12月18日
「謙也そういやこないだ手袋忘れてったで」
そう白石に言われて、取りに行くって言うたんやけど
今仕事忙しいとかで白石の会社の近くのカフェで待ち合わせした。
「おー、白石、忙しいのに悪いなぁ」
「ええねん、あ、夜食買ってもええ?」
「ええで、また仕事戻るんやろ」
「おー、食うたら戻るわ」
「ほな俺もなんか食うわ」
「そうか」
珈琲と軽食のパン食いながら 話題はあの双子の話をする(ほんま女の子の話するとか学生ぶりやで!)
「俺またこないだあの子と会うたわー」
「へー、どっか行ったん?」
「いや行ってへんけど、コンビニで会うたわ!」
「偶然?」
「いや・・・運命やな」
「なんやそれ(笑)おっさんが何言うとん!」
「はー・・・それなー・・・相手20歳の学生とか・・・俺らもう出会いもないのに彼女は現在進行中で出会いたくさんあるもんなー・・・」
「女子大生なんて出会いだらけやろうな」
「なー・・・若くて不安やわ」
「それはめっちゃわかるわ」
「白石も?てか白石こないだ連絡先交換したやん?連絡取ってる?」
「あー・・・ちゅーか、昨日飯行ってん」
「・・・は?」
「あ、その前に金曜日にちょっと色々あってな、うちに来てんけど、」
「はぁ!?」
「まぁそん時のお詫びっちゅーかお礼っちゅーか、昨日飯食いに行ってな、」
「え、ちょ、待てや!!!家に来たとか!?は!?飯食いに行ったとか何!?え、なんでそないに急接近しとんの!?」
「いや、家来たけど一瞬な?すぐ帰ってんけどさ、あー、話すと長くなるけどな、」
そう言って白石はその色々あった話を話し始めた。
なんでや・・・
なんでそないに急接近しとるんや・・・
うそやろ・・・
コンビニで偶然会うて浮かれてる俺があほみたいやないか・・・!!
「お前それ助けたんやったらめっちゃかっこええやん」
「けどそのあとゲロったんやで、彼女の前で・・・」
「それはまぁ・・・うん・・・ドンマイやな・・・」
「もう恥ずかしくて死にたい気分やってん!けどな、ご飯誘っても快くついてきてくれたし、全然俺の失態なんとも思うてへんていうか・・・色々介抱してくれたんも当たり前やって言うてくれたし、ほんまこの子すごいなって感動してな」
「うんうん、ほんで?」
「・・・やっぱ改めてええなって・・・」
「思うたんや?」
「思うたな」
「ええやんええやん!向こうも嫌そうにしてへんならガンガンいけばええやん!」
「いやもうガンガンいけへんやろ!」
「なんでや、チャンスやんか!俺なんてあれやで、お店なら笑顔で接客してくれんのに外やとめっちゃ心閉ざされてるからな!!」
「それな、見てて思うたわ(笑)」
「真顔やし目も合わせてくれへんし」
「謙也めっちゃがんばって話かけてるなー思うてたわ(笑)俺なら心折れるわ」
「いや、なんや男性恐怖症みたいな感じちゃうんかな・・・結構怖い目に合うてきたみたいやし」
「そうなんや」
「多分めっちゃモテると思うねん、モテるからこそ嫌な思いいっぱいしたんやろな・・・」
「それめっちゃわかるな・・・俺ももう一生結婚も恋愛もせぇへんって思うてたもんな・・・」
「せや、白石ずっと言うてたもんな!もう恋愛とかええって!」
「そう思うてたけど、さおりちゃんとなら・・・って思うようになったわ」
「ええやん、ほなガンガンいったれよ!」
「やー・・・いきなり行ってビビらせんのも悪いしのんびり行くわー」
「マイペースやな!」
「まぁさおりちゃんもあんまそういうの好きやないと思うし、年上の余裕持ってたいやんか」
「年上の余裕か・・・大事やな・・・」
「な・・・年上なのに余裕なかったら余計引かれるやんか」
「なるほど!!!」
「学生の男には出せへん包容力と余裕で彼女を包み込むわ」
「おー、ええなそれ!俺もそうしよ・・・」
けど大人の余裕と包容力ってどない出すんやろ???
悩む俺をよそに白石は ほな俺仕事戻るわ と席を立った。
こいつはいつも余裕ありそうに見えるもんな。かっこええし。周りの女の子たち白石見てるもんな。
はー、けどモテると好きな子に好かれるって、またちゃうんやろな。
「うーん、余裕かぁ・・・」
大人の男の余裕について考えたけど 結局ようわからんくて
ま、ええか!彼女バイト終わったかなー!俺も飯食いに誘ってみようかなー!
そう思うてライン送るのやった。