12月21日。
学校を出てバスに乗ろうとしたら
「さおりちゃーん」
って声をかけられた。
白石さんだ!!!!
「こんにちわ!」
「こんにちわ!学校終わったん?」
「今ちょうど終わって、バイト向かうところです!」
「よぉ働くなぁ!何か欲しいものでもあるん?」
「え、(VRとプレステ4かな・・・)特にないですけど・・・」
「特にないんや!札幌帰る費用?」
「あ、そうですね、冬休みちょっと長めに帰省するんで、バイト先に迷惑かけちゃうから今のうちに働いてます!」
クリスマスもバイトです って笑うと
そうかぁ、それは大変やなぁって白石さんが言った。あれ、てか白石さんここで何してるんだ?
「白石さん、なにしてるんですか?」
「あ、今取引先に年末のあいさつに行っててな」
「わー、社会人っぽい」
「社会人やねん(笑)まぁ俺営業とちゃうから普段はせぇへんのやけど、ちょっとよくしてくれてる取引先の人やから俺が行ってきてん」
「そうなんですか!白石さん、営業じゃなかったら普段どんな仕事してるんですか?」
「普段は研究職やで」
「あ、研究!すごいですね!」
「すごくないで全然!ずっと建物の中にこもりっきりや」
「そうなんだーすごいなー」
「え、さおりちゃん何専攻しとるん?」
「私保育ですけど、」
「保育!!」
「でも企業の仕事の方が気になってるんで秘書の資格取ったりPCの講義取ったり色々勉強してます」
まぁ大学なのでのんびりです、そういうと白石さんは ええなぁ大学生 と笑った。
お仕事大変そうだもんね・・・。私バイトあるっていっても今週5回くらいだけど普段週3とかだし・・・
授業ものんびりだもんなー・・・なんか申し訳ないわ・・・
「白石さん、平日は毎日遅いんですもんね?」
「せやな、とりあえず年末はドタバタしとるかなー。冬休み入る前にやらなあかんこといっぱいやねん」
「そうなんですね・・・」
「けど土日空いてるで!」
「え!」
「さおりちゃんはバイト?」
「え、土曜日は休みです・・・(ちょうど発売予定のゲームをする予定だったけど・・・)」
「ほな、一緒にどっか行かへん?」
「い、いいんですか!?」
「もちろん、どこでも好きなところつれてったるで」
あ、その前にバイト先まで送ってくわ!会社の車やけど、よかったら乗ってや!
と白石さんが助手席を空けてくれたのでお言葉に甘えて助手席に乗り込んだ。
はー・・・
何してもかっこいいな白石さんは。
(そしてこんなイケメンの隣に乗ってる自分・・・)
(ありえないわ・・・・)
(こういうの2次元でしか体験したことないよ)
彼の運転する横顔に見とれ
ほわほわ気分でいつもよりも気合を入れてバイトを頑張る自分がいるのだった。