Xmas2≪まなみ≫

12月1日。

クリスマスには特に興味ない。興味ないけどなんか知らんけど街はクリスマス一色だ。

バイト先のショップもクリスマス用に飾り付けられて、クリスマスに向けて嬉しそうにプレゼント買いに来る人たちとか

デート用におされな服見に来る人とか色々いてめっちゃ混むからめんどくさい。

 

だってラッピングお願いしますって人多いんだもんな。

私接客めんどくさいからほぼカウンターでプレゼントラッピングしてるわ!!もうラッピングのプロとしてむしろラッピング任されてるわ!!

さおちゃんと大学は東京の大学を選んだ。

 

しょっちゅう二人でバイトして札幌帰るけどw

年末年始にも長めに帰りたいしそのためにバイト今のうちに結構予定入れてるわ!ちなみにクリスマスもバイトだw

さおちゃんとクリスマスにプレゼント交換するから最近は何あげるかそればっか考えてるよ。

やっぱあれかなー・・・ゲームかな・・・。うむ。

 

「すいません」

 

ぼんやりプレゼントのこと考えながらラッピングしてたら客に話しかけられた

 

あ、イケメンだ!!

 

イケメンが眺められるから男女両方の服が置いてあるおされなショップで働いてるよ!

おされな店にはやっぱオサレなイケメンがよく来るわ!ははは!

 

「はい」

「あの、この服のMってあります?」

「(あ、この人関西人だな)少々お待ちください」

 

インカムで他の店員に連絡取ったんだけど

 

「あ、ラッピング終わった?悪いんだけど前ちゃん対応してくれない?」

 

と、今日デートで早く帰りたい先輩がソワソワしながらカウンターに来た。

しょうがねーなwあんま接客好きじゃねーけどおだてて高いの買わせようw

そう思いながら、裏の棚にMのズボン見つけて客の元に向かう。

 

「Mサイズこちらになります」

「あ、すんません」

「試着されますか?」

「LとM試着したいんですけど」

 

イケメンがそう言うから、どうぞと試着室に放り込んだ。

あとバイト何時間だ・・・あーあと2時間もある・・・長い・・・もう帰りたい(遠い目)

 

そう思ってたらさっきの客が入った試着室のカーテンがいきなりシャッと開いた。

うお!ビビった!!

 

「あの、これLなんすけど」

「あ、ハイ」

「サイズ、Lでええと思います?」

「あー、そうですね、お客様はスレンダーなので横幅はもう少し小さくてもいいのかなと思うんですが・・・でも丈がLサイズでよさそうですね」

「ですよね・・・あ、ちょお今Mも履くんでここにおってください!」

 

そう言って客はまたシャッとカーテンを閉めて、今度はすぐにズボン履き替えてカーテンを開けた。

 

「M、どうですか?」

「Mはやっぱり幅がすごいぴったりですよね・・・でも丈が」

「あー」

「あ、でもこちらは元々丈が少し短めのデザインですし、今丈が少し短いパンツの方が流行ってますので・・・あとはお客様の好みになりますが・・・」

「うーん・・・どっちがええかな・・・」

 

客めっちゃ悩んでる。

どっちでもいいな。それよりお腹空いたな。さおちゃん今日バイトないって言ってたけどご飯作ってくれてるかな・・・。

 

「ほな、Mにします!」

「あ、Mでよろしいですか?」

「ハイ」

「長めのソックス履いたり、男性用のブーツとか履くとちょうどいいと思います」

「ありがとうございます!」

「いえ、他にもお買い物されるのでしたら商品お預かりしましょうか?」

「お願いします!あとできれば上も一緒に選んでほしいんですけど・・・」

「え、あ、は、はい、かしこまりました・・・」

 

全身コーディネートか!?

イケメン、私に任せていいのか?ただのオタク女だぞ・・・

デート用かなー?クリスマス近いもんな!

そう思いながら仕事なので男性のコーディネートに付き合った。

値段見ないしめっちゃ羽振りいいイケメンだわw

店に流れてきた 山下達郎のクリスマスイブを聞きながら

店を後にするイケメンに またお待ちしてます!と頭を下げるのだった。

 

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