中、歩きながらコスモワールド(遊園地)を通る。

ここも観覧車やイルミネーションがとっても綺麗だ。

 

ふと

遠くから 子供の声が聞こえてくる。

と言ってもここは子供が多い場所だし全く気にしてなかったんだけど。

 

パパ~

 

なんとなくそう聞こえたと思ったら

その声が大きくなって

 

そして

 

「パパー!!」

 

子供が 白石さんに、抱き着いたのだ。

 

(!?!?!?!?)

 

私は目玉が飛び出しそうになるくらいビックリした。

あれ、だって、姪っ子いるけど結婚はしてないって言ってたし・・・

 

「パパー!今日横浜に来てたの!?嬉しいー!会いたかったよー!」

 

女の子3人くらいが口々にパパと叫ぶ。

え、え、私大混乱

白石さん困りながらパパやないやろ、とか言ってる

 

え???

 

え、パパ なの?

 

なんか親し気に話すその子供たちと白石さんに

後ずさりして少し距離を取る私

 

そして

 

「あんたも来てたん?」

 

!?!?!?!?!?!!!??!?

 

同じ人間とは思えないほどの顔が小さいスタイル抜群の美女に話しかけられる白石さんを見て

 

ダッ

 

なんかもうこれ以上私はこの場にいてはいけない気がして

恐ろしくなって その場を走り去った。

 

さおりちゃん! って白石さんの声が聞こえたけど

子供たちがくっついてたから追いかけてこれなかったんだと思う。

 

「姪っ子じゃなくて本当は別居してる奥さんとの自分の子供だったりして・・・」

 

なんてまぁちゃんの囁きが頭に響く。

 

(違う)

(違う)

(違う!)

 

白石さんはそんなことしない!!

 

そう頭で思っても 私の行動は裏腹に完全に逃げ出していて。

 

パパって笑ってた子供達も

かっこいい白石さんも

素敵な美女も

 

最初に私が白石さんと出会ったときに思い描いていた美男美女の素敵な家族で

 

なんだか自分の居場所がないような、悲しい気持ちになって

泣きそうになりながら電車に飛び乗った。

 

流れてきたのはワムのラストクリスマス。

周りは楽しそうなカップルだらけの中 みじめな私はひとり、曲に耳を傾けるのだった

+4